ベプリジル
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- MSD株式会社のベプリコール錠100mg(循環器官用剤)、一般名ベプリジル塩酸塩水 和物(Bepridil hydrochloride hydrate) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ベプリコール錠50mg
組成
- ベプリコール錠50mg:1錠中にベプリジル塩酸塩水和物50mgを含有
添加物
- 結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタンを含有
禁忌
- うっ血性心不全のある患者[心不全を悪化させるおそれがある。]
- 高度の刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック)のある患者[刺激伝導をさらに抑制し、完全房室ブロックや高度の徐脈を引き起こすおそれがある。]
- 著明な洞性徐脈のある患者[洞機能を抑制する作用があり、より強い徐脈状態となるおそれがある。]
- 著明なQT延長のある患者[QT延長作用により、新たな不整脈を誘発するおそれがある。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある患者(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル、アンプレナビル)を投与中の患者(「相互作用(1)」の項参照)
効能または効果
下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合
狭心症
- 持続性心房細動への適用は、基本的に心房細動の持続時間が心電図検査又は自覚症状から7日以上持続していると判断された場合とすること。
- 持続性心房細動に適用する場合には、心房細動の停止、及びその後の洞調律の維持を目的として投与すること。
持続性心房細動
- 通常、成人にはベプリジル塩酸塩水和物として、1日100mgから投与を開始し、効果が不十分な場合は200mgまで増量し、1日2回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜減量する。
頻脈性不整脈(心室性)及び狭心症
- 通常、成人にはベプリジル塩酸塩水和物として、1日200mgを1日2回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 虚血性心疾患や心筋症などの器質的心疾患を有する持続性心房細動患者に投与する場合は、著明な心電図QT延長に引き続く催不整脈作用があらわれる可能性があるので、少量から開始し治療上必要な最小限にとどめるなど、投与量に十分注意するとともに頻回に心電図検査を実施すること。
- 本剤は、血中濃度が定常状態に達するまで通常3週間を要する。このためこの間は十分な効果が発現しないことがあるので、増量が必要な場合にはこの期間を過ぎてから行うこと。本剤による催不整脈作用は投与初期ばかりでなく増量時にも起こるおそれがあるので、用量の調整は慎重に行うこと。投与開始後又は増量後、少なくとも3週間は1週間毎に診察、心電図検査を行い、心電図QT間隔の過度の延長あるいは高度の徐脈、血圧低下、心拡大等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。
- 重篤な臨床症状のため、持続性心房細動患者に1日200mgから投与を開始する場合は、原則として患者を入院させて医師の厳重な管理下に置き、患者の安全性を十分に確保すること。
- 本剤は心房細動患者の細動停止後も、洞調律維持を目的として投与されるが、安全使用の観点から漫然と投与することを避けるため、本剤の投与開始時又は増量時から定期的に、患者の心電図や臨床症状等を十分に観察し、必要に応じて減量又は休薬についても考慮すること。
- 本剤の投与開始後、一定期間経過後も、持続性心房細動が持続し、除細動効果が得られる可能性が低いと判断された場合には、投与を中止すること。(国内臨床試験では、本剤投与後に除細動された症例では、その殆どが投与開始後6週間以内に洞調律化を認めた。)
慎重投与
- 基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者[心室頻拍、心室細動が発現するおそれがある。](「重要な基本的注意」の項参照)
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者[刺激伝導抑制作用により、これらの障害をさらに悪化させるおそれがある。]
- 重篤な心室機能障害のある患者[心室機能を抑制する作用があり、より強い心室機能障害を起こすおそれがある。]
- 過度に血圧の低い患者[さらに血圧を下げるおそれがある。]
- 重篤な肝・腎機能障害のある患者[代謝排泄遅延により、副作用があらわれるおそれがある。]
- 血清カリウム低下やマグネシウム低下などの電解質異常のある患者[QT延長により、新たな不整脈を誘発することがある。]
- U波を認めた患者[U波を認めた患者の中に、失神発作例が報告されている。]
- クモ膜下出血や頭蓋内出血の患者[QT延長があらわれやすい。]
重大な副作用
QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心室細動、洞停止、房室ブロック
QT延長(頻度不明)、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)(0.1%未満)、心室細動(頻度不明)、洞停止(頻度不明)、房室ブロック(頻度不明)
