- 英
- methylene blue
- 同
- メチルチオニン methylthionine、Urolene Blue
- 関
- 染色法、メトヘモグロビン血症
構造
- 強酸との塩なので、液性は塩基性
臨床関連
- intravenous methylene blue for methemoglobin fraction > 30%, symptomatic hypoxia, or ischemia (contraindicated in G6PD deficiency) (HIM. Chapter e35)
参考
- 1. [charged] メトヘモグロビン血症の臨床的特徴、診断、および治療 - uptodate [1]
- 2. wiki ja
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%81%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC
商品名
会社名
成分
薬効分類
薬効
Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/11/29 15:04:35」(JST)
[Wiki ja表示]
メチレンブルー |
|
|
IUPAC名
3,7-bis(Dimethylamino)-
phenothiazin-5-ium chloride
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
61-73-4 |
PubChem |
6099 |
- CN(C)c3ccc2nc1ccc(N(C)
C)cc1[s+]c2c3.[Cl-]
|
特性 |
化学式 |
C16H18N3SCl |
モル質量 |
319.85 g/mol |
外観 |
暗黄緑色結晶 |
融点 |
100-110 °C (分解)
|
沸点 |
分解
|
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
メチレンブルー (英: methylene blue) は色素の一種。メチレン青ともいう。IUPAC名は 3,7-ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジニウムクロリド。
1876年にドイツの化学者、実業家であるハインリッヒ・カロ (Heinrich Caro) によって初めて合成された。
青銅色の光沢を持った暗緑色結晶粉末で、市販品は不純物により銅赤色結晶粉末であることもある。ジエチルエーテルには不溶、水、エタノールなどのアルコール類、クロロホルムに可溶。水溶液は美しい青色を示す。各種の無機塩と複塩を作りやすい性質がある。代表的なチアジンの誘導体、フェノチアジン系化合物に属し、塩基性染料の一種である。著名な酸化還元指示薬でもある。
布などを染める染料としては、タンニン媒染で木綿、中性浴で絹と羊毛を染めることができるが、日光に弱く実用的価値は低い。
合成法としては、N,N-ジメチルアニリン(4‐アミノジメチルアニリン)とチオ硫酸ナトリウムを原料とする方法[1]や、フェノチアジンのジメチルアミノ化、特にN,N-ジメチルアニリン、硫化水素などの硫化物イオン源、塩化鉄(III)が水中で反応してメチレンブルーを生成する反応は、生成するメチレンブルーの濃度を測定することで硫化水素や硫化物イオンの定量分析に利用される。(メチレンブルー吸光光度法)
生物分野では主に光学顕微鏡で細胞の核を観察するときの染色液としてよく使われる。顕微鏡学習用の染色液セットにも、エオシン(エオジン)、サフラニンなどとともにメチレンブルー液がよく入っている。ギムザ染色はメチレンブルーとエオシンを混合した染色液を用いている。
活性炭の吸着力評価や、光触媒の性能評価物質として用いられる。
光反応によって通常の酸素(三重項酸素)から活性酸素の一種である一重項酸素を発生させる光増感作用を持つために、光増感剤としても用いられる。
