ランジオロール
Japanese Journal
- 症例報告 肺葉切除術後に発生した頻拍型心房細動に、塩酸ランジオロール(オノアクト)の有効性が示唆された2症例
- 27.肺切除術後の上室性頻脈に対する塩酸ランジオロール(注射用オノアクト50)の使用経験(第88回日本肺癌学会関西支部会,関西支部,支部活動)
- 内海 朝喜,井上 匡美,門田 嘉久,澤端 章好,南 正人,重村 周文,奥村 明之進
- 肺癌 48(6), 780, 2008-10-20
- NAID 110007005655
- 塩酸ランジオロール (オノアクト^<TM>) 中止直後に発作性上室性頻拍を呈した食道癌術後の一例
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
注射用オノアクト50
組成
成分・含量(1バイアル中)
添加物(1バイアル中)
禁忌
- 心原性ショックの患者〔心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。〕
- 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者〔アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。〕
- 房室ブロック(II度以上)、洞不全症候群など徐脈性不整脈患者〔刺激伝導系に対し抑制的に作用し、悪化させるおそれがある。〕
- 肺高血圧症による右心不全のある患者〔心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。〕
- うっ血性心不全のある患者〔心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。〕
- 未治療の褐色細胞腫の患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
手術時の下記の頻脈性不整脈に対する緊急処置:
心房細動、心房粗動、洞性頻脈
手術後の循環動態監視下における下記の頻脈性不整脈に対する緊急処置:
心房細動、心房粗動、洞性頻脈
- 本剤は、予防的には使用しないこと。
- 洞性頻脈においては、その原因検索及びその除去が重要であることに十分留意するとともに、本剤の効果が心拍数の減少作用であることを踏まえて、本剤は緊急処置として必要に応じて使用すること。(「重要な基本的注意」の項3.参照)
- 手術後の使用においては、ICU、CCU及びそれに準じた全身管理が可能な施設において、循環動態の評価、不整脈診断及び呼吸・循環等の全身管理の十分な経験を持つ医師のもとで、心電図モニターを用い、心拍数の監視、血圧測定を原則として5分間隔で、必要ならば頻回に行うこと。(「重要な基本的注意」の項1.、2.参照)
手術時
- ランジオロール塩酸塩として、1分間0.125mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.04mg/kg/minの速度で静脈内持続投与する。投与中は心拍数、血圧を測定し0.01〜0.04mg/kg/minの用量で適宜調節する。
手術後
- ランジオロール塩酸塩として、1分間0.06mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.02mg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。5〜10分を目安に目標とする徐拍作用が得られない場合は、1分間0.125mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.04mg/kg/minの速度で静脈内持続投与する。投与中は心拍数、血圧を測定し0.01〜0.04mg/kg/minの用量で適宜調節する。
- 目標とする心拍数に調節した後は、循環動態、特に血圧低下に注意し、本剤を心拍数の維持に必要な最低の速度で持続投与すること。
- 手術後の使用においては、本剤投与により血圧低下(収縮期血圧90mmHgを目安とする)あるいは過度の心拍数減少(心拍数60回/分を目安とする)が生じた場合は、減量するか投与を中止すること。
- 本剤を再投与する際の投与間隔は5〜15分間を目安とすること。なお、再投与は用法・用量に従って実施すること。(「臨床成績」の項(4)、「薬物動態」の項参照)
- 手術時と手術後の用法・用量が異なることに留意すること。
- 褐色細胞腫の患者では、本剤投与により急激に血圧が上昇するおそれがあるので、α遮断剤を投与した後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること。
