- 英
- benign tumor
- 関
- 腫瘍
-benign tumor
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/27 17:45:44」(JST)
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良性腫瘍(りょうせいしゅよう)とは病理学的に悪性所見を持たない腫瘍のことである。
目次
- 1 病理学的特徴
- 2 臨床的な取り扱い
- 3 良性腫瘍の一覧
- 4 関連項目
病理学的特徴
すなわち、良性腫瘍細胞は自律的な増殖をするものの、自らどこまでも自律的に増殖できる環境を作っていく能力をもたず、発生した場所で増殖するのみであり、栄養血管の不足などそれ以上の増殖を許さない環境が生じた時点で増殖を停止する。分化度の高い悪性腫瘍より、更に分化度の高い腫瘍と言うこともできる。なお、発がん機構は多段階であり、良性腫瘍と悪性腫瘍の境界線は必ずしも明らかではない。
形態的には、概ね以下のような特徴を示す(全ての良性腫瘍に当てはまる訳ではなく、またこの特徴に当てはまる腫瘍が全て良性という訳でもない)。
- 周囲の組織を圧排しながら増殖し、肉眼的にも顕微鏡的にも、周囲との境界が明瞭な膨脹性増殖を示す。転移や浸潤傾向を示さない。
- 発生母地の組織とあまり変わらない(=類器官的 organoid な)組織構造を示す。即ち構造異型が小さい。(とは言え、全くの正常構造ではない。例えば腺腫の腺管は極性を持たない走行を示し、また三次元的なネットワークを構成している。)
- 個々の細胞の形態も母地の正常細胞とあまり大きな隔たりがない。即ち細胞異型が小さい。
- 細胞周期が長い。また、異常核分裂を起こさない。
臨床的な取り扱い
(生物学的な)良性腫瘍の診断は必ずしも臨床的な予後が良好であることを意味しない。例えば脳幹部に発生した低異型度髄膜腫は良性腫瘍であるが、治療困難であり、かつ脳幹を圧迫して予後不良であるため臨床悪性である。
また、悪性腫瘍はしばしば良性腫瘍の中から発生する(=良性腫瘍が悪性化する)ため、臨床的にはその意味でも、腫瘍の良悪の明らかな境界線が引きづらいことが多い。例えば大腸ポリープを例にとると、数ミリのポリープは腺腫でありそのまま推移すれば概ね良性であるが、数センチを超えるとかなりの確率で腺癌細胞が現れ大腸癌化することが知られている。したがって、良性腫瘍は前がん状態と見ることもできるが、がんの細胞分化に関しては未解明の部分が多く、この考えに対する異論もある。
良性腫瘍の一覧
メルクマニュアル[1]に記述されている主な良性腫瘍を抜粋して次に示す。
- 脳の良性腫瘍
- 骨の良性腫瘍
- 骨軟骨性外骨症
- 軟骨腫
- 軟骨芽細胞腫
- 類骨骨腫
- 巨細胞腫
- 食道の良性腫瘍
- 小腸の良性腫瘍
- 平滑筋腫
- 脂肪腫
- 神経線維腫
- 線維腫
- 血管腫
- ポリープ
- 肝臓の良性腫瘍
- 胆管の良性腫瘍
- 耳の良性腫瘍
- 鼻腔内の良性腫瘍
- 線維腫
- 血管腫
- 神経線維腫
- 神経鞘腫
- 骨化性線維腫
- 喉頭の良性腫瘍
- 口腔・唾液腺の良性腫瘍
- 良性多形性腺腫
- 単形性腺腫
- オンコサイトーマ
- 乳頭状リンパ腫嚢腺腫
- エナメル上皮腫
- 皮膚、皮下組織の良性腫瘍
- 母斑
- 懸垂線維腫
- 血管腫
- 血管性母斑
- リンパ管腫
- 化膿性肉芽腫
- 脂漏性角化症
- 皮膚線維腫
- ケラトアカントーマ
- ケロイド
- 脂肪腫
- 褐色脂肪腫
- 神経線維腫
- シュワン細胞(神経鞘)腫
- 粉瘤(アテローム)
関連項目
呼吸器疾患(ICD-10 J00〜99) |
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疾患 |
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閉塞性肺疾患
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慢性閉塞性肺疾患
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気管支喘息 | 慢性気管支炎 | 肺気腫 | びまん性汎細気管支炎
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拘束性肺疾患
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特発性
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IPF | NSIP | COP | AIP | DIP | RB-ILD | LIP
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続発性
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塵肺 | 放射線肺炎 | 薬剤性肺炎
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無気肺 | 気胸 | 血胸
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形態異常
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気管支拡張症 | 肺分画症 | 肺嚢胞症
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腫瘍
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良性腫瘍
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肺過誤腫 | 硬化性血管腫
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悪性腫瘍
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低悪性度肺腫瘍 | 原発性肺癌 | 転移性肺癌 | 中皮腫
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アレルギー
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気管支喘息
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アスピリン喘息
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好酸球性肺炎
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Löffler症候群 | 急性好酸球性肺炎 | 慢性酸球性肺炎 | 好酸球増加症候群
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過敏性肺臓炎 | サルコイドーシス | グッドパスチャー症候群
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肺循環障害
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肺血栓塞栓症 | 肺性心 | 新生児呼吸窮迫症候群 | 急性呼吸窮迫症候群
