- 化
- レゴラフェニブ水和物
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- スチバーガ
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|
IUPAC命名法による物質名 |
4-[4-({[4-Chloro-3-(trifluoromethyl)phenyl]carbamoyl}amino)-3-fluorophenoxy]-N-methylpyridine-2-carboxamide hydrate |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
? |
投与方法 |
経口投与 |
識別 |
CAS登録番号 |
755037-03-7 |
ATCコード |
L01XE21 |
KEGG |
D10138 |
化学的データ |
化学式 |
C21H15F4N403 |
分子量 |
482.8154 |
レゴラフェニブ (Regorafenib) は、血管新生に関わる受容体型チロシンキナーゼ (VEGFR1-3, TIE2) を標的にするほか、発癌に関与する受容体型チロシンキナーゼ (KIT, PDGFR, RET) に対する阻害作用を有する経口マルチキナーゼ阻害薬[1]。抗がん剤として使用され、癌の増殖などに関係する特定の分子を狙い撃ちする分子標的治療薬のひとつ。医薬品名はスチバーガ錠(バイエル薬品株式会社)。
目次
- 1 概要
- 2 適応
- 3 副作用
- 4 参考文献
- 5 外部リンク
概要[編集]
レゴラフェニブは、腫瘍の血管新生にかかわるVEGFR、TIE-2、腫瘍の増殖にかかわるc-KIT、RET、B-RAF、間質組織性 PDGFR-β、FGFRなど受容体チロシンキナーゼに阻害作用をもつとされる経口マルチキナーゼ阻害薬(プロティンキナーゼ阻害薬=ATC分類)。大腸癌で初めて有効性を示した低分子化合物である。抗がん剤として使用され[2]、癌の増殖などに関係する特定の分子を狙い撃ちする分子標的治療薬のひとつ(一般名の最後が~ibはinhibitor 阻害薬、阻害作用を示す低分子化合物)。
主な副作用として手足症候群(hand-foot skin reaction)があり、その他、倦怠感、高血圧、下痢、皮疹でgrade 3以上のものが認められ、gradeは低いが肝機能値上昇が高頻度であった。 全生存期間(OS)の中央値は、レゴラフェニブ投与群が6.4カ月(四分位範囲IQR 3.6-11.8)、プラセボ群では5.0ヵ月(IQR 2.8-10.4)で、プラセボ群に対するレゴラフェニブ群のOSのHR(Hazard Ratio ハザード比)は0.77(95%CI 0.64-0.94、p=0.0052)となり、レゴラフェニブ群で有意に延長されたとされる[3]。
適応[編集]
- 用法、用量は1日1回160mgを食後に3週間連続経口投与後1週間の休薬。[4]
- なお、2013年5月現在、標準治療としてのガイドラインでの位置づけは検討中で「代謝拮抗薬(フッ化ピリミジン系薬剤/主に、5FU、フトラフール(FT)、フルツロン(5-DFUR)、ユーエフティ(UFT)、ティーエスワン(TS-1)など)、オキサリプラチン、イリノテカンベースの化学療法、ベバシズマブ(KRAS野生型等の場合は抗EGFR抗体薬のセツキシマブ、パニツムマブを含む。但し、セツキシマブでのKRAS変異型への効能については治験中でさらに評価が分かれる)の施行後に、病勢の進行が認められた結腸・直腸癌」として検討されている。また、ベバシズマブの継続使用が良いのか抗EGFR抗体薬併用療法が良いのかの結論はでていない[5]。
- 消化管間質腫瘍(GIST)に対しては厚生労働省に製薬会社が承認を申請中。
副作用[編集]
製薬会社は以下の注意を患者によびかけている[6]。
まれだが注意を要するもの。
- 脳出血(症状…激しい頭痛、めまい、意識がなくなる)、脳障害(症状…血圧が上が180以上や下が120以上で、けいれん、頭痛、意識障害、視力障害)、肝機能低下(症状…黄疸、尿が褐色になる)、がんからの出血、消化管穿孔(症状…激しい腹痛、吐気、嘔吐)、血栓症(狭心痛、手足のマヒ、シビレ、片方の足の痛みや腫れ)、重い皮膚障害。
