ブロナンセリン
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ブロナンセリン
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IUPAC命名法による物質名 |
2-(4-ethylpiperazin-1-yl)-4-(4-fluorophenyl)-5,6,7,8,9,10-hexahydrocycloocta[b]pyridine
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臨床データ |
法的規制 |
|
投与方法 |
Oral |
薬物動態データ |
生物学的利用能 |
55% [1] |
代謝 |
CYP3A4[1] |
半減期 |
10 - 16 hours (oral) |
排泄 |
59% (urine), 30% (faeces)[1] |
識別 |
CAS番号 |
132810-10-7 |
ATCコード |
無し |
PubChem |
CID: 125564 |
KEGG |
D01176 |
化学的データ |
化学式 |
C23H30FN3 |
分子量 |
367.50 g/mol |
SMILES
-
CCN1CCN(CC1)C2=NC3=C(CCCCCC3)C(=C2)C4=CC=C(C=C4)F
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ブロナンセリン (Blonanserin) は、大日本住友製薬が開発した非定型抗精神病薬の一種。分子式は C23H30FN3 。主に統合失調症の治療薬として用いられる。
効能・効果は「統合失調症」とされているが、興奮、誇大性、敵意等の陽性症状を悪化させる事が有る[2]。
2008年1月に厚生労働省から販売承認を受け、4月よりロナセン®という商品名で販売されている。薬価は2mg錠で1錠あたり77.3円。
2012年7月27日、大日本住友製薬は日東電工と共同開発しているブロナンセリンの貼り薬について、患者を対象にした第2相臨床試験を始めたと発表した[3]。第1相臨床試験ではすでに有効な経皮吸収性と安全性などが確認されており、有効性の検証と厚生労働省の認可が済んだのち、2018年(平成30年)にも発売する方針。抗精神病薬の貼り薬は世界初だという。
目次
- 1 禁忌
- 2 副作用
- 3 用量・用法
- 4 種類
- 5 参考文献
- 6 脚注
- 7 外部リンク
禁忌
以下の患者では禁忌である[2]。
- 昏睡状態の患者
- 中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者
- アドレナリンを投与中の患者
- アゾール系抗真菌剤を投与中の患者
副作用
添付文書に記載されている重大な副作用は、悪性症候群、遅発性ジスキネジア、麻痺性イレウス、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、横紋筋融解症、無顆粒球症、白血球減少、肺塞栓症、深部静脈血栓症、肝機能障害である。
又、5%以上の患者にパーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎過多、寡動、運動緩慢、歩行障害、仮面様顔貌等)、アカシジア(静坐不能)、ジスキネジア(構音障害、嚥下障害、口周部・四肢等の不随意運動等)、便秘、食欲不振、悪心、プロラクチン上昇、倦怠感、口渇、脱力感が生じる。
用量・用法
通常成人には、1回4mgを1日2回食後経口投与から開始し、維持量として1日8mg~16mgを2回に分けて食後経口投与する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、1日量は24mgを限度とする。 第二世代抗精神病薬の一つに分類され、錐体外路症状などの副作用が少ない。現在日本で発売されている第二世代抗精神病薬はSDA(セロトニン・ドーパミン・アンタゴニスト)と呼ばれているが、本剤はよりドーパミンに対する親和性が強いことからDSA(ドーパミン・セロトニン・アンタゴニスト)とも呼ばれている。
種類
参考文献
- 村崎光邦 編『ブロナンセリンブック』 星和書店 2008/5/30 ISBN 978-4791106684
- 村崎光邦 編『ブロナンセリン100の報告―100人の臨床家によるDSAの臨床経験』 星和書店 2009/08 ISBN 978-4791107117
- 村崎光邦 編『ブロナンセリン追跡症例集』星和書店 2012/5/1 ISBN 978-4791108039
脚注
- ^ a b c Wen, YG; Shang, DW; Xie, HZ; Wang, XP; Ni, XJ; Zhang, M; Lu, W; Qiu, C; Liu, X; Li, FF; Li, X; Luo, FT (March 2013). “Population pharmacokinetics of blonanserin in Chinese healthy volunteers and the effect of the food intake”. Human Psychopharmacology 28 (2): 134-141. doi:10.1002/hup.2290. PMID 23417765.
