ホスホマイシン
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ホスホマイシン
 | 
| IUPAC命名法による物質名 | 
| [(2R,3S)-3-メチルオキシラン-2-イル]リン酸 | 
| 臨床データ | 
| 胎児危険度分類 | 
B(US)     | 
| 法的規制 | 
℞-only   (US)    | 
| 投与方法 | 
経口 | 
| 薬物動態的データ | 
| 生物学的利用能 | 
30–37% | 
| 血漿タンパク結合 | 
Nil | 
| 代謝 | 
Nil | 
| 半減期 | 
5.7 時間 | 
| 排泄 | 
Renal and fecal, unchanged | 
| 識別 | 
| CAS登録番号 | 
23155-02-4 78964-85-9 (tromethamine) | 
| ATCコード | 
J01XX01 | 
| PubChem | 
CID 446987 | 
| DrugBank | 
APRD00987 | 
| KEGG | 
D04253 | 
| 化学的データ | 
| 化学式 | 
C3H7O4P  | 
| 分子量 | 
138.059 g/mol | 
ホスホマイシン (fosfomycin) は放線菌の一種 Streptomyces fradiae などが生産する抗生物質の一種である。1973年に開発された。日本国内では、ホスミシンという商品名で1981年より明治製菓(現:Meiji Seika ファルマ)より発売されている。
酸化プロピレンにリン酸が置換したような構造を持つ。分子式はC3H7O4P、分子量は138.06。
| 
 
 目次
- 1 作用機序
 
- 2 合成
 
- 3 臨床応用
 
- 4 急性毒性
 
- 5 参考文献
 
 
 | 
作用機序
細菌の細胞壁のペプチドグリカン合成を阻害することにより抗菌力を発揮する。
- βラクタム系のようなムレイン架橋を阻害するのではなく、ムレイン単体生合成を阻害する。
 
合成
その単純な構造ゆえに、現在では化学合成により製造される。
臨床応用
緑膿菌を含むグラム陽性菌や、グラム陰性菌に広く有効。ナトリウム塩が静脈注射用に、カルシウム塩が経口投与用に使用されている。
急性毒性
LD50 : 1,200 mg/kg(ナトリウム塩、マウス投与時)
参考文献
- 『生化学辞典 第4版』東京化学同人、2007年 ISBN 9784807906703
 
 
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 感染性腸炎 (新版 処方計画法) -- (消化器疾患)
 
- 488 好酸球、気道上皮の産生するIL-8に対するホスミシンの効果検討
 
- 幸山 正,滝沢 始,河崎 伸,佐藤 誠,高見 和孝,秋山 法久,石井 彰,庄司 俊輔,山本 一彦
 
- アレルギー 46(8・9), 938, 1997-09-30
 
- NAID 110002419871
 
Related Links
- ホスミシンとは?ホスホマイシンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べ  られる(おくすり110番:病気別版)
 
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ホスミシン錠250
組成
- ホスミシン錠250は、1錠中に下記の成分を含有する。
 
有効成分
- ホスホマイシンカルシウム水和物 250mg(力価)
 
添加物
- D-マンニトール、結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、その他1成分
 
効能または効果
適応菌種
- ホスホマイシンに感性のブドウ球菌属、大腸菌、赤痢菌、サルモネラ属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア・レットゲリ、緑膿菌、カンピロバクター属
 
適応症
- 深在性皮膚感染症、膀胱炎、腎盂腎炎、感染性腸炎、涙嚢炎、麦粒腫、瞼板腺炎、中耳炎、副鼻腔炎
 
- 通常、成人はホスホマイシンとして1日量2〜3g(力価)を3〜4回に分け、小児はホスホマイシンとして1日量40〜120mg(力価)/kgを3〜4回に分け、それぞれ経口投与する。
なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。 
- 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
 
慎重投与
- 肝障害のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。]
 
重大な副作用
- 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 
薬効薬理
in vitro抗菌作用17)
- ホスホマイシンは、グラム陽性菌、グラム陰性菌に対して殺菌的に作用した。
 
作用機序18〜20)
- ホスホマイシンの作用機序は、極めてユニークである。すなわち、細胞質膜の能動輸送系によってホスホマイシンが効率的に菌体内に取込まれ、細胞壁peptidoglycanの生合成を初期段階で阻害することにより抗菌作用を示す。
(β-lactam系抗生物質は最終段階で阻害する。) 
有効成分に関する理化学的知見
性 状
- ホスホマイシンカルシウム水和物は白色の結晶性の粉末である。
本品は水に溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。 
一般名
- ホスホマイシンカルシウム水和物
Fosfomycin Calcium Hydrate 
略 号
化学名
- Monocalcium(2R,3S)-3-methyloxiran-2-ylphosphonate monohydrate
 
分子式
分子量
分配係数
- (log10 1-オクタノール層/水層、20±5℃)
 
★リンクテーブル★
  [★]
商品
  [★]
- 英
 
- fosfomycin, FOM
 
- 化
 
- ホスホマイシンカルシウム水和物 ホスホマイシンナトリウム
 
- ラ
 
- fosfomycinum
 
- 商
 
- ハロスミン、フラゼミシン、、ホスホマイシンカルシウム、ホスホミン、ホスマイ、ホスミシン、ホスミシンS、ホロサイル、ホロサイルS
 
- (Na)ホスカリーゼ、ホスホマイシンNa、ホスホマイシンナトリウム
 
- 関
 
- 主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
 
- 耳鼻科用剤
 
禁忌
- ホスミシンS静注用0.5g/ホスミシンS静注用1g/ホスミシンS静注用2g
 
効能又は効果
- ホスミシンS静注用0.5g/ホスミシンS静注用1g/ホスミシンS静注用2g
 
適応菌種
- ホスホマイシンに感性のブドウ球菌属、大腸菌、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア・レットゲリ、緑膿菌
 
適応症
- 敗血症、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎
 
薬効薬理
- ホスミシンS静注用0.5g/ホスミシンS静注用1g/ホスミシンS静注用2g
 
- 1. in vitro抗菌作用12)
 
- ホスホマイシンは、グラム陽性菌、陰性菌に対し殺菌的に作用する。特に緑膿菌、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、セラチア・マルセッセンス及び多剤耐性の黄色ブドウ球菌、大腸菌に優れた抗菌作用を示した。
 
- ホスホマイシンの作用機序は、極めてユニークである。すなわち、細胞質膜の能動輸送系によってホスホマイシンが効率的に菌体内に取込まれ、細胞壁peptidoglycanの生合成を初期段階で阻害することにより抗菌作用を示す。
 
(β-lactam系抗生物質は最終段階で阻害する。)
添付文書
- ホスミシンS静注用0.5g/ホスミシンS静注用1g/ホスミシンS静注用2g
 
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6135400F1051_1_04/6135400F1051_1_04?view=body