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肺代謝異常
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肺胞蛋白症 | 肺胞微石症
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機能的障害
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過換気症候群 | 睡眠時無呼吸症候群
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感染性疾患
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気道感染 |
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上気道 |
風邪
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- ライノウイルス
- アデノウイルス
- パラインフルエンザウイルス
- RSウイルス
- コロナウイルス
- エコーウイルス
- エンテロウイルス
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喉頭炎
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咽頭炎
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下気道 |
急性細気管支炎
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肺炎 |
原因
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定型肺炎
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グラム陽性
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グラム陰性
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- 肺炎桿菌
- インフルエンザ菌
- モラクセラ
- 大腸菌
- 緑膿菌
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非定型肺炎
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ウイルス性
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- RSウイルス
- インフルエンザ肺炎
- 重症急性呼吸器症候群
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肺真菌症
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- ニューモシスチス肺炎
- クリプトコッカス症
- アスペルギルス症
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- レジオネラ菌
- マイコプラズマ
- クラミジア肺炎
- オウム病
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抗酸菌症
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機序
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病態
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胸壁 |
膿胸
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症候・徴候 |
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異常呼吸
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過呼吸 | 頻呼吸 | 徐呼吸 | 低呼吸 | 多呼吸 | 少呼吸 | 起坐呼吸 | 奇異性呼吸 | クスマウル呼吸 | チェーンストークス呼吸 | ビオー呼吸
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咳嗽 | 痰 | 呼吸困難 | 胸痛 | 胸水 | ばち指 | チアノーゼ
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所見・検査 |
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聴診 | 胸部X線写真 | 胸部X線CT | 気管支鏡 | 胸腔鏡 | 血液検査
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呼吸器系の正常構造・生理 |
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気道系 |
解剖学的構造
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上気道
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鼻
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鼻孔 | 鼻腔 | 鼻甲介 | 副鼻腔
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口
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口腔前庭 | 口腔 | 口蓋
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咽頭 - 喉頭
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下気道
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気管
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気管支
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主気管支 - 葉気管支 - 区域気管支 - 亜区域気管支
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細気管支
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小気管支 - 細気管支 - 終末細気管支
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呼吸細気管支
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ガス交換器
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肺 - 肺胞管 - 肺胞嚢 - 肺胞
