ブトロピウム
Japanese Journal
- 胆嚢内結石の胃内排石から発症まで全過程を追跡し得た胆石イレウスの1例
- 上ノ山 利雄,河面 孝,越山 健二郎,鈴木 栄太郎,中作 茂
- 日本臨床外科医学会雑誌 49(4), 702-706, 1988
- … 塞が出現し入院となり,胆石イレウスの診断のもとに開腹術を施行したところ回腸末端より,約100cmのところに,小鶏卵大のコレステリン系石が嵌頓しており,これを腸切開して摘出し,胆道に対する根本的手術も付加した.以後軽快退院し現在に至っている.本症は胃X線の前処置(コリオパン,硫酸アトロオピンの筋注)が何らかの誘因となり胃胆嚢瘻を介し,胆石が脱出したものと考えられることが,大変興味を引くところである. …
- NAID 130003596844
- 上部消化管内視鏡検査直後に急性心筋梗塞を起した1症例
- 金沢 重俊,岩淵 国人,小時田 宏仂,折祖 清蔵,加藤 政孝,狩野 敦
- 日本消化器内視鏡学会雑誌 26(11), 1951-1956, 1984
- … である.胃部不快感を訴えたため,昭和86年9月16日胃内視鏡を施行した.検査前の状態はいつもと変りなく,狭心症,心筋梗塞を思わせる労作時,安静時の胸痛はなかった.前処置(ガスコンドロップ,キシロカイン,コリオパン)を通常どうり施行し,内視鏡は10分で終了した.終了後,休息させておいたところ約18分後に心,呼吸停止をきたした.心肺蘇生に成功し,その後の心電図および血清酵素の推移から急性心筋梗塞と診断された.本 …
- NAID 130004251730
- コリオパンの大腸憩室疾患患者の大腸運動機能に及ぼす効果の検討
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
コリオパンカプセル5mg
組成
- 1カプセル中にブトロピウム臭化物5mgを含有する上下白色の硬カプセル剤である。
添加物として結晶セルロース、ゼラチン、トウモロコシデンプン、ラウリル硫酸ナトリウムを含有する。
禁忌
- 緑内障の患者
〔眼圧を上昇させるおそれがある。〕
- 前立腺肥大による排尿障害のある患者
〔排尿障害を悪化させるおそれがある。〕
- 重篤な心疾患のある患者
〔心疾患の症状を悪化させるおそれがある。〕
- 麻痺性イレウスの患者
〔麻痺性イレウスの症状を悪化させるおそれがある。〕
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
下記の疾患における痙攣性疼痛の緩解
- 胃炎、腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胆石症、胆のう症(胆のう炎、胆のう・胆道ジスキネジーを含む)
カプセル5mg
- 通常成人は、1日6カプセル(ブトロピウム臭化物として1日30mg)を3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
錠10mg
- 通常成人は、1日3錠(ブトロピウム臭化物として1日30mg)を3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
顆粒2%
- 通常成人は、1日1.5g(ブトロピウム臭化物として1日30mg)を3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 前立腺肥大のある患者
〔排尿障害を起こすおそれがある。〕
- うっ血性心不全のある患者
〔うっ血性心不全の症状を悪化させるおそれがある。〕
- 不整脈のある患者
〔不整脈を悪化させるおそれがある。〕
- 潰瘍性大腸炎の患者
〔中毒性巨大結腸症を起こすおそれがある。〕
- 甲状腺機能亢進症の患者
〔甲状腺機能亢進症に伴う心悸亢進や頻脈を悪化させるおそれがある。〕
- 高齢者
〔「高齢者への投与」の項参照〕
- 高温環境にある患者
〔発熱を起こすおそれがある。〕
薬効薬理
胃腸運動を抑制する
- 本薬は副交感神経末端のアセチルコリン受容体に作用し、腹部平滑筋の運動を抑制する。ラット胃、ウサギ空腸、ラット及びモルモットの近位結腸、モルモット胆のうのそれぞれ摘出標本を用いた実験で、運動及び緊張を抑制し、その作用はアトロピンより強かった。またマウス回腸摘出標本の実験でアトロピンより強いパパベリン様作用を認めた。3)
胃液分泌を抑制する
- ラットを用いた幽門結紮潰瘍に対し本薬の経口投与は潰瘍の発生を抑制し、胃液pHの上昇、胃液量の減少、総酸度並びにペプシン分泌量の減少が認められた。4)
健康成人男子による胃ゾンデ法により、本剤の経口投与は明らかな胃液分泌抑制作用を示した。5)
有効成分に関する理化学的知見
一 般 名
- ブトロピウム臭化物(Butropium Bromide)
(別 名)
化 学 名
- (1R, 3r, 5S)‐8‐(4‐Butoxybenzyl)‐3‐[(2S)‐hydroxy‐2‐phenylpropanoyloxy]‐8‐methyl‐8‐azoniabicyclo[3.2.1]octane bromide
分 子 式
分 子 量
構 造 式
物理化学的性状
- ブトロピウム臭化物は白色の結晶又は結晶性の粉末である。本品はギ酸に極めて溶けやすく、メタノールに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、水に溶けにくく、ジエチルエーテル又は無水酢酸にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 鎮痙薬。骨格筋弛緩剤
商品
- アフロクアロン:脊髄から上位の中枢にかけての広範囲の部位に作用して、筋緊張亢進状態を緩解させる。
- エペリゾン:脊髄において単及び多シナプス反射を抑制すると共に、γ-運動ニューロンの自発発射を減少させ、筋紡錘の感度を低下させることで、メフェネシンよりも強力な骨格筋弛緩作用を発揮する。また、中脳毛様体及び後部視床下部を介する脳波覚醒反応を抑制する作用や、血管平滑筋のCa2+チャネル遮断や交感神経活動の抑制を介して、皮膚・筋や脳への血流量を増大させる作用もある。脊髄レベルにおける鎮痛作用も有する。3)
- バクロフェン:γ-アミノ酪酸(GABA)の誘導体で、脊髄の単シナプス及び多シナプス反射の両方を抑制し、γ-運動ニューロンの活性を低下させる抗痙縮剤
- クロルゾキサゾン:
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- 英
- butropium
- 化
- 臭化ブトロピウム butropium bromide
- 商
- コリオパン、ブトロパン