- 英
- dibasic potassium phosphate、dipotassium hydrogen monophosphate
- 関
- リン酸二水素カリウム、リン酸カリウム
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/11/14 10:59:18」(JST)
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リン酸水素二カリウム |
|
IUPAC名
Dipotassium hydrogenphosphate
|
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
7758-11-4 |
PubChem |
24450 |
特性 |
化学式 |
K2HPO4 |
モル質量 |
174.2 g/mol |
外観 |
吸湿性のある白色粉末 |
密度 |
2.44 g/cm3 |
融点 |
465℃以上で分解。
|
水への溶解度 |
167 g/100 mL (20 ℃) |
溶解度 |
アルコールに易溶 |
酸解離定数 pKa |
12.35 |
塩基解離定数 pKb |
6.80 |
危険性 |
引火点 |
不燃性 |
関連する物質 |
その他の陽イオン |
リン酸水素二ナトリウム
リン酸水素二アンモニウム |
関連物質 |
リン酸二水素カリウム
リン酸三カリウム |
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
リン酸水素二カリウム(リンさんすいそにカリウム、英: dipotassium hydrogenphosphate )ないしはリン酸二カリウム(リンさんにカリウム、英: dipotassium phosphate)は化学式K2HPO4で表される無機化合物。
性質
無色の板状ないし針状結晶で潮解性の強い固体である[1]。 水溶液はpH8.7~9.3[2]と、弱アルカリ性を示す。これはリン酸水素イオンの酸解離および加水分解による。
- HPO42- H+ + PO43-
- HPO42- + H2O H2PO4- + OH-
リン酸一カリウム同様、肥料や食品添加物としての用途がある。水酸化カリウムなどのカリウム塩とリン酸との反応により得られ、加熱すると脱水してピロリン酸カリウムを生じる。
脚注
- ^ 『化学大辞典』 共立出版、1993年
- ^ 製品情報(キリン協和フーズ)
カリウムのオキソ酸塩 |
|
正塩 |
AlK(SO4)2 · KAlO2 · K3AsO4 · KBrO3 · KClO · KClO2 · KClO3 · KClO4 · K2CO3 · K2CrO4 · K2Cr2O7 · K3Cr(O2)4 · K2FeO4 · KIO3 · KIO4 · KMnO4 · K2MnO4 · K3MnO4 · K2MoO4 · KNO2 · KNO3 · K3PO4 · KReO4 · K2SeO4 · K2SiO3 · K2SO3 · K2SO4 · K2S2O3 · K2S2O5 · K2S2O6 · K2S2O7 · K2S2O8
|
|
水素塩 |
KH2AsO4 · K2HAsO4 · KHCO3 · KH2PO4 · K2HPO4 · KHSeO4 · KHSO3 · KHSO4 · KHSO5
|
|
カリウムの化合物 - カリウムのオキソ酸塩 |
|
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 腎不全患者を対象としたOPF-102の臨床試験(第III相) : より安全な経静脈的リン補給に向けて
- 秋葉 隆,田村 禎一,鎌田 貢壽,水口 潤,松井 則則
- 日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy 44(6), 567-575, 2011-06-28
- … 従来のリン欠乏症に対するリン酸二カリウム補正液を用いたリン補給は,高カリウム血症を起こす恐れがある.株式会社大塚製薬工場は,このような高カリウム血症発現のリスクを取り除くために,既存のリン酸二カリウム補正液に含まれるカリウムをナトリウムに置き換えたリン酸ナトリウム補正液(OPF-102)を開発した.この製剤は,高カリウム血症のリスク存在下においても,安全にリン補給 …
- NAID 10029407169
- 数種類の幼果に含まれる縮合型タンニンの化学的比較研究
- 松尾 友明,伊藤 三郎
- 園芸學會雜誌 50(2), 262-269, 1981
- … メタノール溶液からリン酸二カリウムの添加により白沈した.2. …
- NAID 130001160483
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
10%EL−3号輸液
組成
成分 1袋 (500mL) 中
- 塩化ナトリウム 0.585g
塩化カリウム 0.745g
リン酸二カリウム 0.580g
リン酸二水素カリウム 0.110g
乳酸ナトリウム 1.120g
