- 英
- yellow body
- ラ
- corpus luteum(Z), (pl.)corpora lutea
概念
- NGY 11,17改変
- 排卵後、卵胞の裂孔が血液で満たされ赤体となった後に血液が吸収され、リポイド色素によって肉眼的に黄色に見える黄体が形成される。排卵後1-4ないし2-3日で形成される。組織的には卵胞の顆粒膜細胞、内莢膜細胞が黄体化ホルモンの作用を受けて大型化した顆粒膜ルテイン細胞と比較的小さめの莢膜ルテイン細胞にそれぞれ変化した細胞から構成される。
分類
- 月経黄体:妊娠しない場合に形成され、約12日間持続した後に退縮し白体となる
- 妊娠黄体:妊娠が成立した場合に形成され、黄体機能は妊娠10~12週がピークとなり、出産後に退縮して白体となる。
機能
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/06/12 05:26:47」(JST)
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黄体(おうたい、ラテン語:corpus luteum)は、哺乳類の卵巣内で、排卵により成熟した卵子が放出された後(月経周期の黄体期に)に発達する小さな一時的な内分泌構造である。
黄体は排卵後の卵胞が変化して形成され、ステロイドホルモンのエストロゲンとプロゲステロンを放出して、子宮内膜の肥厚と発達及び保持をさせる。卵子が受精していなければ、黄体はプロゲステロンの分泌を止め減衰する(ヒトでは約12日後)。その時それは繊維の瘢痕組織である白体(corpus albicans)へと縮退する。子宮内膜はプロゲステロンが無くなると剥がれ落ち、吸収(殆どの哺乳類)または排出(ヒトと大型類人猿)される。後者を月経と呼ぶ。
もし受精した場合、卵子はヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)またはそれに類似したホルモンを多くの種で分泌する。このホルモンは黄体へプロゲステロン分泌を続けるよう信号を送り、それにより肥厚した子宮内膜が保持され、受精卵の発育できる血管に富んだ部分を供給する。この時点でホルモンのプロスタグランジンを使うと黄体が退行し、胎児の中絶が引きおこされる。
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 緊急避妊における避妊指導 (特集 適正な避妊をめざして)
- 症例報告 子宮体癌に対する高用量黄体ホルモン療法後の経過観察中に血栓塞栓症を発症した2例
- 天然型または類縁体PGF_<2α>連続投与による黄体開花期種雌豚の発情調整と臨床内分泌学的検討
- 堀 香織,西山 朱音,内山 陽介,新井 佐知子,伊東 正吾
- 日本養豚学会誌 = The Japanese journal of swine science 49(2), 80, 2012-06-25
- NAID 10030426402
Related Links
- 黄体機能不全は不妊症の原因になるの?基礎体温との関係は?黄体機能を改善して妊娠力アップの方法を考えます。 ... 黄体機能不全を改善するカギ 黄体機能不全になりやすい方は、以上のように、身体が冷えている或いは体熱が
- 妊娠と大きく関わりのある、黄体ホルモン(プロゲステロン)。この黄体ホルモンの分泌が足りない病気を「黄体機能不全」といいます。 ... 排卵期、排卵後の治療 hCG(絨毛性性腺刺激ホルモン) hCGを排卵期や排卵後に2~3日おき ...
- 世界大百科事典 第2版 黄体の用語解説 - 脊椎動物の卵巣の中にあり,卵胞から排卵が起こることによってできる組織塊。成熟卵胞が破裂して排卵が起こると,卵胞の中へ血液が充満し赤体となる。この血液はまもなく吸収され,卵胞を ...
