エペリゾン
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エペリゾン
|
IUPAC命名法による物質名 |
1-(4-ethylphenyl)-2-methyl-3-(1-piperidyl)propan-1-one |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
not licensed |
投与方法 |
O |
識別 |
CAS登録番号 |
56839-43-1 |
ATCコード |
None |
PubChem |
CID 3236 |
KEGG |
D01671 |
化学的データ |
化学式 |
C17H25NO |
分子量 |
259.387 g/mol |
エペリゾン (eperison) は、鎮痙剤の一つ。反射性の筋肉を緊張させている神経を沈静化する作用があり、筋肉のコリをほぐし、筋肉のこわばりや痛みをやわらげる。血流をよくしたり、軽い鎮静・催眠作用もあるため脳血管障害、外傷後遺症などにも用いられることがある。投与形態は塩酸塩で、バングラデシュ、中国、インド、インドネシア、日本、アラブ首長国連邦、マレーシア、フィリピン、タイで「ミオナール (Myonal)」の名称で市販されている。日本での販売元はエーザイ。
目次
- 1 概要
- 2 適用
- 3 用法
- 4 禁忌事項
- 5 一般的注意・副作用
|
概要
同様の薬のなかでは、効き目が穏やかなほうであり、副作用も比較的少なく、多くの診療科で広く使われている。
適用
- 痙性麻痺など筋肉がこわばる病気。
- 腰痛、手足のこわばり、肩こり、五十肩など。
- 緊張型頭痛(筋収縮性頭痛)。
- 頸肩腕症候群。
- 腰痛症。
用法
禁忌事項
一般的注意・副作用
- 眠気やふらついたり、脱力感があることがあり、車の運転など危険な作業は控える。
- アナフィラキシー様症状。
- 発疹、かゆみ。
- 過敏症状、吐き気、食欲不振。
Japanese Journal
- 症例報告 塩酸エペリゾン(ミオナール)による nonpigmenting fixed drug eruption
- びまん性紅斑と血管浮腫を呈した塩酸エペリゾン(ミオナール[○!R])による薬疹1例
- 上野 孝,川名 誠司
- アレルギー 56(7), 709-713, 2007-07-30
- 塩酸エペリゾン(ミオナール[○!R])による薬疹症例を加療する機会を得たので報告する。症例は23歳の女性であった.感冒症状および頭痛・関節痛に対してロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン[○!R])を含む数種の薬剤と共に塩酸エペリゾン(ミオナール[○!R])を投与された.内服2時間後に四肢末梢に血管浮腫を生じ,次第に皮疹が全身に拡大した.薬剤中止後,入院加療を行いステロイド剤の点滴静注および外用に …
- NAID 110006367817
- Raynaud 現象に対するミオナール^【○!R】の効果 : サーモグラフィーによる検討
- 清原 隆宏,熊切 正信,大河原 章
- 西日本皮膚科 = The Nishinihon journal of dermatology 57(2), 371-374, 1995-04-01
- NAID 10019133230
Related Links
- ミオナールとは?エペリゾンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる( おくすり110番:薬事典版)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ミオナール錠50mg
組成
- 本剤は、1錠中にエペリゾン塩酸塩50mgを含有する白色の糖衣錠である。
添加物として、カルナウバロウ、カルメロース、含水二酸化ケイ素、結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製白糖、タルク、沈降炭酸カルシウム、トウモロコシデンプン、白色セラック、ヒドロキシプロピルセルロース、プルラン、ポビドン、マクロゴール6000を含有する。
禁忌
効能または効果
下記疾患による筋緊張状態の改善
下記疾患による痙性麻痺
- 脳血管障害、痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症、術後後遺症(脳・脊髄腫瘍を含む)、外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)、筋萎縮性側索硬化症、脳性小児麻痺、脊髄小脳変性症、脊髄血管障害、スモン(SMON)、その他の脳脊髄疾患
錠50mg
- 通常成人には1日量として3錠(エペリゾン塩酸塩として150mg)を3回に分けて食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
顆粒10%
- 通常成人には1日量として1.5g(エペリゾン塩酸塩として150mg)を3回に分けて食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 薬物過敏症の既往歴のある患者
- 肝障害のある患者
〔肝機能を悪化させることがある。〕
