ニソルジピン
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ニソルジピン
|
IUPAC命名法による物質名 |
IUPAC名
isobutyl methyl 2,6-dimethyl-4-(2-nitrophenyl)-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate
|
臨床データ |
販売名 |
バイミカード |
Drugs.com |
monograph |
MedlinePlus |
a696009 |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
Oral |
薬物動態データ |
血漿タンパク結合 |
99% |
半減期 |
7-12 hours |
識別 |
CAS番号
(MeSH) |
63675-72-9 |
ATCコード |
C08CA07 (WHO) |
PubChem |
CID: 4499 |
IUPHAR/BPS |
2524 |
DrugBank |
DB00401 |
ChemSpider |
4343 |
UNII |
4I8HAB65SZ |
KEGG |
D00618 |
ChEMBL |
CHEMBL1726 |
化学的データ |
化学式 |
C20H24N2O6 |
分子量 |
388.414 g/mol |
ニソルジピン(国際一般名、英: Nisoldipine)は、ジヒドロピリジン系カルシウムチャネル拮抗薬の一つ。ドイツのバイエル社により研究開発され、1990年4月よりバイエル薬品より発売された[1]。日本ではバイミカード®の商品名で5mgと10mgの錠剤が販売されている。
目次
- 1 効能
- 2 化学的性質
- 3 外部リンク
- 4 脚注
効能
血管平滑筋細胞のカルシウムチャネルに作用し、細胞内へのカルシウムの流入を阻害する。高血圧症、狭心症に対し有効である。日本の薬事法では劇薬に区分される[2]
化学的性質
黄色の結晶状の粉末で、光により徐々に着色する。メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフランに溶けるが、水にはほとんど溶けない。融点は149-152℃である[2]。
外部リンク
- DDB 30009
- Mielcarek J, Grobelny P, Szamburska O (2005). “The effect of beta-carotene on the photostability of nisoldipine.”. Methods Find Exp Clin Pharmacol 27 (3): 167–71. doi:10.1358/mf.2005.27.3.890873. PMID 15834448.
- Missan S, Zhabyeyev P, Dyachok O, Jones SE, McDonald TF (November 2003). “Block of cardiac delayed-rectifier and inward-rectifier K+ currents by nisoldipine”. Br. J. Pharmacol. 140 (5): 863–70. doi:10.1038/sj.bjp.0705518. PMC 1574108. PMID 14530219. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=1574108.
- Hamilton S, Houle L, Thadani U (1999). “Rapid-release and coat-core formulations of nisoldipine in treatment of hypertension, angina, and heart failure.”. Heart Dis 1 (5): 279–88. PMID 11720635.
脚注
- ^ “持効性Ca拮抗剤「バイミカード®錠」の販売提携契約の終了について” (プレスリリース), アストラゼネカ, (2013年11月1日), http://www.astrazeneca.co.jp/media/pressrelease/Article/20020312
- ^ a b バイミカード錠5mg/10mg(バイエル薬品)医療関係者向け情報
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
バイミカード錠5mg
組成
成分・含量
添加物
- トウモロコシデンプン,結晶セルロース,乳糖水和物,ポビドン,ラウリル硫酸ナトリウム,ステアリン酸マグネシウム,ヒプロメロース,マクロゴール4000,酸化チタン,三二酸化鉄
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
- 心原性ショックの患者[血圧低下により症状が悪化するおそれがある.]
- イトラコナゾール,ミコナゾールを投与中の患者[「相互作用」併用禁忌の項参照]
効能または効果
- ●高血圧症,腎実質性高血圧症,腎血管性高血圧症
- ●狭心症,異型狭心症
●高血圧症,腎実質性高血圧症,腎血管性高血圧症
- 通常,成人にはニソルジピンとして5〜10mgを1日1回経口投与する.
●狭心症,異型狭心症
- 通常,成人にはニソルジピンとして10mgを1日1回経口投与する.症状に応じ適宜増減する.
慎重投与
- 過度に血圧の低い患者[更に血圧が低下するおそれがある.]
