- 英
- gallbladder adenomyomatosis, adenomyomatosis of gall bladder
- 同
- 胆嚢アデノミオマトーシス
- 関
- ロキタンスキー・アショフ洞、腺筋腫症、胆嚢、腺筋症 adenomyomatosis
概念
- 胆嚢粘膜の増生、筋層の肥厚、粘膜内憩室(ロキタンスキー・アショフ洞 Rokitansky-Aschoff sinus RAS。筋層を貫く)が特徴の病変
- 名前の通り粘膜上皮がadenomatous changeを来しているわけではないし、前癌病変でもない。
- 以前はgallbladder diverticulosis, cholecystitis glandularis proliferans, adenomyomatous hyperplasiaと記載されていた。
疫学
病因
病理
症状
検査
-胆嚢腺筋症
- 図:SRA.503 RNT.215
- 限局性・びまん性の壁肥厚
- 造影CTや胆嚢造影併用CTで壁内にRokitansly-Aschoff sinusの拡張が見られる
- 胆嚢造影では胆嚢の輪郭に沿って点状の造影剤の溜まりがみられる(SRA.503)
- 増殖した粘膜が肥厚して胆嚢壁内に入り込んで陥凹(Rokitansly-Aschoff sinus)を作る(RNT.215)
治療
- 症状がなければ経過観察。
- 胆嚢癌との鑑別ができない場合や腹痛が著明な場合は胆嚢摘出術の適応
国試
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 胆嚢腺筋腫症に併存し多中心性発癌をきたした胆嚢癌の1例
- 長野 菜月,前田 孝,河合 清貴,高木 健司,川井 覚,神谷 里明
- 日本臨床外科学会雑誌 81(11), 2331-2335, 2020
- … CTを施行すると,胆嚢底部は腫大緊満し,内腔に複数の広基性隆起性病変を認めた.MRCPでは胆嚢体部に限局性のくびれと嚢胞構造を認め,分節型の胆嚢腺筋腫症が併存していた.また,隆起性病変はその底部側にのみ認められた.分節型胆嚢腺筋腫症とそれに併存した胆嚢癌と診断し,手術を施行した.</p><p>手術は開腹胆嚢摘出術,肝十二指腸間膜リンパ節郭清を施行した.術後経過は良 …
- NAID 130008045953
- 組織学的に胆嚢腺筋腫症との関連性が示唆された無症候性胆嚢壁解離の1例
- 益本 貴人,石上 俊一,加藤 仁司,倉橋 光輝,松山 希一,斎賀 一歩
- 日本臨床外科学会雑誌 81(7), 1375-1379, 2020
- … 色で混濁した漿液性の液体貯留が観察された.肉眼的には重複胆嚢<sup>1)</sup>が考えられたが,組織学的には嚢状構造と管腔構造との癒合部だけに通常の胆嚢の全層構造を認め,嚢状構造部には漿膜および漿膜下層だけが観察された.細い管腔構造の諸処に,増生・破綻したRokitansky-Aschoff sinus<sup>2)</sup>が観察されたことより,胆嚢腺筋腫症を契機に胆嚢壁解離をきたしたものと推察された.</p> …
- NAID 130007978408
- 小松崎 聡,田中 康夫,堀 光,加藤 一良,五木田 憲太朗,ラマ アディクリスナ,宇田川 勝
- 超音波検査技術抄録集 45(0), S114-S114, 2020
- NAID 130007973993
Related Links
- 胆嚢腺筋腫症(以下ADM)は、胆嚢壁内におけるRokitansky-Aschoff sinus(以下、RAS)の増殖により胆嚢壁の肥厚、壁内の嚢胞性変化 (拡張したRAS)、上皮の増殖、平滑筋細胞の増生を特徴とする疾患であります。. 約90%に胆石を伴います。. したがって胆石の症状が ...
- 胆のう腺筋腫症とは、胆のう(胆汁を溜めておく袋状の臓器)の壁が何らかの要因によって厚くなる病気です。ほとんどは良性かつ無症状であるため、もし胆のう腺筋腫症と診断されても、心配しすぎることはありません。胆のう腺筋腫症の症状、タイプ、診断...
