- 英
- methemoglobin, metHb, MetHb, MHg
- 同
- 酸化ヘモグロビン、フェリヘモグロビン ferrihemoglobin
- 関
- ヘモグロビン, Hemoglobin M
- ヘモグロビンは4つのサブユニット(α鎖2つ、β鎖2つ)からなり、それぞれがFe2+を配位したヘムを有する。
- この4分子存在するヘムがすべて酸化されFe3+となったヘモグロビンをメトヘモグロビンと呼ぶ
- メトヘモグロビンはO2のへ結合能を失う
- 血液の色は茶色っぽくなる? (FB.111)
メトヘモグロビンを生成させる物質
治療薬
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/18 19:41:08」(JST)
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メトヘモグロビン(Methaemoglobin)は、酸素を運搬するタンパク質であるヘモグロビンの一種であり、通常のヘモグロビンに配位されている二価(フェロ)の鉄イオンが三価(フェリ)になっているものである。メトヘモグロビンは、酸素を運ぶことができない。チョコレートの茶色に青みがかった色をしている。NADH依存性のシトクロムb5還元酵素(ジアフォラーゼI)は、メトヘモグロビンをヘモグロビンに還元・修復する機能を担っている。
一般の人では、ヘモグロビンの1-2%がメトヘモグロビンである。これよりも数値が高い場合には、遺伝的要因か様々な化学物質への曝露が可能性として考えられ、高い数値の程度に応じてメトヘモグロビン血症として知られている健康問題の原因となる。メトヘモグロビンの数値の数値が高い場合には、実際の酸素飽和濃度に関わらずパルスオキシメーターでは85%近くの数値が出る傾向にある[1]。
目次
- 1 一般的な原因
- 2 メトヘモグロビンの飽和度
- 3 メトヘモグロビンの再還元
- 4 シアン化合物中毒の際の治療上の使用
- 5 脚注
- 6 外部リンク
- 7 関連事項
一般的な原因
- 細胞防衛メカニズムの欠損
- 様々な環境物質に曝露されている4ヶ月未満の乳児
- シトクロームb5還元酵素の欠損
- G6PD欠損症
- ヘモグロビンM症
- ピルビン酸キナーゼ欠損症
- 様々な医薬化合物
- 局部麻酔剤、ビエルブロックで特に用いられるプリロカイン
- 亜硝酸アミル、クロロキン、ダプソン、硝酸塩、亜硝酸化合物、ニトログリセリン、ニトロプルシド、フェナセチン、フェナゾピリジン、プリマキン、キノン類、スルホンアミド類
- 環境物質
- 芳香族アミン(例えば、p-ニトロアニリン[2])
- アルシン
- クロロベンゼン
- クロム酸塩
- 硝酸塩、亜硝酸化合物
- 窒素酸化物[3]
- 硝酸態窒素(硝酸態窒素を含む肥料が大量に施肥され、地下水が硝酸態窒素に汚染されたり、葉物野菜の中に大量の硝酸態窒素が残留することがある。人間を含む動物がこのような硝酸態窒素を大量に摂取すると、体内で亜硝酸態窒素に還元され、この亜硝酸がヘモグロビンを酸化してメトヘモグロビン血症を引き起こす可能性がある[4]。)
- 猫・犬において
- パラセタモール(例えばアセトアミノフェン、タイレノール)の摂取[5]
メトヘモグロビンの飽和度
メトヘモグロビンの飽和度は、メトヘモグロビンのヘモグロビンとのパーセンテージで表現される。以下で言うmetHbとはメトヘモグロビンのことをいう。
1-2%のmetHb 通常
10% 以下のmetHb – 症状なし
10-20% のmetHb – 皮膚の変色のみ(鼻粘膜で最も目立つ)
20-30% のmetHb – 不安、頭痛、作業時の呼吸困難
30-50% のmetHb – 疲労、精神錯乱、めまい、頻呼吸、動悸
50-70% のmetHb – 昏睡、発作、不整脈、アシドーシス
70% 以上のmetHb –死亡
メトヘモグロビンの再還元
メトヘモグロビンは、次のメカニズムでヘモグロビンへ再還元される[3]。
- シトクロムb3による再還元、シトクロムb3はNADHにより再生される。
- アスコルビン酸による再還元、生成したデヒドロアスコルビン酸はグルタチオン、NADHによりアスコルビン酸に再生される。
- グルタチオンによる再還元、生成した酸化型グルタチオンはNADPHにより還元型グルタチオンに再生される。
シアン化合物中毒の際の治療上の使用
亜硝酸アミルは、シアン化合物中毒を治療するために処方される。この薬品が気化しやすいことを利用して吸い込ませる方法が主にとられる。15秒おきに15秒間かがせることを、5回繰り返すことにより、シアンはメトヘモグロビンと結合しシアンメトヘモグロビンとなり無毒化される。亜硝酸アミルは、ヘモグロビンをメトヘモグロビンに変えることによって、メトヘモグロビンがシアン化合物と結び付き、シアン化合物よりは毒性のないシアノメトヘモグロビンを形成する[6]。
脚注
- ^ Denshaw-Burke, Mary (2006年11月7日). “Methemoglobinema”. 2008年3月31日閲覧。
- ^ A. Bakdash, M. Ganswindt, S. Herre, T. Nadulski und F. Pragst (2006). "Lethal Poisoning with p-Nitroaniline". Toxichem Krimtech 73 (2): 61.