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顕微解剖学
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I型肺胞上皮細胞 | II型肺胞上皮細胞 | 杯細胞 | クララ細胞 | 気管軟骨輪
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生理学・生化学
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生理学
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肺気量 | 肺活量 | %肺活量 | 残気量 | 死腔 | 1回換気量 | 1秒率 | 肺サーファクタント | SP-A
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生化学
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PaCO2 | PaO2 | AaDO2 | FiO2 | SpO2 | 呼吸係数および酸素化係数
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血管系 |
肺循環系
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(右心室 -) 肺動脈 - 毛細血管 - 肺静脈 (- 左心房)
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気管支循環系
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(胸部大動脈 -) 気管支動脈 - 毛細血管 - 気管支静脈 (- 奇静脈/副反奇静脈)
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運動器系 |
骨格
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肋骨 | 胸骨
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呼吸筋
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横隔膜 | 内肋間筋 | 外肋間筋 | 胸鎖乳突筋 | 前斜角筋 | 中斜角筋 | 後斜角筋 | 腹直筋 | 内腹斜筋 | 外腹斜筋 | 腹横筋
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神経系 |
中枢神経系
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呼吸中枢 | 呼吸調節中枢 | 前頭葉
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末梢神経系
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横隔神経 | 肋間神経
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Japanese Journal
- MRI dynamic contrast-enhanced study 分析による卵巣腫瘍診断精度に関する研究─造影効果発現時相による卵巣腫瘍悪性度評価の有用性─
- 安座間 誠
- Dokkyo journal of medical sciences 38(1), 65-70, 2011-03-25
- … のパターンを分類した.さらに,術後組織診断との比較検討を行い,術前診断精度を解析した.悪性では全症例で造影効果を認め,さらに全症例が早期相で造影開始を認めた.造影効果を認めない症例や,中間相,平衡相での発現症例では悪性を1 例も認めなかった.皮様嚢胞腫と特殊型を除いた良性腫瘍と境界悪性腫瘍鑑別において造影効果発現時相が中間相の場合は,境界悪性腫瘍の頻度は65%に達し,MRI DCES の有用性が示唆された. …
- NAID 110008429014
- 甲状腺腫瘍の治療 甲状腺腫瘍の組織型別治療方針 甲状腺良性腫瘍 (内分泌腺腫瘍--基礎・臨床研究のアップデート) -- (甲状腺腫瘍)
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- 2007年3月26日 ... がんは悪性腫瘍とも言いますが、いきなり「腫瘍には、良性と悪性があります」と言われ ても困ってしまう。そんなあなたに、ココだけおさえておけばOKというポイントをご紹介し ます。
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★リンクテーブル★
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [108A003]←[国試_108]→[108A005]
[★]
- a 良性腫瘍である。
- b 上皮型が最も多い。
- c 両側に病変を認めることが多い。
- d 硅酸(ケイ酸)曝露との関連性が認められる。
- e 我が国での年間死亡者数は1万を超える。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D009]←[国試_112]→[112D011]
[★]
- a 男児に多い。
- b 良性腫瘍である。
- c 学童期にみられる。
- d 石灰化がみられる。
- e 結膜充血がみられる。
[正答]
※国試ナビ4※ [108D001]←[国試_108]→[108D003]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- 英
- pituitary adenoma
- 関
- 脳腫瘍、下垂体腫瘍、下垂体前葉ホルモン、下垂体
概念
- 脳下垂体前葉(の内分泌腺細胞)を発生母地とする良性腫瘍。
分類
-
- 成長ホルモン産生腺腫 GH産生腺腫
- プロラクチン産生腺腫 PRL産生腺腫
- 副腎皮質刺激ホルモン産生腺腫 ACTH産生腺腫
- 甲状腺刺激ホルモン産生腺腫 TSH産生腺腫
- ゴナドトロピン産生腺腫
- 混合腺腫
- 非機能性腺腫
放射線診断学的分類
- 鞍内型(enclosed type):手術による治療率が高い、とかなんとか?
- 浸潤型
大きさによる分類
- マクロアデノーマ macroadenoma:10mm以上
- 微小腺腫 マイクロアデノーマ microadenoma:10mm以下
疫学
- 原発性脳腫瘍の16%(IMD.1040)。(頭蓋内腫瘍の約10%。全脳腫瘍の約17%(2000年統計)。)
- 成人の下垂体の5-20%に腺腫が存在するらしい(IMD.1040)。
- 好発年齢:成人(30-50歳)。小児はまれ。
症状
- 下垂体の上に視交叉があるため、下垂体が広がるとトルコ鞍の骨を薄くし風船のように膨らむので視交叉を圧迫するので、視力低下が進行し両耳側半盲などになる。
- 腫瘍組織による下垂体前葉機能低下
- 腫瘍組織より分泌されるホルモンによる機能障害
下垂体腺腫 鞍上部腫瘍の圧迫による内分泌障害
- 生殖・成長に関わるホルモンは真っ先に切られる。
- TSHは代謝のアクセル。代謝をゆるめてみる?
- ACTHはストレス耐性、異化・同化に関わるから重要。
- PRL・・・授乳は生命維持と必要ない・・・けど、下垂体前葉の内分泌細胞数として2番目に多いからと理解?
