- 英
- pancuronium
- 化
- 臭化パンクロニウム パンクロニウム臭化物 pancuronium bromide
- 商
- Pavulon、ミオブロック
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/03/26 08:21:40」(JST)
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パンクロニウム
|
|
| IUPAC命名法による物質名 |
| [(2S,3S,5S,8R,9S,10S,13S,14S,16S,17R)-17-アセトキシ-10,13-ジメチル-2,16-ビス(1-メチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2H-ピリジン-1-イル)-2,3,4,5,6,7,8,9,11,12,14,15,16,17-テトラデカヒドロ-1H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-イル]酢酸 |
| 臨床データ |
| 胎児危険度分類 |
|
| 法的規制 |
|
| 投与方法 |
静脈注射 |
| 薬物動態的データ |
| 生物学的利用能 |
NA |
| 血漿タンパク結合 |
77 to 91% |
| 代謝 |
肝臓 |
| 半減期 |
1.5 - 2.7 時間 |
| 排泄 |
腎臓と胆汁 |
| 識別 |
| CAS番号 |
16974-53-1
15500-66-0 (臭化物) |
| ATCコード |
M03AC01 |
| PubChem |
CID 441289 |
| DrugBank |
DB01337 |
| KEGG |
D00492 |
| 化学的データ |
| 化学式 |
C35H60N2O4 |
| 分子量 |
572.861 g/mol |
パンクロニウム(英: pancuronium)とはステロイド骨格を持つ神経筋接合遮断薬の一つ。一般には臭素と化合させた臭化パンクロニウムとして用いられる。
筋弛緩作用を持つため、手術を行いやすくする目的で麻酔薬と併用される。作用機序は運動終末板のコリン作動性受容体とアセチルコリンとの結合を競合的に拮抗することによる。コリンエステラーゼ阻害薬が存在すると、シナプスにおけるアセチルコリン濃度が高まるため、パンクロニウムの拮抗作用は低下する。
アメリカでは薬物による死刑執行時に使用する薬物としても知られる。
関連項目
- d-ツボクラリン
- ガラミン
- 薬殺刑
- アメリカ合衆国における死刑
参考文献
- Donald C. Plumb著 佐藤宏ほか監訳 『プラム 動物用医薬品ハンドブック 原書第3版』 株式会社ワハ 2003年
- 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018
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Japanese Journal
- P-1104 低体温療法施行中のシバリングに対する筋弛緩薬パンクロニウムの間歇的な使用について(一般演題 ポスター発表,ハイケアユニット業務(ICU・CCU・SCU・救急等),Enjoy Pharmacists' Lifestyles)
- 家兎摘出灌流肺におけるベクロニウムおよびパンクロニウムの肺循環への影響
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- P-1104 低体温療法施行中のシバリングに対する筋弛緩薬パンクロニウムの間歇的な 使用について(一般演題 ポスター発表, ... 通常、成人には初回量パンクロニウム臭化物 として、0.08mg/kgを静脈内投与し、術中必要に応じて0.02?0.04mg/kgを追加投与する ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ミオブロック静注4mg
組成
- ミオブロック静注4mg:1管2mL中に、日局パンクロニウム臭化物4mgを含有
添加物
- 1管2mL中に、酢酸ナトリウム4mg、等張化剤、pH調整剤を含有
効能または効果
- 脳神経外科、一般外科、小児外科、産婦人科、整形外科、耳鼻科、泌尿器科、口腔外科など各科領域における手術時の筋弛緩
- 通常、成人には初回量パンクロニウム臭化物として、0.08mg/kgを静脈内投与し、術中必要に応じて0.02?0.04mg/kgを追加投与する。
なお年齢・症状により適宜増減する。
慎重投与
- 呼吸困難及び気道閉塞のある患者[換気不全により、患者の自発呼吸の再開が遅れることがある。]
- 肝疾患、胆道疾患又は腎疾患の患者[本剤の排泄が遅れるため作用が遷延することがある。]
- 気管支喘息の患者[喘息発作、気管支痙攣を起こすことがある。]
- 電解質異常(低カリウム血症、低カルシウム血症、高マグネシウム血症等)、低蛋白血症、脱水症、アシドーシス、高炭酸ガス血症の患者[本剤の作用が増強されるおそれがある。]
- 妊婦(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
- 高血圧症の患者[血圧上昇を起こすことがある。]
- 低体温麻酔及び低体温灌流法による人工心肺使用の患者[作用の遷延がみられることがある。]
- 重症筋無力症、筋無力症症候群の患者を除く神経筋疾患の患者(筋ジストロフィー、筋緊張症候群、先天性ミオパシー、脊髄性筋萎縮症、ギラン・バレー症候群等)又はポリオ罹患後の患者[本剤の作用の増強又は減弱が生じることがある。]
- 心拍出量の低下が認められる患者[作用発現時間が遅延することがある。]
- 肥満の患者[実体重で投与量を算出した場合、作用持続時間が延長し回復が遅延することがある。]
- 熱傷の患者[筋弛緩剤の作用が抑制されることが知られている。]
重大な副作用
*ショック、アナフィラキシー様症状
頻度不明
- ショック、アナフィラキシー様症状(気道内圧上昇、血圧低下、頻脈、全身発赤等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
遷延性無呼吸
0.1%未満
- 遷延性無呼吸があらわれることがある。このような場合には、自発呼吸が回復するまで呼吸管理を行うこと。
横紋筋融解症
頻度不明
