- 英
- crossmatching test
- 同
- 血液交差適合試験 blood cross-matching procedure、クロスマッチ試験 cross-matching test、クロスマッチ cross-matching
- 関
- 交差試験、blood typing
概念
- 不適合輸血を防ぐための検査。
- 輸血前に行われ、ABO型血液型、Rho(D)抗原の検査とは別の時点で採血した献体を用いる。
- 主試験は必ず実施
|
供血者
|
受血者
|
目的
|
主試験
|
major cross-match
|
血球
|
血清
|
輸血する血球の型を調べる
|
副試験
|
minor cross-match
|
血清
|
血球
|
輸血する血清中の抗体を調べる。
|
交差適合試験の省略
- 供血者の血液型検査を行い、間接抗グロブリン抗体を含む不規則抗体スクリーニング検査が陰性であり、かつ患者の血液型検査が適正に行われていれば、ABO同型血使用時の副試験は省略しても良い。
- 輸血用血液の不規則抗体スクリーニングは血液センターで実施され陰性のものが供給されていること、またPC、FFP中に赤血球はほとんど含まれていないことから、 患者の血液型と同型の製剤を使用することを原則として交差適合試験の省略が可能とされている。 ← もちろん全血や赤血球を輸血する場合でも前述の条件を満たす限り、副試験は省略可能です。
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/12/13 08:15:49」(JST)
[Wiki ja表示]
交差適合試験(こうさてきごうしけん)は輸血に伴う副作用を防止するために行われる検査である。クロスマッチテスト (cross-match test) ともいう。受血者(患者)の血液と供血者(ドナー)の血液を混合して反応の有無をみるもので、ABO式血液型の不適合や、その他の血液型に対する免疫抗体 (IgG)を検出できる方法を用いる必要がある。
交差適合試験には、受血者血清中に供血者血球に対する抗体があるかどうかを調べる主試験と、供血者血清中に受血者血球に対する抗体があるかどうかを調べる副試験がある。このうち副試験は、受血者の血液型、供血の血液型及び不規則抗体の検査が正しく行われている場合には省略することができる。
試験の結果、陰性(反応なし)であれば輸血が可能である。陽性、すなわち凝集または溶血反応が確認されれば抗体が存在することを意味する。この場合、供血者血液が受血者体内に入ることにより免疫反応が起こるため、原則として輸血を行うことはできない。
主試験と副試験の結果が合致しなかった場合は他の血液を使用することが望ましいが、緊急時には主試験の判定を優先する。
また、「イヌは自然抗体を保有しないので、供血犬、受血犬両者が献血経験を持たない場合は交差適合試験の必要はない」と信じられ、マッチングの確認をせずに輸血するような荒療治を行う獣医もいたが、実は誤りである。
検査法
交差適合試験の主な方法として、以下が挙げられる。
- 生理食塩液法
- 生理食塩液を使用する。陽性時は自然抗体 (IgM) の存在が考えられる。ABO式血液型不適合などの可能性がある。
- 間接抗グロブリン法
- 陽性の場合はABO式血液型以外の血液型に対する免疫抗体 (IgG) の存在などが考えられる。
- 酵素法
- ブロメリンなどが使用される。特にRh式血液型抗原に対する免疫抗体 (IgG) の検出感度が高い。
関連項目
- 血液型
- ヒト白血球型抗原(HLA型、白血球の血液型)
- Rh因子
参考文献
- 「cross match(-ing) 交差適合試験 クロスマッチ」常用輸血医学用語集、日本輸血・細胞治療学会
- 「交差適合試験」輸血検査の実際、北海道赤十字血液センター
- 「輸血検査」検査マニュアル、琉球大学附属病院検査部
- 「血液型判定・交差試験方法」福井大学医学部附属病院輸血部
- 「血液型検査」血液学ノート、立川察理
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 飯野 美穂,井上 進,二上 由紀,小林 洋紀,加藤 尚美,森田 庄治,石島 あや子,柴田 洋一,溝口 秀昭,南 陸彦
- 日本輸血細胞治療学会誌 = Japanese journal of transfusion and cell therapy 56(4), 508-514, 2010-08-20
- NAID 10027584549
- 交差適合試験(白血球適合試験,血小板適合試験を含む) (広範囲 血液・尿化学検査 免疫学的検査(第7版・3)その数値をどう読むか) -- (免疫学的検査 血液型および輸血検査)
- 岡山大学における医学科学生および医師を対象とした輸血検査実習
- 池田 和真,杉山 暖子,池田 亮 [他],浅野 尚美,小郷 博昭,三好 智子,片岡 仁美,水島 孝明,中村 好男,草野 展周,岡田 宏基,越智 浩二,小出 典男
- 医学教育 = Medical education 41(1), 51-53, 2010-02-25
- NAID 10026092235
- 診療の実際 緊急大量出血時の輸血--輸血の実際,マッチングなど (特集 貧血を診る)
Related Links
- 交差適合試験(こうさてきごうしけん)は輸血に伴う副作用を防止するために行われる 検査である。クロスマッチテスト (cross-match test) ともいう。受血者(患者)の血液と 供血者(ドナー)の血液を混合して反応の有無をみるもので、ABO式血液型の不適合や 、 ...