光増感作用、還元作用により上記の通り活性酸素を発生するために、殺菌消毒作用を示すと考えられている。 作用機序は酸化還元作用によるもので、細菌の細胞壁の特異的な合成阻害作用などがあるわけではなく、抗生物質、合成抗菌剤とは根本的に作用機序が異なる。医学生物学的にはオキシドール液、イソジン液などと同属の、消毒剤・消毒殺菌剤に分類される。この性質を利用して、殺菌剤や、医薬、特に魚病薬として淡水性白点病、尾ぐされ病、水カビ病などに対して、病魚を希薄水溶液を添加した水中にしばらく入れておくなどの方法でよく用いられる。そのための希薄水溶液や、粉末が添加された薬剤がホームセンターなどで入手可能である。同様の性質から、マラカイトグリーンも同じ用途で使われているが、魚毒性が強い。メチレンブルーは逆に魚毒性は低く、副作用は殆ど無いとされている。
水溶液中では還元剤の作用により、無色のロイコメチレンブルー(還元体)を生じ、酸化によって元の酸化体へ戻り、再発色することから、酸化還元指示薬として、還元剤(チタン(III)イオン、バナジウム(III)イオンなど)や酸化剤(クロム酸塩、二クロム酸塩、酸素など)の検出、定量などにも用いられる。
僅かながら、酸塩基指示薬としての用途もある。
メトヘモグロビン血症の治療薬
|
ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 |
メトヘモグロビン血症の治療薬としても用いられる。 ウシの硝酸塩中毒の治療には2 %メチレンブルーが有効である。ウシなどの反芻動物では、硝酸態窒素の過剰摂取があると、第一胃細菌の硝酸還元酵素によって亜硝酸が生成され、メトヘモグロビン血症の原因となる。ヒトと同様に治療にはメチレンブルーの投与が有効である。
メチレンブルーが NADPH の存在下でグルタチオン系の還元酵素によりロイコメチレンブルーに還元され、ロイコメチレンブルーがメトヘモグロビンをヘモグロビンに還元する[2]。
脚注
- ^ 米国特許 US-A1-4212971 (1980年)
- ^ http://www.j-poison-ic.or.jp/kagaku/gedokuzai/Mb.pdf [リンク切れ]
関連項目
- チアジン
- フェノチアジン
- 酸化還元指示薬
- 光反応
- 殺菌剤
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- アナターゼ型二酸化チタンが光処理機能化と骨髄由来間葉系幹細胞親和性に及ぼす影響
- 坂田 美幸
- 北海道歯学雑誌 32(2), 193-201, 2012-03
- … CR法にて細胞骨格関連遺伝子の発現を定量した.Anは試料作製直後から4週間超親水性を示した.ラマン分光法を用いてAn表面を分析し,アナターゼ型二酸化チタンが含まれていることを確認した.さらにメチレンブルー分解試験を行い,このアナターゼ型二酸化チタンには,高い光触媒活性があることを確認した.接着細胞数は,いずれの試料でも経時的に減少したが,AnはPol,AEと比べて接着細胞数が多く,経時的な …
- NAID 120003918966
- 歯面漂白用レジンコート材の開発-可視光応答型TiO2含有コート材の漂白効果-
- 亀水 秀男,駒田 裕子,大田 優,加藤 大貴,佐藤 峻介,松田 卓朗,大元 秀一,飯島 まゆみ,若松 宣一,足立 正徳,澁谷 俊昭,土井 豊
- 岐阜歯科学会雑誌 38(2), 58-66, 2011-10-20
- … ート材の開発とその漂白効果を検討することを目的としている.TiO2はアナターゼ型を使用し,可視光応答化のために銀の光析出処理を行った.可視光応答型TiO2の光触媒活性能は,可視光照射下(5〜60分間)でのメチレンブルー水溶液(MB)の退色実験により評価した.また,可視光応答型TiO2含有レジンコート材は,可視光応答型TiO2と市販のMMA系即時重合レジン粉末とを混和して作製した.このレジンコート材の硬化は,MMA液の添加によ …
- NAID 110008705250
- A10 ベントナイトのメチレンブルー吸着過程および吸着量側定法の評価(口頭発表,一般講演)
- 堀内 悠,高木 哲一,森本 和也,昆 慶明,地下 まゆみ,栗田 毅
- 粘土科学討論会講演要旨集 (55), 50-51, 2011-09-14
- NAID 110008756740
Related Links
- 検索結果 45件中 1-24件 "メチレンブルー" 売り場を選択して並べ替え ペット用品 (19) ホーム&キッチン (10) ヘルス ... ¥ 1,142 ¥ 859 2014/5/26 月曜日までに取得 14点在庫あり。ご注文はお早めに。 通常配送無料 こちらからもご購入 ...
