- 英
- Mental Health and Welfare Law
- 同
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
- 関
- 法令、障害者自立支援法
歴史
入院制度の比較
- PSY.163改変
名称
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強制/非強制
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退院制限
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患者条件
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診察医
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入院の命令者
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保護者の同意
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入院期間
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知事への届出
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任意入院
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非強制
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なし。ただし72時間に限り 精神保健指定医による制限可能
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特になし
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非指定医でも可
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なし
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不要
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制限なし
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不要
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措置入院
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強制
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医師の判断で可能
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自傷、他傷の事実、 あるいは恐れ
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精神保健指定医2名の合意
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都道府県知事、政令指定都市市長
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必要
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緊急措置入院
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精神保健指定医1名
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72時間
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医療保護入院
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医療と保護の必要性
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病院管理者
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必要
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制限なし
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応急入院
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緊急の入院が必要
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不要
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72時間
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第一章 総則
(この法律の目的)
第1条
- この法律は、精神障害者の医療及び保護を行い、障害者自立支援法 (平成十七年法律第百二十三号)と相まつてその社会復帰の促進及びその自立と社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行い、並びにその発生の予防その他国民の精神的健康の保持及び増進に努めることによつて、精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ることを目的とする。
第二章 精神保健福祉センター
(精神保健福祉センター)
第6条
- 都道府県は、精神保健の向上及び精神障害者の福祉の増進を図るための機関(以下「精神保健福祉センター」という。)を置くものとする。
- 2 精神保健福祉センターは、次に掲げる業務を行うものとする。
- 一 精神保健及び精神障害者の福祉に関する知識の普及を図り、及び調査研究を行うこと。
- 二 精神保健及び精神障害者の福祉に関する相談及び指導のうち複雑又は困難なものを行うこと。
- 三 精神医療審査会の事務を行うこと。
- 四 第四十五条第一項の申請に対する決定及び障害者自立支援法第五十二条第一項に規定する支給認定(精神障害者に係るものに限る。)に関する事務のうち専門的な知識及び技術を必要とするものを行うこと。
- 五 障害者自立支援法第二十二条第二項の規定により、市町村が同条第一項に規定する支給要否決定を行うに当たり意見を述べること。
- 六 障害者自立支援法第二十六条第一項の規定により、市町村に対し技術的事項についての協力その他必要な援助を行うこと。
第四章 精神保健指定医、登録研修機関及び精神科病院
第一節 精神保健指定医
(精神保健指定医)
第18条
- 厚生労働大臣は、その申請に基づき、次に該当する医師のうち第十九条の四に規定する職務を行うのに必要な知識及び技能を有すると認められる者を、精神保健指定医(以下「指定医」という。)に指定する。
- 一 五年以上診断又は治療に従事した経験を有すること。
- 二 三年以上精神障害の診断又は治療に従事した経験を有すること。
- 三 厚生労働大臣が定める精神障害につき厚生労働大臣が定める程度の診断又は治療に従事した経験を有すること。
- 四 厚生労働大臣の登録を受けた者が厚生労働省令で定めるところにより行う研修(申請前一年以内に行われたものに限る。)の課程を修了していること。
- 2 厚生労働大臣は、前項の規定にかかわらず、第十九条の二第一項又は第二項の規定により指定医の指定を取り消された後五年を経過していない者その他指定医として著しく不適当と認められる者については、前項の指定をしないことができる。
- 3 厚生労働大臣は、第一項第三号に規定する精神障害及びその診断又は治療に従事した経験の程度を定めようとするとき、同項の規定により指定医の指定をしようとするとき又は前項の規定により指定医の指定をしないものとするときは、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。
(措置入院に関して規定している)
第29条
- 都道府県知事は、第二十七条の規定による診察の結果、その診察を受けた者が精神障害者であり、かつ、医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めたときは、その者を国等の設置した精神科病院又は指定病院に入院させることができる。
- 2 前項の場合において都道府県知事がその者を入院させるには、その指定する二人以上の指定医の診察を経て、その者が精神障害者であり、かつ、医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めることについて、各指定医の診察の結果が一致した場合でなければならない。
(費用の負担) → 措置入院の入院に要する費用は都道府県(間接的に国が)負担する。
第30条
- 第二十九条第一項及び第二十九条の二第一項の規定により都道府県知事が入院させた精神障害者の入院に要する費用は、都道府県が負担する。
- 2 国は、都道府県が前項の規定により負担する費用を支弁したときは、政令の定めるところにより、その四分の三を負担する。
第五節 精神科病院における処遇等
(処遇)
第36条
- 精神科病院の管理者は、入院中の者につき、その医療又は保護に欠くことのできない限度において、その行動について必要な制限を行うことができる。 → 精神科病院に限り行動制限可能
- 2 精神科病院の管理者は、前項の規定にかかわらず、信書の発受の制限、都道府県その他の行政機関の職員との面会の制限その他の行動の制限であつて、厚生労働大臣があらかじめ社会保障審議会の意見を聴いて定める行動の制限については、これを行うことができない。
(身体拘束)
- 3 第一項の規定による行動の制限のうち、厚生労働大臣があらかじめ社会保障審議会の意見を聴いて定める患者の隔離その他の行動の制限は、指定医が必要と認める場合でなければ行うことができない。
(精神保健福祉相談員)
第48条
- 都道府県及び市町村は、精神保健福祉センター及び保健所その他これらに準ずる施設に、精神保健及び精神障害者の福祉に関する相談に応じ、並びに精神障害者及びその家族等を訪問して必要な指導を行うための職員(次項において「精神保健福祉相談員」という。)を置くことができる。
- 2 精神保健福祉相談員は、精神保健福祉士その他政令で定める資格を有する者のうちから、都道府県知事又は市町村長が任命する。
(精神障害者社会適応訓練事業)
第50条
- 都道府県は、精神障害者の社会復帰の促進及び社会経済活動への参加の促進を図るため、精神障害者社会適応訓練事業(通常の事業所に雇用されることが困難な精神障害者を精神障害者の社会経済活動への参加の促進に熱意のある者に委託して、職業を与えるとともに、社会生活への適応のために必要な訓練を行う事業をいう。以下同じ。)を行うことができる。
第七章 精神障害者社会復帰促進センター
(指定等)
第51条の二
- 厚生労働大臣は、精神障害者の社会復帰の促進を図るための訓練及び指導等に関する研究開発を行うこと等により精神障害者の社会復帰を促進することを目的とする一般社団法人又は一般財団法人であつて、次条に規定する業務を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申請により、全国を通じて一個に限り、精神障害者社会復帰促進センター(以下「センター」という。)として指定することができる。
