- 英
- platelet activating factor platelet-activating factor, PAF
- 関
- 白血球走化性因子
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血小板活性化因子 |
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
74389-68-7 |
PubChem |
108156 |
ChemSpider |
26286744 |
日化辞番号 |
J261.895H |
MeSH |
Platelet+Activating+Factor |
IUPHARリガンド |
1831 |
- CCCCCCCCCCCCCCCCOCC(OCP(=O)([O-])OCC[N+](C)(C)C)OC(=O)C
|
- InChI=1S/C26H54NO7P/c1-6-7-8-9-10-11-12-13-14-15-16-17-18-19-21-31-23-26(34-25(2)28)32-24-35(29,30)33-22-20-27(3,4)5/h26H,6-24H2,1-5H3
Key: QSTSWCQVBPBXGQ-UHFFFAOYSA-N
InChI=1/C26H54NO7P/c1-6-7-8-9-10-11-12-13-14-15-16-17-18-19-21-31-23-26(34-25(2)28)32-24-35(29,30)33-22-20-27(3,4)5/h26H,6-24H2,1-5H3
Key: QSTSWCQVBPBXGQ-UHFFFAOYAD
|
特性 |
化学式 |
C26H54NO7P |
モル質量 |
523.68 g mol−1 |
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
血小板活性化因子(けっしょうばんかっせいかいんし、英: platelet-activating factor、PAF)は、血小板凝集や脱顆粒、炎症、アナフィラキシーを含む多くの白血球機能の強力なリン脂質活性化剤・メディエーターである。AGEPC (acetyl-glyceryl-ether-phosphorylcholine) としても知られている。また、白血球の血管透過性、酸化的破壊、走化性や食細胞におけるアラキドン酸代謝の増強に関与している。
PAFは、好中球、好塩基球、損傷組織、単球/マクロファージ、血小板、血管内皮細胞を含む様々な細胞種による特異的な刺激に応答して産生される。
目次
- 1 化学
- 2 機能
- 3 歴史
- 4 生合成および分解
- 5 アンタゴニスト
- 6 脚注
- 7 関連項目
- 8 外部リンク
|
化学 [編集]
O-アルキル側鎖の長さが異なるPAFのいくつかの分子種が同定されている。
- 炭素数16のアルキル鎖はC1炭素にエーテル結合している。
- C2炭素のアシル基は酢酸エステルである。脂肪酸エステルとは異なり炭素鎖が短いため溶解性が増大し、PAFは水溶性シグナル伝達分子として機能することができる。
- C3炭素はホスファチジルコリン(英語版)のようにホスホコリン頭部基を有している。
機能 [編集]
PAFは気管支収縮(英語版)の重要なメディエーターである。
PAFは血小板を凝集させ、血管を拡張させる。したがって、止血の過程において重要である。10-12 mol/Lの濃度において、PAFは気管支喘息様の症状を誘導する命にかかわる気道の炎症を引き起こす。
破壊されたバクテリア断片といった毒素はPAFの合成を誘導し、血圧の低下と心臓によって送液される血液量の現象を引き起こす。これによってショック状態あるいは死の危険性もある。
歴史 [編集]
PAFはフランス人免疫学者ジャック・バンヴェニストによって1970年代初頭に発見された[1][2]。構造は1979年にConstantinos A. Demopoulosによって解明された[3]。
生合成および分解 [編集]
PAFはLPCアシルトランスフェラーゼ(英語版)によってリゾホスファチジルコリン(英語版)およびアセチルCoAから生合成される。また、ホスフォコリントランスフェラーゼによる2-アセチルモノアルキルグリセロールエーテルにも由来する。
PAFはホスホリパーゼA2と関連しているPAFアセチルヒドロラーゼ(英語版)と呼ばれる一群の酵素によって分解される。
アンタゴニスト [編集]
- SM-12502はPAFアンタゴニストであり、CYP2A6(英語版)によって肝臓で代謝される[4]。
- ルパタジン(英語版)はアレルギー治療に用いられる抗ヒスタミン薬・PAFアンタゴニストである。
脚注 [編集]
- ^ Benveniste J, Henson PM, Cochrane CG (1972). “Leukocyte-dependent histamine release from rabbit platelets. The role of IgE, basophils, and a platelet-activating factor”. J. Exp. Med. 136 (6): 1356–77. doi:10.1084/jem.136.6.1356. PMC 2139324. PMID 4118412. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=2139324.
