- 英
- teratoma
- 関
概念
- 内胚葉、中胚葉、外胚葉に由来する成分が混合してみられる腫瘍。
病理
検査
- (参考1)悪性の奇形腫ではhCG, AFPが上昇することがある。
参考
- 1. Value of Blood AFP and HCG Levels in the Diagnosis of Intracranial Germ Cell Tumors
- http://www.journalarchive.jst.go.jp/english/jnlabstract_en.php?cdjournal=nmc1959&cdvol=20&noissue=12&startpage=1197
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/01 21:54:44」(JST)
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奇形腫(きけいしゅ、teratoma)とは2胚葉性あるいは3胚葉性成分を有する、すなわち最も高分化な胚細胞性腫瘍。良性の「成熟奇形腫」と、やや悪性傾向を有する「未熟奇形腫」がある。主として性腺に生ずるが、発生の過程で卵黄嚢から性腺に移動する途中で迷入した胚細胞に由来するものが、体の各部(ほとんどは正中面上)に生ずることがある。
ヒトの卵巣に生ずるものはほとんどが良性の成熟嚢胞性奇形腫(せいじゅくのうほうせいきけいしゅ)で、外胚葉成分、特に皮膚と皮膚付属器(毛髪、皮脂腺、汗腺)が大部分を占めることから「皮様嚢腫」(ひようのうしゅ、dermoid cyst)とも呼ばれる。
ヒトの精巣に生ずる胚細胞性腫瘍はほとんどが悪性で、奇形腫の頻度は低く、奇形腫が生じた場合もしばしば、未熟奇形腫であるか、または高悪性度な他の組織型の胚細胞性腫瘍との混合型腫瘍である。
ヒト以外の哺乳類については馬での報告が多く、豚、犬でも報告されている。これらの動物においては悪性のものは少ない。
参考文献
- 日本獣医病理学会編集 『動物病理学各論』 文永堂出版 2001年 ISBN 483003162X
関連項目
- 腫瘍
- ピノコ - 漫画「ブラック・ジャック」のキャラクター。患者から切除された奇形腫を利用して作られたという設定。
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- 病態 抗NMDA受容体脳炎における最近の進歩 (特集 中枢神経系感染症のUp-To-Date)
- 病態 抗NMDA受容体脳炎に合併した卵巣奇形腫と正常卵巣におけるNMDA受容体の分布 (特集 中枢神経系感染症のUp-To-Date)
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- 奇形腫(胚細胞性腫瘍)。奇形腫(胚細胞性腫瘍)とはどんな病気か 奇形腫は最近では胚細胞性腫瘍と呼ばれ、生殖器ができる過程でその基になる胚細胞に発生する腫瘍の総称で、良性、悪性のものを含みます。腫瘍は、体の組織の ...
- こんにちは(^o^) 卵巣嚢腫の続きです。 今回は良性の腫瘍性病変についてです。 卵巣の腫瘍性病変はものすごい種類があります。 卵巣は人間の体の中でもっも多彩な腫瘍を作り出す臓器です。 卵巣の腫瘍は「良性」「悪性」「境界型」に ...
- 奇形腫(きけいしゅ、teratoma)とは2胚葉性あるいは3胚葉性成分を有する、すなわち最も高分化な胚細胞性腫瘍。良性の「成熟奇形腫」と、やや悪性傾向を有する「未熟奇形腫」がある。主として性腺に生ずるが、発生の過程で卵黄嚢から ...