病理
- 組織学的に一様な腺腫細胞が、血管に富んだ結合組織の隔壁によって分画。(IMD)
検査
画像検査 IMD.1041,YN J-198
- トルコ鞍の拡大(ballooning)。前後13mm、深さ17mm以上
- トルコ鞍底の二重輪郭(double floor)。
- 血管造影:前大脳動脈水平部(A1)および前交通動脈の挙上。
- 頭部CT:トルコ鞍から鞍上槽部へ進展する
- 単純:等吸収~高吸収。微小腺腫は低吸収
- 造影:ほぼ均一に増強
- MRI:腫瘍と周囲組織との関係が明瞭。術前検査として有効。矢状断と前頭断で微小腺腫の診断を行う
- T1強調像:低信号
- T2強調像:高信号
- 造影:ほぼ均一に増強
内分泌検査
ホルモン名称
|
腫瘍
|
頻度 (IMD.1040)
|
頻度 (RNT. 64)
|
症候
|
検査(IMD.1041より引用)
|
成長ホルモン
|
成長ホルモン産生腺腫
|
20%.
|
20%.
|
頭痛、視野欠損、手足の成長、顔貌粗造、手根管症候群、いびきおよび閉塞性睡眠時無呼吸、下顎成長および下顎前突症、骨関節炎および関節痛、過剰発汗、醜形恐怖
|
・安静空腹時のGHが10ng/ml以上と持続的に高値。 ・75gOGTTによっても5ng/ml以下にならない。 ・TRHおよびLH-RH負荷に反応してGH増大。 ・L-ドパまたはブロモクリプチンに対する増加反応がない。(正常:DRアゴニスト→GH↑) ・ソマトメジンC(IGF-I)高値。
|
プロラクチン
|
プロラクチン産生腺腫
|
32%.
|
30%.
|
頭痛、視野欠損、希発月経または無月経、妊孕性の低下、性欲喪失、勃起不全、エストロゲンで初回刺激を受けた(estrogen-primed)女性乳房における乳汁漏出
|
・抗精神病薬、乳房刺激などの原因を除外しても血清PRL濃度が100ng/ml以上。 ・インスリン負荷(IRI)(0.1U/kg)による低血糖刺激(正常:低血糖→TRH↑→PRL↑)、TRH負荷(500μg)(正常:TRH↑→PRL↑)、クロルプロマジン負荷(25mg)(正常:D2R↓→PRL↑)による反応減少。
|
副腎皮質刺激ホルモン
|
ACTH産生腺腫
|
3%.
|
5%.
|
頭痛、視野欠損、近位筋障害、求心性の脂肪分布、神経精神医学的症状、線条、易傷性、皮膚の菲薄化、多毛、骨減少
|
・血中コルチゾールが高値、かつ日内変動なし。 ・尿中17-ヒドロキシコルチコステロイド(17-OHCS)、尿中17-ケトステロイド(17-KS)、尿中コルチゾールが高値。 ・CRH試験(CRH100μg静注) ・健常者:血中ACTHは30分後に、血中コルチゾールは60分後に、それぞれ前値の約2倍に上昇。 ・Cushing病:過剰反応 ・副腎腫瘍・異所性ACTH産生腫瘍によるCushing症候群:無反応
|
甲状腺刺激ホルモン
|
|
|
|
動悸、振戦、体重減少、不眠、過剰な排便(hyperdefecation)、発汗
|
*freeT3、freeT4上昇。 *TSHが、(1)上昇、(2)T3で抑制されない、(3)TRH負荷で無反応。
|
卵胞刺激ホルモン
|
ゴナドトロピン産生腺腫
|
10%.
|
|
|
|
黄体形成ホルモン
|
|
|
|
|
非機能性腺腫
|
18%.
|
40%.
