- 英
- anticoagulant, anticoagulant agent, anticoagulant drug
- 関
- 血液凝固阻止薬
WordNet
- medicine that prevents or retards the clotting of blood (同)anticoagulant medication, decoagulant
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- (特に血液の)凝固防止剤(物質) / 血液の凝固を防止する
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抗凝固薬(こうぎょうこやく)は、血液凝固を阻害する薬物である。
血液を固まらせないようにする医薬品(抗血栓薬)のうち、凝固系に対して主に作用するもののことである。体内に投与する場合には、血栓塞栓症の治療と予防やカテーテルの閉塞防止に用いられる。体外においては、人工透析装置や人工心肺装置の体外回路の凝固防止、輸血用血液の保存や血液検査の際に用いられる。
目次
- 1 治療薬としての抗凝固薬
- 2 抗凝固薬の種類
- 2.1 ビタミンK依存性凝固因子合成阻害薬
- 2.2 直接トロンビン阻害薬
- 2.3 第Xa因子阻害薬
- 2.3.1 直接第Xa因子阻害薬
- 2.3.2 間接第Xa因子阻害薬
- 2.4 ヘパリンとヘパリン類似物質
- 2.5 体外で用いられる抗凝固薬
- 3 関連事項
- 4 類似効果食材
- 5 脚注
- 6 出典
- 7 関連項目
- 8 外部リンク
治療薬としての抗凝固薬
血栓塞栓症の予防、治療に対して用いる。深部静脈血栓症、心筋梗塞、心房細動、脳卒中、人工弁置換後、冠動脈バイパス術後などに有効である。長期にわたって使用する必要があるので、ワルファリンのような経口投与可能な抗凝固薬を用いる。
抗凝固薬の種類
ビタミンK依存性凝固因子合成阻害薬
クマリン誘導体。凝固因子のうち第II因子 (プロトロンビン)、第VII因子、第IX因子、第X因子合成の補因子 ビタミンKに対する拮抗作用により抗凝固作用をもつ[1]。効果が最大になるまでに投与を開始してから48〜72時間かかる。即効性を求めるならばヘパリンの併用が望ましい。また、抗凝固効果の判定と出血危険性を判定するため、定期的にプロトロンビン時間を測定する必要がある。次のようなものがある。
直接トロンビン阻害薬
トロンビンの競合阻害作用を持ち、フィブリノゲンのフィブリンへの転換を抑制する。
- ダビガトラン
- 経口投与。ワルファリンのような定期的効果判定の必要がない (裏を返せば、効果判定の手段がないともいえる)。またワルファリンとのランダム化比較試験では、心房細動 (非弁膜症性) 患者の脳梗塞・その他の塞栓症発症率を同等にする用量では大きな出血の発生率は低く、またワルファリンよりも脳梗塞発症率を低下させる用量では、大きな出血の発症率は同等であった[2]。
- アルガトロバン
- 経静脈投与
第Xa因子阻害薬
トロンビンの活性化を促進する第Xa因子 (活性化した第X因子) を阻害する物質。補因子なしに阻害する直接阻害薬と、補因子としてアンチトロンビンIIIを必要とする間接阻害薬がある。
直接第Xa因子阻害薬
いずれも経口投与
間接第Xa因子阻害薬
皮下投与
ヘパリンとヘパリン類似物質
ヘパリンは豚や牛の腸から抽出される。アンチトロンビンIIIの活性作用により抗凝固作用を持つ[3]。血管内投与を行う。
体外で用いられる抗凝固薬
次のような目的で抗凝固が行われる
- 血漿と血球を分離するため
- 液体としての流動性を残すため
- 血液凝固因子を消費させないため
- EDTA
- 二価の金属イオン(カルシウムイオンもこれである)をキレートする。
- クエン酸
- クエン酸三ナトリウムとして用いられ、カルシウムイオンと結合する。
- シュウ酸
- クエン酸と同様。
- フッ化ナトリウム
- NaF。カルシウムイオンと結合。解糖系を阻害するので血糖測定に用いられる。
- ACD
- Acid Citrate Dextrose Solution。クエン酸とデキストロースを含む。輸血用保存血液に添加される。
関連事項
抗血栓薬には他にも、抗血小板薬と血栓溶解薬がある。
- アスピリン等の非ステロイド系消炎鎮痛剤は血小板の凝集を阻害するので血栓形成を抑える効果がある。ワルファリンによってもたらされる出血傾向が増悪するので、ワルファリン服用者が感冒薬等を服用する時は十分注意する必要がある。
- 一度できた血栓を分解するには線溶系の酵素を応用した血栓溶解薬を用いる。
- DICではヘパリンだけでなく、アンチトロンビンIIIの直接投与も行われることがある。
類似効果食材
アホエン (ajoene) は、ニンニク (Allium sativum) に含まれる化合物の1つである。抗血栓剤(抗凝固剤)としての作用も持ち、血液中の血小板が血栓を起こすのを防ぐことにより、心臓病や脳梗塞の危険性を減らすとされる。外部リンクも必要に応じ参照のこと。
脚注
- ^ Majerus PW. et al. (2006) p.1476
- ^ Connolly SJ. et al. (2009)
- ^ Olson ST. et al. (2002)
出典
- Olson, ST; Chuang, YJ (Nov 2002). "Heparin activates antithrombin anticoagulant function by generating new interaction sites (exosites) for blood clotting proteinases". Trends Cardiovasc Med 12 (8): 331–338. PMID 12536119.
