ブチルスコポラミン
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ブチルミン注射液20mg
組成
成分・分量
- 1管(1mL)中
ブチルスコポラミン臭化物:20mg
添加物
禁忌
- 出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。]
- 緑内障の患者[眼内圧を高め、症状を悪化させることがある。]
- 前立腺肥大による排尿障害のある患者[更に尿を出にくくすることがある。]
- 重篤な心疾患のある患者[心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。]
- 麻痺性イレウスの患者[消化管運動を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
下記疾患における痙攣並びに運動機能亢進
- 胃・十二指腸潰瘍、食道痙攣、幽門痙攣、胃炎、腸炎、腸疝痛、痙攣性便秘、機能性下痢、胆のう・胆管炎、胆石症、胆道ジスキネジー、胃・胆のう切除後の後遺症、尿路結石症、膀胱炎、器具挿入による尿道・膀胱痙攣、月経困難症、分娩時の子宮下部痙攣
消化管のX線及び内視鏡検査の前処置
- 通常成人にはブチルスコポラミン臭化物として1回10〜20mg(1/2〜1アンプル)を静脈内又は皮下、筋肉内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 前立腺肥大のある患者[尿を出にくくすることがある。]
- うっ血性心不全のある患者[心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。]
- 不整脈のある患者[心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。]
- 潰瘍性大腸炎の患者[中毒性巨大結腸を起こすおそれがある。]
- 甲状腺機能亢進症の患者[心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。]
- 高温環境にある患者[汗腺分泌を抑制し、体温調節を障害するおそれがある。]
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状
頻度不明
- ショック、アナフィラキシー様症状(悪心・嘔吐、悪寒、皮膚蒼白、血圧低下、呼吸困難、気管支攣縮、浮腫、血管浮腫等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- ブチルスコポラミン臭化物は、スコポラミンをN-ブチル化して四級アンモニウム化することにより、血液脳関門の透過性を低め、中枢性の副作用を軽減した薬物で、スコポラミンと同様、ムスカリン様受容体を競合的に遮断する。サブタイプ選択性はない。四級アンモニウム化により消化管吸収も低下するが、神経節遮断作用を示すようになるため、鎮痙作用はスコポラミンよりも強くなっている。胃液分泌も抑制する。副交感神経遮断効果に基づく鎮痙作用、胃液分泌抑制作用、膀胱内圧上昇抑制作用、子宮収縮抑制作用を示す。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ブチルスコポラミン臭化物[日局]
Scopolamine Butylbromide
化学名
- (1S,2S,4R,5R,7s)-9-Butyl-7-[(2S)-3-hydroxy-2-phenylpropanoyloxy]-9-methyl-3-oxa-9-azoniatricyclo[3.3.1.02,4]nonane bromide
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶又は結晶性の粉末である。
水に極めて溶けやすく、酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、無水酢酸に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点:約140℃(分解)
旋光度
- 〔α〕D20:−18.0〜−20.0°(乾燥後、1g、水、10mL、100mm)
pH
- 1.0gを水10mLに溶かした液のpHは5.5〜6.5である。
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 鎮痙薬。骨格筋弛緩剤
商品
- アフロクアロン:脊髄から上位の中枢にかけての広範囲の部位に作用して、筋緊張亢進状態を緩解させる。
- エペリゾン:脊髄において単及び多シナプス反射を抑制すると共に、γ-運動ニューロンの自発発射を減少させ、筋紡錘の感度を低下させることで、メフェネシンよりも強力な骨格筋弛緩作用を発揮する。また、中脳毛様体及び後部視床下部を介する脳波覚醒反応を抑制する作用や、血管平滑筋のCa2+チャネル遮断や交感神経活動の抑制を介して、皮膚・筋や脳への血流量を増大させる作用もある。脊髄レベルにおける鎮痛作用も有する。3)
- バクロフェン:γ-アミノ酪酸(GABA)の誘導体で、脊髄の単シナプス及び多シナプス反射の両方を抑制し、γ-運動ニューロンの活性を低下させる抗痙縮剤
- クロルゾキサゾン:
[★]
- 英
- scopolamine
- ラ
- scopolaminum
- 同
- Transderm Scop
- 化
- 臭化水素酸スコポラミン scopolamine methylbromidum、臭化ブチルスコポラミン
- 商
- オピスコ、スコルパン、スパスモパン、スポラミン、ダイピン、ハイスコ、パンスコ、ブスコパン、ブスコム、ブスフォリロン、ブスポン、ブチブロン、ブチルミン、リラダン、ロートエキス、弱オピスコ、弱パンスコ
- 関
- メチル硫酸N-メチルスコポラミン
[★]
- 英
- butylscopolamine、scopolamine butylbromide、butylscopolammonium bromide
- 化
- ブチルスコポラミン臭化物 scopolamine butylbromide、臭化ブチルスコポラミン butylscopolamine bromide、ヒヨスチン-N-ブチルブロミド hyoscine-N-butylbromide
- 商
- スコルパン、スパスモパン、スポラミン、ブスコパン、ブスコム、ブスフォリロン、ブスポン、ブチブロン、ブチルミン、リラダン
- 関
- ムスカリン性受容体
[★]
- 英
- butyl、Bu
- -CH2CH2CH2CH3