よくあり重篤ではないが、QOLを低下させるもの。
- 手足症候群、高血圧、発声障害、発疹、下痢、食欲減退、疲労など。
- 手足症候群 手や足の裏がピリピリしたりチクチクする。痛む。赤く膨れる(むくむ)。水ぶくれができる。ひび割れ、皮がむけるなど。これらの予防にはハンドクリームを手を洗ったあとや入浴後10分以内や寝る前に塗る。また、熱い湯に入らない、就寝中に手袋をする。乾燥しているところや力のかかる所に特に症状が現れやすく、皮膚に力のかかる作業(長時間の水仕事、雑巾絞りなど皮膚に強い力のかかること、重い荷物をもつなど)を避け、締め付けの強い靴下は避け、スリッパを普段使用し、外出も足にあったやわらかい靴をはく。
- 発疹 頭や顔、皮膚にプツプツがでる。かゆい(ピリピリ、痛い)、熱い。予防策には、紫外線防止と保湿ローションの使用が事前に必要である。
その他[編集]
- なお、1日1回の服用時前の食事で、高脂肪食品をとった後に薬を飲むと、その効果を弱めるはたらきをもたらす。脂肪分の多い食事の摂取が、副作用への緩和へ良い効果をもたらすかについての研究はまだない。肝機能低下の原因は不明だが日本国での治験において大阪で1名の死者が出ている[7]。
参考文献[編集]
- ^ KEGG DRUG: D10138 [1]
- ^ 2013/03/25 バイエルヘルスケア News Release『経口マルチキナーゼ阻害剤「スチバーガ®錠40mg」の製造販売承認を取得』[2]
- ^ 2012 Gastrointestinal Cancers Symposium (ASCO-GI 2012) 「標準化学療法不応の切除不能進行・再発大腸癌患者に対するRegorafenibの有用性を検討した多施設共同プラセボ対照二重盲検無作為化比較第III相試験 (CORRECT試験) 」[3]
- ^ DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応について 中医協 総-5 25.5.15 「スチバーガ錠40mg」 [4]
- ^ 大腸癌研究会「大腸癌治療ガイドライン速報版 2013年3月」/『切除不能進行・再発大腸癌に対する一次化学療法増悪後のベバシズマブ継続投与(ML18147試験):第Ⅲ相ランダム化試験』Lancet Oncol 14: 29-37, 2013 [5]
- ^ 監修・渡邊聡明 朴成和 「これだけは知っておきたい はじめに読む本」 バイエル薬品株式会社
- ^ 2012 Gastrointestinal Cancers Symposium (ASCO-GI 2012) 消化器癌治療の広場
外部リンク[編集]
バイエル薬品株式会社(スチバーガ情報サイト)
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Japanese Journal
- 新規血管新生阻害薬 アフリベルセプト,レゴラフェニブ (特集 新世代のがん分子標的治療)
Related Links
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- 【ESMOリポート】レゴラフェニブ 進行大腸がん患者のK-ras変異の有無に依存せず効果 | 腫瘍の血管新生阻害作用や腫瘍増殖因子を阻害する作用を持つとみられ、新しい経口分子標的治療薬として治験中のレゴラフェニブが、進行大腸がん ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
スチバーガ錠40mg
組成
成分・含量
- 1錠中,レゴラフェニブ40mg(レゴラフェニブ水和物として41.49mg)を含有する.
添加物
- 結晶セルロース,クロスカルメロースナトリウム,ステアリン酸マグネシウム,ポビドン,軽質無水ケイ酸,三二酸化鉄,黄色三二酸化鉄,大豆レシチン,マクロゴール4000,ポリビニルアルコール(部分けん化物),タルク,酸化チタン
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
効能または効果
- 本剤の一次治療及び二次治療における有効性及び安全性は確立していない.
