プロピベリン
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- PP-460 頻尿、尿意切迫感、尿失禁を有する患者における新規抗コリン薬の効果不十分例での塩酸プロピベリンの有用性の検討(発表・討論,第98回日本泌尿器科学会総会)
- 宮本 慎太郎,古屋 聖兒,岩澤 晶彦,佐藤 隆志,伊藤 直樹,渋谷 秋彦,尾田 寿朗,宮尾 則臣,清水 俊明,舛森 直哉,塚本 泰司
- 日本泌尿器科學會雜誌 101(2), 483, 2010-02-20
- NAID 110007868900
- 排尿障害治療薬 (新薬展望2008) -- (治療における最近の新薬の位置付け<薬効別>--新薬の広場)
- 頻尿 尿失禁を合併する前立腺肥大症患者に対する塩酸タムスロシン (ハルナールカプセル) 単独投与と塩酸プロピベリン (バップフォー錠) と塩酸タムスロシン併用投与の有効性と安全性の比較検討
Related Links
- バップフォーとは?プロピベリンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
- バップフォーとは。効果、副作用、使用上の注意。膀胱(ぼうこう)の収縮を抑制する作用があり、排尿回数の増加を抑えるといったはたらきによって、頻尿や尿失禁などの排尿障害を改善する薬です。 塩酸オキシブチニン製剤は、神経 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
バップフォー錠10
組成
成分・含量
添加物
- 乳糖水和物、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、カルメロースカルシウム、ヒプロメロース、タルク、マクロゴール6000、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム、カルナウバロウ
禁忌
- 幽門、十二指腸又は腸管が閉塞している患者[胃腸の平滑筋の収縮及び運動が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]
- 胃アトニー又は腸アトニーのある患者[抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある。]
- 尿閉を有する患者[抗コリン作用により排尿時の膀胱収縮が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]
- 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。]
- 重症筋無力症の患者[抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある。]
- 重篤な心疾患の患者[期外収縮等が報告されており、症状が悪化するおそれがある。]
効能または効果
- 神経因性膀胱、神経性頻尿、不安定膀胱、膀胱刺激状態(慢性膀胱炎、慢性前立腺炎)
- ・活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
- 本剤を適用する際、十分な問診により臨床症状を確認するとともに、類似の症状を呈する疾患(尿路感染症、尿路結石、膀胱癌や前立腺癌等の下部尿路における新生物等)があることに留意し、尿検査等により除外診断を実施すること。なお、必要に応じて専門的な検査も考慮すること。
- 下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している患者では、それに対する治療を優先させること。
- 通常、成人にはプロピベリン塩酸塩として20mgを1日1回食後経口投与する。
*年齢、症状により適宜増減するが、効果不十分の場合は、20mgを1日2回まで増量できる。
- 20mgを1日1回投与で効果不十分であり、かつ安全性に問題がない場合に増量を検討すること。
慎重投与
- 排尿困難のある患者[前立腺肥大症等では排尿困難が更に悪化又は残尿が増加するおそれがある。]
- 緑内障の患者[閉塞隅角緑内障の患者は禁忌である。閉塞隅角緑内障以外でも抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。]
- 不整脈又はその既往歴のある患者[期外収縮等が報告されており、症状が悪化又は再発するおそれがある。]
- 肝障害又はその既往歴のある患者[主として肝で代謝されるため、副作用が発現しやすいおそれがある。]
- 腎障害又はその既往歴のある患者[腎排泄が減少し、副作用が発現しやすいおそれがある。]
- パーキンソン症状又は脳血管障害のある患者[症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある。]
- 潰瘍性大腸炎のある患者[中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。]
- 甲状腺機能亢進症の患者[抗コリン作用により頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
急性緑内障発作
- 眼圧亢進があらわれ、急性緑内障発作(0.1%未満)を惹起し、嘔気、頭痛を伴う眼痛、視力低下等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
尿閉
- 尿閉(0.4%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