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[★]
- 次の文を読み、28~30の問いに答えよ。
- 28歳の男性。左陰嚢の無痛性腫大を主訴に来院した。
- 現病歴 :6か月前に左陰嚢の腫れに気付き、その後徐々に増大してきた。疼痛はなかった。
- 既往歴・家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 意識は清明。身長176cm、体重68kg。体温36.1℃。脈拍68/分、整。血圧110/72mmHg。身体所見で胸腹部に異常を認めない。陰嚢皮膚と右陰嚢内容とに異常はない。左陰嚢内容は鶏卵大で一塊として硬く触知するが、圧痛と透光性とは認めない。
- 検査所見:尿所見:異常を認めない。
- 血液所見:赤血球456万、Hb15.1g/dl、白血球8,300、血小板26万。
- 血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン3.9g/dl、クレアチニン0.9mg/dl、AST40単位、ALT38単位、LDH 410単位(基準176~353)。胸腹部CTで両肺に多発性結節影と傍大動脈リンパ節の腫脹とを認める。
- 入院後経過 : 精巣腫瘍と診断し、高位精巣摘除術を施行した。
- この患者では血清腫瘍マーカーに異常を認めなかった。精巣摘除術時の病理組織H-E染色標本を以下に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099I028]←[国試_099]→[099I030]
[★]
- 42歳の女性。前胸部痛を主訴に来院した。3か月前から軽度の持続する前胸部痛があった。自宅近くの診療所で胸部エックス線写真に異常を指摘され紹介されて受診した。身長 150cm、体重 42kg。体温 36.3℃。脈拍 72/分、整。血圧 96/68mmHg。呼吸数 16/分。SpO2 98%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。胸部エックス線写真(別冊No. 10A)と胸部造影CT(別冊No. 10B)とを別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D029]←[国試_109]→[109D031]
[★]
- 1歳5か月の男児。腹部腫瘤を主訴として来院した。発育と栄養状態とは正常である。左上腹部が膨隆し、径15cmの弾性硬、表面平滑な腫瘤を触れる。尿所見は正常。血液所見:赤血球378万、Hb11.0g/dl、白血球7,200、血小板22万。血清生化学所見:AST32単位(基準40以下)、ALT20単位(基準35以下)、LDH770単位(基準176~353)。α-フェトプロテイン(AFP)正常。尿中VMA正常。腹部造影CTを以下に示す。診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A038]←[国試_098]→[098A040]
[★]
- 2歳2か月の男児。仙骨部の皮下腫瘤を主訴に来院した。腰痛は出生時から認められ定期的に受診している。ひとり歩き1歳3か月。身長80cm、体重11 kg。頭囲48cm。言語発達に異常を認めない。腫瘤は径5cmの半球状で、正常な皮膚に
- 覆われている。腰仙部MRIのT1強調正中矢状断像を以下に示す。診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A002]←[国試_099]→[099A004]
[★]
- 74歳の男性。健康診査で胸部エックス線写真上の異常陰影を指摘された。呼吸数22/分。脈拍88/分、整。血圧136/88mmHg。顔面と頚部とに異常を認めない。胸部の打診と聴診とでは異常を認めない。胸部エックス線写真正面像と側面像とを以下に示す。可能性が低いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G015]←[国試_099]→[099G017]
[★]
- 胸部エックス線写真で異常な石灰化陰影を認めるのはどれか。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [095A091]←[国試_095]→[095A093]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102D003]←[国試_102]→[102D005]
[★]
- (1) 仙尾部奇形腫の悪性化は少ない