- 臨床試験の対象となった患者の前治療歴等について,「臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で,適応患者の選択を行うこと.
- 本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない.
- 通常,成人にはレゴラフェニブとして1日1回160mgを食後に3週間連日経口投与し,その後1週間休薬する.これを1サイクルとして投与を繰り返す.なお,患者の状態により適宜減量する.
- 本剤と他の抗悪性腫瘍剤との併用について,有効性及び安全性は確立していない.
- 空腹時に本剤を投与した場合,食後投与と比較して未変化体のCmax及びAUCの低下が認められることから,空腹時投与を避けること.また,高脂肪食摂取後に本剤を投与した場合,低脂肪食摂取後の投与と比較して活性代謝物のCmax及びAUCの低下が認められることから,本剤は高脂肪食後の投与を避けることが望ましい.[「薬物動態」の項参照]
- 副作用があらわれた場合は,症状,重症度等に応じて以下の基準を考慮して,本剤を減量,休薬又は中止すること.減量して投与を継続する場合には,40mg(1錠)ずつ減量すること(1日1回80mgを下限とすること).
手足症候群
皮膚毒性のグレード:グレード1
- 発現回数/用量調節及び処置:本剤の投与を継続し,対症療法を直ちに行う.
皮膚毒性のグレード:グレード2
- 発現回数/用量調節及び処置:1回目:
本剤の投与量を40mg(1錠)減量し,対症療法を直ちに行う.改善がみられない場合は,7日間休薬する.休薬によりグレード0〜1に軽快した場合,投与を再開する.7日以内に改善がみられない場合は下記参照.
発現回数/用量調節及び処置:7日以内に改善がみられない場合又は2回目若しくは3回目:
グレード0〜1に軽快するまで休薬する.本剤の投与を再開する場合,投与量を40mg(1錠)減量する.
発現回数/用量調節及び処置:4回目:
本剤の投与を中止する.
皮膚毒性のグレード:グレード3
- 発現回数/用量調節及び処置:1回目又は2回目:
対症療法を直ちに行い,グレード0〜1に軽快するまで少なくとも7日間は休薬する.本剤の投与を再開する場合,投与量を40mg(1錠)減量する.
- 発現回数/用量調節及び処置:3回目:
本剤の投与を中止する.
肝機能検査値異常
肝機能検査値異常の程度:ALT(GPT)又はAST(GOT)が正常基準値上限の5倍以下
- 発現回数/用量調節及び処置:本剤の投与を継続し,検査値が正常基準値上限の3倍未満又は投与前値に回復するまで肝機能検査を頻回に行う.
肝機能検査値異常の程度:ALT(GPT)又はAST(GOT)が正常基準値上限の5倍を超過,かつ20倍以下
- 発現回数/用量調節及び処置:1回目:
検査値が正常基準値上限の3倍未満又は投与前値に回復するまで休薬する.投与を再開する場合,投与量を40mg(1錠)減量し,少なくとも4週間は肝機能検査を頻回に行う.
発現回数/用量調節及び処置:2回目:
本剤の投与を中止する.注1)
肝機能検査値異常の程度:ALT(GPT)又はAST(GOT)が正常基準値上限の20倍を超過
- 発現回数/用量調節及び処置:本剤の投与を中止する.注1)
肝機能検査値異常の程度:ALT(GPT)又はAST(GOT)が正常基準値上限の3倍を超過,かつビリルビン値が正常基準値上限の2倍を超過
- 発現回数/用量調節及び処置:本剤の投与を中止する.注1)
ジルベール症候群注2)の患者においてALT(GPT)又はAST(GOT)の上昇が発現した場合は,本欄のビリルビン値の基準によらず,上欄で規定するALT(GPT)又はAST(GOT)の基準に従う.
