- 英
- calcium chloride、CaCl2
- 化
- 塩化カルシウム水和物 calcium chloride hydrate
- 関
- カルシウム
CPR
適応
投与量
- ACLS:
- PALS:(心停止)20mg/kgをボーラス投与(静脈、骨髄内) (非心停止患者)30-60分間かけて注入
注意
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塩化カルシウム |
|
|
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
10043-52-4 , 22691-02-7(一水和物)
10035-04-8(二水和物)
25094-02-4(四水和物)
7774-34-7(六水和物) |
PubChem |
24854 |
EINECS |
233-140-8 |
RTECS番号 |
EV9800000 |
特性 |
化学式 |
CaCl2 |
モル質量 |
110.98 g/mol(無水物)
128.999 g/mol(一水和物)
147.014 g/mol(二水和物)
183.045 g/mol(四水和物)
219.08 g/mol(六水和物) |
外観 |
白色固体 |
密度 |
2.15 g/cm3(無水物)
1.835 g/cm3(二水和物)
1.83 g/cm3(四水和物)
1.71 g/cm3(六水和物) |
融点 |
772 ℃(無水物)
260 ℃(一水和物)
176 ℃(二水和物)
45.5 ℃(四水和物)
30 ℃(六水和物)[1]
|
沸点 |
1935 ℃(無水物)
|
水への溶解度 |
74.5 g/100mL (20 ℃)
59.5 g/100 mL (0 ℃) |
アルコールへの溶解度 |
可溶 |
酸解離定数 pKa |
8-9(無水物)
6.5-8.0(六水和物) |
構造 |
結晶構造 |
斜方晶(歪んだルチル型)、oP6 |
空間群 |
Pnnm, No. 58 |
配位構造 |
六配位八面体 |
危険性 |
EU分類 |
刺激性 (Xi) |
EU Index |
017-013-00-2 |
NFPA 704 |
|
Rフレーズ |
R36 |
Sフレーズ |
(S2), S22, S24 |
半数致死量 LD50 |
1000 mg/kg(ラット/経口) |
関連する物質 |
その他の陰イオン |
フッ化カルシウム
臭化カルシウム
ヨウ化カルシウム |
その他の陽イオン |
塩化マグネシウム
塩化ストロンチウム
塩化バリウム |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
塩化カルシウム(えんかカルシウム、塩カル、calcium chloride)は、化学式 CaCl2 で示されるカルシウムの塩化物。CAS登録番号は10043-52-4。式量は110.98。2水和物、4水和物、6水和物として存在する。
薬品として、2水和物CaCl2・2H2O(式量 147.01)がよく使用される。
工業的に炭酸ナトリウムを生成する「ソルベー法」の副産物として得られる。
または、
目次
- 1 用途
- 2 塩化カルシウムによる害
- 3 天然での産出
- 4 塩化カルシウム(I)
- 5 脚注
- 6 関連項目
用途
除湿剤、融雪剤、豆腐用凝固剤、食品添加物などに使用される。水に溶けやすく (82.8 g/100 g)、水溶液の凝固点が低くなる(凝固点降下)。この性質を利用して、スケートリンクの冷媒として飽和水溶液を用いる。
日本国内では、晩秋になると、積雪に備え道路の各所(主に橋梁、急勾配、急カーブ)に塩化カルシウムを入れた容器が配備される。積雪や凍結などで路面が危険な状態にならないよう、通行者が自主的に撒布することができるようになっている。その際の適正な使用量は、道路の状況にもよるが1平方メートルあたり約30g(一握り)~100グラム程度で、撒きすぎないように注意しなければならない。
また、道路やグラウンドなどで土ぼこりの発生防止用としても使われる。この場合は、1平方メートルあたり500~1500グラム程度を用いる。水に溶けるときは発熱する。
塩化カルシウムによる害
塩化カルシウムは海水など自然環境の中に広く存在する毒性の少ない物質として知られている。しかし、家庭用の除湿剤を使えばタンクの中に高濃度の塩化カルシウム水溶液がたまるようになっているし、前述の融雪剤として断続的に塩化カルシウムを使うことによる害について知っておく必要がある。