- Connolly SJ, Ezekowitz MD, Yusuf S, Eikelboom J, Oldgren J, Parekh A, Pogue J, Reilly PA, Themeles E, Varrone J, Wang S, Alings M, Xavier D, Zhu J, Diaz R, Lewis BS, Darius H, Diener HC, Joyner CD, Wallentin L; RE-LY Steering Committee and Investigators (Sep 2009). "Dabigatran versus warfarin in patients with atrial fibrillation" (full text). N Eng J Med 361 (12): 1139–1151. doi:10.1056/NEJMoa0905561. PMID 19717844.
- Majerus, PW; Tollefsen, DM (2006), “Blood coagulation and anticoagulant, thrombolytic, and antiplatelet drugs”, in Laurence L. Brunton, Goodman & Gilman's the pharmacological basis of therapeutics (11th ed.), McGraw-Hill Companies, ISBN 0-07-142280-3
関連項目
- 血液凝固
- 抗血栓薬
- 血算
- 血液生化学検査
- 輸血
- 献血
- キレート
外部リンク
- ニンニク - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
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Japanese Journal
- DP-055-2 生体弁AVR患者における抗凝血薬・抗血小板薬治療の凝固系活性から見た評価(第108回日本外科学会定期学術集会)
- 今川 弘,塩崎 隆博,流郷 昌裕,鹿田 文昭,中田 達広,日高 登志子,石田 直樹,河内 寛治
- 日本外科学会雑誌 109(臨時増刊_2), 454, 2008-04-25
- NAID 110006891917
- 本邦未承認脳卒中治療薬の今後 (第1土曜特集 脳卒中--基礎研究と臨床の最前線) -- (本邦脳卒中の今後)
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★リンクテーブル★
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- 66歳の男性。胸痛発作を主訴に来院した。
- 2か月前から労作時に3~5分間続く胸痛発作が出現し、安静により寛解した。2週前から胸痛発作の回数が増加し、軽労作でも出現するようになった。
- 脈拍92/分、整。血圧134/88mmHg。頚静脈の怒張はない。胸部に心拡大はなく、ラ音を聴取しない。下腿に浮腫を認めない。
- 血液所見:赤血球430万、Hb13.4g/dl、白血球6,900。
- 発作時の心電図と左冠動脈造影写真とを以下に示す。
- 適切な治療はどれか。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
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- 英
- anticoagulant agent、anticoagulant drug、anticoagulant
- 関
- 抗凝血、抗凝血剤、抗凝血性、抗凝血薬、抗凝固、抗凝固剤、抗血液凝固薬。血液凝固阻止薬
ガイドライン
- 循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン(2009年改訂版)
- http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_hori_h.pdf
臨床検査の抗凝固薬
[★]
- 英
- anticoagulant agent、anticoagulant drug、anticoagulant
- 関
- 抗凝血、抗凝血剤、抗凝血性、抗凝血薬、抗凝固、抗凝固薬、抗血液凝固薬
種類
カルシウムキレート剤
- EDTA:血算、アンモニア キレート作用が強力。偽性血小板減少症をきたしうる。白血球形状が保たれる
- クエン酸ナトリウム 希釈されるため、血算・生化学に不適。Caを加えれば凝固能の検査が可能。
- 赤沈 :(血液:citrate)=(1:4)
- 凝固検査:(血液:citrate)=(1:9)
抗凝固
- ヘパリン:ATIIIを活性化しF II,IX,Xを抑制。:血液ガス分析、乳酸、ピルビン酸、アンモニア、白血球機能検査、リンパ球機能検査
[★]
- 関
- anticoagulant agent、anticoagulant drug、anticoagulants、anticoagulation
[★]
- 英
- anticoagulation、anticoagulant
- 関
- 抗凝血、抗凝血剤、抗凝血性、抗凝血薬、抗凝固剤、抗凝固薬
[★]
- 関
- anticoagulant、anticoagulant agent、anticoagulants
[★]
- 英
-
- cruor, blood clot
- ラ
- cruor, crassamentum
- 関
- 凝血塊、凝固、凝析、血液凝固、血塊、血餅
[★]
- 英
- drug, agent
- 同
- 薬物
- 関
- 作用薬、剤、ドラッグ、媒介物、病原体、麻薬、薬剤、薬物、代理人、薬品
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- 英
- anticoagulation、anticoagulant
- 関
- 抗凝血剤、抗凝血性、抗凝血薬、抗凝固、抗凝固剤、抗凝固薬