- 英
- submucosal tumor
- 関
- 消化管粘膜下腫瘍、胃粘膜下腫瘍
概念
分類
胃
-
形態的特徴
- Delle デレ
- なだらかな陰影の移行(造影、X線透視)、なだらかな隆起の移行(内視鏡)
- bridging fold(ヒダが腫瘤をよけない)
- 粘膜表面に異常は認められない(圧排が強くなれば何らかの影響はある、と思う)
参考
- http://www.cancernetwork.com/gastrointestinal-stromal-tumor/content/article/10162/35555
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消化管間質腫瘍(しょうかかんかんしつしゅよう、英: gastrointestinal stromal tumor:GIST、ジスト)とは、消化管間葉系腫瘍の一つ。消化管間葉系腫瘍とも。筋肉層から発生する希少がんの一つ[1]。
目次
- 1 起源
- 2 部位
- 3 検査
- 4 病理
- 5 治療
- 6 予後
- 7 参照
- 8 外部リンク
起源[編集]
消化管間葉系腫瘍(gastrointestinal mesenchymal tumor:GIMT)は大まかに、筋原性腫瘍、神経性腫瘍、そしてGISTを含むそれ以外の腫瘍に分類される。「それ以外の腫瘍」の中で、受容体型チロシンキナーゼの一種であるKIT蛋白(別名:幹細胞因子受容体)を合成する遺伝子 c-kitに変異があって過剰発現しているもの、あるいはそのような腫瘍と区別できないもの(例えば、KIT蛋白の存在は証明できないが、平滑筋や神経鞘への分化も証明できず、かつCD34(後述)等の特異的抗原が認められるもの。殆どの症例は、同じ受容体型チロシンキナーゼファミリーに属する「血小板由来成長因子受容体αサブタイプ」を合成する遺伝子 PDGFRAに変異がある)が、GISTと定義されている。
GISTの起源となる正常細胞としてはカハールの介在細胞(interstitial cells of Cajal:ICC)が有力視されている。ICCは消化管運動のペースメーカー細胞として機能しており、細胞膜を貫通するKIT蛋白という表面抗原を有している。この蛋白はc-kit遺伝子によりコードされ受容体型チロシンキナーゼとして機能する、先天的にKIT蛋白が欠如する個体は、ICCの欠損を来している。
部位[編集]
多くは胃に発生し、胃癌との鑑別を必要とする。食道ではほとんど認めない。
検査[編集]
- GISTの多くは正常粘膜に覆われており、粘膜下腫瘍(submucosal tumor:SMT)として発見される。そのため通常の生検では粘膜表層しか組織採取することが出来ないため、超音波内視鏡下でより深く穿刺(EUS-FNA)することで評価される。腫瘍が増大し潰瘍形成して腫瘍が消化管腔に露出していれば一般的な生検での評価も可能である。
- 腫瘍径の計測などに用いられる。
病理[編集]
免疫染色を行ってKIT蛋白、およびCD34(血管内皮や幼弱な造血幹細胞と共通する表面抗原)の存在を確認することにより、平滑筋組織や末梢神経由来の腫瘍と鑑別する。なお、消化管筋層内にある正常細胞の中でCD34とKITの両方を発現している細胞は、ICCだけである。
治療[編集]
外科的手術[編集]
切除可能であれば外科治療が第一選択とされる。
化学療法[編集]
切除困難症例に対して、または術後化学療法としては、チロシンキナーゼ阻害剤であるイマチニブ(imatinib、商品名:グリベック®)が投与される。イマチニブによるKIT蛋白の阻害によりGISTの増殖が抑制される。イマチニブに抵抗性が見られた場合、チロシンキナーゼ阻害剤のスニチニブ(商品名:スーテントカプセル12.5mg®)が使用または、イマニチブが増量される。イマチニブやスニチニブに耐性を示した場合などは、経口マルチキナーゼ阻害剤としてレゴラフェニブ(regorafenib、商品名:スチバーガ錠・STIVARGA)[2][3]が使用される。
予後[編集]
増殖形態や細胞分裂数、細胞異型などが他の種類のGIMTなら良性に相当する程度のものであっても、ときに遠隔転移を来すことから、臨床的には低悪性度の腫瘍として扱われる。稀に、明らかに肉腫としての形態を示すものもあり、これは高悪性度の腫瘍として振舞う。
参照[編集]
- ^ 日本癌治療学会『GIST診療ガイドライン』2010年11月(第2版補訂版)
- ^ バイエル薬品株式会社 2012年9月27日広報 [1]
- ^ 2013/03/25 バイエルヘルスケア 「経口マルチキナーゼ阻害剤「スチバーガ®錠」の製造販売承認を取得」[2]
外部リンク[編集]
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- 1. 上部消化管の上皮下病変評価のための超音波内視鏡検査 endoscopic ultrasound for the characterization of subepithelial lesions of the upper gastrointestinal tract
- 2. GISTを含む消化管間葉系腫瘍の疫学、分類、臨床像、予後の特徴、および診断方法 epidemiology classification clinical presentation prognostic features and diagnostic work up of gastrointestinal mesenchymal neoplasms including gist