- (2) 神経芽腫は腹部交感神経節由来のものが多い
- (3) 神経芽腫では自然寛解がみられる
- (4) 胎児性肝細胞癌は成人の肝癌と比べて根治手術可能なものが多い
- (5) 肝癌では癌胎児性抗原CEAが高値を示すものは少ない
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F028]←[国試_101]→[101F030]
[★]
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102I008]←[国試_102]→[102I010]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- 小児期腫瘍と腫瘍マーカーとの組み合わせで正しいのはどれ
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- 英
- ovarian cancer, ovarian carcinoma, cancer of the ovary, ovary cancer
- ラ
- carcinoma ovarii
- 同
- 卵巣がん
- 関
- 産婦人科学、卵巣腫瘍、卵巣腫瘍の腫瘍マーカー
- G9M.164(進行期分類) NGY.237(進行期分類)
組織型
漿液性嚢胞腺癌
- CA125
- 症候:腹水あり(漿液性嚢胞腺癌のみ)
- 手術+化学療法(タキサン製剤とプラチナム製剤)
- 病理:卵管上皮を模倣するとされる。多房性~充実性。乳頭状増殖。砂粒小体
- 予後:悪い。進行早く、腹腔内播種しやすい。
粘液性嚢胞腺癌
- CEA, CA19-9
- 治療:手術。化学療法無効
- 病理:子宮頚管腺を模倣するとされる。単房性~多房性。胞体中に紫色の粘液貯留。
- 予後:良い。進行遅く転移しにくい。
明細胞腺癌
- リスク:卵巣チョコレート嚢胞
- 治療:手術。化学療法無効
- 病理:妊娠時の子宮内膜を模倣するとされる。充実部と伴う多房性、もしくは単純性嚢胞腫粒。グリコーゲンに富み、染色されず、胞体が透明になる。管状構造、充実構造、乳頭状増殖。ホブネイル細胞が存在。
- [show details]
・予後:治療しなければ予後不良。増殖速度は中等度でリンパ節転移しやすい。
類内膜腺癌
- リスク:卵巣チョコレート嚢胞
- 治療:手術+化学療法(プラチナム併用化学療法)
- 病理:非妊時の子宮内膜を模倣するとされる。充実性。back to back(間質が消失), cribriform(さらに間質が消失)
・予後:容易。進行遅く、転移も少ない。
転移
転移性卵巣癌
- リンパ行性が多い
- 胃癌、結腸癌、乳癌、子宮体癌。(G9M.158)
治療
- 手術療法:(基本術式)両側付属器摘出術、子宮摘出術、大網摘出術。staingのために腹腔細胞診、腹腔内組織の生検、後腹膜リンパ節郭清もしくは生検を施行。
卵巣癌の種類
- NGY.232
名称
|
卵巣癌の中の頻度
|
疫学
|
病理
|
類似性
|
予後
|
卵巣チョコレート嚢胞 との関連
|
漿液性腺癌[漿液性嚢胞腺癌]
|
50%
|
平均55歳
|
小型で細胞質に乏しい。樹枝状に分枝。乳頭状腺癌
|
卵巣表皮上皮、卵管上皮細胞
|
比較的良好
|
|
粘液性腺癌[粘液性嚢胞腺癌]
|
10-15%
|
平均44歳
|
豊富な粘液をもつ多房構造や15cmを超える巨大腫瘤
|
子宮頸部粘膜上皮 腸上皮に類似
|
抗癌剤感受性低く、進行癌は予後不良
|
|
類内膜腺癌
|
10-15%
|
|
|
非妊時子宮内膜に類似
|
|
○
|
明細胞腺癌
|
15-20%
|
子宮内膜症合併
|
胞体は明るくグリコーゲンに富む。
|
妊娠子宮内膜に類似 嚢胞乳頭状構造
|
プラチナ感受性悪く予後不良
|
○
|
卵巣癌などの腫瘍マーカー
G9M.162
参考
- 1. 卵巣がん治療ガイドライン2007年版(改訂版)
- http://www.jsgo.gr.jp/guideline/ransou.html
[★]
- 英
- testicular neoplasm, testicular tumor, testicular cancer
- 同
- 睾丸腫瘍、精巣新生物
- 関
- 精巣癌
疫学
好発年齢
- 幼児 0-4歳
- 青年荘期 25-34歳:卵黄嚢腫瘍、カルチノーマ
- 45-59歳:セミノーマ、悪性リンパ腫
国別発生率 人口10万人あたり
- 英国 4.4-5.7
- 10万人当りの年間発生率はわが国では0.7~1.8人、米国系白人では4.8~8.7人で欧米人に多く発生。
分類
