CTにおける血腫の像 | 発症後の意識 | 好発部位 | |
急性硬膜外血腫 | 凸レンズ | 約6時間の意識清明期を経て意識障害 | 側頭葉 |
急性硬膜下血腫 | 凹レンズ | 意識回復がないことが多い |
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/03/03 03:22:53」(JST)
急性硬膜下血腫(きゅうせいこうまくかけっしゅ、acute subdural hematoma)とは、硬膜と脳の間に血腫が形成された状態のことであり、頭部外傷としては重症に分類される。
目次
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クモ膜下腔にある架橋静脈の破綻や静脈洞の破綻によって硬膜とクモ膜の間に生じた静脈性の出血が血腫を形成する。
急性硬膜下血腫は、2つに分類される。1つは脳挫傷を伴い、この挫傷部位から硬膜下へ出血するものである。もう1つは脳挫傷を全くもしくはほとんど伴わず、脳と硬膜を連絡する静脈の断裂によって生じるものであり、代表的なものに小児の傍矢状洞部に生じる急性硬膜下血腫がある。
脳挫傷を伴うことが多い。
受傷直後より意識障害を呈することが多々ある。めまい、嘔吐、悪心なども起こす。脳圧亢進のため脳ヘルニアが切迫すれば除脳硬直、瞳孔不同が出現する。
頭部CTやMRIにより、血腫を三日月状(又は凸レンズ状)の高吸収域としてみとめ、血腫の圧排のために時間の経過とともに「midline shift(脳の正中偏位)」がみられる。
静脈の断裂による症例では、緊急に開頭し血腫除去を行い、続発する脳浮腫へ対処する。脳浮腫に対しては薬剤グリセリンを使用。脳浮腫が大きくなると脳ヘルニアの危険性が増す。
脳挫傷を伴う症例では、血腫除去の他にステロイドの脳圧下降剤を投与、時として挫傷脳の切除や減圧開頭術の併用も行われる。手術適応の有無は、症例ごとの状態や血腫の大きさ、脳挫傷の程度により決定される。
早期に開頭血腫除去術をおこなっても症例にもよるが、脳挫傷や外傷性クモ膜下出血を併発している例では予後不良が多い。脳挫傷を伴う症例の予後は血腫量だけでなく、脳挫傷および続発する脳浮腫の程度によって左右される。
静脈の断裂による症例では一次的損傷が少ないにも関わらず、特に乳幼児の場合には、出血が急速であれば予後は極めて不良である。
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CTにおける血腫の像 | 発症後の意識 | 好発部位 | |
急性硬膜外血腫 | 凸レンズ | 約6時間の意識清明期を経て意識障害 | 側頭葉 |
急性硬膜下血腫 | 凹レンズ | 意識回復がないことが多い |
症候名 | 便性状 | |
下血 | タール便 | 黒色便 |
血便 | 鮮血便 | 赤色便 |
疾患 | 頻度(%) |
虚血性腸炎 | 26.4 |
抗菌薬起因性腸炎 | 16.4 |
大腸癌、大腸ポリープ | 11.2 |
憩室炎 | 10 |
小腸より口側の出血 | 7.6 |
感染性腸炎 | 7.2 |
痔、裂肛 | 6.4 |
宿便性潰瘍 | 5.2 |
その他の腸炎 | 4 |
その他の出血 | 1.2 |
不明 | 4.4 |
暗褐色~赤褐色便 | 十二指腸 | 消化性潰瘍、乳頭部癌 |
肝臓 | 肝癌 | |
胆道 | 胆道腫瘍、胆道炎 | |
膵臓 | 膵炎、膵癌 | |
小腸 | クローン病、メッケル憩室、腸管動静脈血栓症、腸重積、感染性腸炎、結核、良悪性腫瘍 | |
鮮紅色便 | 結腸 | 結腸癌、潰瘍性大腸炎、虚血性腸炎、ポリープ、憩室炎、悪性リンパ腫、薬物性腸炎、腸結核、S状結腸軸捻転、放射線腸炎 |
直腸~肛門 | 直腸癌、裂肛、痔核、ポリープ、潰瘍性大腸炎、放射線腸炎、子宮内膜症 |
血腫におけるヘモグロビンの変性とMRI所見 | |||
出血 | 血液成分 | T1強調画像 | T2強調画像 |
直後(~24時間) | オキシヘモグロビン | 軽度低信号 | 軽度高信号 |
1~3日(急性期) | デオキシヘモグロビン | 軽度低信号 | 低信号 |
3日~1カ月(亜急性期) | 血球外メトヘモグロビン | 高信号 | 高信号 |
1カ月以上(慢性期) | ヘモジデリン | 軽度低信号 | 低信号 |
硬膜外血腫 | 硬膜下血腫 |
・殆どが外傷性(80-90%)で、頭蓋冠骨折を伴う ・硬膜動脈の破綻による ・左右側頭部が好発部位 ・意識清明期を伴うことが多い ・骨と硬膜の硬い結合を剥がしながら伸展するので出血速度は遅い |
・硬膜下腔への出血である ・硬膜外出血より進展しやすいので、意識障害の出現が早い ・(1)橋静脈の破綻によるもの、(2)高度の脳挫傷を伴うもの ・ |
-subdural hematoma
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