- ^ a b “ロナセン錠2mg/ロナセン錠4mg/ロナセン錠8mg/ロナセン散2% 添付文書” (2015年4月). 2015年5月12日閲覧。
- ^ “世界初、統合失調症の貼り薬 大日本住友と日東電工が本格試験へ”. 産経新聞. (2012年7月27日). http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120727/biz12072719290030-n1.htm 2012年7月29日閲覧。
外部リンク
- ロナセン 大日本住友製薬公式サイト
- ロナセン錠2mg/ロナセン錠4mg/ロナセン錠8mg/ロナセン散2%(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
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抗精神病薬 (N05A) |
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定型抗精神病薬 |
ブチロフェノン系: アザペロン Benperidol ブロムペリドール Droperidol Fluanisone ハロペリドール Lenperone Moperone ピパンペロン スピペロン Trifluperidol; Diphenylbutylpiperidines: Clopimozide Fluspirilene Penfluridol Pimozide; フェノチアジン系: アセプロマジン Acetophenazine Butaperazine Carphenazine Chlorproethazine クロルプロマジン Cyamemazine Dixyrazine フルフェナジン レボメプロマジン Mesoridazine Perazine プロペリシアジン ペルフェナジン Piperacetazine Pipotiazine Prochlorperazine プロマジン プロメタジン Propiomazine Sulforidazine Thiethylperazine Thiopropazate Thioproperazine Thioridazine Trifluoperazine Triflupromazine; Thioxanthenes: Chlorprothixene Clopenthixol Flupentixol Thiothixene Zuclopenthixol; Tricyclics: アモキサピン Butaclamol Carpipramine Loxapine Metitepine/Methiothepin Octoclothiepin; Others: Molindone Oxypertine Prothipendyl
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非定型抗精神病薬 |
Azapirones: ペロスピロン Tiospirone; ベンザミド系: Amisulpride Levosulpiride ネモナプリド Remoxipride スルピリド スルトプリド Tiapride Veralipride; ブチロフェノン系: Cinuperone Setoperone; Tricyclics: Asenapine Clotiapine クロザピン Fluperlapine Metitepine/Methiothepin モサプラミン オランザピン クエチアピン Tenilapine ゾテピン; Others: Amperozide アリピプラゾール Bifeprunox ブロナンセリン Cariprazine Iloperidone ルラシドン Ocaperidone パリペリドン Pardoprunox Pimavanserin リスペリドン Sertindole Ziprasidone
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Others |
Cannabidiol D-Cycloserine Mifepristone Reserpine Rimcazole Secretin Talnetant Tetrabenazine Vabicaserin
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Japanese Journal
- 症例報告 認知症患者の行動心理症状(BPSD)に対するblonanserin(ロナセン)の有効性について
- 精神科薬理 統合失調症に対する新規抗精神病薬blonanserin(ロナセン)の多施設における使用経験
- 新薬くろ〜ずあっぷ(96)ロナセン錠2mg・4mg・散2%
Related Links
- 大日本住友製薬の「医療情報サイト」です。大日本住友製薬の「“ロナセン”」の各種情報を掲載しています。 ... 2012年03月 ロナセン錠2mg/錠4mg/錠8mg/散2% 使用上の注意改訂のお知らせ 重大な副作用に「抗利尿ホルモン不適合分泌 ...