- 検索結果 43件中 1-24件 "メチレンブルー" 売り場を選択して並べ替え ペット用品 (19) ホーム&キッチン (10) ヘルス ... ¥ 1,142 ¥ 863 12点在庫あり。ご注文はお早めに。 通常配送無料 こちらからもご購入いただけます ¥ 638 新品 (23 出品)
- 市販薬 (液体) ※有効成分は薬液100ml中に含まれる数値を表示 メチレンブルー水溶液 有効成分 : メチレンブルー 0.82g 販売 日本動物薬品工業 剤型 液体 効能 白点病・水生菌症・尾ぐされ症状 定価 650円 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
メチレンブルー静注50mg「第一三共」
組成
有効成分
禁忌
- 本剤の成分、フェノチアジン系化合物及びその類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
- グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症と判明している患者[メトヘモグロビン血症の増悪及び溶血を起こす可能性がある。]
- NADPH還元酵素欠損症と判明している患者[メトヘモグロビン血症の増悪及び溶血を起こす可能性がある。]
- 塩素酸塩によるメトヘモグロビン血症患者[毒性の強い次亜塩素酸塩が形成される可能性がある。]
- シアン化合物中毒の解毒剤として投与した亜硝酸化合物によるメトヘモグロビン血症患者[シアンによる毒性が生じやすくなる。]
効能または効果
- 中毒性メトヘモグロビン血症
- 通常、生後3ヵ月を過ぎた乳幼児、小児及び成人には、メチルチオニニウム塩化物水和物として1回1〜2mg/kgを5分以上かけて静脈内投与する。投与1時間以内に症状が改善しない場合は、必要に応じ、同量を繰り返し投与できるが、累積投与量は最大7mg/kgまでとする。
通常、新生児及び生後3ヵ月以下の乳児には、メチルチオニニウム塩化物水和物として1回0.3〜0.5mg/kgを5分以上かけて静脈内投与する。投与1時間以内に症状が改善しない場合は、必要に応じ、同量を繰り返し投与できる。
- 本剤1アンプルに対し5%ブドウ糖注射液50mLで希釈する(「適用上の注意」の項参照)。
- 生後3ヵ月を過ぎた乳幼児、小児及び成人におけるアニリン又はジアフェニルスルホンによるメトヘモグロビン血症の場合の累積投与量は最大4mg/kgまでとする。[溶血を起こしやすい(「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照)。]
- 新生児及び生後3ヵ月以下の乳児における最大累積投与量に関する情報は限られている。新生児及び生後3ヵ月以下の乳児では、本剤によりメトヘモグロビン血症の増悪や溶血を起こしやすいため、繰り返し投与を行う場合は、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(「慎重投与」及び「小児等への投与」の項参照)。
慎重投与
- 中等度又は高度の腎機能障害のある患者[本剤の主たる排泄経路は腎臓である。腎機能が低下している患者では、腎機能障害の悪化又は本剤の排泄遅延による副作用発現のおそれがあるため、低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。]
- アニリン又はジアフェニルスルホンによるメトヘモグロビン血症患者[溶血を起こしやすい(「用法及び用量に関連する使用上の注意」及び「重要な基本的注意」の項参照)。]
- 新生児及び生後3ヵ月以下の乳児[本剤によりメトヘモグロビン血症の増悪や溶血を起こしやすい(「用法及び用量に関連する使用上の注意」及び「小児等への投与」の項参照)。]
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー
頻度不明注)
- ショック、アナフィラキシーがあらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
メトヘモグロビン血症の増悪、溶血性貧血
頻度不明注)
- メトヘモグロビン血症の増悪や溶血性貧血が認められた場合、投与量が過剰となっているおそれがある。異常が認められた場合には、投与中止や他の治療法への切り替え等、適切な処置を行うこと。
腎不全
頻度不明注)
- 腎不全等の腎機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- 赤血球において、NADPH還元酵素存在下でメチルチオニニウム塩化物(メチレンブルー)より生成したロイコメチレンブルーが、メトヘモグロビンをヘモグロビンに還元して、メトヘモグロビン血症を改善する12,13)。
病態モデルにおける作用