- 注1)肝機能検査値が正常範囲又は投与前値に回復するまで,肝機能検査を頻回に行う.
- 注2)本剤はUGT1A1によるグルクロン酸抱合を阻害するため,ジルベール症候群の患者においては間接型ビリルビンが上昇する可能性がある.
高血圧
高血圧のグレード:グレード2(無症候性)
- 用量調節及び処置:本剤の投与を継続し,降圧剤投与を行う.降圧剤による治療を行ってもコントロールできない場合,本剤の投与量を40mg(1錠)減量する.注3)
高血圧のグレード:グレード2(症候性)
- 用量調節及び処置:症状が消失し,血圧がコントロールできるまで休薬し,降圧剤による治療を行う.
投与再開後,降圧剤による治療を行ってもコントロールできない場合,本剤の投与量を40mg(1錠)減量する.注3)
高血圧のグレード:グレード3
- 用量調節及び処置:症状が消失し,血圧がコントロールできるまで休薬し,降圧剤による治療を行う.本剤の投与を再開する場合,投与量を40mg(1錠)減量する.注3)
投与再開後,降圧剤による治療を行ってもコントロールできない場合,本剤の投与量をさらに40mg(1錠)減量する.
高血圧のグレード:グレード4
- 用量調節及び処置:本剤の投与を中止する.
- 注3)血圧コントロールの基準は,拡張期血圧100mmHg以下とした.
その他の副作用
- グレード3以上の副作用発現時は,グレード2以下に軽快するまで休薬し,投与量を40mg(1錠)減量し再開する,又は投与の中止を考慮すること.
- グレードはCommon Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)v3.0に準じる.
慎重投与
- 重度の肝機能障害のある患者[使用経験がない.「薬物動態」の項参照]
- 高血圧症の患者[高血圧が悪化するおそれがある.「重要な基本的注意」,「重大な副作用」の項参照]
- 脳転移のある患者[脳出血があらわれるおそれがある.]
- 血栓塞栓症又はその既往歴のある患者[心筋虚血,心筋梗塞等があらわれるおそれがある.]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
手足症候群
(45.0%)
- 手足症候群があらわれることがあるので,皮膚症状があらわれた場合には対症療法,減量,休薬又は投与の中止を考慮すること.
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.2%),多形紅斑(0.8%)
- 中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群,多形紅斑があらわれることがあるので,本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
肝不全(0.4%),肝機能障害(2.8%),黄疸(0.6%)
- AST(GOT),ALT(GPT)の著しい上昇を伴う肝機能障害,黄疸があらわれ,肝不全により死亡に至る例が報告されている.本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には減量,休薬又は投与を中止し,適切な処置を行うこと.
出血
(10.8%)
- 消化管出血(1.0%),喀血(0.4%),肺出血(0.4%),腹腔内出血(0.2%),腟出血(0.2%),脳出血(頻度不明),鼻出血(7.4%),血尿(1.2%)等の出血があらわれることがある.重篤な出血においては,死亡に至る例が報告されているので,本剤投与中は観察を十分に行い,重篤な出血があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
血栓塞栓症
- 心筋虚血(0.2%),心筋梗塞(0.2%)等の血栓塞栓症があらわれることがあるので,本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
高血圧(27.8%),高血圧クリーゼ(0.2%)
- 高血圧があらわれることがあるので,本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと.なお,コントロールできない重症の高血圧が認められた場合には休薬すること.また,高血圧クリーゼがあらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
可逆性後白質脳症
(頻度不明)
- 可逆性後白質脳症があらわれることがあるので,痙攣,頭痛,錯乱,視覚障害,皮質盲等が認められた場合には投与を中止し,血圧のコントロールを含め,適切な処置を行うこと.