- 2 厚生労働大臣は、前項の規定による指定をしたときは、センターの名称、住所及び事務所の所在地を公示しなければならない。
- 3 センターは、その名称、住所又は事務所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
- 4 厚生労働大臣は、前項の規定による届出があつたときは、当該届出に係る事項を公示しなければならない。
法令
- http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO123.html
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行令(昭和二十五年五月二十三日政令第百五十五号)
- http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25SE155.html
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行規則(昭和二十五年六月二十四日厚生省令第三十一号)
- http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25F03601000031.html
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精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 |
---|
日本の法令 |
通称・略称 |
精神保健福祉法 |
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法令番号 |
昭和25年5月1日法律第123号 |
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種類 |
行政手続法 |
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効力 |
現行法 |
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主な内容 |
精神保健と精神障害者福祉 |
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関連法令 |
障害者基本法、障害者総合支援法、障害者差別禁止法、障害者虐待防止法、医療観察法 |
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条文リンク |
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精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(せいしんほけんおよびせいしんしょうがいしゃふくしにかんするほうりつ、英語: Act on Mental Health and Welfare for the Mentally Disabled[1]、昭和25年5月1日法律第123号)は、精神保健と精神障害者福祉について規定した日本の法律である。精神保健福祉法と略される。
目的は、精神障害者の医療・保護、その社会復帰の促進・自立と社会経済活動への参加の促進のための必要な援助、その発生の予防その他国民の精神的健康の保持及び増進により、精神障害者の福祉の増進・国民の精神保健の向上を図ることにある(法1条)。
当初の名称は「精神衛生法」で、1988年7月施行の精神衛生法等の一部を改正する法律(昭和62年9月26日法律第98号)により「精神保健法」に、1995年7月施行の精神保健法の一部を改正する法律(平成7年5月19日法律第94号)により「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」に改める。
「日本の精神保健」も参照
構成
- 第1章 総則
- 第2章 精神保健福祉センター
- 第3章 地方精神保健福祉審議会および精神医療審査会
- 第4章 精神保健指定医、登録研修機関および精神科病院
- 第1節 精神保健指定医
- 第2節 登録研修機関
- 第3節 精神科病院
- 第5章 医療および保護
- 第1節 保護者
- 第2節 任意入院
- 第3節 指定医の診察および措置入院
- 第4節 医療保護入院等
- 第5節 精神科病院における処遇等
- 第6節 雑則
- 第6章 保健および福祉
- 第1節 精神障害者保健福祉手帳
- 第2節 相談指導等
- 第3節 施設および事業
- 第7章 精神障害者社会復帰促進センター
- 第8章 雑則
- 第9章 罰則
- 附則
- 別表
強制入院の根拠法
「精神科#入院」も参照
非自発入院の判断基準(日本精神科救急学会ガイドライン)[2]
- 精神保健福祉法が規定する精神障害と診断される。
- 上記の精神障害のために判断能力が著しく低下した病態にある
(精神病状態,重症の躁状態またはうつ状態,せん妄状態など)。
- この病態のために,社会生活上,自他に不利益となる事態が生じている。
- 医学的介入なしには,この事態が遷延ないし悪化する可能性が高い。
- 医学的介入によって,この事態の改善が期待される。
- 入院治療以外に医学的な介入の手段がない。
- 入院治療についてインフォームドコンセントが成立しない。
本法は、その沿革からして精神障害者の強制入院制度に関する事項が多くを占めている。1964年のライシャワー事件以降は、精神障害者に対する精神科病院への隔離収容の強化に傾いたが、1984年の宇都宮病院事件以降は、入院患者の人権・権利擁護尊重に傾き、現在では社会的入院からの退院促進に重きを置くことになっている。