- ^ a b 石井邦彦「アカタラセミアマウスに一酸化窒素,二酸化窒素曝露時のメトヘモグロビン生成」『岡山医学会雑誌』101(5-6)1989-06,pp473-488
- ^ 野菜の硝酸イオン低減化マニュアル 平成18年3月 独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構 野菜茶業研究所
- ^ McConkey SE, Grant DM, Cribb AE. (2009). "The role of para-aminophenol in acetaminophen-induced methemoglobinemia in dogs and cats". J Vet Pharmacol Ther. 32 (6): 585-595. PMID 20444014.
- ^ Vale, J. A. (2001). "Cyanide Antidotes: from Amyl Nitrite to Hydroxocobalamin - Which Antidote is Best?". en:Toxicology 168 (1): 37–38.
外部リンク
- Methemoglobin - the US National Library of Medicine Medical Subject Headings (MeSH)
- Mechanistic Toxicology: the Molecular Basis of How Chemicals Disrupt Biological Targets. page 118., p. 118, - Google ブックス
- The Blue people of Troublesome Creek
関連事項
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- メトヘモグロビン測定のための血液試料の凍結保存 : 凍結温度の影響と人血、家畜血の比較
- メトヘモグロビンパルス(SpMet)の見かた・読みかた・記録のしかた (NICU最前線 赤ちゃんの「何かおかしい」を早く見つけて! 一歩進んだ新生児モニターの見かた・読みかた・記録のしかた)
- メトヘモグロビンの上昇に引き続き急激な溶血性黄疸・貧血をきたした Late-preterm 児の1例
- 高橋 匡輝,多田 憲正,草苅 倫子,蒲原 孝,日下 隼人
- 日本産婦人科・新生児血液学会誌 = The Japanese journal of obstetrical, gynecological & neonatal hematology 21(1), 57, 2011-06-01
- NAID 10029378133
Related Links
- メトヘモグロビンとは赤血球内のヘモグロビン中の核をなす2価の鉄イオンが酸化されて3価の鉄イオンになったものであり,酸素結合・運搬能力が失われた状態である。血液中のメトヘモグロビンが1‐2%以上に増加した状態をいう。
- 症状 チアノーゼ 通常のチアノーゼは血中にデオキシヘモグロビンが5g/dLをこえると出現するが、メトヘモグロビンは1.5g/dL程度の濃度でもチアノーゼをきたす。デオキシヘモグロビンが5g/dL以上というのは重篤な状態を意味する。
- メトヘモグロビン血症(メトヘモグロビンけつしょう)とは、血液中にメトヘモグロビンが多い状態を言う。チアノーゼを起こす代表的疾患のひとつ。チアノーゼとは、唇や爪が鮮やかな赤ではなく、静脈血のような紫色になっている ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 次の文を読み、35、36の問いに答えよ。
- 38歳の男性。直下型地震で倒壊した家屋の下敷きになり救急車で搬入された。
- 現病歴 :地震で倒れた柱に両側下肢を挟まれ、救助隊が到着するまで身動きができなかった。両側下肢に激痛がある。尿は出ていない。
- 現症 : 意識は混濁。身長177cm、体重72kg。体温37.1℃。脈拍112/分、整。血圧76/32mmHg。皮膚は蒼白で冷たい。頸静脈拍動が臥位で認められない。両側下肢に皮下出血と腫脹とを認める。救出から搬入まで尿は出ておらず、入院後にカテーテルの導尿によって10mlの尿が得られた。
- 検査所見:尿所見:色調はコーラ色、蛋白1+、糖(-)、潜血1+。血液所見:赤血球310万、Hb11.2g/dl、Ht30%、白血球13,700、血小板34万。血清生化学所見:総蛋白6.5g/dl、アルブミン4.5g/dl、尿素窒素40mg/dl、クレアチニン2.5mg/dl、尿酸8.0mg/dl、総ビリルビン0.9mg/dl、AST700単位、ALT140単位、CK10,200単位(基準10~40)、Na135mEq/l、K7.1mEq/l、Cl111mEq/l。心電図でT波の増高が認められる。
[正答]
※国試ナビ4※ [100D034]←[国試_100]→[100D036]
[★]
- 同
- magnetic resonance imaging、核磁気共鳴画像、磁気共鳴撮像、磁気共鳴断層撮影 magnetic resonance computed tomography MR-CT、磁気共鳴映像法、磁気共鳴画像法、核磁気共鳴画像診断法
頭部MRIにて使用するシークエンス
-
-
- 流入してくるプロトンの量を強調→流入する血流のみを高信号に描出
- MRDSA(MR digital subtraction angiography)
- 造影剤の急速注入→適応:動静脈病変、血行動態、例えば脳動静脈奇形
- T2*強調画像:出血性病変
- ダイナミックMRI:下垂体、vascularity
- Perfusion imaging:vascularity
- 頭蓋内スクリーニング(T2より病変がわかりやすい)
MRIの撮像条件と信号強度
基本的な物質のMRI画像
- 参考2 SOR.122
T2 強 調 画 像
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高信号
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水