- 交差適合試験は輸血前検査として,溶血性輸血副作用防止の最後の砦となる重要な 検査である。交差適合試験には主試験と副試験とがあり,主試験は患者血清と供血者 血球の反応,副試験は患者血球と供血者血漿との溶血や凝集反応を試験管内でみる。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
- 27歳の経産婦。分娩後の出血と意識レベルの低下とのため搬入された。
- 現病歴:妊娠38週時に陣痛が発来し、分娩のため近医に入院した。陣痛が増強し、入院18時間後、吸引分娩によって3,040gの男児を娩出した。胎盤娩出直後から凝血塊を混じる出血とともに呼吸困難と気分不良とを訴え、次第に意識レベルが低下した。
- 妊娠・分娩歴:1経妊、1経産。25歳時、妊娠39週で回旋異常のため、帝王切開によって3,200gの男児を分娩した。
- 既往歴:特記すべきことはない。
- 現症:呼びかけに反応するが意識は混濁している。体温37.3℃。呼吸数38/分、浅。脈拍132/分、整。血圧70/52mmHg。顔面は蒼白。心音と呼吸音とに異常を認めない。子宮底は臍上1cm、軟、自発痛と圧痛とはない。膣鏡診で腹壁と子宮膣部とに異常はなく、外子宮口から流動性に富む血液の流出が続いている。
- 検査所見:尿所見:蛋白(±)、糖(-)。濃縮尿。
[正答]
※国試ナビ4※ [102F030]←[国試_102]→[102G001]
[★]
- 32歳の女性。2回経妊2回経産婦。1年前からの不正性器出血を主訴に来院した。臨床病期1期の子宮頸癌と診断され、3週間後に広汎子宮全摘術とリンパ節郭清術が予定されている。予測出血量は800mLである。血液所見:赤血球 380万、Hb 11.4g/dL、Ht 37%、白血球 5,200、血小板 16万。血液生化学所見:総蛋白 6.4g/dL、AST 32U/L、ALT 29U/L。血液型はAB型RhD(-)である。
- 現時点の対応として誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111E055]←[国試_111]→[111E057]
[★]
- a. 文書によるインフォームドコンセントが必要である。
- b. Rh陰性の患者にはRh陰性血を用いる。
- c. ABO血液型が同型血の場合でも副試験は省略できない。
- d. 赤血球輸血ではHb12g/dl以上を保つようにする。
- e. 新鮮凍結血漿の使用は循環血漿量の補充が目的である。
[正答]
※国試ナビ4※ [101B101]←[国試_101]→[101B103]
[★]
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[★]
- 血液検査項目の組合せで、2回に分けて採血すべきなのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109F002]←[国試_109]→[109F004]
[★]
輸血おける副試験
- 英
- minor test
- 関
- 交差適合試験
- 供血者の血清中に含まれる抗体(不規則抗体)による溶血が起こるかどうかをスクリーニングする。
- 省略できる場合とは、上記の溶血が起こらないことが分かっている場合 see. 交差適合試験#交差適合試験の省略
[★]
- 英
- cross matching, crossover test, crossover trial, cross-over trial, crossmatching test
- 同
- 交差適合試験、交叉適合試験、交叉試験
- 関
- クロスオーバー研究、クロスオーバーデザイン、交差研究、交差法
[★]
- 英
- physiological saline method
[★]
交差適合試験 血液交差適合試験 crossmatch cross-matching
[★]
- 関
- 血液型判定、交差適合試験
[★]
- 英
- examination、test、testing、assessment、trial、exam、examine
- 関
- アセスメント、計測、検査、検定、試み、査定、試行、調べる、診断、治験、調査、テスト、判定、評価、検討、影響評価、実験デザイン、研究デザイン、データ品質、対応群、スコアリング法
循環器
肝臓異物排泄能
カルシウム
ビタミン
血液
- ショ糖溶血試験:(方法)等張ショ糖液に血液を加える。(検査)溶血の存在。低イオン強度では補体の赤血球に対する結合性が増し、発作性夜間血色素尿症 PNHにおいては溶血をきたす。スクリーニング検査として用いられ、確定診断のためにはハム試験を行う。
- ハム試験 Ham試験:(方法)洗浄赤血球に塩酸を加え、弱酸性(pH6.5-7.0)条件にする。(検査)溶血の存在。発作性夜間血色素尿症 PNHにおいては弱酸性条件で補体に対する感受性が亢進するため
産婦人科
内分泌
視床下部-下垂体-糖質コルチコイド
高血圧
- 立位フロセミド負荷試験:(投与)フロセミド、(検査)血漿レニン濃度:フロセミドでhypovolemicとし歩行負荷で交感神経を興奮させレニンの分泌を促す。原発性アルドステロン症の場合、レニン高値のまま無反応。
膵臓
膵外分泌機能
腎臓
ガストリノーマ
感染症
[★]
- 英
- matching, fitting
- 関
- 適応 adjustment
[★]
- 英
- crossing over
- 関
- 乗換え、交叉