本法に規定される入院形態は、措置入院・緊急措置入院・医療保護入院・応急入院・任意入院があり、前4者は強制入院(非自発入院)である。その他の強制入院として心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律による入院処遇、同法による鑑定入院、刑事訴訟法上の鑑定留置としての鑑定入院があるが、詳細は各項目を参照のこと。
- 精神科への入院[2]
- 自発入院 - 任意入院
- 非自発入院
- 措置入院 / 緊急措置入院
- 医療保護入院 / 応急入院
本項はこれらに共通する事項について記述する。
精神科病院、精神病床、精神保健指定医
本法の入院規定の対象となるのは、精神科病院及び精神科病院以外の病院であって精神病室を有するものである(19条の5参照)。
- 都道府県は都道府県立精神科病院を設置するか(19条の7)、厚生労働大臣の指定する適合条件に適した精神科を有する国立、都道府県立、もしくは地方公共団体立の病院を都道府県立精神科病院の代替とする指定病院として、設置しなければならない。(19条の8)2016年4月現在、都道府県立精神科病院もしくは、指定病院が大分県を除き、46都道府県で設置されている[3]。なお大分県は、指定病院として大分県立病院等に精神科を設置しているが、通院施設のみの設置であり、精神病床(入院施設)を欠落している状態である。2020年頃に同病院に併設して入院施設が完成予定である[3]。これにより、全都道府県で施設が整備されることになる。
- 精神病患者は、原則として精神病室に入院させることとされる(医療法施行規則10条3号)が、例外的に精神病室以外の病室に入院させる場合(同条柱書ただし書き)、本法が適用されない。例えば集中治療室(ICU)でせん妄を起こして暴れている患者がいる場合、本法に定める精神障害者に含まれるが、精神病室に入院していないから、精神保健指定医の判断なく拘束を行うことができる。このような例外を除いて、精神病床では本法に則った入退院や処遇が履践されなければならず、精神科臨床について精神科医が一定の修練を経た精神保健指定医(指定医)を、常勤として置かなければならない(19条の5)。指定医は入退院、入院継続、処遇等に関し独占的な判断権を有する。詳細は以下及び精神保健指定医の頁を参照のこと。
処遇
入院患者に対しては行動制限を課すことができ、法律レベルではその内容・手続等の規定がなく、通達レベルへ広範に委任されている。
- 36条2項及び昭和63年厚生省告示128号は信書の発受、人権擁護の行政機関職員及び代理人弁護士との電話、並びにこれらの者及び代理人となろうとする弁護士との面会はいかなる場合も制限できないとし、36条3項及び昭和63年厚生省告示129号は12時間を超える隔離及び身体的拘束は指定医の判断を要するとする(36条3項は「隔離その他の行動の制限」としており、告示に規定のない12時間を超えない隔離は、同条項の直接の規制対象とならないことになる)。その他の行動制限は医師の指示で可能であると解されているが、37条1項及び昭和63年厚生省告示130号の基準に従うこととされている。これらの規定は、告示130号の開放処遇について一部違える他は、全ての入院形態において(及び医療観察法92条以下で、同法による入院処遇についても)同様に適用される。すなわち、任意入院において退院制限がなくても、要件を満たせば身体拘束すら適法である(もっとも、継続的に行動制限を要する患者が、真に任意入院の適応であるかは吟味されなくてはならないが)。
- 入院の強制や行動制限があることのセーフガードとして、指定医の報告制度(37条の2)、定期病状報告制度(38条の2)がある。さらに、中心的な不服申立制度として、退院請求・処遇改善請求制度(38条の4以下)と、これらの請求や、入院・定期病状報告の審査のため、都道府県精神医療審査会の制度(12条以下)が定められ、可及的に中立的な機関として入院・行動制限の運用をチェックする建前となっている。下記#行政監査も参照のこと。
- 以上のように、強制入院(収容)及び行動制限等の処遇については、規定があるものの、強制医療の内容・手続そのものについては、何らの規定も置かれていないため、恣意的な濫用が起きていると大阪精神医療人権センターが指摘している。
- 一方で、精神疾患入院患者に対する防御権が全く無いため、入院患者の権利擁護者配置を必須事項にすべきと、障害者団体や国会で議論されており、平成26年法律改正の附帯決議に記載されている。
福祉制度の根拠法
45条及び45条の2は精神障害者保健福祉手帳制度を、46条ないし49条は相談のための機能を定めている(50条及び51条は削除)。51条の2ないし51条の11は精神障害者社会復帰促進センターの根拠規定であるが、現在実効性がない。
このように、障害者福祉に関する条文自体は少ない。
行政監査
都道府県知事は精神医療審査会により、入院患者らの措置や処遇が適当であるか審査を行わなければならない(38条の5)。不必要と認められたものについては、都道府県知事は退院命令など必要な措置を講じなければならない(同条5項)。
- しかし実際には「人権擁護の砦」のはずである、病院に対する行政監察である、精神医療審査会が委員出席数の要件を守らず、審議会を漫然と開催していた問題が発覚し、精神医療審議会の機能は「形骸化している」と批判が挙がっている[4][5]。
- この問題の発覚を受けて、厚生労働省が地方公共団体に実態を照会したところ、記録が残っている2011年(平成23年)から2017年(平成29年)まで、都道府県では、北海道・岩手県・秋田県・栃木県・埼玉県・岐阜県・三重県・滋賀県・鳥取県・徳島県・香川県の12道県が、政令指定都市では、さいたま市・相模原市・広島市・福岡市の4市で、委員の出席者数に関する法令要件を満たさずに、精神医療審査会が開催された事例が判明している[6]。
