- 英
- external auditory meatus, external acoustic meatus (KH,HT), external auditory canal
- ラ
- meatus acusticus externus
- 同
- 外耳孔
- 関
- 内耳
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/01/26 11:28:57」(JST)
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外耳道(がいじどう、英:ear canal)とは、外耳の一部で、外耳道孔(いわゆる耳の穴)から鼓膜まで続く、一方が閉鎖された管状の器官である。空気中を伝わってくる音の聞こえに関係のある部分でもある。日常語では漠然と「耳の穴」と呼ばれている。
目次
- 1 概要
- 2 共鳴管としての外耳道
- 3 外耳道の閉鎖
- 4 耳掻きの問題
- 5 他の動物の外耳道
- 6 出典
- 7 参考文献
- 8 関連項目
概要
ヒトの外耳道は、頭部の左右のほぼ同じ位置に1対存在する。左右それぞれ1本の管となっているが、左右共に管の途中で性質が変わる。このため、外耳道孔に近い手前側の約半分が外耳道軟骨部と呼ばれ、鼓膜に近い奥側の約半分が外耳道骨部と呼ばれ、両者は区別される。なお、外耳道軟骨部と外耳道骨部との境界部は、峡部と呼ばれる。
外耳道軟骨部
外耳道軟骨部は、外耳道骨部と比べると皮膚が厚く、毳毛(ぜいもう)が生えている。この部分には皮脂腺や耳垢腺が存在するので、ここを見ると、しばしば耳垢が観察される。
外耳道骨部
外耳道骨部は、外耳道軟骨部と比べると皮膚が薄く、毳毛も生えていない。さらに皮脂腺も耳垢腺も存在しない。なお、鼓膜の外耳道側の表面には皮膚組織が存在するが、この皮膚は外耳道骨部の皮膚と一続きになっている[1]。また、鼓膜の辺縁部にある鼓膜輪も、この外耳道骨部にしっかりと密着している[1]。
共鳴管としての外耳道
外耳道全体は、一方が閉鎖された管となっており、これは閉管の一種と見ることができる。したがって、この部分は閉管として共鳴(共振)を起こす。これにより、外から入ってきた音の周波数が、共鳴を起こす周波数であった場合、その周波数の聞こえが良くなるという効果がある。ヒトの外耳道の長さはある程度決まっている(管の長さによって共鳴する音の周波数が決まる)ので、その周波数は、3 [kHz]〜4 [kHz]の間にある[2][3]。この周波数では、約10 [dB]の音圧上昇効果があるとされる[2]。ところで、ヒトの気導聴力(空気中から入ってきた音の聴力)で最高感度となっているのは、ちょうど3 [kHz]〜4 [kHz]付近である(詳しくは、等ラウドネス曲線を参照)。この周波数帯がヒトの気導聴力の最高感度となっているのは、この外耳道の共鳴によるものであると言われている[4]。
外耳道の閉鎖
ヒトの場合、正常な外耳道は、鼓膜によって行き止まりになっているだけで、身体の外側に向けて開口している。しかし、産まれながらに外耳道が閉鎖しているという奇形も存在し、そのような奇形を持つ例としてトリーチャーコリンズ症候群が知られている。また、外耳道の皮膚への細菌感染によって、外耳道の皮膚が腫れ上がり、結果、外耳道が完全に閉塞する場合もある[5]。ただし、細菌感染による外耳道の閉塞は一時的なものであり、適切な対処をすれば回復が望める。
耳掻きの問題
耳掻きを習慣とする地域も存在するが、耳掻きを行ったことで外耳道を傷つけてしまう場合がある。さらに、この傷は細菌などが感染する原因ともなり得る[5]。また、耳掻きは、外耳湿疹(外耳道の皮膚にできた湿疹)の原因ともなり得る[6]。したがって、もしも耳掻きを行うのであれば注意が必要である。
他の動物の外耳道
出典
- ^ a b 馬場 俊吉 『耳鼻咽喉科(改訂第2版)』 p.21 医学評論社 1999年12月3日発行 ISBN 4-87211-413-2
- ^ a b 馬場 俊吉 『耳鼻咽喉科(改訂第2版)』 p.28 医学評論社 1999年12月3日発行 ISBN 4-87211-413-2
- ^ 山内 昭雄、鮎川 武二 『感覚の地図帳』 p.40 講談社 2001年11月20日発行 ISBN 4-06-206148-1
- ^ 山内 昭雄、鮎川 武二 『感覚の地図帳』 p.40、41 講談社 2001年11月20日発行 ISBN 4-06-206148-1
- ^ a b 馬場 俊吉 『耳鼻咽喉科(改訂第2版)』 p.48 医学評論社 1999年12月3日発行 ISBN 4-87211-413-2
- ^ 馬場 俊吉 『耳鼻咽喉科(改訂第2版)』 p.49 医学評論社 1999年12月3日発行 ISBN 4-87211-413-2
参考文献
- 馬場 俊吉 『耳鼻咽喉科(改訂第2版)』 医学評論社 1999年12月3日発行 ISBN 4-87211-413-2
関連項目
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Japanese Journal
- 臨床 中耳より乳突蜂巣・外耳道へ広がる毛細血管性血管腫例
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- audition, hearing
- 同
- 聴感覚
- dB = 20 log10 (被験音圧)/(基準音圧)
聴覚の受容器
- 集音・共振による音圧増強: 20dB
- 鼓膜面積:アブミ骨底面積比と耳小骨連鎖のてこ比による音圧増強: 27dB
-
- 基底膜の幅・柔らかさ・外有毛細胞による伸縮作用が異なる。
- 前庭階の入り口に近い基底膜が高周波数に応じて振動する (SP.240)
基底膜振動の伝播と進行波
SP.