- 3. 消化管間質腫瘍、平滑筋腫、および消化管の平滑筋肉腫の局所治療 local treatment for gastrointestinal stromal tumors leiomyomas and leiomyosarcomas of the gastrointestinal tract
- 4. 早期胃癌:治療、自然経過、および予後 early gastric cancer treatment natural history and prognosis
- 5. 小腸腫瘍の治療 treatment of small bowel neoplasms
Japanese Journal
- 胃原発GIST(gastrointestinal stromal tumor)に対する単孔式腹腔鏡下手術の1例
- 小川 博臣,吉成 大介,須納瀬 豊 [他]
- 北関東医学 62(2), 169-173, 2012-05
- … 症例は66歳の男性.胃内視鏡検査とCT で,胃体上部後壁に最大径4 cmの壁外発育型胃粘膜下腫瘍を認めた.EUS-FNA (endoscopic ultrasonography fine needle aspiration)で胃GIST (gastrointestinal stromal tumor)と診断され, 腫瘍径から手術適応と判断された. …
- NAID 40019329533
- 内視鏡外科手術における研究と治療の進歩(2)消化器外科領域 (1)上部消化管:胃癌
- 笹川 剛
- 東京女子医科大学雑誌 82(2), 47-50, 2012-04-25
- … 胃における腹腔鏡下手術は胃粘膜下腫瘍に対する胃部分切除から始まり、現在、胃癌に対しても積極的に行われている。 …
- NAID 110009004317
- 篠浦 先,八木 孝仁,貞森 裕 [他]
- 岡山医学会雑誌 124(1), 59-62, 2012-04
- We experienced a case of gastric aberrant pancreas with acute pancreatitis. The patient was a 42-year-old man. He was referred to our hospital because of epigastric pain. A CT scan and endoscopic exam …
- NAID 40019282440
Related Links
- 胃粘膜下腫瘍(良性)とはどんな病気か. 胃粘膜下腫瘍は、胃の粘膜層よりも深いところ にある胃壁内の病変によって、粘膜が胃の内腔に突出した隆起のことをいいます。表面 は平滑なことが多いのですが、大きなものではくぼみや潰瘍がある場合もあります。
- 胃粘膜下腫瘍にはGIST(gastrointestinal stromal tumor)、リンパ腫、平滑筋細胞由来の 腫瘍、神経系腫瘍、脂肪細胞由来の腫瘍、血管内皮細胞由来の腫瘍、基底細胞由来の カルチノイドなどに加え、迷入膵、顆粒細胞腫などがあります。うち、GISTの一部、悪性 ...
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★リンクテーブル★
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- 消化管内視鏡下の粘膜生検が診断に有用なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099D096]←[国試_099]→[099D098]
[★]
- 英
- gastrointestinal stromal tumor GIST ジスト ギスト, gastrointestinal stromal tumors GISTs
- 同
- 平滑筋芽細胞腫 leiomyoblastoma
- 関
- 胃腸間質性腫瘍、粘膜下腫瘍
[show details]
概念
- 食道(ほとんどなし)・胃(60-70%)・小腸(20-30%)・大腸(5%)などの消化管の固有筋層にできる
- カハール介在細胞由来とされる
- 胃の弓隆部から体上部に多い。幽門部ではほとんどなし
疫学
病理
gloss appearance
- 辺縁なだらか(bridging fold)。delle(腫瘍頂部のくぼみ)。
[show details]
免疫組織学的所見
- 異常KIT蛋白の発現(90%異常)
- 異常PDGFRαの発現(5%)
組織型
- BP.625
- 1. 平滑筋に分化する腫瘍
- 2. 神経に分化する腫瘍
- 3. 混合型の腫瘍
- 4. これらの系統へに分化しない腫瘍
進展形式
転移
- 原発巣を切除後20年以上に転移が見られることがある。
|
腫瘍径
|
腫瘍細胞分裂像数*
|
超低リスク
|
<2cm
|
<5/50HPF
|
低リスク
|
2~5cm
|
<5/50HPF
|
中リスク
|
<5cm
|
6~10/50HPF
|
5~10cm
|
<5/50HPF
|
高リスク
|
>5cm
|
>5/50HPF
|
>10cm
|
Any Mitotic Rate
|
Any Size
|
>10/50HPF
|
*:高倍率視野50視野当たりの細胞分裂を示す腫瘍細胞数