吸湿剤のタンクにたまった液が皮革製品に接した場合、表面が侵される。吸湿剤は皮革製品を含む衣類を収納している場所に設置するのが常なので、吸湿剤を交換するとか、衣類の出し入れの際にタンクを倒さないように配慮する必要がある。同時に、子供が誤飲することのないように設置場所を工夫したり、事前に注意しておくことも大切である。もし固形のままあるいは高濃度の溶液を、誤飲した場合は脱水症状を起こすので大量に水分を飲ませ医師に診せ、同じく目や鼻など粘膜に入った場合は浸透圧で粘膜が浸蝕・潰瘍を起こすので直ちに大量の水で洗ったあと医師に診せる。同様に皮膚に固形のままあるいは高濃度の溶液が付着した場合は炎症を起こすので直ちに低濃度になるように水で洗い流し、症状が残るようならば医師に診せる。
融雪剤として撒布された塩化カルシウムは周辺の植生にとって有害である。都市内の道路のように周辺に植生のない場所なら問題ないが、山間部などでは必然的に塩化カルシウムの撒布が多頻度で行われるため、土壌における塩化物イオンの量が過剰となり植生が衰退傾向を見せることもある。 塩化物イオンは、鉄筋コンクリートに対しても悪影響がある。これらの弊害については塩害の記事を参照されたい。
また、道路の融雪・凍結防止目的で撒布された塩化カルシウムは水溶液となり、その上を車両が通行する際にしぶきとなり、自動車の車体や車輪に付着して、早期腐食や早期劣化の原因となる。塩化カルシウムが撒布された(とおぼしき)道路を通行した場合は、速やかに洗車することが望ましい。頻繁に通行する場合は、あらかじめマリン用品として出回っている塩害防止スプレーを塗布しておくなどの予防策が有効である。さらに、素手で塩化カルシウムを撒くのは皮膚炎の原因となりうる。特に雪などで皮膚がぬれている場合は注意したい。水分を遮断できる手袋を着けて撒くのが最適である。
天然での産出
天然での塩化カルシウムは、一般に低温の乾燥環境において産出し、非常に珍しい。鉱物としては2水和物のシンジャル石 (Sinjarite) [2]と6水和物の南極石 (Antarcticite) [3]の2種類が知られている。南極石は室温では融解する。
塩化カルシウム(I)
塩化カルシウムは化学式CaCl2で表される塩化カルシウム(II)の他に、化学式CaClで表される塩化カルシウム(I)が存在する。塩化カルシウム(I)は不安定な二原子分子であり、その結合は本質的に強いイオン性である[4]。塩化カルシウム(I)の固体構造は1953年に報告されたが[5]、後に行われた追試験は失敗している[6]。
脚注
- ^ Pradyot Patnaik. Handbook of Inorganic Chemicals. McGraw-Hill, 2002, ISBN 0070494398
- ^ Sinjarite mindat.org
- ^ Antarcticite mindat.org
- ^ Brown, J. M.; Milton, D. J.; Steimle, T. C. (1981). "Studies of the optical spectra of CaCl and SrF at sub-Doppler resolution". Faraday Discussions of the Chemical Society 71: 151. doi:10.1039/DC9817100151
- ^ Ehrlich, P.; Gentsch, L. (1953). "Über das Calciummonochlorid". Die Naturwissenschaften 40 (17): 460. Bibcode: 1953NW.....40..460E. doi:10.1007/BF00628837
- ^ Gerd Meyer, Dieter Naumann, Lars Wesemann 2007 Inorganic Chemistry in Focus III Wiley-VCH ISBN 3-527-60909-1
関連項目
カルシウムの化合物 |
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二元化合物 |
Ca3As2 · CaB6 · CaBr2 · CaC2 · CaCl · CaCl2 · CaF2 · CaH2 · CaI2 · Ca(N3)2 · Ca3N2 · CaO · CaO2 · CaP · Ca3P2 · CaS · CaSe · CaSi · CaSi2 · CaTe
|
|
三元化合物 |
Ca(AlO2)2 · Ca3(AsO4)2 · Ca3(BO3)2 · Ca(BrO3)2 · Ca(ClO)2 · Ca(ClO3)2 · Ca(ClO4)2 · CaCN2 · Ca(CN)2 · CaCO3 · CaC2O4 · CaCrO4 · CaCr2O7 · Ca(IO3)2 · Ca(MnO4)2 · Ca(NO2)2 · Ca(NO3)2 · Ca(OH)2 · Ca2P2O7 · Ca3(PO4)2 · CaSeO4 · CaSiO3 · CaSO3 · CaSO4 · CaTiO3