- 本剤投与に際しては、下記の体重別静脈内持続投与速度表を参考にすること。
<体重別静脈内持続投与速度>
- 精密持続点滴装置(シリンジポンプ又は輸液ポンプ)を使用する場合:下記の単位は投与速度を表示
手術時
本剤50mgを5mLに溶解した場合
投与時期:投与開始から1分間
投与量:0.125mg/kg/min
- 体重
30kg:22.5mL/時
40kg:30.0mL/時
50kg:37.5mL/時
60kg:45.0mL/時
70kg:52.5mL/時
投与時期:投与開始1分後以降
投与量:0.04mg/kg/min
- 体重
30kg:7.2mL/時
40kg:9.6mL/時
50kg:12.0mL/時
60kg:14.4mL/時
70kg:16.8mL/時
投与時期:適宜調整
投与量:0.01〜0.04mg/kg/min
- 体重
30kg:1.8〜7.2mL/時
40kg:2.4〜9.6mL/時
50kg:3.0〜12.0mL/時
60kg:3.6〜14.4mL/時
70kg:4.2〜16.8mL/時
本剤50mgを20mLに溶解した場合
投与時期:投与開始から1分間
投与量:0.125mg/kg/min
- 体重
30kg:90.0mL/時
40kg:120.0mL/時
50kg:150.0mL/時
60kg:180.0mL/時
70kg:210.0mL/時
投与時期:投与開始1分後以降
投与量:0.04mg/kg/min
- 体重
30kg:28.8mL/時
40kg:38.4mL/時
50kg:48.0mL/時
60kg:57.6mL/時
70kg:67.2mL/時
投与時期:適宜調整
投与量:0.01〜0.04mg/kg/min
- 体重
30kg:7.2〜28.8mL/時
40kg:9.6〜38.4mL/時
50kg:12.0〜48.0mL/時
60kg:14.4〜57.6mL/時
70kg:16.8〜67.2mL/時
手術後
本剤50mgを5mLに溶解した場合
投与時期:開始用量:投与開始から1分間
投与量:0.06mg/kg/min
- 体重
30kg:10.8mL/時
40kg:14.4mL/時
50kg:18.0mL/時
60kg:21.6mL/時
70kg:25.2mL/時
投与時期:開始用量:投与開始1分後以降
投与量:0.02mg/kg/min
- 体重
30kg:3.6mL/時
40kg:4.8mL/時
50kg:6.0mL/時
60kg:7.2mL/時
70kg:8.4mL/時
投与時期:最大用量:投与開始から1分間
投与量:0.125mg/kg/min
- 体重
30kg:22.5mL/時
40kg:30.0mL/時
50kg:37.5mL/時
60kg:45.0mL/時
70kg:52.5mL/時
投与時期:最大用量:投与開始1分後以降
投与量:0.04mg/kg/min
- 体重
30kg:7.2mL/時
40kg:9.6mL/時
50kg:12.0mL/時
60kg:14.4mL/時
70kg:16.8mL/時
本剤50mgを20mLに溶解した場合
投与時期:開始用量:投与開始から1分間
投与量:0.06mg/kg/min
- 体重
30kg:43.2mL/時
40kg:57.6mL/時
50kg:72.0mL/時
60kg:86.4mL/時
70kg:100.8mL/時
投与時期:開始用量:投与開始1分後以降
投与量:0.02mg/kg/min
- 体重
30kg:14.4mL/時
40kg:19.2mL/時
50kg:24.0mL/時
60kg:28.8mL/時
70kg:33.6mL/時
投与時期:最大用量:投与開始から1分間
投与量:0.125mg/kg/min
- 体重
30kg:90.0mL/時
40kg:120.0mL/時
50kg:150.0mL/時
60kg:180.0mL/時
70kg:210.0mL/時
投与時期:最大用量:投与開始1分後以降
投与量:0.04mg/kg/min
- 体重
30kg:28.8mL/時
40kg:38.4mL/時
50kg:48.0mL/時
60kg:57.6mL/時
70kg:67.2mL/時
慎重投与
- 左室収縮機能障害のある患者〔心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。〕
- 気管支痙攣性疾患の患者〔本剤はβ1受容体選択的遮断剤であるが、弱いながらもβ2受容体遮断作用も有することから、気管支筋収縮作用により、痙攣症状の誘発、悪化を起こすおそれがある。〕
- コントロール不十分な糖尿病患者〔低血糖症状としての頻脈等の交感神経系反応をマスクするおそれがある。〕