都道府県知事は、入院患者らの措置が不適当であった場合は、病院管理者に対し改善計画の提出を求め、また必要な措置を取ることができる(38条の7)。これらの命令に従わない場合、厚生労働大臣や都道府県知事は、入院医療の全部または一部の制限命令ができる(同条4項)。
命令発動例としては以下がある。
- 2001年 朝倉病院(埼玉県、新規患者受入停止命令)[7]
- 2011年 倉敷森下病院(岡山県、新規患者受入停止命令)[8]
2013年に、国際連合人権理事会は日本に対し、精神障害者の非常に大勢が自らの意思に反して長期間に渡って社会的入院されていることや、身体拘束と隔離が過剰に用いられていることを警告し[9]、日本は、全ての精神科病院を訪問監査する独立組織を立ち上げること、また外来ケアとコミュニティケアを充実させ、入院患者数を削減(脱施設化)するよう勧告している[9]。
「日本の精神保健#施設入院における人権侵害」も参照
生活保護における医療扶助は生活保護費の半分を占め、うち医科の入院医療費が全体の55.7%(2013年)と大きく、医療扶助による入院患者は、1か月平均の42.9%が精神障害であり多数となっている。人数では7.1%入院患者に、医療扶助費全体の55%余が使われている。日本は、世界でも突出して精神科のベッド数、入院患者数が多い国であり、長期入院が生活保護費を上昇させている[10]。
歴史
「精神保健の歴史#日本での歴史」も参照
精神障害者社会復帰施設
旧法の50条では精神障害者社会復帰施設を定めており、以下の種類があった。
- 精神障害者生活訓練施設 - 精神障害のため家庭において日常生活を営むのに支障がある精神障害者が日常生活に適応することができるように、低額な料金で、居室その他の設備を利用させ、必要な訓練および指導を行うことにより、その者の社会復帰の促進を図ることを目的とする。
- 精神障害者授産施設 - 雇用されることが困難な精神障害者が自活することができるように、低額な料金で、必要な訓練を行い、および職業を与えることにより、その者の社会復帰の促進を図ることを目的とする。
- 精神障害者福祉ホーム - 現に住居を求めている精神障害者に対し、低額な料金で、居室その他の設備を利用させるとともに、日常生活に必要な便宜を供与することにより、その者の社会復帰の促進および自立の促進を図ることを目的とする。
- 精神障害者福祉工場 - 精神障害者福祉工場は、通常の事業所に雇用されることが困難な精神障害者を雇用し、および社会生活への適応のために必要な指導を行うことにより、その者の社会復帰の促進及び社会経済活動への参加の促進を図ることを目的とする施設とする。
- 精神障害者地域生活支援センター - 地域の精神保健および精神障害者の福祉に関する各般の問題につき、精神障害者からの相談に応じ、必要な指導および助言を行うとともに、第四十九条第一項の規定による助言を行い、併せて保健所、福祉事務所、精神障害者社会復帰施設等との連絡調整その他厚生労働省令で定める援助を総合的に行うことを目的とする施設とする。
これら施設を設置できるのは、都道府県、市町村、社会福祉法人その他の者とされていた(50条)。現在では新規設置はできない(附則48条)。
脚注
- ^ 日本法令外国語訳データベースシステム
- ^ a b 『精神科救急ガイドライン2015』 一般社団法人日本精神科救急学会、2016年、Chapt.1.V。ISBN 978-4892698798。http://www.jaep.jp/gl_2015.html。
- ^ a b 県立精神科病院 20年度中に建設 基本構想を報告 県立病院に併設 /大分 - 毎日新聞 地方版(2016年4月18日)
- ^ 原昌平 (2017年4月28日). “精神保健福祉法の改正案はなぜ、つまずいているか”. 読売新聞 (読売新聞大阪本社). https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170428-OYTET50006/ 2017年10月3日閲覧。
- ^ “埼玉県精神医療審が要件満たさず審査 23年度以降1万件超”. 産経新聞 (産経新聞社). (2016年12月27日). http://www.sankei.com/region/news/161227/rgn1612270042-n1.html 2017年10月25日閲覧。
- ^ “精神科病院への措置入院 委員不足で審査 要件不備状態2万5000件”. 東京新聞 (中日新聞社). (2017年5月29日). http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201705/CK2017052902000110.html 2017年10月25日閲覧。
- ^ “朝倉病院:埼玉県が入院制限命令 入院形態が不適切と”. 毎日. (2001年3月29日). http://web.archive.org/web/20040228054032/http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200103/29/0329e091-400.html
- ^ “倉敷森下病院に入院制限命令”. CBnews (株式会社CBナレッジ). (2011年2月22日). https://www.cbnews.jp/news/entry/32633
- ^ a b 国際連合人権理事会 (2013-03-31) (doc). Concluding observations on the second periodic report of Japan, adopted by the Committee at its fiftieth session (Report). United Nation Human Rights. http://www2.ohchr.org/english/bodies/cat/docs/co/CAT.C.%20JPN.CO.2-%20AUV_en.doc 2014年6月4日閲覧。.
