- 英
- protoporphyrin
- 商
- プロトポルト、プロルモン
- 関
- protoporphyrin IX、ポルフィリン、ヘム
- first aid step1 2006 p.103
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/04/28 02:31:45」(JST)
[Wiki ja表示]
プロトポルフィリンIX |
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
553-12-8 |
PubChem |
4971 |
特性 |
化学式 |
C34H34N4O4 |
モル質量 |
562,658 g/mol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
プロトポルフィリン (protoporphyrin) は、ポルフィン環に、4つのメチル基、2つのビニル基、2つのプロピオン酸基が結合した構造をもつポルフィリンの総称である。特に断らない場合、ヘムやクロロフィルの前駆体となるプロトポルフィリンIX を指す。また、ポルフィリン類の分類に使われるローマ数字は、"Appendix 3 Fischer Trivial Names"(脚注参照)によって置換基の種類と位置によって決められる[1]。
目次
- 1 生体中での反応
- 2 プロトポルフィリン症
- 3 脚注
生体中での反応
生体において、プロトポルフィリンIXは、δ-アミノレブリン酸(ALA)から数種類の酵素反応を経て合成される。この合成経路は動物・植物・菌類を問わず多くの生物が共通に持つことが知られている。
生合成
ALA 2分子がアミノレブリン酸脱水酵素によって脱水縮合されると、ピロール環構造を持つポルフォビリノーゲン(PBG)となる。PBG 4分子がポルフォビリノーゲン脱アミノ酵素(別名:ヒドロキシメチルビラン合成酵素)によってアンモニアを脱離して結合すると、ピロールが4つ直線状に連結した構造をもつヒドロキシメチルビランが出来る。
ヒドロキシメチルビランがウロポルフィリノーゲンIIIシンターゼ(合成酵素)によって縮合し、環を巻くとウロポルフィリノーゲンIIIとなる。ウロポルフィリノーゲンIII合成酵素がはたらかない場合、自発的に縮環してウロポルフィリノーゲンI が生成する。ウロポルフィリノーゲンI はウロポルフィリノーゲン脱炭酸酵素の基質となりコプロポルフィリノーゲンIへと変換されるが、これはコプロポルフィリノーゲン酸化酵素の基質とならないため、プロトポルフィリンには至らない。[2]。ここから、ウロポルフィリノーゲン脱炭酸酵素によって4つの酢酸基が脱炭酸されてメチル基となったものがコプロポルフィリノーゲンIIIである。さらに、コプロポルフィリノーゲン酸化酵素によって2箇所のプロピオン酸基が酸化され、ビニル基に変換されるとプロトポルフィリノーゲンIX となる。最終的にプロトポルフィリノーゲン酸化酵素によって酸化されると、プロトポルフィリンIX ができあがる。
後続反応
プロトポルフィリンIX にフェロキラターゼによって鉄が挿入された物質がヘムbである。また、プロトポルフィリンIX にマグネシウムキラターゼによってマグネシウムが配位され、さらに数段階を経るとクロロフィルが合成される。
プロトポルフィリンIX のαメソ位がヘムオキシゲナーゼ等によって酸化的に分解・開環されると、ビリベルジンをはじめとする各種開環テトラピロール類が生成する[3]。
プロトポルフィリン症
詳細は「ポルフィリン症」を参照
正常なヒトでは、プロトポルフィリンは生産されるとすぐにフェロキラターゼによってヘムに変換されるため、体内の存在量は少なく、また微量しか排泄されない。一方、遺伝的欠損、あるいは鉛中毒などの影響でフェロキラターゼが十分に機能しないと、体内にプロトポルフィリンが蓄積され、プロトポルフィリン症(Protoporphyria)と呼ばれる一連の症状を示す[4]。プロトポルフィリンが光を吸収して活性酸素を生じるために引き起こされる光線過敏、水溶性の低いプロトポルフィリンが肝臓内に蓄積され固まることによる胆石が代表的な症状である。プロトプルフィリンは水溶性が低く、尿にはあまり含まれないため、血液または糞便の蛍光を検査することで診断する。
脚注
- ^ International Union of Pure and Applied Chemistry and International Union of Biochemistry, "Nomenclature of Tetrapyrroles (Recommendations 1986)", Pure & Appl. Chem. 59, 779 (1987) "Appendix I A. Trivially Named Porphyrins" [1]
