ウィルムス腫瘍
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腎芽腫 |
分類及び外部参照情報 |
Cut section showing two halves of a nephroblastoma specimen. Note the prominent septa subdividing the sectioned surface and the protrusion of tumor into the renal pelvis, resembling botryoid rhabdomyosarcoma.
|
ICD-10 |
C64. |
ICD-9 |
189.0 |
ICD-O: |
M8960/3 |
OMIM |
194070 607102 |
DiseasesDB |
8896 |
MedlinePlus |
001575 |
eMedicine |
med/3093 ped/2440 |
MeSH |
D009396 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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腎芽腫(じんがしゅ、willms腫瘍)は、小児の腎腫瘍の一つ。小児腎腫瘍の中ではもっとも頻度が高く90%を占め、全小児悪性腫瘍においても6%をしめる代表的な腹部悪性腫瘍である[1]。ウィルムス腫瘍と呼ばれることも多い[1]。
目次
- 1 概要
- 2 原因
- 3 検査
- 4 予後・治療
- 5 脚注
- 6 関連項目
概要[編集]
神経芽腫、肝芽腫と並び、小児の3大固形悪性腫瘍のひとつである[2]。好発年齢2才~5才で、3才~4才でピークを迎える[1][3]。後腎原基細胞に由来すると考えらている[1]。WT1遺伝子の片側に変異が生じると腎不全と仮性半陰陽を認めるFraiser症候群をおこし、両側に変異を起こした場合に腎芽腫が発生する。発生率の男女差は、同等かやや女児に多い傾向がある[2]。
原因[編集]
兄弟間、双胎間に多く発症するため遺伝的な原因が示唆され、現在がん抑制遺伝子であるWT1遺伝子、WT2遺伝子が責任遺伝子として同定されている[1][2]。
検査[編集]
腹部超音波検査、CT、MRIなど[1][2]。
予後・治療[編集]
比較的予後良好[1]。転移のない腎芽腫の5年生存率は90%以上[3]。治療は病期、年齢により異なるが外科治療、放射線治療、化学療法を行う。抗がん剤ではアクチノマイシンD、アドリアマイシン、ビンクリスチンなどが用いられる>[3]。
脚注[編集]
- ^ a b c d e f g 『病気がみえる 〈vol.8〉 腎・泌尿器』 P236 メディックメディア社発行 ISBN 978-4896324143
- ^ a b c d 特定非営利活動法人 日本小児外科学会
- ^ a b c 南山堂医学大辞典 第12版 ISBN 978-4525010294
関連項目[編集]
腎・泌尿器系の疾患 |
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疾患 |
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糸球体病変
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Japanese Journal
- Wilms腫瘍 (特集 小児の固形腫瘍--診断・治療の進歩)
- 6. 残存腫瘍がnephrogenicと診断された両側Wilms腫瘍の1例(第20回群馬小児がん研究会抄録)
- 土岐 文彰,高橋 篤,桑野 博行,塚田 昌大,金澤 崇,荒川 浩一,平戸 純子,池田 均
- The Kitakanto medical journal 60(4), 396-397, 2010-11-01
- NAID 120002615042
Related Links
- 概念 小児三大固形悪性腫瘍(他に神経芽腫と肝芽腫があります)のひとつです.小児の腎臓に発生する代表的な悪性腫瘍で,小児の腎腫瘍の90%はウィルムス腫瘍 です.発生学的には中胚葉の後腎芽組織(後腎腎芽細胞 ...
- 米国における腎芽腫治療研究の功績: 腎芽腫はすでに1814年、Dr Ranceにより1歳のこどもの両側性腎腫瘍として報告されている。その後、様々な名で呼ばれた本腫瘍は1899年、Dr Max Wilmsが7例の詳細な記述を発表したのを機に ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 2歳の女児。4日前から続く微熱のため母親に連れられて来院した。既往歴に特記すべきことはない。在胎 39週、出生体重 2,602gで出生した。身長 82cm、体重 9.3kg。体温 37.8℃。脈拍 112/分、整。血圧 88/48mmHg。呼吸数 24/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。左上腹部に表面平滑で境界明瞭、可動性のない径8cmの腫瘤を触知するが圧痛はない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球 428万、Hb 11.1g/dL、Ht 34%、白血球 12,600、血小板 58万。血液生化学所見:総蛋白 7.6g/dL、総ビリルビン 0.2mg/dL、AST 35U/L、ALT 9U/L、LD 589U/L(基準 334~742)、尿素窒素7mg/dL、クレアチニン 0.2mg/dL、尿酸 2.7mg/dL、Na 141mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 104mEq/L。免疫血清学所見:CRP 3.4mg/dL、NSE 169ng/mL(基準 10以下)、α-フェトプロテイン(AFP) 2.5ng/mL(基準 10以下)、尿中バニリルマンデル酸(VMA) 96μg/mgCr(基準 6~11)。腹部単純CT(別冊No. 3A)と胸腹部造影CT(別冊No. 3B)とを別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112D015]←[国試_112]→[112D017]