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出 血 「 メ ト ヘ モ グ ロ ビ ン 」
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脂肪
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線維組織
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皮質骨 空気 血流
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低信号
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低 信 号
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.
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.
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高 信 号
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T1強調画像
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YN.J-60
- MRIの組織間信号強度
- MRIの血液信号の強度 経時的変化(脳出血)
整形外科分野でのMRI信号強度(SOR.122)
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CT
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MRI
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T1
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T2
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灰白質
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high
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low
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high
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白質
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low
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high
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low
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CSF
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low
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low
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high
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血液
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high
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void
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void
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疾患とMRI
- wiki_jaを引用改変
- CTでは発症早期の所見は取りづらく(early CT signは除く)、12-24時間後に低吸収が出現するため、拡散強調画像(DWI)による発症1-3時間後の高信号をとらえるのが早期診断に有用である。
肝臓
- SRA.482
- 正常:T1 >筋肉、脾臓、T2 脾臓、腎臓> >筋肉。
- 病変:T1 軽度低信号、T2 軽度高信号
- T1強調画像で高信号:脂肪沈着を伴う病変(脂肪肝、肝細胞癌、線種様過形成)、高蛋白貯留液を含む嚢胞性病変(粘液性嚢胞、感染後の嚢胞)、線種様過形成、常磁体物の沈着(亜急性期メトヘモグロビン)、メラニン、ガドリニウム
- T2強調画像で著明な高信号:液体の貯留 → 肝嚢胞、海綿状血管腫
- T2強調画像で低信号:水分減少を伴う病変(凝固壊死、線種様過形成)、メラニン、デオキシヘモグロビン、ヘモジデリン
DWI
- 肝臓では占拠性病変が高信号として描出される。悪性腫瘍では細胞密度が増加し水分子の拡散が制限された結果、高信号を示すと考えられている。
ADC
- 各肝腫瘍における見かけの拡散係数(ADC:apparent diffusion coefficient)を比較し、血管腫では高ADC、悪性腫瘍では低ADCであった。
- 参考5改変
T1とT2
造影
- ガドリニウム:MRIで造影といえばこれ。
- 超磁性体酸化鉄粒子 SPIO:肝網内系をターゲットとした造影剤である。SPIOはKupffer細胞に貪食されリソソームにクラスター化される家庭でT2*緩和時間およびT2緩和時間を短縮させる。ゆえにKupffer細胞を含む正常肝組織の信号が低下し、含まない腫瘍とのコントラストを強調することができる。(参考1)
磁場
- 参考3 参考4
- 2010年現在、臨床で主流となっているMRIは1.5Tが主流。3Tも入り始めている、らしい。