ブドウ糖 50.000g
添加物 1袋 (500mL) 中
熱量
電解質濃度 (mEq/L)
- Na+ 40
K+ 35
Cl− 40
Lactate− 20
Phosphate 8 (mmol/L)
禁忌
- 乳酸血症の患者[乳酸を含む本剤により乳酸血症を悪化させるおそれがある。]
- 高カリウム血症、乏尿、アジソン病、重症熱傷、高窒素血症のある患者[腎からのカリウム排泄障害のため症状を悪化させるおそれがある。]
- 高リン血症、低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症の患者[本剤の電解質組成により高リン血症、低カルシウム血症を悪化させるおそれがある。]
効能または効果
- 本剤はマグネシウムを含まない電解質・糖液であり、経口摂取不能又は不十分な場合の水分・電解質の補給・維持、エネルギーの補給に維持液として用いる。
- 通常成人、1回500〜1,000mLを点滴静注する。投与速度は、通常成人ブドウ糖として1時間あたり0.5g/kg 体重以下とする。なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。
慎重投与
- 高カリウム血症を伴わない腎不全のある患者[ナトリウム負荷によるカリウム排泄の阻害により腎不全症状を悪化させるおそれがある。]
- 心不全のある患者[循環血液量の増加により心負荷増大のおそれがある。]
- 重篤な肝障害のある患者[乳酸代謝能の低下により高乳酸血症を起こすおそれがある。]
- 閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者[水排泄障害により原病の症状を悪化させるおそれがある。]
- 糖尿病の患者[高血糖を起こすおそれがある。]
薬効薬理
- 水分・電解質の異常をきたすことなく体液バランスを維持する。2〜5)
- 代謝性アシドーシスを改善する。2〜5)
- 代謝性アルカローシスを改善する。2〜5)
- 体蛋白の異化やケトーシスを防止する (体蛋白質節約作用)。2〜5)
★リンクテーブル★
[★]
塩化アンモニウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、マグネシウム、乳酸ナトリウム、リン酸二カリウム
[★]
- 関
- 人工唾液用合剤
[★]
- 英
- potassium dihydrogenphosphate、monobasic potassium phosphate
- 関
- リン酸カリウム、リン酸二カリウム
[★]
リン酸二カリウム
- 関
- dipotassium hydrogen monophosphate、monobasic potassium phosphate、potassium phosphate
[★]
- 英
- potassium phosphate
- 関
- リン酸二水素カリウム、リン酸二カリウム
[★]
- 英
- potassium
- 同
- K+
- 関
- 高カリウム血症、低カリウム血症、腎 Kと酸塩基平衡の異常
- 植物の灰(pot-ash)が由来らしい
- アルカリ金属
- 原子番号:19
- 原子量:39.10
カリウム濃度を調節する要素
- PT.481-482
-
- 血中K+が細胞内、細胞内H+が細胞外へ移動→低カリウム血症、K排泄↑
- 血中H+が細胞内、細胞内K+が細胞外へ移動→高カリウム血症、K排泄↓
-
- レニン・アンジオテンシン系の亢進 or 細胞外K+濃度の上昇 のいずれかにより副腎皮質からアルドステロンが放出される
- Na/H交換体、Na-K-2Cl共輸送体、Na/K-ATPaseを活性化。
- β2受容体を介してKの取り込みを促進。Na-Kポンプの活性化による。
例外
- 水・電解質と酸塩基平衡 改訂第2版 p.153
- 水素イオンと共に投与される陰イオンが細胞内に移行しうる場合、電気的中性は保たれるのでカリウムイオンは細胞外に移動しない。
- (細胞内に移行する)乳酸イオン、酢酸イオン ⇔ (細胞内に移行しない)塩素イオン
基準値
- LAB
- 出典不明
尿細管での再吸収・分泌
- QB.E-128
- 再吸収 :近位尿細管、ヘンレループ
- 分泌・吸収:集合管(QB.E-128)、遠位尿細管(QB.E-130)、皮質集合管の主細胞(参考1)
調節するファクター
- 1. アルドステロン
- 2. 集合管に到達するナトリウムイオン:集合管では能動的にナトリウムが再吸収されるが、電気的中性を保つために受動的にカリウムが管腔側に移動する。(参考1)
臨床関連
-
- 尿中カリウム < 20mEq/L:腎外性喪失
- 尿中カリウム > 40mEq/L:腎性喪失
参考1
- 1. [charged] Pathophysiology of renal tubular acidosis and the effect on potassium balance - uptodate [1]
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3