|
頭痛、視野欠損、下垂体不全、などmassの圧排による続発性性腺機能低下症。まれに、卵巣過剰刺激、精巣増大、またはテストステロン値の上昇、
|
|
診断
- トルコ鞍を中心とした脳内局所圧迫症状 + 下垂体ホルモンの過剰・欠乏症状 + 画像所見(CT、MRI)
合併症
- 下垂体卒中:発生頻度は7-9%。血管に富んでいるため腫瘍内出血や梗塞が起こりやすく、急激かつ高度に生じた場合に致命的となる。病理的には出血性壊死による下垂体腫瘍の突然の腫大がみられ、鞍隔膜の破裂をきたすとくも膜下出血となる。脳動脈瘤の合併率は高いらしい。髄膜刺激症状+血性髄液がみられ、クモ膜下出血と誤診されることがある。(IMD.1040)
治療
治療法別
薬物療法
- ブロモクリプチン:ドパミンD2受容体作動薬
- 麦角アルカロイド系:ドパミンD2受容体作動薬
- PRL分泌、GH分泌に対する生理的抑制因子。血漿PRL値、GH値の低下、腫瘍縮小の効果がある。
- ブロモクリプチンで効果不十分な例、外科手術困難例に用いる。
- 50%で腺腫の縮小がみられる。
外科的治療
腫瘍別
プロラクチン産生下垂体腫瘍(2)
- ドパミンアゴニスト(カベルゴリン(麦角由来)・ブロモクリプチン)で腫瘍の縮小・症状の寛解を狙う。手術は一般に、ドパミンアゴニストに耐えられない患者、治療中に下垂体卒中を被る患者、またはマクロプロラクチノーマが医学療法に反応しない患者にのみ行われる。最終的に放射線療法を必要とする。
- ほとんどの微小腺腫と大腺腫はドパミンアゴニストに反応。
- カベルゴリンは、ブロモクリプチン副作用が少なく、ブロモクリプチンに抵抗性の患者また不耐性の患者に有用。
- 妊孕性の回復を目標とする場合、妊娠中の安全性を考慮しブロモクリプチンが第一選択となる。
- 薬物療法に対して微小腺腫では大きさに変化はほとんど認められないが、大腺腫では縮小が期待できる。
参考
- 1. 日本脳神経外科学会 脳神経外科疾患情報ページ
- http://square.umin.ac.jp/neuroinf/medical/205.html
- 2. がん情報サイト|PDQR日本語版(医療専門家向け)下垂体腫瘍の治療(PDQR)
- http://cancerinfo.tri-kobe.org/pdq/summary/japanese-s.jsp?Pdq_ID=CDR0000062915
- 3. プロラクチン(PRL)分泌過剰症の診断と治療の手引き(平成22年度改訂)
- http://square.umin.ac.jp/kasuitai/doctor/guidance/prolactin_surplus.pdf
名称
|
構造
|
分泌細胞
|
下垂体前葉細胞 全細胞に対する 産生細胞の割合
|
染色性
|
腫瘍
|
頻度 (IMD.1040)
|
頻度 (RNT. 64)
|
症候
|
成長ホルモン
|
GH
|
ペプチド
|
somatotroph
|
40-50%
|
好酸性
|
|
成長ホルモン産生腺腫
|
成長ホルモン分泌細胞腺腫
|
20%.
|
20%.
|
頭痛、視野欠損、手足の成長、顔貌粗造、手根管症候群、いびきおよび閉塞性睡眠時無呼吸、下顎成長および下顎前突症、骨関節炎および関節痛、過剰発汗、醜形恐怖
|
プロラクチン
|
PRL
|
mammotroph
|
10-25%
|
好酸性
|
|
プロラクチン産生腺腫
|
プロラクチノーマ
|
32%.
|
30%.
|
頭痛、視野欠損、希発月経または無月経、妊孕性の低下、性欲喪失、勃起不全、エストロゲンで初回刺激を受けた(estrogen-primed)女性乳房における乳汁漏出
|
副腎皮質刺激ホルモン
|
ACTH
|
corticotroph
|
0.1
|
好塩基性
|
嫌色素性
|
ACTH産生腺腫
|
コルチコトロフ腺腫
|
3%.
|
5%.
|
頭痛、視野欠損、近位筋障害、求心性の脂肪分布、神経精神医学的症状、線条、易傷性、皮膚の菲薄化、多毛、骨減少
|
甲状腺刺激ホルモン
|
TSH
|
糖タンパク
|
thyrotroph
|
0.05
|
好塩基性
|
|
|
甲状腺刺激ホルモン分泌細胞腺腫
|
|
|
動悸、振戦、体重減少、不眠、過剰な排便(hyperdefecation)、発汗
|
卵胞刺激ホルモン
|
FSH
|
gonadotroph
|
10-15%
|
好塩基性
|
|
ゴナドトロピン産生腺腫
|
|
10%.