- 低血圧症の患者〔心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。〕
- 重篤な血液、肝、腎機能障害のある患者〔薬剤の代謝、排泄が影響を受けるおそれがある。〕
- 末梢循環障害のある患者(壊疽、レイノー症候群、間歇性跛行等)〔本剤はβ1受容体選択的遮断剤であるが、弱いながらもβ2受容体遮断作用も有することから、末梢血管の拡張を抑制し、症状が悪化するおそれがある。〕
- 大量出血や脱水症状等により循環血液量が減少している患者〔本剤投与により血圧低下をきたしやすい。〕
重大な副作用
ショック
- ショック(過度の血圧低下)があらわれることがある(0.05%)ので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心停止、完全房室ブロック、洞停止、高度徐脈
- 心停止(0.1%)、完全房室ブロック(頻度不明※)、洞停止(0.05%)、高度徐脈(0.1%)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- 主に心臓に存在するβ1受容体に作用し、交感神経終末及び副腎髄質より遊離されるノルエピネフリン及びエピネフリンによる心拍数増加作用に拮抗することで抗不整脈作用を発現する。
薬理作用
β1受容体選択性
- ランジオロール塩酸塩のβ1及びβ2受容体に対するKi値は、それぞれ62.1及び1,890nMである(in vitro)。13)
- ランジオロール塩酸塩のβ1(摘出心房筋)遮断作用及びβ2(気管平滑筋)遮断作用のpA2値は、それぞれ6.31及び3.91である(in vitro)。14)
- ランジオロール塩酸塩のα1及びα2受容体に対するKi値は、それぞれ81.5及び180.1μMであり、α受容体にはほとんど作用しない(in vitro)。14)
β遮断作用の持続性
- イソプロテレノール投与による心拍数増加に対して、ランジオロール塩酸塩は用量に応じた心拍数増加抑制作用を示し、抑制作用の消失半減期は11分から18分である(イヌ)。一方、同モデルにおいてプロプラノロール塩酸塩の抑制作用の消失半減期は60分以上である。14)
不整脈に対する作用
- 交感神経電気刺激誘発頻脈及びイソプロテレノール誘発頻脈、ハロセン・アドレナリン誘発の不整脈あるいはアコニチン誘発不整脈に対して、ランジオロール塩酸塩は用量に応じて抑制作用を示す(イヌ)。15)
頻脈時の心拍出量減少に対する作用
- アドレナリン投与による頻脈と低心拍出量に対して、ランジオロール塩酸塩は心拍数を減少させることにより、心拍出量の減少を改善する。この作用は、拍動時間が長くなることで一回拍出量が増加するためであると考えられるが、過量投与した場合には逆に心拍出量を減少させる可能性がある(イヌ)。16)
その他の作用
- 膜安定化作用(MSA:membrane stabilizing activity)及び内因性交感神経刺激作用(ISA:Intrinsic sympathomimetic activity)は認められない(in vitro)。14,17)
- イソプロテレノール処置によるレニン分泌及び糖代謝の亢進に対して有意な変化を及ぼさない。一方、プロプラノロール塩酸塩はイソプロテレノール処置によるレニン分泌及び糖代謝の亢進を有意に抑制する(イヌ)。18)
薬力学的薬物相互作用
- ジギタリス製剤、クラスI抗不整脈剤、カルシウム拮抗剤及び麻酔剤との併用によって、ランジオロール塩酸塩の心拍数減少、PR間隔延長、平均血圧低下のいずれかが相乗的に増強される(イヌ)。19)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ランジオロール塩酸塩(Landiolol Hydrochloride)
化学名
- (-)-[(S)-2,2-Dimethyl-1,3-dioxolan-4-yl]methyl 3-{4-[(S)-2-hydroxy-3-(2-morpholinocarbonyl-amino)ethylamino]propoxy}phenylpropionate monohydrochloride
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶性の粉末で、水、メタノールに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすい。
融点
分配係数
- 0.23(pH6.0、n-オクタノール/緩衝液)
0.56(pH7.0、n-オクタノール/緩衝液)
2.7(pH8.0、n-オクタノール/緩衝液)
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