- メトヘモグロビン血症を誘発させたイヌにメチルチオニニウム塩化物を静脈内注射すると、血中メトヘモグロビン濃度の低下、あるいは正常化が認められた14〜17)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
(Methylthioninium Chloride Hydrate)
化学名:
- 3,7-Bis(dimethylamino)phenothiazin-5-ium chloride hydrate
分子式:
分子量:
- 319.85(脱水物として)
- 注)本剤はメチルチオニニウム塩化物水和物を三水和物として50.0mg含む。
★リンクテーブル★
[★]
- 45歳の男性。農業に従事している。意識障害のため搬入された。夕食後、自宅倉庫へ行ったまま2時間以上たっても戻らないのを心配した家族が見に行き、倒れているのを発見した。搬送した救急隊員によると、そばに空ピンがころがり、床の吐物に有機溶剤臭があった。意識レベルはJCS II-20。身長165cm、体重58kg。体温36.0℃。脈拍44/分、整。血圧100/58mmHg。縮瞳を認める。皮膚は湿潤していて発赤はない。骨格筋の線維性攣縮が認められる。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:外観は淡黄色透明。蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 500万、白血球 6,200、血小板 32万。血液生化学所見:アルブミン 4.8g/dl、クレアチニン 1.1mg/dl、総ビリルビン 0.8mg/dl、AST 30IU/l、ALT 35IU/l、LD 300IU/l(基準176-353)、ALP 200IU/l(基準115-359)、γ-GTP 30IU/l(基準8-50)、コリンエステラーゼ OIU/l(基準400-800)、アミラーゼ 40IU/l(基準37-160)、CK 20IU/l(基準30-140)。動脈血ガス分析(自発呼吸, room air) : PaO2 98Torr、PaCO2 40Torr、HCO3- 24mEq/l。
- 処置として投与が検討されるのはどれか、2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [104D050]←[国試_104]→[104D052]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098H079]←[国試_098]→[098I001]
[★]
- 英
- basophil (Z), basophils
- 同
- 好塩基性顆粒球 basophilic granulocyte
- 関
- 顆粒球、白血球
組織学
- 好塩基性色素(メチレンブルー(紫))に染まる顆粒を有する
- ヒスタミンなどのケミカルメディエーターを含む
- 好塩基性色素(酸性の成分を染める)で染まるのは、ヘパリン or コンドロイチン硫酸を含むため?(いずれも硫酸基を含む) ← basophilic and metachromaticの理由
- FcεRIを有する
顆粒
基準値
機能
- 肥満細胞と同じような機能を果たす。
- 肥満細胞と共にI型アレルギーの開始に関与する
- 好塩基球は血液中に存在。肥満細胞は肥満細胞は結合組織や粘膜に存在。
- 由来は異なる
- FcεRIに結合したIgEを介してアレルゲンを結合し、ケミカルメディエーターを放出
- 好塩基球はI型アレルギーの際に増加しない (⇔好酸球)
臨床関連
[★]
- 英
- methemoglobin, metHb, MetHb, MHg
- 同
- 酸化ヘモグロビン、フェリヘモグロビン ferrihemoglobin
- 関
- ヘモグロビン, Hemoglobin M
- ヘモグロビンは4つのサブユニット(α鎖2つ、β鎖2つ)からなり、それぞれがFe2+を配位したヘムを有する。
- この4分子存在するヘムがすべて酸化されFe3+となったヘモグロビンをメトヘモグロビンと呼ぶ
- メトヘモグロビンはO2のへ結合能を失う
- 血液の色は茶色っぽくなる? (FB.111)
メトヘモグロビンを生成させる物質
治療薬
[★]
- 英
- Neisser stain, Neisser's stain
- 同
- Neisser染色、異染小体染色 metachromatic granules dyeing
- 関
- 染色法
[★]
- 関
- 染色法
- 酸性の成分と反応して染まる
- 色素の液性は塩基性、と思われる
染色部位
- 核(DNA)
- 細胞質の酸性領域(密集したリボソームが存在する粗面小胞体(RNA) ex. 漿液腺細胞
- 軟骨基質
染色法
- 青(紫)
- 青
[★]
- 英
- methylthioninium chloride
- 関
- メチレンブルー