- 作成又は改訂年月 **2012年3月改訂(第9版) *2011年3月改訂 日本標準商品分類番号 871179 国際誕生年月 2008年1月 薬効分類名 抗精神病剤 販売名 ロナセン錠2mg 販売名コード 1179048F1027 承認・許可番号 承認番号 22000AMX00011
- ロナセン(抗精神病薬 )について主な作用 副作用 用い方と注意点を説明します ... 主な作用 脳内神経伝達物質のドパミン、セロトニンなどの働きを調整して、統合失調症における不安、緊張感をやわらげ、落ち着かせる効果があります。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ロナセン錠2mg
組成
有効成分
添加物
- 乳糖水和物、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム
禁忌
- 昏睡状態の患者〔昏睡状態が悪化するおそれがある。〕
- バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者〔中枢神経抑制作用が増強される。〕
- アドレナリン、アゾール系抗真菌剤、HIVプロテアーゼ阻害剤を投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 統合失調症
- 通常、成人にはブロナンセリンとして1回4mg、1日2回食後経口投与より開始し、徐々に増量する。維持量として1日8〜16mgを2回に分けて食後経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は24mgを超えないこと。
- 本剤の吸収は食事の影響を受けやすく、有効性及び安全性は食後投与により確認されているため、食後に服用するよう指導すること。〔空腹時に投与すると、食後投与と比較して吸収が低下し、作用が減弱するおそれがある。また空腹時で投与を開始し、食後投与に切り替えた場合には血中濃度が大幅に上昇するおそれがある。「薬物動態」、「臨床成績」の項参照〕
- 本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。
慎重投与
- 心・血管系疾患、低血圧、又はそれらの疑いのある患者〔一過性の血圧降下があらわれることがある。〕
- パーキンソン病のある患者〔錐体外路症状が悪化するおそれがある。〕
- てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣閾値を低下させるおそれがある。〕
- 自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕
- 肝障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある。〕
- 糖尿病又はその既往歴のある患者、あるいは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者〔血糖値が上昇することがある。〕
- 高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
- 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児〔「小児等への投与」の項参照〕
- 薬物過敏症の患者
- 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者〔悪性症候群(Syndrome malin)が起こりやすい。〕
重大な副作用
悪性症候群(Syndrome malin)(5%未満)
- 無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡することがある。
遅発性ジスキネジア(5%未満)
- 長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合は減量又は中止を考慮すること。なお、投与中止後も症状が持続することがある。
麻痺性イレウス(頻度不明)
- 腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤は動物実験(イヌ)で制吐作用が認められたため、悪心・嘔吐を不顕性化する可能性があるので注意すること。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
- 低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがある。このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明)
- 横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
無顆粒球症、白血球減少(頻度不明)
- 無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肺塞栓症、深部静脈血栓症(頻度不明)
- 抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。〔「重要な基本的注意」の項参照〕
肝機能障害(頻度不明)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、ALP、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用
- 動物実験において、次の薬理作用が認められている。
- 表10参照
作用機序
- In vitro受容体結合試験において、ブロナンセリンはドパミンD2受容体サブファミリー(D2、D3)及びセロトニン5-HT2A受容体に対して親和性を示した。主要代謝物である N-脱エチル体もドパミンD2受容体サブファミリー(D2、D3)及びセロトニン5-HT2A受容体に対して親和性を示したが、ドパミンD2受容体への親和性はブロナンセリンの約1/10であった。また、N-脱エチル体はセロトニン5-HT2C受容体及び5-HT6受容体に対しても親和性が認められた。しかし、ブロナンセリン及びN-脱エチル体とも、アドレナリンα1、ヒスタミンH1、ムスカリンM1等の受容体に対する親和性は低かった7)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 2-(4-Ethyl-1-piperazinyl)-4-(4-fluorophenyl)-5,6,7,8,9,10-hexahydrocycloocta[b]pyridine
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶性の粉末。酢酸(100)に溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 抗精神病薬
商品
[★]
- 英
- blonanserin
- 商
- ロナセン
- 関
- 精神神経用剤、非定型抗精神病薬
- (1)ドパミンD2受容体(サブファミリーD2、D3)及びセロトニン5-HT2A受容体に選択的な結合活性を示し、拮抗的に作用する。
- (2)統合失調症における幻覚・妄想などの陽性症状、情動的引きこもり・情動の平板化などの陰性症状に対して改善効果を示す。
- (3)リスペリドン及びハロペリドールを対照薬とした二重盲検比較試験を実施し、リスペリドンとの比較試験では陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)の合計スコア変化量、ハロペリドールとの比較試験では最終全般改善度の改善率を有効性主要評価項目として本剤の対照薬に対する非劣性が示された。
- (4)国内臨床試験における最終全般改善度の改善率(中等度改善以上)は、二重盲検比較試験で55.4%(153/276例)、長期投与試験で52.4%(227/433例)であった。
- (5)重大な副作用として、悪性症候群(Syndromemalin)、遅発性ジスキネジア、麻痺性イレウス、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、横紋筋融解症、無顆粒球症、白血球減少、肺塞栓症、深部静脈血栓症、肝機能障害が報告されている。
[★]
商品名
ロナセンテープ
会社名
大日本住友製薬
成分
薬効分類
第3の1
薬効
統合失調症を効能・効果とする新投与経路医薬品