- 英
- intermittent carbon monoxide poisoning, intermittent carbon monoxide intoxication
- 関
- 一酸化炭素中毒
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 優秀論文 間歇型一酸化炭素中毒患者の回復過程への段階的アプローチ--PSMS・MMSEを用いた回復過程の評価と各段階における適切なケアについて
- 症例 曝露後3カ月を経て軽度の認知機能障害がみられた間歇型一酸化炭素中毒の1例
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- 概念 急性一酸化炭素中毒から、回復後に2-40日程度の潜伏期間を経て、急激に認知機能障害、精神症状、パーキンソン症状などを呈する遅発性神経症状(delayed neurologic sequelae:DNS)が知られていて、間歇型一酸化炭素中毒と ...
- 急性の一酸化炭素中毒による意識障害からいったん回復した後、数日から1カ月程度の期間を経て、認知機能障害などを呈する間歇型一酸化炭素中毒が知られている。高圧酸素療法が有効で「治療可能な認知症」だが ...
- 高気圧酸素療法(以下HBO)などの治療を継続 し,8 回目のHBO実施頃より,発話や運動が出 現し始めたが,重度の運動機能障害,認知障害を 認め,8月25日にリハビリテーション目的にて当 院へ転院となった。 2.初期症状
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- 英
- carbon monoxide poisoning CO poisoning
- 同
- CO中毒
- 関
- 一酸化炭素 carbon monoxide CO
概念
疫学
- わが国では中毒死の原因物質として頻度が高い(60%で最多 (YN.K-33))。自殺が半数以上。
- COの発生源としては、火災、都市ガス、自動車の排気ガス、瞬間湯沸かし器などの各種燃焼器具、練炭などの炭製品などが挙げられる。
- 季節性で、特に冬に多い。
病因 HIM.1142
- 1. 一酸化炭素ヘモグロビンの生成により末梢への酸素運搬が阻害される(COのHbに対する親和性はO2のそれの250倍) → 組織低酸素
- 2. 酸素解離曲線の左方移動。
- 3. CO とミオグロビンの結合 → (心臓)心筋虚血、不整脈
- 4. チトクロム酸化酵素との結合による細胞呼吸障害。
- 5. 再灌流障害、酸素ラジカル生成・脂質過酸化による中枢神経障害。
病理
- 中枢神経:大脳基底核、レンズ核の虚血性変化が特徴的
法医
- 剖検所見では、死斑・血液の鮮紅色調が特徴。
- 血中COHbが50-60%以上であれば死因としうる。
- 焼死体では、煤の吸引とともに、火災時に生存していたことの根拠として重要。
症候
- IMD.1143, NEL.355
- 症状はCOHbの血中濃度に依存する。
- 初期症状は頭痛、悪心・嘔吐で、非特異的でありインフルエンザ、胃腸炎と誤診されやすい。さらにCOHb濃度が上がると、激しい頭痛、めまい、視野の変化、脱力が生じる。高濃度では昏睡、てんかん発作、呼吸不安定、死が起こる。
- 血中COHb>10%;頭痛。>30%;激しい頭痛、悪心、嘔吐。>60-70%;死亡
- 眼症状:網膜出血(NEL.355)、乳頭浮腫(CASES.192)
- 皮膚・粘膜:(急性のCO中毒)generalized chery-red color of the skin and mucous membranes.