|
HPF:High-Power Field(400倍率)
|
Christopher DM et al : Hum Pathol 33 : 459-465, 2002
|
治療
外科治療
外科治療の原則
- 1. 切除可能GISTの治療の第一選択は外科的完全切除。
- 2. 偽被膜を損傷することなく外科的に安全なマージンを確保,肉眼的断端陰性とする。
- 3. 原則として臓器機能温存を考慮した部分切除が推奨される。
- 4. 予防的或いは系統的リンパ節郭清術は不要である。
- 5. 肉眼的断端が陽性の場合,追加切除を考慮すべきである。
- 6. イマチニブの術前使用に当たっては,病理組織学的にGISTであること,1ヵ月前後での早期のイマチニブ有効性の確認が必要である。 (アルゴリズム6.臨床試験段階の治療)
内科治療
参考
- http://www.jsco-cpg.jp/item/03/index.html
- https://gist.jp/
国試
[★]
- 英
- carcinoid
- 同
- カルチノイド腫瘍 carcinoid tumor
- 好銀性細胞腫 argyrophil cell tumor
- 関
- カルチノイド症候群、消化管カルチノイド
概念
- 気管支や消化管に発生し、原腸系臓器に広く分布する内分泌系細胞腫瘍の低異型度腫瘍。消化管に発生したものは特に消化管カルチノイドという(YN.A-75)
疫学
- 欧米では小腸腫瘍の中で悪性腫瘍に次いで2番目に多いが、日本では非常にまれ。
分類
部位
発生部位
- 発生部位:消化管(虫垂、大腸、小腸、直腸、胃)および肺、気管支
- 直腸が最多 (YN.A-75)
- 肺:発生母地(気管支腺、細気管支上皮内に存在するKultchitzky細胞)。神経内分泌顆粒を有する。(NSU.344)
病理
- 粘膜下腫瘍と同様の所見を呈することが多い。 ちなみにGISTは粘膜下腫瘍
- つまり辺縁はなだらかである。
- 細胞の配列:索状、リボン状。時にロゼット様
- 核:小型、円形で中心に存在し、分裂像は少ない
予後
- 予後(5年生存率):虫垂のカルチノイドを除いて90%。小腸原発のカルチノイドで肝臓に転移があっても50% (BPT.627)
消化管 (BPT.626)
疫学
- The peak incidence of these neoplasms is in the sixth decade.(BPT.626)
- 直腸結腸癌の2%以下。小腸の悪性腫瘍の半分を占める
- 転移:虫垂と直腸のカルチノイドは転移しにくい。90%の胃、空腸、結腸のカルチノイドは
直腸
疫学(NSU.590)
- 消化器系のカルチノイドのうち最多(36%)。
- 40-50歳代に多い。
- 男:女=1.4:1
国試
[★]
- 同
- GIMT
- 関
- 粘膜下腫瘍
- 消化管粘膜下腫瘍の一つで、平滑筋系や神経系由来の紡錘形腫瘍をも含む包括的な診断概念。
- 間葉系腫瘍 gastrointestinal mesenchymal tumor GIMT : 広義のGISTと主張する人もいる
- GIST:CD34(+), c-Kit(+) → 粘膜下腫瘍の中で最多である。
- 筋原性腫瘍:平滑筋腫、平滑筋肉腫、類上皮平滑筋肉腫:smooth muscle actin(+), desmin(+)
- 神経原性腫瘍:神経鞘腫、神経線維腫:S-100(+)
参考
- http://www.nmckk.jp/pdf.php?mode=book&bookkey=b0549&filename=b0549_188_195.pdf
[★]
- 英
- central necrosis
- 腫瘍などの中心が壊死すること。
- 粘膜下腫瘍の中心部の粘膜表面で壊死がおこること → 臍窩形成
- あるいは肝臓の小葉の中心で壊死が起きること。→ 小葉中心壊死
[★]
- 英
- bridging fold
- 関
- 粘膜下腫瘍、胃粘膜下腫瘍
[show details]
[★]
- 英
- gastric submucosal tumor, submucosal tumor of the stomach
- 関
- 粘膜下腫瘍
分類
組織型による分類
- SSUR.504
[★]
- 英
- tumor
- 同
- 新生物 neoplasm new growth NG
- 関
分類(EPT.65)
悪性度
細胞と間質の割合
発生学的由来
組織学的分類
上皮性腫瘍
良性腫瘍
悪性腫瘍
非上皮性腫瘍
良性腫瘍
悪性腫瘍
-
臓器別分類
外陰部(女性)
子宮
卵巣
- 表層上皮性・間質性腫瘍 Surface epithelial-stromal tumors
- 性索間質性腫瘍 Sex cord/stromal tumors
- 胚細胞腫瘍 Germ cell tumors
腫瘍と関連する疾患 first aid step1 2006 p.294
[★]
- 英
- mucosa (KL), mucous membrane (KH), endometrium (Z. L-20), mucosae (Z. P-27)
- ラ
- tunica mucosa
- 関
- 粘膜固有層、粘膜筋板、粘膜下組織、筋層
定義
粘膜
粘膜下の深層にある組織
[★]
- 英
- submucosa、submucosal、submucous
- 関
- 粘膜下層
[★]
- 英
- submembranous
- 関
- 偽膜性