消化管穿孔(頻度不明),消化管瘻(0.2%)
- 消化管穿孔,消化管瘻があらわれることがあり,死亡に至る例が報告されている.本剤投与中は観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
薬効薬理
抗腫瘍効果5,6)
- レゴラフェニブは,結腸・直腸癌由来腫瘍を移植したマウスにおいて,経口投与で腫瘍増殖を抑制した.
作用機序5,7)
- レゴラフェニブは,腫瘍血管新生(VEGFR1〜3,TIE2),腫瘍微小環境(PDGFR,FGFR)及び腫瘍形成(KIT,RET,RAF-1,BRAF)に関わるキナーゼを阻害する(in vitro).レゴラフェニブは,腫瘍を移植したマウス又はラットにおいて,腫瘍血管新生を抑制し,腫瘍細胞増殖のシグナル伝達経路を阻害した.
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- レゴラフェニブ水和物(Regorafenib Hydrate)JAN
(regorafenib)INN
化学名
- 4-[4-({[4-Chloro-3-(trifluoromethyl)phenyl]carbamoyl}amino)-3-fluorophenoxy]-N-methylpyridine-2-carboxamide monohydrate
分子式
分子量
性状
- 本品は白色〜微淡赤色又は微帯褐色の粉末である.
本品はエタノール(99.5)に溶けにくく,水にほとんど溶けない.
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- gastrointestinal stromal tumor GIST ジスト ギスト, gastrointestinal stromal tumors GISTs
- 同
- 平滑筋芽細胞腫 leiomyoblastoma
- 関
- 胃腸間質性腫瘍、粘膜下腫瘍
[show details]
概念
- 食道(ほとんどなし)・胃(60-70%)・小腸(20-30%)・大腸(5%)などの消化管の固有筋層にできる
- カハール介在細胞由来とされる
- 胃の弓隆部から体上部に多い。幽門部ではほとんどなし
疫学
病理
gloss appearance
- 辺縁なだらか(bridging fold)。delle(腫瘍頂部のくぼみ)。
[show details]
免疫組織学的所見
- 異常KIT蛋白の発現(90%異常)
- 異常PDGFRαの発現(5%)
組織型
- BP.625
- 1. 平滑筋に分化する腫瘍
- 2. 神経に分化する腫瘍
- 3. 混合型の腫瘍
- 4. これらの系統へに分化しない腫瘍
進展形式
転移
- 原発巣を切除後20年以上に転移が見られることがある。
|
腫瘍径
|
腫瘍細胞分裂像数*
|
超低リスク
|
<2cm
|
<5/50HPF
|
低リスク
|
2~5cm
|
<5/50HPF
|
中リスク
|
<5cm
|
6~10/50HPF
|
5~10cm
|
<5/50HPF
|
高リスク
|
>5cm
|
>5/50HPF
|
>10cm
|
Any Mitotic Rate
|
Any Size
|
>10/50HPF
|
*:高倍率視野50視野当たりの細胞分裂を示す腫瘍細胞数
|
HPF:High-Power Field(400倍率)
|
Christopher DM et al : Hum Pathol 33 : 459-465, 2002
|
治療
外科治療
外科治療の原則
- 1. 切除可能GISTの治療の第一選択は外科的完全切除。
- 2. 偽被膜を損傷することなく外科的に安全なマージンを確保,肉眼的断端陰性とする。
- 3. 原則として臓器機能温存を考慮した部分切除が推奨される。
- 4. 予防的或いは系統的リンパ節郭清術は不要である。
- 5. 肉眼的断端が陽性の場合,追加切除を考慮すべきである。
- 6. イマチニブの術前使用に当たっては,病理組織学的にGISTであること,1ヵ月前後での早期のイマチニブ有効性の確認が必要である。 (アルゴリズム6.臨床試験段階の治療)
内科治療
参考
- http://www.jsco-cpg.jp/item/03/index.html
- https://gist.jp/
国試
[★]
会社名
バイエル薬品
成分
薬効分類
その他の腫瘍用薬(治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌用薬)