-
-
-
- 莢膜細胞腫/線維腫群腫瘍
- 不完全分化型政策/性腺間質腫瘍
- 混合型
- 分類不能型
|
疫学
|
病理
|
腫瘍マーカー
|
予後
|
特徴的な症状
|
頻度
|
年齢
|
β-hCG
|
AFP
|
セミノーマ
|
精巣腫瘍の50%
|
25-55歳に多い
|
柔らかい灰白色の腫瘍で、胚細胞に似た大型類円形でクロマチンの粗い核と淡明な細胞質を有する
|
○ 7-18%
|
|
良好 5年生存率90%以上
|
|
胎児性癌
|
精巣腫瘍の10% 奇形腫との混合型に多い
|
15-35歳に多い
|
柔らかい灰白色充実性腫瘍で、広範に出血及び壊死を認める。大型でクロマチンの少ない核小体の明瞭な核と未熟な明るい大きな細胞を持つ上皮細胞からなる。
|
○ 60%
|
○
|
|
早期もで血行性転移
|
卵黄嚢腫
|
小児: 単一組織型 成人: 胎児性癌や奇形腫との混合型
|
小児
|
腎糸球体に類似した血管を軸とし、内外二層の上皮細胞層からなる
|
|
○
|
|
|
絨毛癌
|
混合腫瘍がほとんど
|
15-30歳
|
出血性の腫瘍。合法性、細胞性栄養細胞に類似する
|
○ 100%
|
|
リンパ行性、血行性転移、高浸潤傾向
|
早期もで血行性転移。女性化乳房
|
奇形腫
|
|
|
3つの胚葉成分からなる。
|
|
|
小児:良好 成人:転移。化学治療に無反応
|
|
奇形癌
|
|
|
胎児性癌+奇形腫
|
|
|
|
|
治療
- SURO.271 参考3
- まず、手術により精巣を摘除(高位精巣摘除術)した後、病期に応じて治療を追加する
-
予後
参考
- 1. 精巣腫瘍診療ガイドライン - 香川県立中央病院 (2010年)
- http://www.chp-kagawa.jp/docs/seisou.pdf
- 3. 精巣がんの標準治療:がんサポート情報センター
- http://www.gsic.jp/cancer/cc_13/hc/01.html
- http://www.gsic.jp/cancer/cc_13/hc/02.html
- http://www.gsic.jp/cancer/cc_13/hc/03.html
- http://www.gsic.jp/cancer/cc_13/hc/04.html
[★]
- 英
- mediastinal tumor, tumor of the mediastinum
- 関
- 縦隔
疫学
- 胸腺腫40%、先天性嚢胞15%、神経原性腫瘍15%、奇形腫5%、胸腺癌・悪性リンパ腫・悪性胚細胞腫数% (医学事典 SSUR.436)
前縦隔腫瘍の4つのT
疾患別の好発部位
- SRA.292-改変
頻度
- 前縦隔腫瘍:50%
- 中縦隔腫瘍:25%
- 後縦隔腫瘍:25%
参考
- http://www.radpod.org/2007/07/11/anterior-mediastinal-lymphoma-mass/
- http://www.jrs.or.jp/home/modules/citizen/index.php?content_id=28
[★]
- 英
- germ cell tumor GCT, germ cell tumors GCTs
- 同
- 生殖細胞腫瘍、胚細胞性腫瘍、胚細胞腫
- 関
脳における胚細胞腫瘍(SCN.194)
好発部位(SCN.194)
- 松果体部(53%)、トルコ鞍上部(20%)、大脳基底核(5.5%) ← 正中線上に多い傾向
- ジャーミノーマはトルコ鞍上部が多い
疫学(SCN.194)
- 西欧と比べ、アジア、特に日本で多い。
- 原発性脳腫瘍の約3%を占める
- 小児に多い。小児脳腫瘍の15%を占める
- 松果体に発生する腫瘍:男性に多い
- トルコ鞍上部に発生する腫瘍:性差無し
症状(SCN.194)
[★]
- 英
- pineal tumor, pineal region tumor
- 関
- 松果体腫瘍、松果体
組織型
[★]
- 英
- immature teratoma
- 関
- 卵巣腫瘍、成熟嚢胞性奇形腫
[★]
- 英
- benign teratoma
- 関
- 成熟奇形腫
[★]
- 英
- immature teratoma
- 関
- 奇形腫
[★]
- 英
- mature teratoma
- 関
- 奇形腫
[★]
- 英
- sacrococcygeal teratoma
[★]
- 英
- malformation (L), anomaly, deformity, teratism
- 関
- 先天異常、先天奇形
[★]
- 関
- がん、腫瘍、腫瘤、良性新生物