|
|
四元・五元化合物 |
Ca(CH3COO)2 · Ca(HCO3)2 · Ca(HCOO)2 · CaHPO4 · Ca(H2PO4)2 · Ca(HSO3)2 · Ca(HSO4)2 · Ca(OCN)2 · Ca(SCN)2 · CaCl(OH)2 ·
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- 塩化マグネシウム水溶液と塩化カルシウム水溶液の熱力学的性質について.2. 標準状態での見かけのモル体積と見かけの定圧モル比熱(定圧モル熱容量)
- 澁江 靖弘
- 兵庫教育大学研究紀要 : 学校教育・幼年教育・教育臨床・障害児教育・言語系教育・社会系教育・自然系教育・芸術系教育・生活・健康系教育・総合学習系教育 38, 113-125, 2011-02
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- 塩化マグネシウム水溶液と塩化カルシウム水溶液の熱力学的性質について(その1)
- 澁江 靖弘
- 兵庫教育大学研究紀要 : 学校教育・幼年教育・教育臨床・障害児教育・言語系教育・社会系教育・自然系教育・芸術系教育・生活・健康系教育・総合学習系教育 (37), 91-102, 2010-09
- NAID 120002739234
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Japan Pharmaceutical Reference
販売名
リンゲル液「フソー」
組成
- リンゲル液「フソー」は1ポリアル(プラスチックボトル)500mL中次の成分・分量を含む無色澄明の水性注射液である。
塩化ナトリウム(NaCl)・・・・・・・・4.3g
塩化カリウム(KCl)・・・・・・・・・・0.15g
塩化カルシウム水和物(CaCl2・2H2O)・・0.165g
〔電解質濃度〕(理論値)
- Na+ 147.2mEq/L
K+ 4.0mEq/L
Ca++ 4.5mEq/L
Cl- 155.7mEq/L
効能または効果
- 循環血液量及び組織間液の減少時における細胞外液の補給・補正
- 通常成人1回500〜1,000mLを点滴静注する。投与速度は,通常成人1時間あたり300〜500mLとする。
なお,年齢,症状,体重により適宜増減する。
慎重投与
- 腎不全のある患者[水分,電解質の過剰投与に陥りやすく,症状が悪化するおそれがある。]
- 心不全のある患者[循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ,症状が悪化するおそれがある。]
- 高張性脱水症の患者[本症では水分補給が必要であり,電解質を含む本剤の投与により症状が悪化するおそれがある。]
- 閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者[水分,電解質の過負荷となり,症状が悪化するおそれがある。]
薬効薬理
- 輸液療法においては細胞外液量の確保が最も重要で,まず最初にその是正が考慮されるべきだといわれる。すなわち組織代謝の維持又は生体機能のhomeostasis維持のためには,いわゆる機能的細胞外液量を正常に保っておく必要があると考えられている1)。
例えば,出血性ショック時や外科的侵襲をうけた場合には失血分以上の細胞外液喪失を起こしていることが実験的,臨床的に示されており2),このような場合には循環血液量のみならず,減少している組織間液の回復を同時に考慮する必要がある。
本剤はNa+,Cl-の他にK+,Ca++を含む等張性の電解質液で,その組成は生理食塩液に比べ細胞外液に近くなっている。しかし,陰イオンとしてはCl-のみであり,大量投与ではHCO3-希釈による代謝性アシドーシスを起こす危険があるが,逆にCl-欠乏を伴うことの多い代謝性アルカローシスの場合には有用であると考えられる3)。
★リンクテーブル★
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [103B032]←[国試_103]→[103B034]
[★]
[★]
- 英
- calcium preparation
- 同
- カルシウム薬
- 関
- カルシウム、骨粗鬆症
商品
- 血清カルシウム
- 尿中カルシウム/尿クレアチニン比(0.3-0.4以上が高カルシウム血症の目安になる)
代表的なカルシウム製剤
[★]
人フィブリノゲン(フィブリノゲン)、人血液凝固第XIII因子(第XIII因子)+アプロチニン+トロンビン+塩化カルシウム水和物(塩化カルシウム)