- 中枢神経症状:
- 循環器症状:胸痛、心電図上の虚血性変化、不整脈
- 呼吸器症状:息切れ、頻呼吸
- 消化器症状:悪心・嘔吐
- 泌尿器症状:失禁
- 慢性期:遅発性精神系精神症状群 delayed neuro-psychiatric syndrome:10-30%に認める。50-75%は1年以内に回復
- 回復した意識が1-3週後に再び低下することがある。
病型による症状
- 急性一酸化炭素中毒
- 慢性一酸化炭素中毒、間歇型一酸化炭素中毒:知覚障害、運動障害(錐体路症状、錐体外路症状)
IMD.1142
COHb(%)
|
症状
|
≦10
|
ほとんどなし
|
10~20
|
前頭部頭重感、皮膚血管拡張
|
20~30
|
拍動性頭痛、体動時の息切れ
|
30~40
|
悪心、めまい、視力障害、疲労感、判断力低下
|
40~50
|
頻脈、昏迷、脱力、虚脱
|
50~60
|
昏睡、痙攣
|
60~70
|
低血圧、呼吸微弱
|
≧70
|
呼吸停止、死亡
|
WMM.757
- 20-40% : めまい、頭痛、脱力、判断力の低下、悪心・嘔吐、視力の低下。網膜の出血が見られることがある。
- 40-60% : 頻呼吸、頻拍、失行、失神、てんかん。ECGではST部位の変化、伝導障害、心房・心室性不整脈が分かるかもしれない。
- 60%以上: 昏睡、死
BPT.282
- 20-30%:全身性の低酸素血症
- 60-70%:死亡
NEL. 355
- >15%:症状が出現
- >20%:中毒症状が出現
- >40%:重度の神経症状が出現
身体所見
- 古典的所見のcherry-red lips(さくらんぼ色の唇)、チアノーゼ、眼底出血の頻度は高くない。 → むしろですねCO-Hbの吸光度特性はO2-Hbに似てるからチアノーゼは見いだされないよ。
検査
- HIM.1142
- COHb濃度の上昇(基準値:1-3%、ヘビースモーカー:15%)
- pulse-oximetry gap:パルスオキシメーターでは COHb と酸化 Hb の区別が不可能なため、酸素飽和度の実測値より高値となる。
- 動脈酸素分圧は正常だから(そうなの?)、動脈酸素飽和度や一酸化炭素ヘモグロビンを測定する必要がある(WMM.757)
- 心筋虚血、不整脈(頻脈、各種ブロックなど)
-
- 大脳基底核:萎縮、限局性低吸収
- 大脳白質 :広範な低吸収
- MRI:白質の脱髄所見、淡蒼球(globus pallidus)の壊死
治療
- COHbが10%未満になるまで継続(WMM.757)
- 4-6時間の治療後にも症状が持続する場合には、高気圧酸素療法を考慮する。
- 高圧酸素療法(3 atm)は以下の患者に推奨される;意識がない、神経症状、ECG所見で虚血、重度の代謝性アシドーシス、横紋筋融解症、肺浮腫、あるいはショックが認められる患者(WMM.757)
- RCTによる有効性に関する根拠はないが、昏睡、意識消失、痙攣などの重度中枢神経症状、肺浮腫、心筋虚血、重症代謝性アシドーシスを呈する場合、COHb > 40%、妊娠時、高齢患者には適応(IMD.1142)。
- 高酸素療法は長期的な神経学的転帰を改善する(WMM.757)
血液中のCOの半減期 NEL.355
- 健常人:平均5-6時間
- 100%酸素の投与下:40-60分
- 高圧酸素(2.5-3気圧):15-30分 適応:CO中毒に適合した神経症状が出現/子供や妊婦でCOHbレベルが25%より大きいこと
診断
- 発症した患者をとりまく状況(居合わせた他の人、COを発生しうる環境か)を聴く
- 除外診断:CO中毒様の症状を来す疾患を鑑別。特に中枢神経疾患
後遺症
- 精神神経症状:健忘症、自発性低下、感情障害、パーキンソン症候群など
予後
- 速やかに意識が回復する場合は予後良好
- 意思疎通の回復は4日以内に限られ、昏睡が遷延する場合には回復を期待できない。
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- poisoning, intoxication
- 関
中毒の早期発見のための検査
- SUB.403
重金属
有機溶剤
中毒一覧
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- carbon、C、carbonic
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- カルボニック、クーロン、システイン、シトシン、炭酸、カーボン
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- toxin、poison、poison
- 関
- 毒素、毒物、毒を入れる、トキシン
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- 英
- carbon monoxide, CO
臨床関連
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- monoxide
- 関
- 一酸化物