- 臨床で使用可能な磁場強度の上限は厚労省が決めているらしい。
参考
- 1. 多様化する肝転移治療の選択|肝転移の画像診断:Cancer Therapy.jp:コンセンサス癌治療
- http://www.cancertherapy.jp/liver_metastasis/2007_autumn/02.html
- 2. C.産婦人科検査法 9.婦人科疾患のMRI 診断 - 日産婦誌59巻5号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5905-113.pdf
- http://www.hosp.keio.ac.jp/kensa/hoshasen/m0.htm
- 4. MRI開発史と科学者たち 物理学専攻 M1 24B07054 森尾豊
- http://www-het.phys.sci.osaka-u.ac.jp/~higashij/lecture/coe07/4hanmorio.pdf
- 5. B.産婦人科検査法 9.婦人科疾患のMRI 診断 - 日産婦誌53巻6号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/53/5306-099.pdf
[★]
- 英
- diabetes insipidus DI
- 関
概念
- バソプレシンの不足または作用障害により腎集合管からの水分再吸収が低下し、多尿、口渇、多飲を来す疾患。
病型
障害部位
病因
-
- ニューロフィジンIIの遺伝子異常
- ADHレセプター異常症:V2受容体(伴性劣性遺伝)、アクアポリン2の異常(ほとんどが常染色体劣性遺伝)
- 頭蓋内占拠性病変:脳腫瘍
- 腎疾患:慢性腎不全、慢性腎盂腎炎、間質性腎炎、多発性嚢胞腎、閉塞性尿路疾患
- 電解質異常:低K血症や高Ca血症
- 薬物
- 続発性尿崩症の原因:脳腫瘍(50%)、外傷・ヒスチオサイトーシスX
疫学
- 日本の発症頻度は16人/人口10万人
- 病型:家族性2%、特発性43%、症候性55%/家族性1.6%、特発性42%、続発性56.4%(IMD)
- 性差:
- やや男子に多い。
- 家族性は女性に多く、他の型では男女比はほぼ等しい(平成5年厚生省特定疾患調査研究班報告書)
診断基準
- 参考1
症状
- 口渇
- 多飲 → 飲水量が十分でないと高ナトリウム血症、高浸透圧血症の引き金となる。
検査
- 血清ナトリウム濃度:正常高値~軽度高値
- 血清レニン濃度:正常高値~軽度高値
- 血漿浸透圧:高値
- 低張尿
負荷試験
画像検査
- [中枢性尿崩症]T1:(DI)低信号 ⇔ (健常者)高信号 ← T1で高信号になるものは脂肪、亜急性期の出血(メトヘモグロビン)、メラニン、高濃度蛋白質である。下垂体後葉が高信号を発するのは軸索中に高濃度のホルモンが存在するからなのか、軸索が集積しているためなのか、であろう。
診断(YN)
多尿 3000ml/day
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↓
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尿浸透圧
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→
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→ 290 mOsm/kg以上
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→
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浸透圧利尿
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↓
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↓水利尿
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↓
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血清ナトリウム濃度 血清レニン濃度
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→
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→ 低値
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→
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心因性多飲
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↓
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↓正常上限~軽度上昇
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↓
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水制限テスト バソプレシンテスト
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→
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→ 尿量不変、尿浸透圧不変
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→
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腎性尿崩症
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↓
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↓尿量減少、尿浸透圧上昇