- ^ 原昌平 (2016年4月29日). “貧困と生活保護(30) 医療扶助の最大の課題は、精神科の長期入院”. 読売新聞. https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20160428-OYTET50014/1/ 2019年2月28日閲覧。
関連項目
- メンタルヘルス / 日本の精神保健
- 精神障害者保健福祉手帳
- 通院医療費公費負担制度 - 旧32条、廃止
- 障害者
- 障害者総合支援法
- 障害者差別禁止法
- 障害者虐待防止法
- 精神科
- 精神病院法 - 旧法
- 医療観察法
- 精神病院の用語の整理等のための関係法律の一部を改正する法律
- 任意入院 / 医療保護入院 / 措置入院 / 緊急措置入院 / 応急入院
- 保安処分
- 人権蹂躙
- 宇都宮病院事件
- 相模原障害者施設殺傷事件
外部リンク
- 竹端寛 (2017年4月26日). “誰のため、何のための「改正」? 精神保健福祉法改正の構造的問題”. シドノス. https://synodos.jp/welfare/19637 2019年2月22日閲覧。
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Japanese Journal
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- 精神保健福祉法について 精神保健福祉法は、 精神障害者の医療及び保護を行うこと 障害者総合支援法とともに、精神障害者の社会復帰の促進、自立と社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行うこと 精神疾患の発生の予防や、国民の精神的健康の保持及び増進に努めること
- (地方精神保健福祉審議会) 第九条 精神保健及び精神障害者の福祉に関する事項を調査審議させるため、都道府県は、条例で、精神保健福祉に関する審議会その他の合議制の機関(以下「地方精神保健福祉審議会」という。)を置くことが
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- 29歳の女性。不安と不眠とを主訴に来院した。2年前に結婚した。それまで優しく見えた夫は家庭内ではちょっとしたことで激昂し、しばしば殴られ体中があざだらけになった。とうとう耐え切れず、半年前から別居している。しかし、別居後も別居前の生活を思い出して寝付けず、酒と睡眠薬とに頗るようになった。最近、夫が自分の職場に出入りする可能性が生じた。それを知って以来、体重が激減し、睡眠薬の量が増えてきた。電話の音にびくっとし、仕事に出る気力もなくなった。 入院を希望している。
- 入院治療にあたり考慮すべき法律はどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102B041]←[国試_102]→[102B043]
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- a. 中学生の患者では患者の代わりに保護者からインフォームドコンセントを得る。
- b. 精神分裂病の患者では保護者の要請で入院させる。
- c. 進行癌の患者では病名はまず患者の男性の親族に告げる。
- d. 手術予定の患者では手術前に告訴をしないとの誓約書を書いてもらう。
- e. 身元がわからない意識不明の救急患者では医師の判断で救命手術を行う。
[正答]
※国試ナビ4※ [095E002]←[国試_095]→[095E004]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106G019]←[国試_106]→[106G021]
[★]
- 精神障害者の保健、医療、福祉について正しいのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [114F025]←[国試_114]→[114F027]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098G017]←[国試_098]→[098G019]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099D026]←[国試_099]→[099D028]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104E018]←[国試_104]→[104E020]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102B011]←[国試_102]→[102B013]
[★]