麻痺性イレウス
- 麻痺性イレウスがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、著しい便秘、腹部膨満等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
幻覚・せん妄
- 幻覚・せん妄(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
腎機能障害
- 腎機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、BUN、血中クレアチニンの上昇があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症
- 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少
- 血小板減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
QT延長、心室性頻拍
- QT延長、心室性頻拍、房室ブロック、徐脈等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害(0.1%未満)、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
生体位膀胱の排尿運動抑制作用
膀胱容量の増加作用30〜33)
- 麻酔ラット及びイヌを用いたシストメトリーにおいて最大膀胱容量の増加作用を、また、除脳イヌを用いたシストメトリーにおいて最大膀胱容量並びに有効膀胱容量(1回排尿量)の増加作用を示すが、残尿量の有意な増加は認められなかった。
排尿運動の抑制作用30,31)
- 麻酔ラット及びイヌにおいて膀胱充満時の律動的収縮(排尿運動)の回数減少が認められた。
電気刺激による膀胱収縮の抑制作用34,35)
- 骨盤神経を非切断あるいは切断した麻酔イヌにおいて骨盤神経の電気刺激による膀胱収縮力の低下作用がいずれも認められた。
摘出膀胱に対する作用36,37)
- 膀胱平滑筋においてアセチルコリン及び塩化カリウムによる収縮(ラット、イヌ及びモルモット)と経壁電気刺激による収縮(ラット、イヌ及びウサギ)の抑制が用量依存的に認められた。
作用機序
- 摘出膀胱においてアセチルコリン及び塩化カリウム収縮を抑制し、ムスカリン受容体への親和性を有し、アトロピンで抑制されない経壁電気刺激収縮の抑制作用を示す。また、骨盤神経の切断末梢端刺激による膀胱収縮が抑制されることより、本剤の作用は膀胱平滑筋側にあることが示唆される。一方、主代謝物であるM-1は平滑筋直接作用を、M-2は抗コリン作用を有する。
本剤は平滑筋直接作用及び抗コリン作用を有し、主として平滑筋直接作用により排尿運動抑制作用を示すと推定される。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
Hydrochloride)
化学名
2,2-diphenyl-2-propoxyacetate monohydrochloride
分子式
分子量
融点
性状
- 白色の結晶又は結晶性の粉末である。水又はエタノール(99.5)にやや溶けやすい。
★リンクテーブル★
[★]
薬効分類
|
一般名
|
商品名
|
用法
|
作用機序/薬効薬理
|
過活動膀胱治療剤
|
イミダフェナシン
|
ステーブラ
|
ウリトス
|
1回0.1-0.2mg 1日2回
|
受容体サブタイプM3及びM1受容体に高親和性を示す
|
過活動膀胱治療剤
|
トルテロジン
|
デトルシトール
|
|
1回2-4mg 1日1回
|
|
過活動膀胱治療剤
|
フェソテロジン
|
トビエース
|
|
1回4-8mg 1日1回
|
|
過活動膀胱治療剤
|
ソリフェナシン
|
ベシケア
|
|
1回2.5-10mg 1日1回
|
膀胱平滑筋において、ムスカリンM3受容体拮抗作用を示すことにより、膀胱の過緊張状態を抑制し、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を改善する。
|
選択的β3アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤
|
ビベグロン
|
ベオーバ
|
|
1回50mg 1日1回
|
本剤は膀胱平滑筋に存在するβ3アドレナリン受容体を選択的に刺激し、膀胱を弛緩させることで蓄尿機能を亢進し、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を改善する。
|
選択的β3アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤
|
ミラベグロン
|
ベタニス
|
|
1回25-50mg 1日1回
|
膀胱平滑筋のβ3アドレナリン受容体を刺激し、膀胱を弛緩させることで蓄尿機能を亢進し、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁を改善する。
|
前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤 α1阻害
|
ナフトピジル
|
フリバス
|
|
1回12.5-75 1日1回
|
α1受容体遮断作用に基づき前立腺部及び尿道に分布する交感神経の緊張を緩和し、尿道内圧を低下させ、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する。
|
前立腺肥大症に伴う排尿障害改善剤 PDE-5阻害
