フレカイニド
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 循環器治療 この薬をつかう理由(17)ホントに切れるタンボコール
- 01P3-010 簡易懸濁法施行時におけるタンボコール錠とマグミット錠との配合変化 : 懸濁液中酢酸フレカイニドの動態(品質管理、製剤試験,医療薬学の扉は開かれた)
- 新井 克明,石田 志朗,川崎 博行,野田 良夫,大和田 幸代,赤井 友美,青山 智子,三原 由香里,賀勢 泰子,安藤 哲信,岡野 善郎
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 16, 557, 2006-09-01
- NAID 110006962216
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- タンボコールとは?フレカイニドの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる( おくすり110番:薬事典版)
- エーザイ株式会社のタンボコール錠50mg(循環器官用剤)、一般名フレカイニド酢酸塩( Flecainide acetate) の効果と副作用、写真、保管方法等を掲載。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
タンボコール錠50mg
組成
- 本剤は、1錠中にフレカイニド酢酸塩50mgを含有する白色の素錠である。
添加物としてクロスカルメロースナトリウム、結晶セルロース、硬化油、ステアリン酸マグネシウム、部分アルファー化デンプンを含有する。
禁忌
- うっ血性心不全のある患者
〔本剤は陰性変力作用を有し、心不全症状を更に悪化させることがある。〕
- 高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者
〔本剤は房室伝導、洞房伝導を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある。〕
- 心筋梗塞後の無症候性心室性期外収縮あるいは非持続型心室頻拍のある患者
〔突然死に関する臨床試験(CAST)の結果、このような患者では本剤投与により死亡率が増加するとの報告がある。「その他の注意」の項参照〕
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
〔「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照〕
- リトナビルを投与中の患者
〔「相互作用」の項参照〕
- ミラベグロンを投与中の患者
〔「相互作用」の項参照〕
- テラプレビルを投与中の患者
〔「相互作用」の項参照〕
効能または効果
下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合
成人
小児
- 頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動、発作性上室性、心室性)
- 小児等に本剤を使用する場合、小児等の不整脈治療に熟練した医師が監督すること。基礎心疾患のある心房粗動及び心室頻拍では、有益性がリスクを上回ると判断される場合にのみ投与すること。
成人
頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動)
- 通常、成人にはフレカイニド酢酸塩として1日100mgから投与を開始し、効果が不十分な場合は200mgまで増量し、1日2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
頻脈性不整脈(心室性)
- 通常、成人にはフレカイニド酢酸塩として1日100mgから投与を開始し、効果が不十分な場合は200mgまで増量し、1日2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
小児
頻脈性不整脈(発作性心房細動・粗動、発作性上室性、心室性)
- 通常、6ヵ月以上の乳児、幼児及び小児にはフレカイニド酢酸塩として1日50〜100mg/m2(体表面積)を、1日2〜3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1日最高用量は200mg/m2とする。
通常、6ヵ月未満の乳児にはフレカイニド酢酸塩として1日50mg/m2(体表面積)を、1日2〜3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1日最高用量は200mg/m2とする。
慎重投与
- 基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者
〔本剤は陰性変力作用を有し、心機能を悪化させることがある。〕
- 高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
- 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者
〔本剤は房室伝導、洞房伝導等を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある。〕
- 著明な洞性徐脈のある患者
〔本剤は洞結節機能を抑制することがある。〕
- うっ血性心不全の既往歴のある患者
〔本剤は陰性変力作用を有し、心機能を悪化させることがある。〕
- 肝機能障害のある患者
〔本剤は肝臓で代謝されるため、このような患者では過量投与になるおそれがある。〕
- 重篤な腎機能障害のある患者
〔本剤は腎臓から排泄されるため、このような患者では過量投与になるおそれがある。〕
- 血清カリウム低下のある患者
〔このような患者では催不整脈作用が生じやすく、高度の不整脈に発展するおそれがある。〕
重大な副作用
循環器
- 心室頻拍(torsades de pointesを含む)(0.1〜5%未満)、心室細動(0.1%未満)、心房粗動(0.1〜5%未満)、高度房室ブロック(0.1〜5%未満)、一過性心停止(0.1%未満)、洞停止(又は洞房ブロック)(0.1〜5%未満)、心不全の悪化(0.1〜5%未満)、Adams-Stokes発作(0.1%未満)があらわれることがある。
このような場合には、本剤の投与を中止し、次の処置法を考慮すること(「過量投与」の項参照)。
- 消化器から未吸収薬の除去
- ドパミン、ドブタミン、イソプレナリン等の強心薬投与
- IABP等の補助循環
- ペーシングや電気的除細動
肝機能障害、黄疸
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害(頻度不明)や黄疸(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
実験的不整脈に対する作用
- マウス及びイヌにおいて惹起した心室性不整脈(クロロホルム、アドレナリン、ウアバイン、冠動脈結紮)を経口及び静脈内投与で抑制する。8) 9) 10)
- イヌにおいてアコニチンより惹起した心房性不整脈を静脈内投与で抑制する。8) 11)
電気生理学的作用
- イヌのプルキンエ線維及び心室筋において、静止膜電位に影響を与えることなく、最大脱分極速度(Vmax)及び活動電位振幅を減少する。12)
- モルモット心房筋及び心室筋のVmaxを刺激頻度依存的に抑制する。13) 14)
- イヌにおいて、心室筋での有効不応期を延長し、プルキンエ線維の有効不応期を短縮する。12)
- イヌの心房内伝導、ヒス‐プルキンエ(H‐V)伝導及び心室内伝導を遅延する。15)
臨床電気生理学的作用
- 不整脈患者に本剤250mg注)を経口投与した場合、洞周期、洞結節回復時間に影響せず、H‐V伝導を遅延させ、心室筋の有効不応期を延長する。また、逆行性副伝導路を抑制し、室房伝導系の有効不応期を延長する。16)
注)250mg単回経口投与は承認外用量である。
有効成分に関する理化学的知見
一 般 名
- フレカイニド酢酸塩(Flecainide Acetate)
化 学 名
- N‐[(2RS)‐Piperidin‐2‐ylmethyl]‐2, 5‐bis(2, 2, 2‐trifluoroethoxy)benzamide monoacetate
分 子 式
分 子 量
構 造 式
物理化学的性状
- フレカイニド酢酸塩は白色の結晶性の粉末で、わずかに特異なにおい又はわずかに酢酸様のにおいがある。
本品はメタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、水にやや溶けにくい。
本品のメタノール溶液(1→25)は旋光性を示さない。
融 点
分配係数
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 抗不整脈薬
商品
[★]
- 英
- flecainide
- 化
- 酢酸フレカイニド
- 商
- タンボコール, Tambocor
- 関
- 抗不整脈薬
- Ic Na+チャネルブロック
- APD不変
- 結合解離速度が短い。
- 連結期の長い期外収縮にも効果があるが正常心拍及び徐脈時の伝導をも阻害 (SPC.240)
- 心機能低下例:slow kineticsのNa チャネル遮断作用を持つ抗不整脈薬は心機能抑制が強い。したがってフレカイニドは用いられない。 → リドカイン、メキシレチン、アプリンジン、アミオダロン、ニフェカラントを使用。