- ^ Benveniste J (1974). “Platelet-activating factor, a new mediator of anaphylaxis and immune complex deposition from rabbit and human basophils”. Nature 249 (457): 581–2. doi:10.1038/249581a0. PMID 4275800.
- ^ Demopoulos CA, Pinckard RN, Hanahan DJ (1979). “Platelet-activating factor. Evidence for 1-O-alkyl-2-acetyl-sn-glyceryl-3-phosphorylcholine as the active component (a new class of lipid chemical mediators)” (abstract). J. Biol. Chem. 254 (19): 9355–8. PMID 489536. http://www.jbc.org/cgi/content/abstract/254/19/9355.
- ^ Hayashi J, Hiromura K, Koizumi R, Shimizu Y, Maezawa A, Nojima Y, Naruse T (2001). “Platelet-activating factor antagonist, SM-12502, attenuates experimental glomerular thrombosis in rats”. Nephron. 87 (3): 274-278. doi:10.1159/000045926. PMID 11287764.
関連項目 [編集]
- 血小板活性化因子受容体(英語版)
- 血小板由来成長因子
外部リンク [編集]
- Srf1 is Essential to Buffer Toxic Effects of Platelet Activating Factor
- Pharmacorama - PAF (Platelet Activating Factor)
- MeSH Platelet+Activating+Factor
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Japanese Journal
- 知っておかなければならない アレルギー疾患の基礎的知識(4)血小板活性化因子(platelet activating factor ; PAF)によるマスト細胞の活性化
- Lp-PLA2 (PAF acetylhydrolase) (今月の主題 広義のアポリポ蛋白) -- (臨床検査への応用の可能性)
Related Links
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- PAF(血小板活性化因子). PAFは、platelet activating factor(血小板活性化因子)の略 。 PAFの構造は、1-O-アルキル-2-アセチル-snグリセロ-3-ホスホコリン。 細胞膜のリン 脂質が、ホスホリパーゼA2(PLA2)により加水分解され、アラキドン酸が遊離する際 ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- lipopolysaccharide, LPS
- 同
- リポ多糖類、リポポリサッカライド
- 主にマクロファージを刺激して多彩な生理作用を表す
LPSの生物活性 (SMB.115-117)
- 2. ポリクローナルB細胞活性化:B細胞を刺激し、抗原非特異的に抗体産生細胞へと分化誘導。IgMクラスの抗体を産生させる。
- 3. マクロファージの活性化:サイトカイン(IL-1、TNF-α、IFN、コロニー刺激因子(CSF)など)、フリーラジカルを放出させる。
- 4. 補体の古典的経路、別経路を活性化
- 5. アラキドン酸代謝経路の刺激:ロイコトリエン、プロスタグランジンの産生亢進
- 6. 白血球との結合:生体ではLPS投与後1時間目に顆粒球減少(白血球凝集や末梢血管への貯留による)。2-4時間後、急激に白血球増加(骨髄の顆粒球の放出や顆粒球産
生の増加による)
- 7. 血小板の活性化と破壊:セロトニン、核酸、血小板因子3などを放出。LPSにより破壊されやすい
- 8. NK細胞やNKT細胞によるIFN-γの産生亢進
リポ多糖の受容体
- →リポ多糖受容体=CD14
リポ多糖のクリアランス(SMB.117)
- 血流に入ったLPSは、LPS結合タンパク質(LBP)や遊離CD14と結合し、ついで血清タンパク質(特に高比重リポタンパク質(HDL)と結合し、速やかに主に肝臓に取り込まれる。肝臓、脾臓などのマクロファージ系の貪食細胞がLPSを捕獲し、比較的長い時間かかって分解するらしい。
リポ多糖の臨床的意義 (SMB.117-118)
エンドトキシンショック
抗生物質誘発内毒素遊離
- 内毒素は菌が増殖するときに、外膜より遊離。
- ある種の抗生物質は菌を殺す際、大量の内毒素の遊離を招く
検査
[★]
- 英
- autacoid
- 同
- 局所ホルモン local hormone
定義
- ホルモンでも神経伝達物質でもない
特徴 (SPC. 89)
- 生理的・病態時に出現する生体内活性物質
- 極めて微量しか遊離しない
- 強い薬理活性を有する
- 作用範囲はホルモンと神経伝達物質の中間
オータコイドに分類される物質 (SPC.)