|
タダラフィル
|
ザルティア
|
|
1回2.5-5mg 1日1回
|
タダラフィルはPDE5を阻害することにより、前立腺及び膀胱平滑筋、並びに下部尿路血管の平滑筋内cGMP濃度を上昇させる。タダラフィルによる血管拡張作用を介した血流増加が前立腺肥大症に伴う排尿障害の症状緩和に寄与していると考えられる。また、前立腺及び膀胱における平滑筋弛緩が血管に対する作用を補完している可能性がある。
|
前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬 α1阻害
|
シロドシン
|
ユリーフ
|
|
1回2-4mg 1日2回朝夕
|
下部尿路組織である前立腺、尿道及び膀胱三角部に分布するα1A-アドレナリン受容体サブタイプを介する交感神経系を遮断することにより、下部尿路組織平滑筋の緊張を緩和し、尿道内圧の上昇を抑制し、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する
|
前立腺肥大症の排尿障害改善剤 α1阻害
|
タムスロシン
|
ハルナール
|
パルナック
|
1回0.1-0.2mg 1日1回
|
尿道及び前立腺部のα1受容体を遮断することにより、尿道内圧曲線の前立腺部圧を低下させ、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する。
|
前立腺肥大症治療剤
|
オオウメガサソウエキス、ハコヤナギエキス、セイヨウオキナグサエキス、スギナエキス、小麦胚芽油
|
エピカルス配合
|
|
1回2錠 1日3回
|
抗炎症作用、前立腺重量増加抑制作用
|
前立腺肥大症治療剤
|
オオウメガサソウエキス、ハコヤナギエキス、セイヨウオキナグサエキス、スギナエキス、小麦胚芽油
|
エビプロスタット配合
|
|
1回1錠 1日3回
|
前立腺の炎症は過形成や症状の進行に関与しており、また、膀胱の慢性虚血による酸化ストレスも、排尿筋過活動による蓄尿症状の原因となっている。抗炎症作用や抗酸化作用により、前立腺肥大症における排尿障害を改善する
|
前立腺肥大症治療剤
|
オオウメガサソウエキス、ハコヤナギエキス、セイヨウオキナグサエキス、スギナエキス、小麦胚芽油
|
エルサメット配合
|
|
1回2錠(配合)/1錠(S配合) 1日3回
|
抗炎症作用、前立腺重量増加抑制作用
|
前立腺疾患治療剤
|
セルニチンポーレンエキス
|
セルニルトン
|
|
1回2錠 1日2-3回
|
抗炎症作用、排尿促進作用、抗前立腺肥大作用を有する
|
尿失禁・尿意切迫感・頻尿治療剤
|
オキシブチニン
|
ネオキシテープ
|
ポラキス
|
1回2-3mg 1日3回(錠)/37.5mgテープ1枚 1日1枚(テープ)
|
膀胱平滑筋において、細胞内カルシウムの細胞外への流出促進と細胞外カルシウムの細胞内への流入阻害によりカルシウムイオンに拮抗する。また、骨盤神経より遊離されるアセチルコリンに拮抗する(抗ムスカリン作用)。これらの作用により膀胱の過緊張を抑制することで初発尿意量および最大膀胱容量を増大させる。
|
尿失禁・頻尿・過活動膀胱治療剤
|
プロピベリン
|
バップフォー
|
|
1回20mg 1日1-2回
|
|
頻尿治療剤
|
ブラダロン
|
フラボキサート
|
|
1回200mg 1日3回
|
膀胱充満時の律動収縮を抑制し、膀胱三角部における筋放電作用を減弱する
|
勃起不全治療剤
|
タダラフィル
|
シアリス
|
|
1回5-20mg 1日1回
|
性的刺激により一酸化窒素(NO)の局所的な遊離が生じる際に、タダラフィルは、cGMP分解酵素であるPDE5を阻害することにより海綿体のcGMP濃度を上昇させる。その結果、平滑筋が弛緩し、陰茎組織への血流が増大して勃起が達成される。
|
勃起不全治療剤
|
シルデナフィル
|
バイアグラ
|
|
1回25-50mg 1日1回
|
シルデナフィルは、陰茎海綿体のPDE5を選択的に阻害し、神経及び海綿体内皮細胞由来のNO刺激により産生された陰茎海綿体内のcGMP分解を抑制することにより、陰茎海綿体平滑筋を弛緩させ、血流量が増加し、陰茎を勃起、維持させる。
|
勃起不全治療剤
|
バルデナフィル
|
レビトラ
|
|
1回5-20mg 1日1回
|
陰茎海綿体平滑筋及び関連小動脈を弛緩させて陰茎を勃起させるcGMPは,グアニル酸シクラーゼによる合成とPDE5による加水分解とのバランスにより調節されている.バルデナフィルはPDE5を阻害することによりcGMP量を増加させ,陰茎を勃起させる
|
切迫早産における子宮収縮抑制剤
|
硫酸マグネシウム
|
マグセント
|
|
|
|
切迫流・早産治療剤
|
リトドリン
|
ウテメリン
|
リトドール
|
1回5mg 1日3回
|
β-受容体に対する選択的な刺激効果に基づきc-AMP含量を増加させ,Ca++の貯蔵部位への取り込みを促進して子宮運動抑制をきたすと考えられるとともに,膜の過分極,膜抵抗減少及びスパイク電位発生抑制をきたし,子宮収縮抑制作用を発揮する
|
尿路結石治療剤
|
ウラジロガシエキス
|
ウロカルン
|
|
1回2錠 1日3回
|
結石発育抑制作用及び溶解作用を有し、抗炎症作用、利尿作用とともに腎結石・尿管結石に対する排出促進効果を示す
|
[★]
- 英
- propiverine、
- 化
- 塩酸プロピベリン propiverine hydrochloride
- 商
- ウロナベリン、ノーラガード、バップフォー、バップベリン、バルレール、バンコミック、ビフォルベリン、プロピベ、ペニフォー、ベンズフォー、ミクトノーム、ユリロシン
- 関
- 乳糖水和物