- 66歳の男性。人間ドックの便潜血反応が陽性であったため精密検査を勧められ来院した。腹部は平坦、軟で圧痛は認めない。指診で直腸に隆起性病変が疑われた。直腸内視鏡写真と生検組織H-E染色標本とを以下に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 65歳の男性。昨日からお金をぱらまくなどの奇異な行動がみられるとのことで家族に伴われて来院した。3日前から排便はなく、昨夕から食事はしていない。23歳時の右胸郭形成術の際に輸血を受けた。飲酒歴はない。意識はもうろうとしている。身長157cm、体重53kg。体温36.8℃。脈拍84/分、整。血圧118/76mmHg。顔貌は無気力状。心音、呼吸音に異常はない。腹部はやや膨隆し、心窩部に辺縁鈍で硬い肝を6cm触知する。肺濁音界は拡大している。下肢に軽度の浮腫を認める。血液所見:赤血球384万、白血球3,200、血小板5.3万。
- この患者の血清生化学所見で基準値よりも低いのはどれか。
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097D026]←[国試_097]→[097D028]
[★]
- 28歳の男性。3か月前から腹痛と下痢とを繰り返すため来院した。1か月前に他院を受診し検査を受けたが、血液所見、血清生化学所見および上部消化管造影検査はいずれも異常ないと言われた。
- 鑑別診断のため確認が重要な症状はどれか。
- a. (1)(2)(3)
- b. (1)(2)(5)
- c. (1)(4)(5)
- d. (2)(3)(4)
- e. (3)(4)(5)
[正答]
※国試ナビ4※ [097D024]←[国試_097]→[097D026]
[★]
- 英
- carcinoid
- 同
- カルチノイド腫瘍 carcinoid tumor
- 好銀性細胞腫 argyrophil cell tumor
- 関
- カルチノイド症候群、消化管カルチノイド
概念
- 気管支や消化管に発生し、原腸系臓器に広く分布する内分泌系細胞腫瘍の低異型度腫瘍。消化管に発生したものは特に消化管カルチノイドという(YN.A-75)
疫学
- 欧米では小腸腫瘍の中で悪性腫瘍に次いで2番目に多いが、日本では非常にまれ。
分類
部位
発生部位
- 発生部位:消化管(虫垂、大腸、小腸、直腸、胃)および肺、気管支
- 直腸が最多 (YN.A-75)
- 肺:発生母地(気管支腺、細気管支上皮内に存在するKultchitzky細胞)。神経内分泌顆粒を有する。(NSU.344)
病理
- 粘膜下腫瘍と同様の所見を呈することが多い。 ちなみにGISTは粘膜下腫瘍
- つまり辺縁はなだらかである。
- 細胞の配列:索状、リボン状。時にロゼット様
- 核:小型、円形で中心に存在し、分裂像は少ない
予後
- 予後(5年生存率):虫垂のカルチノイドを除いて90%。小腸原発のカルチノイドで肝臓に転移があっても50% (BPT.627)
消化管 (BPT.626)
疫学
- The peak incidence of these neoplasms is in the sixth decade.(BPT.626)
- 直腸結腸癌の2%以下。小腸の悪性腫瘍の半分を占める
- 転移:虫垂と直腸のカルチノイドは転移しにくい。90%の胃、空腸、結腸のカルチノイドは
直腸
疫学(NSU.590)
- 消化器系のカルチノイドのうち最多(36%)。
- 40-50歳代に多い。
- 男:女=1.4:1
国試