- ^ はじめに: ポルフィリン症 メルクマニュアル18版 日本語版
- ^ 右田たい子, 吉田匡, 植物ヘムオキシゲナーゼとその生理機能 、生物物理 44, 81-86 (2004)
- ^ 清水宏, 『あたらしい皮膚科学』, 中山書店, 2005. ISBN 4-521-01851-3
テトラピロール |
|
ビリン
(線形) |
ビリルビン · ビリベルジン · ステルコビリノーゲン · ステルコビリン · ウロビリノーゲン · ウロビリン
|
|
フィトビリン
|
フィトクロム
|
|
フィコビリン
|
フィコエリトロビリン · フィコシアノビリン · フィコウロビリン · フィコビオロビリン
|
|
|
|
大員環化合物 |
コリノイド
|
メチルコバラミン · アデノシルコバラミン · シアノコバラミン
|
|
ポルフィリノーゲン
|
ウロポルフィリノーゲン (I, III) · コプロポルフィリノーゲン (I, III)
|
|
ポルフィリン
|
プロトポルフィリン (IX) · ヘム (a, b) · 亜鉛プロトポルフィリン · クロロフィルc1 · クロロフィルc2
|
|
クロリン
|
プロトクロロフィリド · クロロフィリド · クロロフィルa · クロロフィルb · バクテリオクロロフィルc
|
|
バクテリオクロリン
|
バクテリオクロロフィルa
|
|
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- プロトポルフィリンIXの細胞内集積に及ぼす18-クラウン-6の添加効果
- 渡部 信也,石井 琢也,田中 徹,徳岡 由一
- 日本レーザー医学会誌 = The Journal of Japan Society for Laser Medicine 32(2), 229, 2011-08-31
- NAID 10029678401
- 症例 フェロケラターゼ遺伝子解析により診断した骨髄性プロトポルフィリン症
Related Links
- プロトポルフィリン (protoporphyrin) は、ポルフィン環に、4つのメチル基、2つのビニル基、2つのプロピオン酸基が結合した構造をもつポルフィリンの総称である。特に断らない場合、ヘムやクロロフィルの前駆体となるプロト ...
- 臨床的意義 骨髄や肝臓に存在するポルフィリン体の一種。ポルフィリン症の鑑別、鉛中毒のスクリーニングに用いられる検査。 プロトポルフィリンは、骨髄および肝臓に存在するヘム合成系の中間代謝物であるポルフィリン体の一つ ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
プロトポルト錠
組成
成分・含量
添加物
- 乳糖、ステアリン酸Mg、白糖、沈降炭酸Ca、セラック、赤色102号、青色2号、黄色5号
効能または効果
- 慢性肝疾患における肝機能の改善
- プロトポルフィリン二ナトリウムとして、通常成人1回20〜40mgを1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- プロトポルフィリン二ナトリウム(Protoporphyrin Disodium)
化学名
- Disodium 1,3,5,8-tetramethyl-2,4-divinylporphine-6,7-dipropionate
分子式
分子量
性状
- 赤紫色〜黒紫色の粉末で、においはなく、弱い塩味がある。水に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすく、ジエチルエーテル又はクロロホルムにはほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 職場の有害因子と生物学的曝露の測定項目との組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105G003]←[国試_105]→[105G005]
[★]
プロトポルフィリン
[★]
プロトポルフィリン
[★]
プロトポルフィリン
[★]
プロトポルフィリン
[★]
プロトポルフィリン
[★]
- 英
- erythropoietic protoporphyria EPP
- 同
- 赤血球生成性プロトポルフィリン症、赤芽球型プロトポルフィリン症
- 関
- ポルフィリン症
[show details]
[★]
- 英
- ferroprotoporphyrin IX
- 関
- ヘム
[★]
- 英
- free erythrocyte protoporphyrins
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- pro
[★]
- 英
- topo
- 関
- 位置、場所
[★]
- 英
- proto
- 関
- 原、元