- 57歳の男性。1週前から頭痛があり、家族に支えられて来院した。
- 約1か月前、飲酒後転倒して頭部を打撲した。軽度の見当識障害を認める。体温、呼吸、脈拍および血圧に異常はない。
- 項部硬直はない。右上肢の挙上ができず、右下肢の脱力のため起立保持ができない。深部反射は右上下肢で亢進している。頭部単純CTを以下に示す。
- この患者に最も適切な治療法はどれか。
[正答]
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★リンクテーブル★
[★]
- 44歳の男性。両手が不自由になったことを主訴に来院した。
- 10年前から徐々に両手に力が入らなくなり、2、3年前から両手の筋肉がやせてきた。熱い風呂の湯加減を手でみようとするときや、誤って火のついた煙草を手に落としたときなど、手に火傷を負ったことがこれまで何回かあった。
- 意識は清明、痴呆はない。両上肢遠位部の筋萎縮と筋力低下、両上肢の深部反射消失、両下肢の深部反射亢進および両側のBabinski徴候陽性を認める。
- 痛覚と温度覚とが著しく鈍麻している部位を以下に示す。
- 視力・聴力障害、構音・嚥下障害、排尿障害および触覚・深部感覚の鈍麻を認めない。頭部MRIのT2強調正中矢状断像(別冊No.32B)と横断像とを以下に示す。
[正答]
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[★]
- 6歳の男児。腫脹と左大腿部の運動痛とを主訴に、母親に連れられて来院した。
- 3日前に母親が跛行に気付き聞いたところ、1か月前から運動をしたとき左大腿部に軽い痛みがあったとのことである。既往歴に特記することはない。左股関節の可動域制限と軽度の腫脹とがある。血液検査所見に異常はない。両股関節エックス線単純写真を以下に示す。
- この疾患で正しいのはどれか。2つ選べ。
- a. 両側発症が多い。
- b. 発症頻度に性差はない。
- c. 装具療法が有効である。
- d. 軟骨代謝異常を伴う。
- e. 年少児の方が年長児より予後が良い。
[正答]
※国試ナビ4※ [098D044]←[国試_098]→[098D046]
[★]
- 英
- chronic subdural hematoma
- 関
- 急性硬膜下血腫、硬膜下血腫 凹、硬膜外血腫 凸
定義
- 何らかのきっかけにより出血し(頭部外傷が多い。20%の症例では外傷の既往がない)、その出血から3週間以降に症状が出現した場合
- 1週間以内に発症したものは急性硬膜下血腫
概念
- 硬膜内面の外側皮膜(外膜)とくも膜表面の内側皮膜(内膜)に包まれた暗赤色流動性の血腫(SCN.266)
疫学
- 中高年以上の男性に多い
- 片側性(90%)、両側性(10%)
病理
- 慢性硬膜下血腫の外膜は組織的には肉芽組織で血管に富む。内膜はコラーゲン束からなり血管は見られない(SCN.266 図:SCN.267(病理組織))
- 血腫は凝固因子を欠如しているため、凝固しない(SCN.266)
症状
- YN.
- 片麻痺、記憶力低下、意識障害
- 若年者・・・頭痛、高齢者・・・認知症が多い。
- 頭蓋内圧亢進症状 >> 脳圧迫症
検査
CT
- 三日月型の血腫が典型的 ⇔ 急性硬膜外血腫
- 血腫は新鮮なものはhighしだいにisoからlowに変化する。
- 出血後2-4修吾の血腫は、血腫被膜部の増強効果がみられる。
MRI
治療
- 穿頭術により流動性血腫を除去後、血腫腔を生理食塩水で洗浄した後、血腫腔にドレーンを1日留置することで症状が劇的に改善する(SCN.267)
国試