受容体 | サブユニット | 局在 | 透過するイオン | 作動薬 | 阻害薬 | |
NM受容体 | 胎児 | (α1)2, β1, γ, δ | 骨格筋の神経筋接合部 | Na+, K+ | アセチルコリン ニコチン スキサメトニウム デカメトニウム |
ベクロニウム パンクロニウム アトラクリニウム d-ツボクラリン |
成人 | (α1)2, β1, ε, δ | |||||
NN受容体 | (α3)2, (β4)3 | 自律神経節 副腎髄質 |
Na+, K+ | アセチルコリン ニコチン epibatidine dimethylphenylpiperazinium |
triethaphan mecamylamine | |
CNS | (α4)2, (β4)3 | postjunctional prejunctional |
Na+, K+ | cytisine, epibatidine anatoxin A |
mecamylamine dihydro-β-erythrodine erysodine lophotoxin | |
(α7)5 | postsynaptic presynaptic |
Ca2+ | anatoxin A | methyllycaconitine α-bungarotoxin α-conotoxin IMI |
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/19 09:10:26」(JST)
アセチルコリン受容体(アセチルコリンじゅようたい、英: acetylcholine receptor、AChR)は神経伝達物質であるアセチルコリンの受容体である。アセチルコリンによって刺激されるので、コリン作動性受容体とも呼ばれる。 アセチルコリン受容体は代謝調節型のムスカリン受容体とイオンチャネル型のニコチン受容体の二つに大別される。ムスカリンがムスカリン受容体アゴニストとして、ニコチンがニコチン受容体アゴニストとして働くことからこの名前がある。 アセチルコリンはどちらの受容体にも作用する。アセチルコリン受容体に作用する薬は、その作用する受容体及びその受容体の存在する組織によって異なる作用を示す。薬物の中にはどちらにも作用するものと、どちらか一方により選択的に作用するものがある。
ムスカリン受容体(mAchR)は代謝調節型の受容体でGタンパク質共役受容体(GPCR)の一種である。末梢では副交感神経の神経終末に存在し、副交感神経の効果器の活動を制御する。中枢にも存在している。尚、ムスカリン受容体はさらに細かくM1~M5のサブタイプで分類され[1]、それぞれの受容体に非選択的に作用する薬と選択的に作用する薬が存在する。副交感神経終末にはM1受容体が多い。
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アセチルコリンがムスカリン受容体を刺激することを阻害する。ムスカリン受容体拮抗薬(M1ブロッカー、Muscarinic antagonist)。
ニコチン受容体(nAchR)は、イオンチャネル型の受容体で、末梢では自律神経(交感神経と副交感神経)の節前線維終末(副腎髄質での神経終末を含む)及び運動神経終末に存在しており、交感神経も副交感神経もともにニコチン受容体を介して興奮が伝達され、筋肉の運動はニコチン受容体を介して行われる。尚、自律神経節前線維終末受容体(NN受容体)と運動神経終末のニコチン受容体(NM受容体)は厳密には異なる受容体であり、非選択的に作用する薬と選択的に作用する薬がある。
アセチルコリンがニコチン受容体に結合することを阻害する。
松崎 雄 「疼痛伝達機構における帯状回ムスカリン受容体の役割 - 神経因性疼痛モデルを用いた検討」 NAID 110008146938
山崎 良彦「海馬の神経回路におけるニコチンの作用」 NAID 10026544506
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関連記事 | 「受容体」「ニコチン」「受容」「体」 |
アセチルコリン受容体 | 作動薬 | 遮断薬 | 存在部位 | 作用 | |
ムスカリン性受容体 | M1 | オキソトレモリン | ピレンゼピン | 自律神経節 | 節後細胞脱分極
(slow EPSP発生) |
ムスカリン | アトロピン | ||||
M2 | ムスカリン | トリピトラミン | 心臓 | 心拍数,伝導速度,心房収縮力低下 | |
アトロピン | |||||
M3 | ムスカリン | ダリフェナシン | 平滑筋 | 収縮 | |
アトロピン | 分泌腺 | 分泌促進 |
ムスカリン性受容体 | 局在 | 反応 | シグナル伝達系 | |
M1 | 自律神経節 | 脱分極 | Gq→PLC→IP3/DAG | |
中枢神経 | ||||
M2 | 心臓 | 洞房結節 | 脱分極の抑制、過分極 | Gi→K+チャネル開 |
心房 | 収縮力↓ | Gi→cAMP↓→電位依存性L型Caチャネル閉 | ||
房室結節 | 伝導速度↓ | |||
心室 | 収縮力↓ | |||
M3 | 平滑筋 | 収縮 | Gq→PLC→IP3/DAG | |
血管内皮細胞 | 拡張 | NO産生 | ||
外分泌腺 | 分泌促進 | Gq→PLC→IP3/DAG |
種類 | 疾患への適応 |
ムスカリン作動薬 | 緑内障、手術後の腸管麻痺、尿閉 |
コリンエステラーゼ阻害薬 | 緑内障、手術後の腸管麻痺、尿閉、重症筋無力症の診断・治療、アルツハイマー病 |
ムスカリン受容体拮抗薬 | 鎮痙薬(消化管、胆管、尿路など)、胃・十二指腸潰瘍、散瞳薬、パーキンソン病、麻酔前投与 |
[中枢神経症状]意識混濁、昏睡 [ニコチン受容体を介した作用]全身痙攣、呼吸筋麻痺
症状 | 血中ChE (正常比) |
治療 | |
無症状 | なし | ≧50% | 6hr経過観察 |
軽度 | (歩行可能) 全身倦怠感、頭痛、眩暈、四肢痺れ、悪心、嘔吐、発汗、唾液分泌亢進、wheezing、腹痛、下痢 |
20-50% | アトロピン 1mg IV PAM 1g IV |
中等度 | (歩行不能) 軽度の症状に加え、 全身筋力低下、構語障害、筋攣縮、縮瞳 |
10-20% | アトロピン 1-2mg IV, 15-30分ごと。atropinazationまで PAM 1g IV |
重症 | 意識障害、四肢麻痺、筋攣縮、針先瞳孔、呼吸促迫、チアノーゼ | ≦10% | アトロピン 5mg IV, 15-30分ごと。atropinazationまで PAM 1-2g IV。奏効しない場合 0.5g/hr 点滴静注 |
一般的作動薬 | 受容体 | G protein subunit | 作用 |
アドレナリン ノルアドレナリン |
α1 | Gq | 血管平滑筋収縮 |
α2 | Gi | 中枢交感神経抑制、インスリン放出抑制 | |
β1 | Gs | 心拍数増加、収縮力増加、レニン放出、脂肪分解 | |
β2 | 骨格筋筋弛緩、内臓平滑筋弛緩、気道平滑筋弛緩、グリコーゲン放出 | ||
β3 | 肥満細胞脂質分解亢進 | ||
アセチルコリン | M1 | Gq | 中枢神経 |
M2 | Gi | 心拍数低下 | |
M3 | Gq | 外分泌腺分泌亢進 | |
ドーパミン | D1 | Gs | 腎臓平滑筋弛緩 |
D2 | Gi | 神経伝達物質放出を調節 | |
ヒスタミン | H1 | Gq | 鼻、器官粘膜分泌、細気管支収縮、かゆみ、痛み |
H2 | Gs | 胃酸分泌 | |
バソプレシン | V1 | Gq | 血管平滑筋収縮 |
V2 | Gs | 腎集合管で水の透過性亢進 |
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