基底膜振動の伝播は進行波と呼ばれる。
-周波数同調特性
SP. 240,251,252
-同調曲線
SP. 240,250,251
-特徴周波数
SP. 240,250
- 同調曲線上で、応答の閾値が最小値をとる周波数はその系が最も応答しやすい周波数(=特徴周波数)となる。
-周波数帯域
周波数帯SP. 239
-周波数局在性
SP. 202,206,241,250,258,260
- 振動周波数が高くなるに従い、振動の頂点は蝸牛管基部に生じる
- 蝸牛器官、らせん神経節、蝸牛神経核、上オリーブ核、台形体核、外側毛帯核、下丘、内側膝状体、聴皮質はすべて周波数局在性を有する(SP.250)
コルチ器 (2007年後期生理学授業プリント)
- 蝸牛基底部から頂部に至るらせん状の構造を全体として形成する
- 蝸牛の回転の内側に配列する
- 1列
- 3500個/蝸牛
- 感覚毛(不動毛。×動毛)
- 受容器細胞として主役
- 求心線維の90-95%が分布
- 内柱細胞 inner pillar cell
- コルチのトンネル tunnel of Corti
- 外柱細胞 outer pillar cell
- 外有毛細胞 outer hair cell
SP. 240-243,245-252,259
- 蝸牛の回転の外側に配列する
- 3-4列
- 20000個/蝸牛
- 感覚毛(不動毛。×動毛)
- 遠心性細胞が分布
- 膜電位に応じて長さを変化させ、基底膜同調特性に非線形的な増強を与えると考えられている。
- ヘンゼン細胞 Hensen cell
- 網状板(=網様膜)
- 蓋膜
- 蝸牛神経線維
- 遠心性線維(蝸牛神経節経由)
- 求心性線維(上オリーブ核(延髄)由来)
受容器電位 receptor potential
SP. 50,185,219,220,243
- 受容器電位の発生から聴神経におけるインパルス発生まで
- 1. 有毛細胞の感覚毛屈曲
- 2. 有毛細胞における受容器電位の発生
- 3. 有毛細胞から求心性線維への神経伝達物質(グルタミン酸)放出
- 4. 求心性線維終末におけるEPSP発生
- 5. 求心性線維終末における活動電位の発生
蝸牛マイクロフォン電位 cochlear microphonics potential, CM
SP. 247
- 聴覚刺激を与えることで、内耳および内耳周辺では刺激をを忠実に反映した電気信号が記録される。この電位をマイクロホン電位と呼ぶ(SP.247)
- 蝸牛マイクロフォン電位は感覚毛の振動で生じた受容器電位の総和(PT.163)
内リンパ腔電位 endolymph potential (=蝸牛内直流電位)
SP. 246,247
難聴
- 伝音性難聴とは、伝音機能の不良(音の伝達不良)によって起こる難聴であり、鼓膜破損や耳小骨硬化、慢性中耳炎などで起こり、骨伝導には問題がない。低音域で障害があらわれ、補聴器で補正できる。
- 感音性難聴とは、音の受容に問題があって起こる難聴であり、コルチ器官や聴神経あるいは聴神経核などの障害、利尿剤・老化による有毛細胞の変性などで起こる。高音域で障害があらわれ、補聴器で補正できない。
聴覚の伝導路
SP. 254-
- 1. 蝸牛・コルチ器官・有毛細胞
- 2. 蝸牛神経線維
- 3. らせん神経節(=蝸牛神経節) [一次ニューロン]
- 4. 蝸牛神経核 cochlear nucleus
- 5. 上オリーブ核群
- 6. 台形核
- 7. 外側毛帯
- 8. 外側毛体格
- 9. 下丘
- 10. 内側膝状体
- 11. 視床枕・網様核
- 12. 大脳皮質第一次聴覚野
- 13. 大脳皮質聴覚連合野
- 14. 大脳皮質感覚性言語中枢
(Q.book p.107)
伝導路における交叉
- 交叉は台形体・下丘で行われるが、反対皮質の優位性は低い
- 聴覚は両側性に中枢に伝わる
- 4-6個のニューロンを比較的多数のシナプスを中継して中枢に至る
[★]
- 英
- facial nerve
- ラ
- nervus facialis
- 同
- 第VII脳神経, 第七脳神経, 第7脳神経, CN VII, cranial nerve VII, seventh cranial nerve
- 関
- 中間神経、脳神経
- 図:N.117(全体) N.108,111,112(脳幹から出るところ)
- 特殊感覚性と臓性運動性の線維は中間神経として顔面神経から分かれて脳幹から出ている (KL.648)
由来
支配
走行
枝 (KL.649, N.117)
頭蓋からの出口
臨床関連
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- branchial arch
- 同
- 咽頭弓 pharyngeal arch
- 関
- 鰓嚢、咽頭嚢
- first aid step1 2006 p.122
[★]
- 英
- auriculotemporal nerve (KH)
- ラ
- nervus auriculotemporalis
由来
支配
- 側頭部の皮膚:(CN V3)
- 耳下腺:(CN VIIIの副交感神経線維)
走行
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- 英
- branchial cleft
- 同
- 咽頭溝 pharyngeal cleft
- 関
- [[]]
[★]
- 英
- atresia of the external auditory canal
- ラ
- atresia auris
- 同
- 鎖耳 atresia auris congenita
- 関
- 外耳道
[★]
- 英
- meatal atresia, otocleisis
- ラ
- atresia auris
- 関
- トリーチャー・コリンズ症候群
[★]
先天性外耳道閉鎖症
[★]
急性限局性外耳道炎
[★]
- 英
- external ear
- ラ
- auris externa
[★]
- 英
- street, meatus
- 関
- 管、街路、街角