セフトリアキソン
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ロゼクラート静注用1g
組成
剤形
有効成分
- 1バイアル中 セフトリアキソンナトリウム水和物…1g(力価)
禁忌
- 本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
- 高ビリルビン血症の低出生体重児、新生児 (「小児等への投与」の項参照)
効能または効果
適応菌種
- セフトリアキソンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)
適応症
- 敗血症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、直腸炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎
○成人
- 通常、1日1〜2g(力価)を1回又は2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
- 難治性又は重症感染症には症状に応じて1日量を4g(力価)まで増量し、2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
- 淋菌感染症については、下記の通り投与する。
咽頭・喉頭炎、尿道炎、子宮頸管炎、直腸炎:
- 通常、1g(力価)を単回静脈内注射又は単回点滴静注する。
精巣上体炎(副睾丸炎)、骨盤内炎症性疾患:
- 通常、1日1回1g(力価)を静脈内注射又は点滴静注する。
○小児
- 通常、1日20〜60mg(力価)/kgを1回又は2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
- 難治性又は重症感染症には症状に応じて1日量を120mg(力価)/kgまで増量し、2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
○未熟児・新生児
- 通常、生後0〜3日齢には1回20mg(力価)/kgを1日1回、また、生後4日齢以降には1回20mg(力価)/kgを1日2回静脈内注射又は点滴静注する。
- 難治性又は重症感染症には症状に応じて1回量を40mg(力価)/kgまで増量し、1日2回静脈内注射又は点滴静注する。ただし、生後2週間以内の未熟児・新生児には1日50mg(力価)/kgまでとする。
[静脈内注射]
- 静脈内注射に際しては、日局注射用水、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し、緩徐に投与する。
[点滴静注]
- 点滴静注に際しては補液に溶解して用いる。注)
- 注)点滴静注を行う場合には、注射用水を用いないこと(溶液が等張にならないため)。また、点滴静注は30分以上かけて静脈内に注射すること。
[キット品]
- キット品の投与に際しては、用時、添付の溶解液にて溶解し、静脈内に点滴注射する。
- 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
慎重投与
- ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
- 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
- 高度の腎障害のある患者[高度の腎機能障害患者は、本剤が過剰に蓄積する可能性があるので、血中濃度を頻回に測定できない場合には投与量が1g/日を超えないようにすること]
- 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、高齢者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと]
- 次の患者へのキット品の投与
- 心臓、循環器系機能障害のある患者[循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある]
- 腎障害のある患者[水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある]
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状
- ショック症状を起こすことがあるので観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、呼吸困難、顔面浮腫等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、溶血性貧血
- 汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
- 劇症肝炎等の重篤な肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全、間質性腎炎
- 急性腎不全、間質性腎炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎
- 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
- 中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎、肺好酸球増多症(PIE症候群)
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多を伴う間質性肺炎、肺好酸球増多症(PIE症候群)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
胆石、胆嚢内沈殿物
- セフトリアキソンを成分とする胆石、胆嚢内沈殿物が投与中あるいは投与後にあらわれ、胆嚢炎、胆管炎、膵炎等を起こすことがあるので、腹痛等の症状があらわれた場合には投与を中止し、速やかに腹部超音波検査等を行い、適切な処置を行うこと。なお、多くの症例は小児の重症感染症への大量投与例でみられている。
腎・尿路結石
- セフトリアキソンを成分とする腎・尿路結石が投与中あるいは投与後にあらわれ、尿量減少、排尿障害、血尿、結晶尿等の症状や腎後性急性腎不全が起きたとの国外報告がある。このような症状が認められた場合には投与を中止し、速やかに適切な処置を行うこと。
意識障害
- 意識消失、意識レベルの低下等の意識障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。これらの意識障害は、高度腎障害患者での発現が多数報告されている。
薬効薬理
- セフトリアキソンナトリウム水和物は、好気性及び嫌気性のグラム陽性菌・陰性菌に対して広範囲で強い抗菌力を示す。各種の病原細菌が産生するβ-ラクタマーゼに対して安定であり、作用機序は、他のセフェム系抗生物質と同様に細菌細胞壁合成の阻害である。大腸菌においては、ペニシリン結合たん白(PBP)3に最も親和性が強く、次いで1a、1b、2の順であり、細胞壁ペプチドグリカン架橋形成を阻害し、殺菌的に作用する。1)
有効成分に関する理化学的知見
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 英
- ceftriaxone, CTRX
- 化
- セフトリアキソンナトリウム ceftriaxone sodium
- 商
- Rocephin。セフィローム、セフキソン、セロニード、リアソフィン、ロセフィン、ロゼクラート
- 関
- 抗菌薬
- first aid step1 2006 p.140,168,173
-
-
- 第三世代セファロスポリン系抗菌薬:同系統の中では半減期が長い。1日1回投与でよい。
- 添付文書的には1日1-2g(力価)を1回又は2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。