- 心神喪失の状態で殺人未遂を犯し、不起訴処分になった者の指定入院医療機関について定めた法律はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112C011]←[国試_112]→[112C013]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [097G012]←[国試_097]→[097G014]
[★]
- 関
- 法令、身体障害者福祉法、精神保健福祉法
(定義)
第4条
- 19 この法律において「自立支援医療」とは、障害者等につき、その心身の障害の状態の軽減を図り、自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な医療であって政令で定めるものをいう。
第5条
- この法律において「障害福祉サービス」とは、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、療養介護、生活介護、児童デイサービス、短期入所、重度障害者等包括支援、共同生活介護、施設入所支援、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援及び共同生活援助をいい、「障害福祉サービス事業」とは、障害福祉サービス(障害者支援施設、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法(平成十四年法律第百六十七号)第十一条第一号の規定により独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園が設置する施設(以下「のぞみの園」という。)その他厚生労働省令で定める施設において行われる施設障害福祉サービス(施設入所支援及び厚生労働省令で定める障害福祉サービスをいう。以下同じ。)を除く。)を行う事業をいう。
- 9 この法律において「短期入所」とは、居宅においてその介護を行う者の疾病その他の理由により、障害者支援施設その他の厚生労働省令で定める施設への短期間の入所を必要とする障害者等につき、当該施設に短期間の入所をさせ、入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
第二章 自立支援給付
第一節 通則
(自立支援給付)
第6条
- 自立支援給付は、介護給付費、特例介護給付費、訓練等給付費、特例訓練等給付費、サービス利用計画作成費、高額障害福祉サービス費、特定障害者特別給付費、特例特定障害者特別給付費、自立支援医療費、療養介護医療費、基準該当療養介護医療費及び補装具費の支給とする。
(自立支援医療費の支給)
第58条
- 3 自立支援医療費の額は、第一号に掲げる額(当該指定自立支援医療に食事療養(健康保険法第六十三条第二項第一号 に規定する食事療養をいう。以下この項において同じ。)が含まれるときは、当該額及び第二号に掲げる額の合算額、当該指定自立支援医療に生活療養(同条第二項第二号 に規定する生活療養をいう。以下この項において同じ。)が含まれるときは、当該額及び第三号に掲げる額の合算額)とする。
- 一 当該指定自立支援医療(食事療養及び生活療養を除く。以下この号において同じ。)につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額の百分の九十に相当する額。ただし、当該支給認定障害者等が同一の月における指定自立支援医療に要した費用の額の合計額の百分の十に相当する額が、当該支給認定障害者等の家計に与える影響、障害の状態その他の事情をしん酌して政令で定める額を超えるときは、当該指定自立支援医療につき健康保険の療養に要する費用の額の算定方法の例により算定した額の範囲内において政令で定めるところにより算定した額
障害者自立支援法と関連法規
法令
- 障害者自立支援法(平成十七年十一月七日法律第百二十三号)
- http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H17/H17HO123.html
- 障害者自立支援法施行令(平成十八年一月二十五日政令第十号)
- http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H18/H18SE010.html
- 障害者自立支援法施行規則(平成十八年二月二十八日厚生労働省令第十九号)
- http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H18/H18F19001000019.html
[★]
- 英
- involuntary admission by the prefectural
- 関
- (1995年)精神保健福祉法、(1987年)精神保健法
まとめ
- 精神保健福祉法#入院制度の比較