|
|
|
黄体形成ホルモン
|
LH
|
好塩基性
|
|
|
|
|
|
非機能性腺腫
|
非機能性腺腫
|
18%.
|
40%.
|
頭痛、視野欠損、下垂体不全、などmassの圧排による続発性性腺機能低下症。まれに、卵巣過剰刺激、精巣増大、またはテストステロン値の上昇、
|
[★]
- 英
- malignant tumor, malignancy
- 関
- 良性腫瘍、腫瘍
- 同
- 悪性新生物 malignant neoplasm、癌 cancer
- 関
- 組織型分類、臨床進行期分類、TNM分類、pTNM分類
組織学的な特徴
- 極性の乱れ
- 壊死 + apoptosis
- 出血
- 核分裂の増加 (+異常核分裂)
- 細胞密度の増加
- 間質浸潤 (+腫瘍性間質の形成)
- 脈管浸潤 (リンパ管、血管)
- 転移 (リンパ節、他臓器、経気道)
皮膚疾患と悪性腫瘍
- 合併することがある
- 腫瘍に随伴
小児がんの部位別分布
- 米国SEERプログラム 1975-1995 SPE.555
- 1. 白血病 31%
- 2. 中枢神経腫瘍 19%
- 3. リンパ腫 11%
- 4. 交感神経腫瘍 8%
- 5. 軟部肉腫 7%
- 6. 腎腫瘍 6%
- 7. 悪性骨腫瘍 5%
- 8. 胚細胞腫瘍 4%
- 9. がん/上皮性腫瘍 4%
- 10. 網膜芽細胞腫 3%
- 11. 肝腫瘍 1%
- 12. その他 1%
部位別年次別悪性腫瘍による死亡数、死亡率、年齢調整死亡率
- 参考1
参考
- 1. 人口動態調査 > 平成22年人口動態統計 > 確定数 > 上巻 > 死亡 > 年次 - 政府統計の総合窓口 GL08020102
- http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&listID=000001082327&disp=Other&requestSender=dsearch
- 5-24 悪性新生物の主な部位別にみた性・年次別死亡数及び率(人口10万対)
- http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_csvDownload_&fileId=000005009667&releaseCount=1
- 5-26 悪性新生物の主な部位別にみた性・年次別年齢調整死亡率(人口10万対)
- http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_csvDownload_&fileId=000005009671&releaseCount=1
[★]
- 英
- neutrophilia
- 同
- 好中球増多、好中球増加、好中球増加症
- 顆粒球増加症 granulocytosis、好中球性白血球増加症 neutrophilic leukocytosis
- 関
- 白血球増多症
[show details]
定義
- 成熟好中球の絶対数が8x103/uL以上に増加している状態
- OLM 94,95
-
-
国試
[★]
- 英
- gynecology
婦人科学 類腫瘍病変
婦人科学 外陰の腫瘍
婦人科学 膣の腫瘍
婦人科学 子宮の腫瘍
婦人科学 卵管腫瘍
婦人科学 絨毛性疾患
[★]
- 関
- cancer、neoplasm、tumor
[★]
- 英
- benign ovarian tumor
- 関
- 良性卵巣腫瘍、良性卵巣腫
[★]
- 英
- non-epithelial benign tumor, nonepithelial benign tumor
[★]
- 英
- benign gastric tumor
- 関
- 良性腫瘍、胃腫瘍
[★]
- 英
- benign renal tumors, benign kidney tumors
[★]
- 英
- tumor
- 同
- 新生物 neoplasm new growth NG
- 関
分類(EPT.65)
悪性度
細胞と間質の割合
発生学的由来
組織学的分類
上皮性腫瘍
良性腫瘍
悪性腫瘍
非上皮性腫瘍
良性腫瘍
悪性腫瘍
-
臓器別分類
外陰部(女性)
子宮
卵巣
- 表層上皮性・間質性腫瘍 Surface epithelial-stromal tumors
- 性索間質性腫瘍 Sex cord/stromal tumors
- 胚細胞腫瘍 Germ cell tumors
腫瘍と関連する疾患 first aid step1 2006 p.294
[★]
- 英
- benign、benignant
- 関
- 穏和