[★]
血小板活性化因子, platelet activating factor, platelet-activating factor
[★]
- 英
- PAF receptor
- 関
- 血小板活性化因子
[★]
血小板活性化因子、PAF
[★]
- 英
- platelet-activating factor acetylhydrolase、PAF acetylhydrolase
- 関
- PAFアセチルヒドロラーゼ
[★]
- 英
- PAF receptor
- 関
- 血小板活性化因子レセプター、PAFレセプター、PAF受容体
[★]
- 英
- PAF receptor
- 関
- 血小板活性化因子受容体、PAFレセプター、PAF受容体
[★]
- 英
- platelet (Z), blood platelet (Z), PLT
- 同
- 栓球 thrombocyte
- 関
- 血小板血栓。血小板数 platelet count PLC
- GOO. 1468(血小板凝集 platelet aggregation)
- 半減期:1週間(異常値の出るメカニズム第2版)。4日 (SP.505)。
- 寿命:10日
- 体積:5-10 fl
- 直径:2-5μm。
- 無核。
基準値
- 15万 - 40万 /μl (2007前期解剖学授業プリント, SP.505)
- 15万 - 35万 /μl (2007前期生理学授業プリント, PT.233)
新生児
- 出典不明
産生組織
- トロンボポエチンにより巨核球の細胞質がちぎれて血流に放出される (SP.505)
貯蔵組織
組織学
- P-セレクチンを膜上に持つ
- フィブリノーゲン、フィブロネクチン、第V因子、第VIII因子、platelet factor 4、PDGF、TGF-α (BPT.89)
- ADP、ATP、Ca2+、ヒスタミン、セロトニン、エピネフリン (BPT.89)
機能 (SAN.236-237)
1.一次止血
- TXA2,セロトニンは血管収縮作用
- ADP, TXA2,セロトニンは血小板凝集
- 血小板のGpIIb/GpIIIa複合体がフィブリノゲンと結合し編み目を形成
2.血液凝固の促進
3.毛細血管機能の維持
- 毛細血管内皮細胞に融合し血管内皮を補強している → 血小板減少により点状出血を来すことになる。
膜タンパク
血小板減少による症状
- 5-10万 :症状なし-やや止血しにくい程度
- 2-3万 :下肢に点状出血 (→皮下出血)
- 1万以下 :粘膜出血→臓器出血の危険あり
検査
- 抗凝固剤としてEDTAを用いた場合、EDTA依存性偽血小板減少をきたすことがある。
臨床関連
数の異常
機能の異常
[★]
- 英
- activation、activate、turn on、activated
- 関
- 賦活、賦活化、活性化型、オンにする
[★]
- 英
- activity
- 関
- 活性度、活動性、活量、活動
[★]
- 英
- activator、activating factor
- 関
- アクチベーター
[★]
- 英
- child
- 関
- 子供、雑種、小児、小児用