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状
頻度不明
- ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、発赤、そう痒感、蕁麻疹、顔面等の浮腫、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis : TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)
頻度不明
- 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群等の重篤な皮膚障害を起こすことがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、水疱、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
骨格筋の緊張亢進を緩和する
実験的固縮の抑制
- ラットにおける丘間切断除脳固縮(γ‐固縮)及び虚血性除脳固縮(α‐固縮)を用量依存的に抑制する。8)
脊髄反射の抑制
- 脊髄ネコにおいて後根刺激による単シナプス性並びに多シナプス性反射電位をほぼ同程度に抑制する。8)
γ‐系を介して筋紡錘の感度を緩和
- ヒト筋紡錘から出る求心性神経(Ia線維)の活動を投与後20分で抑制する。本薬は動物においてγ‐運動ニューロン自発発射を抑制するが、筋紡錘には直接作用しないことが確認されているので、本薬はγ‐系を介して筋紡錘の感度を緩和する。8) 9)
血管を拡張し、血流を増加する
血管拡張作用
- 血管平滑筋に対するCa++拮抗作用(モルモット)、並びに筋交感神経抑制作用(ヒト)により血管を拡張する。10) 11)
血流増加作用
- ヒト、サル及びイヌにおいて皮膚・筋血流や外頸動脈、内頸動脈、椎骨動脈の血流を増加する。12) 13) 14) 15)
脊髄で鎮痛及び疼痛反射抑制作用を示す
- ラットで本薬を脊髄に灌流すると、Tail Pinchによる疼痛反射を抑制し、本薬を除くと回復することから、脊髄レベルで鎮痛作用を有することが示された。16)
随意運動を円滑にする
- 脳卒中患者等の痙性麻痺例に用い、Cybexのトルク曲線及び筋電図の改善がみられ、痙縮筋の筋力を低下することなく上下肢の伸展・屈曲動作を滑らかにするなど、随意運動を円滑にする。17)
有効成分に関する理化学的知見
一 般 名
- エペリゾン塩酸塩(Eperisone Hydrochloride)
化 学 名
- (2RS)‐1‐(4‐Ethylphenyl)‐2‐methyl‐3‐piperidin‐1‐ylpropan‐1‐one monohydrochloride
分 子 式
分 子 量
構 造 式
物理化学的性状
- エペリゾン塩酸塩は白色の結晶性の粉末である。
本品は水、メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすい。
本品のメタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
融 点
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 鎮痙薬。骨格筋弛緩剤
商品
- アフロクアロン:脊髄から上位の中枢にかけての広範囲の部位に作用して、筋緊張亢進状態を緩解させる。
- エペリゾン:脊髄において単及び多シナプス反射を抑制すると共に、γ-運動ニューロンの自発発射を減少させ、筋紡錘の感度を低下させることで、メフェネシンよりも強力な骨格筋弛緩作用を発揮する。また、中脳毛様体及び後部視床下部を介する脳波覚醒反応を抑制する作用や、血管平滑筋のCa2+チャネル遮断や交感神経活動の抑制を介して、皮膚・筋や脳への血流量を増大させる作用もある。脊髄レベルにおける鎮痛作用も有する。3)
- バクロフェン:γ-アミノ酪酸(GABA)の誘導体で、脊髄の単シナプス及び多シナプス反射の両方を抑制し、γ-運動ニューロンの活性を低下させる抗痙縮剤
- クロルゾキサゾン:
[★]
- 英
- eperisone
- 化
- 塩酸エペリゾン エペリゾン塩酸塩 eperisone hydrochloride
- 商
- アチネス、エペソ、エペナルド、エペリッサー、エペリナール、エペル、エボントン、エンボイ、サンバゾン、ホマライト、ミオナール、ミオナベース、ミオペリゾン、ミオリラーク、リンプラール
- 関
- 筋弛緩薬、中枢性筋弛緩薬
- 脊髄レベルに作用して脊髄反射を抑制し、γ系に作用して筋紡錘の感度を緩和することにより、骨格筋緊張緩和作用を発揮する。
- また、血管平滑筋に対するCaイオン拮抗作用および筋交感神経抑制作用により、血管を拡張して循環改善作用を示す。
適応疾患
- 脳血管障害、痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症、術後後遺症(脳・脊髄腫瘍を含む)、外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)、筋萎縮性側索硬化症、脳性小児麻痺、脊髄小脳変性症、脊髄血管障害、スモン(SMON)、その他の脳脊髄疾患