グラーフ卵胞
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/12/12 20:02:06」(JST)
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グラーフ卵胞(英:Graafian follicle)または成熟卵胞(英:mature follicle)とは、排卵前の一次卵母細胞(卵母細胞)を含む発達したかなり大きな卵胞で、最大で直径2cmにも達する。
特徴
グラーフ卵胞は卵胞液を含む大きな1つの卵胞腔を持つことが特徴である。卵胞の成熟につれて一次卵母細胞は片隅に押しやられ、卵胞腔に対して顆粒層のふくらみができる。これは卵丘と呼ばれる。卵母細胞の周りには多くの顆粒層細胞が存在しているが、このうち一番内側で卵母細胞を覆っている細胞層(1層)を放線冠といい、卵子(二次卵母細胞)とともに一緒に排卵される。 グラーフ卵胞において、顆粒層細胞は黄体形成ホルモン受容体を獲得する。これは後の黄体の発達に必要である。
排卵
一次卵母細胞は卵胞にある間、ずっと減数分裂の第一分裂前期で休止したままであるが排卵の数時間前に第一分裂を終えて二次卵母細胞(卵子)となり第一極体を形成する。そして、白膜と外卵胞膜の膠原線維が溶かされると卵子は第一極体・透明帯・放線冠をともなって卵丘から離れる。排卵後、グラーフ卵胞は収縮し黄体へと変化していく。
関連項目
参考文献
- 藤田尚男、藤田恒夫、標準組織学各論 第3版 ISBN 4-260-10053-X
- A.L.Kierszenbaum、組織細胞生物学 ISBN 978-4-524-23676-3
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 牛における適期授精のための退行黄体と成熟卵胞および排卵の確認
- ウサギ発育途上卵母細胞の体外発育培養後の発生能力に関する検討
- 宮本 有希,是兼 真子,杉本 浩伸 [他]
- 近畿大学先端技術総合研究所紀要 (14), 31-38, 2009-03
- … そこで本実験では、ウサギ未成熟卵胞のIVGにおける培養条件の検討をおこない、ウサギ発育途上卵母細胞のIVG後の発生能力に関する検討をおこなった。 …
- NAID 120002188068
- 患者自身の血清あるいはドナー卵胞液を添加した培養液で体外成熟を行ったヒト未成熟卵胞卵子の体外受精後の発育能
- 金谷 裕之,福田 愛作,橋本 周,細井 美彦,森本 義晴
- Journal of mammalian ova research = 日本哺乳動物卵子学会誌 25(3), 163-166, 2008-10-01
- NAID 10024486643
Related Links
- 成熟卵胞で見られる卵胞顆粒細胞層(sgr)と卵胞膜細胞層(ti、tf)です。卵胞膜細胞は内卵胞膜細胞(ti)と外卵胞膜細胞(tf)に分かれています。外卵胞膜細胞の外側は卵巣支質で線維芽細胞の多い結合組織(str)です。 sgr ti tf ti ...
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- (従って排卵直前の卵胞である成熟卵胞から卵子を採ることが通常の体外受精では 必要になります。小さな卵胞から卵子を採っても未熟な卵子ですから、受精できず妊娠には至りません。) 卵胞の成熟によって卵子の 原始卵胞、一次 卵胞 ...
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★リンクテーブル★
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- 英
- Graafian follicle, graafian follicle
- 同
- Graaf卵胞、成熟卵胞、三次卵胞 folliculus ovaricus tertiarius
- 関
- 卵胞、濾胞細胞
- 月経周期1-14日の間に卵胞発育が起こり(成長速度は1-2mm/day(QB.Q-15))、約2mmの卵胞は排卵時には20mm以上に増大する。(NGY.27)
- 5mm以上でエコーで描出される(QB.Q-15)
[★]
- 英
- follicle (Z), ovarian follicle
- ラ
- folliculus ovaricus, folliculus ovarii
- 同
- 卵巣濾胞
卵胞の発育
- 最初、原始卵胞はFSHに依存せずに生育していき、顆粒膜細胞層が3層になった頃(一次卵胞)にFSH受容体を発現し、FSH依存性に生育していく。
- 月経周期の初期には下垂体からのFSH分泌が増加して(月経周期参照)、ゴナドトロピン刺激とは無関係に発育してきた卵胞をさらに刺激してグラーフ卵胞へと発達させる。FSHによる刺激がない場合には卵胞は変性し閉鎖卵胞となる。(NGY.26)
- (ゴナドトロピンの刺激を受けた?)卵胞は1-2mm/dayの割合で大きくなり、5mmで超音波エコーにて描出される。
- 排卵前には約20mmとなる。
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- 英
- maturation
- 関
- 発達