成分 (添付文書より)
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
- 人フィブリノゲン:40mg
- 人血液凝固第XIII因子:37.5単位
- 人血清アルブミン、グリシン、D-マンニトール、クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル2(フィブリノゲン溶解液)
バイアル3(トロンビン凍結乾燥粉末)
バイアル4(トロンビン溶解液)
- 日本薬局方塩化カルシウム水和物:2.95mg/0.5mL
添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/7990710X1039_2_02/
[★]
塩化アンモニウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、マグネシウム、乳酸ナトリウム、リン酸二カリウム
[★]
イコデキストリン、塩化ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム
- 関
- 腹膜透析用剤
[★]
アスパラギン酸カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ネオスチグミン
[★]
- 英
- calcium chloride hydrate
- 商
- AK-ソリタ透析剤・DL、AK-ソリタ透析剤・DP、AK-ソリタ透析剤・FL、AK-ソリタ透析剤・FP、Dドライ透析剤2.5S、Dドライ透析剤3.0S、HF-ソリタ血液ろ過用補充液・BWキット、HF-ソリタ血液ろ過用補充液・L、アートセレブ、アクメイン、アルスロマチック、エクストラニール、エルネオパ1号、オペガードMA、オペガードネオキット、カーボスター透析剤・L、カーボスター透析剤・M、カーボスター透析剤・P、キドライム 透析剤、キンダリー透析剤2D、キンダリー透析剤2E、キンダリー透析剤3D、キンダリー透析剤3E、キンダリー透析剤4D、キンダリー透析剤4E、キンダリー透析剤AF1P号、キンダリー透析剤AF1号、キンダリー透析剤AF2P号、キンダリー透析剤AF2号、キンダリー透析剤AF3P号、キンダリー透析剤AF3号、キンダリー透析剤AF4P号、キンダリー透析剤AF4号、サヴィオゾール、サブパック血液ろ過用補充液-Bi、サブラッド血液ろ過用補充液BSG、サリベート、ステイセーフバランス、ソリタックス、ソリューゲンF、ソリューゲンG、ソルアセトD、ソルアセトF、ソルラクト、ソルラクトD、ソルラクトS、ソルラクトTMR、ダイアニール-NPD-21.5、ダイアニール-NPD-41.5、ダイアニールPD-24.25、ダイアニールPD-44.25、ツインラインNF配合、ツインライン配合、トリフリード、ネオパレン1号、バイフィル、ハルトマンD液、ハルトマン液、ビーエスエスプラス、ビーフリード、ビカーボン、ビカネイト、フィジオ70、ヘスパンダー、ペリセート360N、ペリセート360NL、ペリセート460、ベリプラストP、ポタコールR、ボルヒール組織接着用、マイピリン、ミオテクター、ミッドペリック135、ミッドペリックL135、ラクテック、ラクテックD、ラクテックG、ラクトリンゲルM、ラクトリンゲルS、ラクトリンゲル液、ラコールNF配合、ラコール配合、リンゲル液、リンパック透析剤1号、リンパック透析剤3号、リンパック透析剤TA1、リンパック透析剤TA3、レプチラーゼ、塩化Ca補正液、塩化カルシウム、塩化カルシウム水和物、大塚塩カル、低分子デキストランL
- 関
- 塩化カルシウム
[★]
- 英
- calcium
- 関
- カルシウムイオン、リン
- calcium channel blockers, calcium channels
基準値
- 血清総Ca 8.6-10.1 mg/dl(臨床検査法提要第32版)
- 8.6-10.2 mg/dL (QB) だいたい 9.4 ± 0.8
- 血清Caイオン 1.15-1.30 mmmol/l(臨床検査法提要第32版), 4.6-5.1 mg/dl
血液ガス
- 血液ガスでは (mEq/l)で出されるが 4倍すれば (mg/dl)に変換できる 原子量が約40ゆえ
溶解度積
リン酸カルシウム
|
366x10-6
|
(30℃)
|
リン酸カルシウム
|
0.35x10-6
|
(38℃)
|
炭酸カルシウム
|
0.0087x10-6
|
(25℃)
|
酒石酸カルシウム
|
0.0077x10-6
|
(25℃)
|
シュウ酸カルシウム
|
0.00257x10-6
|
(25℃)
|
オレイン酸カルシウム
|
0.000291x10-6
|
(25℃)
|
パルチミン酸カルシウム
|
