- 英
- follicle-stimulating hormone、follitropin、FSH
- 関
- 卵胞刺激ホルモン、ろ胞刺激ホルモン、フォリトロピン
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/12/01 02:15:16」(JST)
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卵胞刺激ホルモンまたは濾胞刺激ホルモン(Follicle stimulating hormone, FSH)は下垂体前葉の性腺刺激ホルモン産生細胞で合成・分泌されるホルモンである。卵巣内でFSHは未成熟の卵胞の成長を刺激し成熟させる。卵胞は成長するとインヒビンを分泌しFSH産生を遮断する。男性において、FSHは精巣のセルトリ細胞のアンドロゲン結合タンパク質の産生を増幅し、これは精子形成に重要である。
目次
- 1 構造
- 2 遺伝子
- 3 活性
- 4 FSH活性の欠乏
- 5 FSH活性の過多
- 6 市販
構造
FSHは糖タンパク質で二量体のタンパク質サブユニットのそれぞれが糖へ結合している。その構造はLH、TSH、hCGと類似している。タンパク質二量体にはα及びβサブユニットと呼ばれる2つのポリペプチドユニットが含まれる。LH、FSH、TSH、hCGのαサブユニットは同一で92のアミノ酸からなる。βサブユニットは異なっており、FSHでは118のアミノ酸からなり、特異な生物学的作用を与えて、FSH受容体との相互作用の源となっている。このホルモンの糖の部分はフルクトース、ガラクトース、マンノース。ガラクトサミン、グルコサミン、及び生物学的半減期へ重要であるシアル酸から成る。FSHの半減期は3~4時間である。
遺伝子
αサブユニットの遺伝子は染色体の6p21.1-23へ位置し、異なる種類の細胞で発現している。βサブユニットは11p13に位置しており、下垂体の性腺刺激ホルモン産生細胞で発現する。そして、GnRHにコントロール、インヒビンに抑制、アクチビンに増幅される。
活性
男女両方でFSHは生殖細胞の成熟を刺激する。女性ではFSHは卵胞の成長と同時にインヒビンBの上昇、FSH水準の低下を開始させる。それは排卵へ進む最も発達した卵胞を一つだけ選ぶために重要な様である。
FSHレベルは通常は子供の間は低く、女性では閉経後に高い。
FSH活性の欠乏
- カルマン症候群
- 視床下部抑制
- 下垂体機能不全
- 高プロラクチン血症
- 性腺刺激ホルモン欠損症
- 性腺抑制療法
- GnRHアンタゴニスト
- GnRHアゴニスト(ダウンレギュレーション)
FSH活性の過多
- 下垂体腫瘍
- 性腺機能不全
市販
FSHはLHと混合されてパーゴナルの名で、または尿中の性腺刺激ホルモンの製剤で、また純粋に組換えまたは精製されたFSH(ジェネリック名urofollitropin)を手に入れることが可能である。
内分泌器:ホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン) |
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視床下部 - 脳下垂体 |
視床下部
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GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH
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脳下垂体後葉
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バソプレッシン - OXT
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脳下垂体中葉
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MSH(インテルメジン)
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脳下垂体前葉
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αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - エンドルフィン - リポトロピン)
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副腎 |
副腎髄質
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副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン - ドーパミン)
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副腎皮質
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副腎皮質ホルモン(アルドステロン - コルチゾール - DHEA)
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甲状腺 |
甲状腺
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甲状腺ホルモン(T3 - T4 - カルシトニン)
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副甲状腺
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PTH
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生殖腺 |
精巣
|
テストステロン - AMH - インヒビン
|
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卵巣
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エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時)
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その他の内分泌器 |
膵臓
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グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン
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松果体
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メラトニン
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内分泌器でない器官 |
胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - EPO - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心臓:ANP - BNP - ET - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:CCK - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:サイモシン - サイモポイエチン - サイムリン - STF - THF - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) - 耳下腺:バロチン - 末梢神経系:CGRP - P物質
|
|
誘導タンパク質 |
NGF - BDNF - NT-3
|
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 小林 牧人
- 日本水産學會誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries 76(3), 340-343, 2010-05-15
- … すなわち1)魚類には濾胞刺激ホルモン(FSH)および黄体形成ホルモン(LH)の2種類のGTHが存在するのか。 …
- NAID 10026449461
- ニホンウナギの濾胞刺激ホルモンおよび黄体形成ホルモン : ショウジョウバエS2細胞による機能的な組換え体の作製とその生殖生理への作用
- 風藤 行紀
- 比較内分泌学 = Comparative endocrinology 35(135), 294-296, 2009-12-31
- NAID 10025870703
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- follicle stimulating hormone, FSH
- 同
- 濾胞刺激ホルモン、フォリトロピン follitropin
- 関
- 卵胞
分類
性状
産生組織
標的組織
生理作用 (QB.Q-212)
作用機序
分泌調節
- ネガティブフィードバック:卵巣から分泌されるインヒビンにより下垂体からのFSHの分泌が抑制される。
促進
- ゴナドトロピン放出ホルモン GnRH:視床下部由来の
- レプチン:脂肪細胞から分泌される。やせている場合にはFSHが低下。肥満している状態では視床下部に作用して基礎代謝をあげると共に食欲を抑制する
抑制
月経・性周期との関連
- 卵胞期に高く、黄体期に低い。
- 排卵期にピークを示す。
基準値
HIM.A-5
女性
- 卵胞期 :2.0-20.0 mIU/ml
- 排卵期 :9.0-26.0 mIU/ml
- 黄体期 :1.0-12.0 mIU/ml
男性
検査の本
女性
- 卵胞期初期 :2.7-10.2 mIU/ml
- 排卵期ピーク:2-23 mIU/ml
- 黄体期 :1.0-8.4 mIU/ml
- 妊娠時 :≦1 mIU/ml
- 閉経後 :9.2-124.7 mIU/ml
男性
- 思春期前:≦4 mIU/ml
- 成年期 :1.2-15 mIU/ml
- 老年期 :≧15 mIU/ml
ホルモン>:ホルモン
[★]
- 英
- follicle-stimulating hormone、FSH
- 関
- 卵胞刺激ホルモン、濾胞刺激ホルモン、フォリトロピン
[★]
- 英
- human follicle-stimulating hormone
- 関
- ヒト卵胞刺激ホルモン
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- (刺激そのもの)stimulus、stimuli。(行為)stimulation、、stimulate、irritate、incite、(薬物や抗原で)prime
- 同
- impulse
- 関
- 刺激作用、煽動、抗原刺激、扇動、予備刺激
[★]
- 英
- follicle
- 関
- 卵胞