- 重篤な肝機能障害のある患者[血中濃度が上昇することがある.また類薬(ニフェジピン)で,門脈圧が上昇するおそれのあることが報告されている.]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
薬効薬理
作用機序
- 膜電位依存性Caチャンネルに特異的に作用し,細胞内へのCa流入を抑制する.この作用は血管平滑筋に対して選択性が高く,末梢血管及び冠動脈を拡張し抗高血圧作用並びに抗狭心症作用を示す10〜13).
- Ca拮抗薬受容体に対する結合性に優れかつ持続的である.1日1回の投与で優れた臨床効果を発揮する14〜16).
薬理作用
抗高血圧作用
血圧
- ●正常動物(イヌ,ラット)及び病態動物[SHR,腎性高血圧(イヌ,ラット)]に経口投与した実験では,安定かつ持続的な血圧低下作用を示す11,17).また連続投与により加齢に伴う血圧上昇を抑制する(SHR) 18).
- ●本態性高血圧症患者に経口投与した場合,1日1回の投与で有意な血圧低下作用が24時間持続する15).また1日の血圧変動プロフィール及び血圧変動幅に有意な影響は認められていない19).
心臓血管機能
- ●本態性高血圧症患者に経口投与した場合,安静時,運動負荷時とも血圧,肺動脈楔入圧,総末梢血管抵抗が有意に低下し,心拍出量は安静時,軽度運動負荷時とも増加する.なお,心拍数の有意な変化は認められていない20).
- ●イヌに静脈内投与した実験では,用量依存的に総末梢血管抵抗が減少する11).
- ●病態動物(SHR)に経口投与した実験では,高血圧に由来する心機能障害(心臓肥大)を有意に抑制する18).
抗狭心症作用
心室機能
- ●麻酔開胸犬に静脈内又は舌下投与した実験では,優れた後負荷軽減を示し,左室拡張終期圧減少,dp/dt max増加等左心室機能の改善が認められている11).
冠血流量
- ●イヌ摘出灌流心臓の冠動脈内注入により用量に依存する有意な冠血流量増加が認められている12).また正常動物(イヌ) 21)及び病態動物(イヌ冠動脈結紮)に経口又は静脈内投与した実験では,有意な冠血管抵抗減少,冠血流量増加,また冠側副血行路を介する心筋局所血流量の増加が認められている.
- ●イヌ[NPY(neuropeptideY)誘発冠動脈攣縮モデル]に静脈内投与した実験では,冠動脈攣縮による冠血流量の減少が有意に抑制される22).
心筋酸素需給バランス及びエネルギー代謝
- ●狭心症患者に経口投与した場合,運動負荷による虚血反応(心電図ST下降)の発現遅延,運動時間の延長等,低酸素状態に対する耐性が認められている8,22).
- ●ラット摘出虚血心臓での冠動脈内注入による実験では,虚血心筋中のATP,クレアチンリン酸の減少,乳酸の増加抑制及びオキシミオグロビン含量の増加が認められている23,24).
血小板
- ●狭心症患者に経口投与した場合,運動負荷後のトロンボキサンB2/6-ケトプロスタグランジンF1α比の減少25)並びにADP,コラーゲン,アドレナリンによる血小板凝集能亢進の有意な抑制が認められている26).
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ニソルジピン(Nisoldipine)JAN (Nisoldipine INN)
化学名
- Isobutyl methyl(±)-1,4-dihydro-2,6-dimethyl-4-(ο-nitrophenyl)-3,5-pyridinedicarboxylate
分子式
分子量
融点
性状
- 本品は黄色の結晶性の粉末である.
本品はテトラヒドロフランに溶けやすく,メタノール,エタノール(99.5)又は酢酸エチルにやや溶けやすく,水にほとんど溶けない.
本品は光によって徐々に着色する.
本品のメタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない.
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- vasodilator、vasodilatator
- 関
- 血管拡張薬
商品
[★]
- 英
- nisoldipine
- 商
- ニソミナード、ニノバルシン、バイミカード、リオハード