0.000000161x10-6
|
(23℃)
|
カルシウムの吸収(SP.744)
- +健康成人の1日あたりの食物Ca摂取0.6g
- +消化管分泌物と脱落上皮細胞のCa 0.6g
- -吸収されるCa 0.7g
- -そのまま排泄 0.5g
- 正味吸収されるCa 0.1g
カルシウムの吸収部位
カルシウム代謝の調節機構
副甲状腺ホルモン
- 1. 破骨細胞に作用してCa,Pが血中へ。
- 2. 腎の遠位尿細管に作用してCa再吸収の亢進、近位尿細管でのP再吸収の抑制。
- 3. 近位尿細管に作用して酵素を活性化し、1,25水酸化ビタミンD3の産生亢進。
1,25(OH)2D3
- 1. 空腸からのCaとPの吸収。
- 2. 骨形成促進。
- 3. 遠位尿細管でのCaとPの再吸収促進。
- 4. 副甲状腺ホルモンの合成を抑制
尿細管における部位別カルシウム輸送
- 糸球体で濾過されるのはイオン化Caと陰イオン複合型Ca(蛋白結合型Caは濾過されない)
- 濾過されたカルシウムのうち95%が再吸収される。
- 近位尿細管:60-70%
- ヘンレループ:20-25%
- 遠位尿細管、集合管:10-15%
近位尿細管
- Na+依存的に再吸収。受動輸送80%、能動輸送20%
- 基底側のCa2+ ATPase, 3Na+-Ca2+逆輸送系
ヘンレループ
- 太いヘンレループ上行脚で
- 受動輸送:管腔内電位が正であるため
遠位尿細管~集合管
- 糸球体濾過量の10-15%が再吸収されている → 量としては少ないが能動的に吸収が行われる部位。
- 能動輸送:管腔内電位が負であるため。
- PTH、カルシトニンに調節されている
- チアジド系利尿薬により細胞内Na↓となるとCa再吸収↑となる!!!! ← ループ利尿薬と違う点。よって高カルシウム血症が起こることがある。
接合尿細管
- 管腔側:Ca2+チャネル/非選択的カチオンチャネル
- 基底側:Na+-K+ ATPase, 3Na+-Ca2+交換系
尿細管におけるカルシウムの輸送の調節 SP.796
- Ca2+の尿中排泄量はNa+の尿中排泄量と比例。循環血漿量が増加するとCa2+排泄も増加
- Ca2+の尿中排泄量は血漿Ca2+濃度と比例する。
血清カルシウム濃度
- 血液中でCa2+は調節を受けて一定に保たれるが、蛋白と結合しているCaはアルブミンの量によって増減する。
- 血清アルブミン濃度 4 g/dl、血清Ca濃度 9mg/dl。補正Ca濃度 9mg/dl → 正常
- 血清アルブミン濃度 2 g/dl、血清Ca濃度 7mg/dl。 → 大変!!低カルシウム血症!! → ホント? ってことになる。アルブミンの量が減ってAlb-Caが減っただけで生理的に重要なCa2+は保たれているのではないか。 → こんな時に補正Ca濃度を用いるのである
- →補正Ca濃度 9mg/dl → 正常
- つまり、低アルブミン血症ではCa2+は保たれているにもかかわらず、血清Caは低値となりそのままでは評価できないために補正を行う。
- 補正Ca濃度(mg/dl)=Ca実測値(mg/dl)+(4-血清アルブミン濃度(g/dl)) ・・・Payneの式
- アルブミンのpIは7より小さく、アシデミアでは負に帯電しているアルブミンが減少、アルカレミアでは負に帯電しているアルブミンが増加する。すなわち、pHが下がるとアルブミンとくっつなくなったCaが増加するので、血液pH0.1の低下につきfreeイオン化Ca(Ca2+)は0.12mg/dl増加する???????????
循環血液量
血清Ca濃度
- 血清Ca濃度↑→PTH↓
- 生理活性のあるのはイオン化Ca(Ca2+)のみ
- 血清Ca濃度=イオン化Ca(45%) + 蛋白結合型Ca(40%) + 陰イオン複合型Ca(15%)
- イオン化Caは一定に保たれる
pH
- アシドーシス :pHが小さくなると負電荷減少:蛋白のCa結合能↓、イオン化Ca↑
- アルカローシス:pHが大きくなると負電荷増加:蛋白Caの結合能↑、イオン化Ca↓→Ca欠乏(低カルシウム血症)
低蛋白血症
- 低蛋白血症の際、蛋白結合型Caは減少するが、イオン化Ca一定。
尿中カルシウム
血中カルシウムと尿中カルシウム
- 薬剤などの影響がなければ、血中カルシウムと尿中カルシウムは相関がありそうである → 副甲状腺ホルモン
血清カルシウムと心電図
元素
- 金属元素。周期表第2族アルカリ土類金属元素
- 原子番号:20
- 元素記号:Ca
- 原子量 40.078 g/mol
臨床関連
参考
- http://www.orth.or.jp/osteoporose/caseizai.html
[★]
- 英
- chloride、chloro
- 関
- 塩化物、塩素イオン、クロライド、クロリド、クロロ、クロール