- 筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急激に腎機能が悪化し、腎不全等の重篤な症状に移行することがあるので、このような場合には直ちに投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
*気管支痙攣
頻度不明
- 気管支痙攣を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
神経筋遮断作用
- パンクロニウム臭化物は神経筋接合部を遮断することにより筋弛緩作用を示すことが認められている。
- 麻酔下のネコによる実験で、本剤の静脈内注射により、神経の間接刺激によるtwitch responseを抑制するが、その抑制中は、筋の直接刺激による正常のtwitch responseを示すことが明らかにされている7)。
- 健康人の筋弛緩作用を握力の90%低下を指標とした用量?反応曲線にて比較した場合、本剤の作用はd-ツボクラリンの約5倍で、その持続時間は同程度であるとされている8)。
- 麻酔下のネコ及びヒトでの実験で、本剤は非脱分極性筋弛緩剤に属し、その作用はコリンエステラーゼ阻害剤により抑制される7,9)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- パンクロニウム臭化物(Pancuronium Bromide)
化学名
- 1,1'-(3α,17β-Diacetoxy-5α-androstan-2β,16β-diyl)bis(1-methylpiperidinium) dibromide
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、エタノール(95)又は無水酢酸に溶けやすい。吸湿性である。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- pharmacology
- 関
- drug entries
定義
- 生物系と化学物質の選択的な相互作用を研究する学問 (SPC.2)
生物系と薬の相互作用
- 薬の生物系に対する相互作用:薬理作用 <-化学の視点
- 生物系の薬に対する相互作用:薬物動態 <-生物の視点
関連分野
- 薬物学 materia medica
- 生薬学
- 実験薬理学
- 臨床薬理学
- 動物薬理学
- 人体薬理学
- 比較薬理学
- 薬理作用学(薬力学)
- 薬物動態学
- 中毒学、毒科学
- 薬物治療学
- 処方学
薬品の命名
薬一覧
薬理動態
神経伝達物質
神経筋接合部遮断薬(筋弛緩薬)
交感神経作動薬
- →アドレナリン受容体
交感神経遮断薬
- →アドレナリン受容体
副交感神経作動薬
- →アセチルコリン受容体
副交感神経遮断薬
- →アセチルコリン受容体
甲状腺関連物質
[★]
- 英
- nicotinic receptor
- 同
- ニコチン性受容体、ニコチン性アセチルコリン受容体
- 関
- アセチルコリン受容体、アドレナリン受容体
- 神経筋接合部の運動終板に存在するニコチン性受容体:NM受容体
- 神経筋接合部では、4種類5個のサブユニットからなる→五量体
- α1, α1, β1, γ, δ ← 胎児
- α1, α1, β1, ε, δ ← 成人
- 自律神経節、副腎髄質に存在するニコチン性受容体:NN受容体
| 受容体
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サブユニット
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局在
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透過するイオン
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作動薬
|
阻害薬
|
| NM受容体
|
胎児
|
(α1)2, β1, γ, δ
|
骨格筋の神経筋接合部
|
Na+, K+
|
アセチルコリン ニコチン スキサメトニウム デカメトニウム
|
ベクロニウム パンクロニウム アトラクリニウム d-ツボクラリン
|
| 成人
|
(α1)2, β1, ε, δ
|
| NN受容体
|
(α3)2, (β4)3
|
自律神経節 副腎髄質
|
Na+, K+
|
アセチルコリン ニコチン epibatidine dimethylphenylpiperazinium
|
triethaphan mecamylamine
|
| CNS
|
(α4)2, (β4)3
|
postjunctional prejunctional
|
Na+, K+
|
cytisine, epibatidine anatoxin A
|
mecamylamine dihydro-β-erythrodine erysodine lophotoxin
|
| (α7)5
|
postsynaptic presynaptic
|
Ca2+
|
anatoxin A
|
methyllycaconitine α-bungarotoxin α-conotoxin IMI
|
[★]
- 英
- nondepolarizing muscle relaxant non-depolarizing muscle relaxant
- 同
- 競合的神経筋遮断薬 competitive neuromuscular blocker、競合的筋弛緩薬 competitive muscle relaxant、非脱分極性神経筋遮断薬 non-depolarizing neuromuscular blocker、非脱分極性遮断薬 nondepolarizing blocking drugs、クラーレ様作用薬 curarimimetic、クラーレ様物質
- 関
- 脱分極性筋弛緩薬、筋弛緩薬、Train of four monitor、脱分極性遮断薬、神経筋接合部遮断薬
[show details]
- ニコチン性アセチルコリン受容体にアセチルコリンと競合的に結合することで、アセチルコリンの受容体結合を阻害
- 脱分極させることなく、アセチルコリンと競合してアセチルコリン結合部位への結合を妨げる。
- 重症筋無力症の場合、(競合してAch受容体を奪うため)少量の非脱分極性筋弛緩薬でも筋弛緩が出現 (SPC.169)
拮抗薬
[★]
- 関
- 健胃消化剤、パンクレアン、パンクレアチン