- 精神保健福祉法第二十九条による強制入院である。都道府県知事、政令指定都市市長の命令により精神保健指定医二名以上の診察を受けさせ、その者が精神障害者であり、自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあるという診断が一致すれば、そのものを精神科病院または指定病院に入院させることができる。この際、保護者の同意は不要である。入院期間に制限はなく、退院は医師の判断で可能となる。
- 緊急措置入院は措置入院と違って精神保健指定医一名の診察のみで入院させることができるが、入院期間は72時間以内に制限される。
入院制度
- 精神保健福祉法#入院制度の比較
名称
|
強制/非強制
|
退院制限
|
患者条件
|
診察医
|
入院の命令者
|
保護者の同意
|
入院期間
|
措置入院
|
強制
|
医師の判断で可能
|
自傷、他傷の事実、 あるいは恐れ
|
精神保健指定医2名の合意
|
都道府県知事、政令指定都市市長
|
不要
|
制限なし
|
- 都道府県知事は、第二十七条の規定による診察の結果、その診察を受けた者が精神障害者であり、かつ、医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めたときは、その者を国等の設置した精神科病院又は指定病院に入院させることができる。
- 2 前項の場合において都道府県知事がその者を入院させるには、その指定する二人以上の指定医の診察を経て、その者が精神障害者であり、かつ、医療及び保護のために入院させなければその精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれがあると認めることについて、各指定医の診察の結果が一致した場合でなければならない。
措置入院にかかる費用
[★]
- 関
- 法令
医師が関与する法律
医師が間接的に関与する法律
コメディカルが関する法律
参考
[★]
- 関
- 精神保健福祉法
入院制度
- 精神保健福祉法#入院制度の比較
名称
|
強制/非強制
|
退院制限
|
患者条件
|
診察医
|
入院の命令者
|
保護者の同意
|
入院期間
|
任意入院
|
非強制
|
なし。ただし72時間に限り 精神保健指定医による制限可能
|
特になし
|
非指定医でも可
|
なし
|
不要
|
制限なし
|
第二十二条の四
- 精神障害者が自ら入院する場合においては、精神科病院の管理者は、その入院に際し、当該精神障害者に対して第三十八条の四の規定による退院等の請求に関することその他厚生労働省令で定める事項を書面で知らせ、当該精神障害者から自ら入院する旨を記載した書面を受けなければならない。
- 2 精神科病院の管理者は、自ら入院した精神障害者(以下「任意入院者」という。)から退院の申出があつた場合においては、その者を退院させなければならない。
(退院の制限)
- 3 前項に規定する場合において、精神科病院の管理者は、指定医による診察の結果、当該任意入院者の医療及び保護のため入院を継続する必要があると認めたときは、同項の規定にかかわらず、七十二時間を限り、その者を退院させないことができる。
[★]
- 関
- 精神保健福祉法
- 精神保健福祉法#第50条に規定される事業で、都道府県が進める。
- 通常の事業所に雇用されることが困難な精神障害者を精神障害者の社会経済活動への参加の促進に熱意のある者に委託して、職業を与えるとともに、社会生活への適応のために必要な訓練を行う事業
- 通院中の精神障害者で比較的症状が安定しているが、一般就労が困難なものに対して、社会復帰に理解のある事業所に一定期間通い、就労への意欲、持続力、人づきあいなどの社会適応訓練を実施する制度。(参考1)
- 例えば、東京都福祉保健局のHPには訓練期間は6ヶ月を単位として、最高3年間であり、この間、訓練者には1日1,100円の訓練手当てが、協力事業所には1日2,365円の委託料が支払われる。(参考1)
参考
- 1. 精神障害者社会適応訓練事業 東京都福祉保健局
- http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/chusou/jouhou/shien/syuro_4/index.html
- 2. 精神障害者社会適応訓練事業 / 福祉・介護用語集
- http://www.life-kurashi.com/fukushi_kaigo/yougosyu/217_10_se.html
国試
[★]
- 英
- method、law
- 関
- 測定法、測定方法、訴訟、方法、法律学、手法、方式、法律
[★]
- 英
- health, health supervision
- 関
- 衛生、健康
[★]
- 英
- well-being、wellbeing、welfare
- 関
- 幸福
[★]
- 英
- mental health
- 関
- 地域精神医療