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★リンクテーブル★
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[正答]
※国試ナビ4※ [108G031]←[国試_108]→[108G033]
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- chorionic
- 英
- human chorionic gonadotrophin, (国試)hCG, HCG
- 同
- ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン、絨毛性ゴナドトロピン chorionic gonadotropin、絨毛性性腺刺激ホルモン、胎盤性性腺刺激ホルモン placental gonadotrophin
- 商
- HCG、プベローゲン、ゲストロン、ゴナトロピン、プレグニール、プロファシー, Chorex, Choron, Pregnyl
- 関
- β-HCG
概念
- シンチオトロホブラストで産生される糖タンパクホルモン(NGY.290)
分類
性状
産生組織
標的組織
受容体
作用
- TSH様作用:正常妊婦に一過性の甲状腺機能亢進症が見られることがある(YN.D-33)
分泌の調整
- 胚が子宮内膜に着床してから48時間たつと産生するホルモン (SP.965)
- 受精後2週間後には分泌され始める (SP.965)
- 黄体機能を6-7週まで刺激し、黄体からのホルモン分泌を維持する (SP.965)
- hCGの分泌は妊娠10週頃がピーク (G9M.183)
- 作用期間は短期間。最初の8週に上昇、15週にかけて低下、低レベルで維持される。妊娠末期に小さな増加 (SP.966)
分子機構
生合成
臨床関連
- 精巣からのテストステロン分泌能評価(OLM.339) ← LHと構造が似ており、ライディッヒ細胞に作用してテストステロンの産生・分泌を促す
- 妊婦の甲状腺機能亢進(gestational thyrotoxicosis)
検査
- 妊娠中:100 ← (出典不明)
- 妊娠判定:25 ← (出典不明)
正常
- 正常(男性、非妊婦)ではhCG(αβコンプレックス)は以下の通り。
- 血中:0.7mIU/ml以下
- 尿中:0.7mIU/ml以下
妊娠・疾患
- 妊娠により1万以上に上昇、正常妊娠では数万~10万mIU/mlまで上層。
- 全胞状奇胎なら50万-100万mIU/mlと高値となり、部分胞状奇胎なら数十万mIU/mlとやはり高値となる。
妊娠経過中の変化
- 妊娠4-5週 :50-1000IU/l
- 妊娠8-10週 :20万IU/l。ピークとなる。
[★]
- 英
- luteal insufficiency, corpus luteum insufficiency, luteal phase deficiency, luteal dysfunction
- 関
- 黄体、プロゲスチン
[show details]
概念
- 黄体ホルモン(プロゲステロン)分泌不全により、子宮内膜が分泌期に至らない、体温の上昇、高温相の持続の異常をきたす。
治療はプロゲステロン投与で黄体ホルモンを補うか、あるいはヒト絨毛ゴナドトロピン hCGで黄体を刺激する。
定義
参考1
- 「黄体からのエストロゲンとプロゲステロンとの分泌不全により、子宮内膜の分泌性変化が起こらないものをいう。妊卵の着床障害による不妊原因として重要である。」(日本産科婦人科学会)
G9M
- 1. 黄体期中期の血中プロゲステロン<10ng/ml (通常は5-28ng/mlくらい)
- 2. 基礎体温
- 2-1. 低温相から高温相の移行に3日要する
- 2-2. 高温相は10日以内
- 2-3. 高温相と低温相の差が0.3℃以内 (正常は0.3-0.6℃の上昇)
治療
- 1-1. ゲスターゲンの周期的投与
- 1-2. 黄体機能刺激療法
- 2-1. クロミフェン療法
- 2-2. ゴナドトロピン療法(hMG-hCG療法)
参考
- 1. クリニカル・カンファレンス 4.不育症の病態解明と治療の展望 3)黄体機能の視点から - 日産婦誌55巻9号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/55/5509-249.pdf
[★]
- ラ
- corpus albicans (Z)
- 同
- 線維性白体
- 関
- 黄体
概念
- 発育した黄体が結合組織に取って代わられた瘢痕上の結合組織塊
種類
- 月経黄体:月経周期毎に退縮
- 妊娠黄体:妊娠経過中に途中から退縮しはじめ、分娩後白体となって同様に長期間かけて消失する。
[★]
- 英
- corpus luteum of pregnancy, true corpus luteum
- ラ
- corpus luteum graviditatis
- 関
- 黄体
[★]
- 英
- luteinizing hormone-releasing hormoneagonist
- 同
- LHRH作動薬 LHRH agonist
- 関
- ゴセレリン、リュープロレリン
[★]
- 英
- LH receptor
- 関
- LH受容体、LHレセプター、ヒト絨毛性ゴナドトロピン受容体
[★]
- 英
- progestin therapy
- 関
- プロゲステロン療法
[★]
- 英
- luteinizing hormone receptor, LH receptor
[★]
- 英
- body
- ラ
- corpus、corpora
- 関
- 肉体、身体、本体、コーパス、ボディー