- QT延長、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心室細動、洞停止、房室ブロック、アダムス・ストークス症候群があらわれることがあるので、定期的かつ必要に応じて心電図検査を行い、異常な変動や症状が認められた場合には投与を中止し、リドカイン、硫酸マグネシウム水和物、イソプレナリン塩酸塩の静注、除細動やペーシング等の適切な処置を行うこと。なお、7日以上持続する心房細動患者を対象とした臨床試験において、本剤との因果関係が否定できない心室頻拍より死亡に至った症例が、200mg/日投与で1例認められた。
無顆粒球症
頻度不明
- 無顆粒球症(初期症状:発熱、下痢、貧血、全身倦怠等)が報告されている1)ので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
間質性肺炎
頻度不明
- 間質性肺炎があらわれることがあり、致死的な場合もあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の検査を実施し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
薬効薬理
抗頻脈性不整脈作用
実験的頻脈性不整脈に対する作用
心室性頻脈モデル9〜13)
- アコニチン誘発(イヌ、モルモット)、左冠動脈結紮(イヌ、ラット)、心筋梗塞犬及びジギタリス化犬における電気刺激誘発による不整脈モデル実験等において、心室頻拍、心室細動の抑制並びに発現の遅延作用が認められている。
心房細動モデル14,15)
- 右心房高頻度刺激誘発(覚醒イヌ)心房細動モデルにおいて、有効不応期の短縮に対する軽減・回復作用が観察されるとともに、L型Ca2+チャネルのmRNAレベルの低下が抑制される心房細動誘発電気的リモデリングに対する改善作用が認められている。
電気生理学的作用
各種K+チャネル抑制作用に対する作用16〜20)
- モルモット単離心筋細胞における遅延整流K+電流の速い成分(IKr)及び遅延整流K+電流の遅い成分(IKs)、ヒト胎児腎細胞株HEK293細胞に発現させたヒトKv1.5チャネルの非常に速い活性化過程を示す遅延整流K+電流(IKur)をいずれも濃度依存的に抑制する。また、アセチルコリン感受性K+電流(IK,Ach)、ATP感受性K+電流(IK,ATP)並びに細胞内Na+誘発K+電流(IK,Na)も濃度依存的に抑制する。この他にも、プルキンエ線維(ヒツジ)において、内向き整流性電流(IK1)、遅延整流性外向き電流(IK)及び一過性外向き電流(Ito)を濃度依存的に抑制する。
Ca2+チャネル抑制作用に対する作用21,22)
- 心室筋(モルモット)において、Ca2+電流(ICa)を濃度依存的に抑制する。モルモット単離心筋細胞のL型Ca2+チャネルのほかにT型Ca2+チャネルも抑制する。
Na+チャネルに対する作用11,21,23,24)
- 心室筋(ラット)においてNa+電流(INa)を濃度依存的に抑制し、心房筋及び心室筋(モルモット)、プルキンエ線維(ヒツジ)において、最大脱分極速度を抑制する。
活動電位に対する作用11,22〜24)
- 洞房結節(ウサギ)、心房筋(モルモット)の活動電位持続時間(APD)を延長させる。また、プルキンエ線維(ヒツジ)においては、APDを短縮させる。なお、心房筋(モルモット)及び心室筋(モルモット)での静止電位には影響は認められていない。
不応期に対する作用9,25,26)
- 心房筋(モルモット)、房室結節(ウサギ)、心室筋(ウサギ、イヌ)及びプルキンエ線維(イヌ)の不応期を延長させる。
伝導時間に対する作用26)
- 心房−ヒス束間隔及びヒス束−心室間隔(ウサギ)の伝導時間を遅延させる。
抗狭心症作用
心筋の酸素需給バランス改善作用27〜29)
- 摘出心臓標本(モルモット)及び麻酔開胸犬において、冠血管拡張による冠血流量を増大する。
- 覚醒犬において、末梢血管抵抗を低下させ後負荷を軽減するとともに、心筋酸素消費量を減少する。
電位依存性Ca2+チャネル及び受容体作動性Ca2+チャネル抑制作用30)
- 摘出大動脈切片(ウサギ)において、K+及びフェニレフリンにより生ずる持続性収縮を濃度依存的に抑制し、電位依存性Ca2+チャネル及び受容体作動性Ca2+チャネルともに抑制することが示唆される。
カルモデュリンに対する作用31,32)
- Ca2+−カルモデュリン依存性ホスホジエステラーゼの活性及びCa2+−カルモデュリンによるミオシン軽鎖キナーゼの活性を阻害する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ベプリジル塩酸塩水和物(Bepridil Hydrochloride Hydrate)
化学名
- (±)-N-Benzyl-N-[3-isobutoxy-2-(1-pyrrolidinyl)propyl]aniline hydrochloride hydrate
分子式
分子量
性状
- 白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。メタノール、酢酸(100)、ジクロロメタン又はエタノール(99.5)に極めて溶けやすく、アセトンに溶けやすく、無水酢酸にやや溶けやすく、水に溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
融点
分配係数
- 2.5(pH1.2、水-オクタノール系)>4.0(pH6.8、水-オクタノール系)
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 抗不整脈薬
商品
[★]
- 英
- bepridil
- 化
- 塩酸ベプリジル bepridil hydrochloride
- 商
- ベプリコール
- 関
- 抗不整脈薬
- 抗不整脈薬;非特異的チャネル遮断;フェニルアルキルアミン系
[★]
- 英
- recall
- 関
- 思い起こす、呼び戻す、想起