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↓
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バソプレシン濃度(高張食塩水負荷時) MRIで基礎疾患の描出・T1で下垂体後葉の高信号の消失
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↓
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中枢性尿崩症
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治療
参考
- http://square.umin.ac.jp/kasuitai/doctor/guidance.htm
- 2. MRI left:normal right:DI
- http://www.endotext.org/neuroendo/neuroendo2/figures/figure11.jpg
-diabetes insipidus
[★]
- 英
- cyanosis
- 同
- 青色症 cyanopathy
- 関
- デオキシヘモグロビン
定義
- 皮膚や粘膜の赤青色(暗赤色)に変化すること
- デオキシヘモグロビン(還元Hb)が5g/dl以上
- 異常ヘモグロビン(methemoglobin, sulfhemoglobinなど)が0.5 g/dL以上
- 救急医学の分野ではSpO2<70%をチアノーゼとしている、らしい(日本救急医学会の出版物参照)
分類
病態生理
- 中心性チアノーゼ:呼吸器疾患、肺内・心内シャント、中枢神経系疾患による低酸素血症。異常ヘモグロビン血症
- 末梢性チアノーゼ:末梢循環不全(心不全などの心拍出量や動脈閉塞など)
- 解離性チアノーゼ:動脈管開存症に大動脈縮窄症を伴う場合(上半身ピンク、下半身チアノーゼ)など
チアノーゼを来す疾患
- IMD.497 YN.C-16
病態生理
- 中心性チアノーゼの病態は低酸素血症といえるので、低酸素血症の病態に準じた症状が出現する、と思う。
身体所見
- 末梢では、口唇、頬部、鼻尖部、耳たぶ、爪床でチアノーゼが目立つ。
[★]
- 英
- central diabetes insipidus
- 同
- 下垂体性尿崩症 pituitary diabetes insipidus
- 関
- 尿崩症
- 病因:バソプレシンの合成異常・分泌障害による。これらをきたす疾患は例えば下垂体・視床下部腫瘍、あるいは先天性下垂体・視床下部形成異常などにより生じうる、らしい。
- 病態:バソプレシン欠乏のために集合管での見ず吸収が行われず水利尿状態となる。血漿浸透圧は低下するので、これに反応して口渇・多飲を来す。しかし、口渇中枢の障害によりこれが機能しない場合には著しい高ナトリウム血症を来しうる。
検査
- 5%高張食塩水負荷:バソプレシン分泌変化なし ⇔ 正常であれば、血漿浸透圧の上昇によってバソプレシンが分泌される!!
画像検査
- T1:(中枢性尿崩症)低信号 ⇔ (健常者)高信号 ← T1で高信号になるものは脂肪、亜急性期の出血(メトヘモグロビン)、メラニン、高濃度蛋白質である。下垂体後葉が高信号を発するのは軸索中に高濃度のホルモンが存在するからなのか、軸索が集積しているためなのか、であろう。
国試
[★]
- 英
- methylene blue
- 同
- メチルチオニン methylthionine、Urolene Blue
- 関
- 染色法、メトヘモグロビン血症
構造
- 強酸との塩なので、液性は塩基性
臨床関連
- intravenous methylene blue for methemoglobin fraction > 30%, symptomatic hypoxia, or ischemia (contraindicated in G6PD deficiency) (HIM. Chapter e35)
参考
- 1. [charged] メトヘモグロビン血症の臨床的特徴、診断、および治療 - uptodate [1]
- 2. wiki ja
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%81%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC
商品名
会社名
成分
薬効分類
薬効
[★]
- 英
- methemoglobinemia
- 同
- MetHb血症
- 関
- 遺伝性メトヘモグロビン血症、メトヘモグロビン
定義
- メトヘモグロビンが約15g/L以上に増加し、チアノーゼに始まり、呼吸困難、頭痛、めまいなどを呈する病態。
- MetHbが1%以上に増加した病態
病因
- a) 酵素の欠損によりメトヘモグロビンを還元できない:NADHシトクロム還元酵素欠損:methemoglobin reductase, NADP diaphorase
- b) ヘムをferric stateに安定化できないヘモグロビン:Hb M Iwata(α87His→Tyr)
- a) 過酸化物による(亜硝酸ナトリウム、ニトログリセリン、サルファ剤、ニトロベンゼンなど)
- アセトアニリド、フェナセチン
病態生理
- HIM.640
- メトヘモグロビンは酸素との親和性が高く酸素運搬能がない → >50-60%以上で致死的
- メトヘモグロビンはbluish-brown muddy colorを呈しており、cyanosisに似る → メトヘモグロビン血症ではチアノーゼ様に見えやすい、ということか
治療
[★]
- 英
- idiopathic methemoglobinemia
- 関
- ストックフィス-タルマ症候群、メトヘモグロビン血症
[★]
- 英
- congenital methemoglobinemia
- 関
- 遺伝性メトヘモグロビン血症、メトヘモグロビン血症
[★]
- 英
- methemoglobin reductase activity
[★]
- 英
- globin
- 同
- グロビン蛋白質 globin protein
- 関
[★]
- 英
- bottle
- 関
- ビンづめ