[★]
- 1歳5か月の男児。腹部腫瘤を主訴として来院した。発育と栄養状態とは正常である。左上腹部が膨隆し、径15cmの弾性硬、表面平滑な腫瘤を触れる。尿所見は正常。血液所見:赤血球378万、Hb11.0g/dl、白血球7,200、血小板22万。血清生化学所見:AST32単位(基準40以下)、ALT20単位(基準35以下)、LDH770単位(基準176~353)。α-フェトプロテイン(AFP)正常。尿中VMA正常。腹部造影CTを以下に示す。診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [098A038]←[国試_098]→[098A040]
[★]
- 2歳の女児。繰り返す尿路感染の精査のため来院した。1歳5か月ころから時々高熱をきたし、近医で尿路感染症の診断で保存的治療を統けている。排尿時膀胱尿道造影写真を以下に示す。
[正答]
※国試ナビ4※ [097D038]←[国試_097]→[097D040]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095A107]←[国試_095]→[095A109]
[★]
- 小児期腫瘍と腫瘍マーカーとの組み合わせで正しいのはどれ
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[★]
- (1) 静脈性腎盂造影は診断上有用である
- (2) 遠隔転移は肺が最も多い
- (3) 抗腫瘍薬が有効である
- (4) 放射線感受性が低い
- (5) 5年生存率は約30%である
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- a. 血尿で発見されることが多い
- b. 表面平滑境界鮮明な腫瘤として触れる
- c. 合併症として虹彩欠損がある
- d. 肺転移を起こしやすい
- e. 高い治癒率が得られる
[★]
- 排泄性腎盂撮影で造影剤投与後30分以後の撮影がしばしば診断上有効である疾患はどれか
[★]
- 英
- neuroblastoma NB
- 同
- 神経芽腫、交感神経芽細胞腫 sympathoblastoma
[show details]
概念
病因
- 神経堤細胞から派生した交感神経原細胞に由来
- 脊柱傍部の交感神経節や副腎髄質(大多数(約65%))から発生。
疫学
- 小児期の悪性腫瘍の10-15%を占める
- 小児固形腫瘍の中で最も頻度が高い (次に多いのがWilms腫瘍)
- 5歳以下で発症
進展形式
病態
- 全身に進展しうる。
- 骨髄に進展すれば、造血能の低下から貧血をきたす。
- 眼窩周囲に進展してすることにより眼症状を呈する。
症状
- 非特異的で、腫瘍が進展してから発見されることが多い
- 腹部・頚部:硬い腫瘤を触れる
- 全身症状:顔色不良、貧血、食欲不振
- 眼症状:眼球突出、眼瞼周囲の皮下出血
検査
- 腫瘍マーカーの尿・血液からの検出。症例の70-80%に尿中のHVA, VMAの出現を見る
- 画像検査:CT, MRI, 超音波検査で原発巣と転移を判断。
診断
治療
- 限局例:手術
- 進行例:全身化学療法、造血細胞移植+超大量化学療法
予後
- 進行例ではきわめて予後不良。
- 1歳未満発症でかつN-myc遺伝子増幅がなければ予後良好
- 1歳以上の患児における5年無病生存率:病期III 70%。病期IV 30%
予後良好因子と予後不良因子
- 予後良好因子・・・1歳未満(病期I、II、III、IVs)
- 予後不良因子・・・1歳以上の病期III、IV。二倍体。trk遺伝子未発現。染色体1p欠失。N-myc遺伝子の増殖。
予防
- 新生児スクリーニングとしては実施されていない
- 乳児期(6ヶ月)にスクリーニングが行われる?(小児科学第2版p.263)
[★]
- 英
- Beckwith-Wiedemann syndrome Wiedemann-Beckwith syndrome BWS
- 同
- Beckwith-Wiedemann症候群、ベックウィズ・ウィーデマン症候群
[show details]
概念
病因
病態
遺伝形式
参考
- 1. BECKWITH-WIEDEMANN SYNDROME; BWS; BWS - OMIM
- http://omim.org/entry/130650
- http://www.ncnp.go.jp/nin/guide/r2/genedigmanu_html/BWS.html
[★]
- 英
- Wilms tumor
- 同
- Wilms腫瘍、腎芽細胞腫、腎芽腫 nephroblastoma
- 関
- WT1
病因
- 第11番染色体短腕の変異・欠失
- WT1:11p13
- WT2:11p15
- 腎・生殖器系組織が正常に発達するのに重要な役割を果たす転写因子。増殖抑制に作用
- 第1番染色体短腕:1p
- 第16番染色体長腕:16q
疫学
- 神経芽腫についで多い小児悪性固形腫瘍。小児腫瘍の約5%を占める。
- 1case/8,000/year
- 男女比はほぼ同じ。
- 両側性もありうる
- 3歳が最多。成人でもありうる
- 98%が10才以下。80%は5歳以下。
症状
予後
予防
[★]
- 英
- chromosome 11
- 同
- 第11番染色体、第11染色体
[★]
- 英
- tumor
- 同
- 新生物 neoplasm new growth NG
- 関
分類(EPT.65)
悪性度
細胞と間質の割合
発生学的由来
組織学的分類
上皮性腫瘍
良性腫瘍
悪性腫瘍
非上皮性腫瘍
良性腫瘍
悪性腫瘍
-
臓器別分類
外陰部(女性)
子宮
卵巣
- 表層上皮性・間質性腫瘍 Surface epithelial-stromal tumors
- 性索間質性腫瘍 Sex cord/stromal tumors
- 胚細胞腫瘍 Germ cell tumors
腫瘍と関連する疾患 first aid step1 2006 p.294