- 胆のう腺筋腫症 胆のう腺筋腫症は胆のうの壁が部分的あるいは全体に分厚くなる病変(胆のう壁肥厚)であり、通常は小さなのう胞構造やコメット様エコー(石灰化)を伴います。また、肥厚した胆のう壁の部位によって3つの型(底部限局型、分節型、びまん型)に分類され、分節型の胆のう ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 81歳の女性。右季肋部痛と嘔吐とを主訴に来院した。昨日18時ころ、食事中に急に右季肋部から心窩部にかけての痛みが出現し、その後、痛みが増強し嘔吐を伴うようになったため午前1時に受診した。高血圧症で降圧薬を内服している。意識は清明。身長 147cm、体重 40kg。体温 36.8℃。脈拍 80/分、整。血圧 178/90mmHg。呼吸数 14/分。SpO2 98%(room air)。腹部は膨満し、腸雑音は消失。右季肋部に圧痛を認め、呼吸性に移動する小児手拳大の腫瘤を触知する。筋性防御と反跳痛とを認めない。血液所見:赤血球 318万、Hb 9.8g/dL、Ht 32%、白血球 11,800(桿状核好中球 52%、分葉核好中球 30%、好酸球 2%、好塩基球 1%、単球 4%、リンパ球 11%)。血液生化学所見:総蛋白 6.6g/dL、アルブミン 2.5g/dL、総ビリルビン 3.1mg/dL、直接ビリルビン 2.3mg/dL、AST 56IU/L、ALT 48IU/L、LD 480IU/L(基準 176~353)、ALP 454IU/L(基準 115~359)、γ-GTP 132IU/L(基準 8~50)、アミラーゼ 115IU/L(基準 37~160)、尿素窒素 20mg/dL、クレアチニン 1.3mg/dL。CRP 4.3mg/dL。腹部超音波検査と腹部単純CTとで胆嚢の腫大と胆嚢壁肥厚とを認める。腹部造影CTの動脈相と後期相で胆嚢壁の濃染を認めない。緊急に腹腔鏡下胆嚢摘出術が行われた。術中の写真(別冊No. 14A)と摘出胆嚢の粘膜面の写真(別冊No. 14B)とを別に示す。
- 最も考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109D034]←[国試_109]→[109D036]
[★]
- 48歳の男性。右上腹部の不快感を主訴に来院した。身体所見に異常はない。血液所見:Hb13.8g/dl、白血球5,800。血清生化学所見:総ビリルビン0.9mg/dl、AST30IU/l、ALT32IU/l、γ-GTP48IU/l(基準8~50)。免疫学所見:CRP0.1mg/dl、CA19-9 32U/ml(基準37以下)。腹部超音波写真を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [101A028]←[国試_101]→[101A030]
[★]
- 68歳の女性。腹痛を主訴に来院した。13年前から時々食後に上腹部痛があった。昨日の夕食後にも腹痛があった。体温37.4℃。右季肋部に圧痛を伴う腫瘤を触れる。白血球12,500。CRP5.8mg/dl。腹部造影CTを以下に示す。
- 考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [102D036]←[国試_102]→[102D038]
[★]
- 胆道疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E036]←[国試_106]→[106E038]
[★]
- 胆道疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [112C018]←[国試_112]→[112C020]
[★]
- 胆道疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [101F035]←[国試_101]→[101F037]
[★]
- 65歳の男性。人間ドックの腹部超音波検査で異常を指摘され来院した。身体所見に異常を認めない。腹部造影CTを以下に示す。
最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [103D019]←[国試_103]→[103D021]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099E034]←[国試_099]→[099E036]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [113D012]←[国試_113]→[113D014]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [095B034]←[国試_095]→[095B036]
[★]
- 英
- gallbladder cancer, carcinoma of the gallbladder
- 関
- 胆道癌、胆管癌
疫学
リスクファクター(ガイドラインより)
- 胆管拡張をともなわない膵・胆管合流異常は胆嚢癌のハイリスクファクターである。
- 膵・胆管合流異常の胆嚢において粘膜過形成,K-ras遺伝子変異,p53蛋白過剰発現が高頻度に認められる
- 胆嚢癌の発生母地病変として腺腫や異型上皮,腸上皮化生が関与する可能性が報告されている
- 胆嚢ポリープが10mm以上で,かつ増大傾向を認める場合,または大きさにかかわらず広基性病変では胆嚢癌の頻度が高いと考えられる。
不明
- 現時点では胆嚢結石と胆嚢癌との直接的因果関係は証明されておらず,無症候性胆嚢結石の場合,長期間経過観察しても胆嚢癌が発生する危険は少ないといえる。
- 胆嚢壁の石灰化や陶器様胆嚢と胆嚢癌との因果関係は現段階では統一見解がない。
- 現時点で胆嚢腺筋腫症が胆嚢癌のリスクファクターであるか否かの結論は得られていない。
早期癌
- 早期胆嚢癌:組織学的深達度が粘膜(m)・固有筋層(mp)にとどまるもの。リンパ節転移の有無は問わない。癌の先端部がRokitansky-Aschoff sinusに限局していれば、深達度に寄らず粘膜内癌 (YN.B-74)
症状
- 初期には無症状
- 腹痛(72%)、黄疸(58%)、体重減少(47%)
検査
[show details]
予後
- 早期癌:op後の累積5年生存率は80%。
- 進行癌:漿膜下層限局で5年生存率は50%。漿膜波及で10%。
ガイドライン
国試
[★]
- 英
- gallbladder (Z)
- ラ
- vesica fellea
解剖
- 胆嚢径:長径8cm x 短径4cm以下
- 胆嚢壁:3mm以下
胆管
血管
動脈
- 後上膵十二指腸動脈と胃十二指腸動脈が十二指腸後部の胆管に血液を送る
- 胆嚢動脈が胆管の近位部に血液を送る
- 右肝動脈が胆管の中部に血液を送る
静脈
壁構造
胆嚢の収縮
臨床関連
胆嚢の徴候
胆嚢壁の肥厚
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- myoma、leiomyoma
- 関
- 平滑筋腫
[★]
- 英
- adenomyoma
- 関
- 胆嚢腺筋腫症
[★]
- 英
- adenomyomatosis
- 関
- 胆嚢