- 英
- nicotinic acetylcholine receptor, nAChR
- 関
- アセチルコリン・チャネル
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/01 19:06:48」(JST)
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アセチルコリン受容体(アセチルコリンじゅようたい、英: acetylcholine receptor、AChR)は神経伝達物質であるアセチルコリンの受容体である。アセチルコリンによって刺激されるので、コリン作動性受容体とも呼ばれる。 アセチルコリン受容体は代謝調節型のムスカリン受容体とイオンチャネル型のニコチン受容体の二つに大別される。ムスカリンがムスカリン受容体アゴニストとして、ニコチンがニコチン受容体アゴニストとして働くことからこの名前がある。 アセチルコリンはどちらの受容体にも作用する。アセチルコリン受容体に作用する薬は、その作用する受容体及びその受容体の存在する組織によって異なる作用を示す。薬物の中にはどちらにも作用するものと、どちらか一方により選択的に作用するものがある。
目次
- 1 ムスカリン受容体
- 1.1 サブタイプ
- 1.2 ムスカリン受容体の刺激作用
- 1.3 ムスカリン受容体を刺激する薬物
- 1.4 ムスカリン受容体を遮断する薬物
- 2 ニコチン受容体
- 2.1 ニコチン受容体の刺激作用
- 2.2 ニコチン受容体を刺激する薬物
- 2.3 ニコチン受容体を遮断する薬物
- 3 注釈
- 4 参考文献
- 5 関連項目
ムスカリン受容体
ムスカリン受容体(mAchR)は代謝調節型の受容体でGタンパク質共役受容体(GPCR)の一種である。末梢では副交感神経の神経終末に存在し、副交感神経の効果器の活動を制御する。中枢にも存在している。尚、ムスカリン受容体はさらに細かくM1~M5のサブタイプで分類され[1]、それぞれの受容体に非選択的に作用する薬と選択的に作用する薬が存在する。副交感神経終末にはM1受容体が多い。
サブタイプ
- M1 - 脳(皮質、海馬)、腺、交感神経に分布
- M2 - 心臓、後脳、平滑筋に分布
- M3 - 平滑筋、腺、脳に分布
- M4 - 脳(前脳、線条体)に分布
- M5 - 脳(黒質)、眼に分布
ムスカリン受容体の刺激作用
- 心臓では、洞房結節に作用し、心拍数を低下させる。
- 消化器では、一般に消化管運動、消化液(胃酸・唾液)の分泌を促進する。
- 血管平滑筋は拡張し、血圧が低下する。
- 気管支平滑筋は収縮する。
- 眼では、縮瞳し、眼圧が低下する。
- 膀胱は収縮し排尿を促す。膀胱にはM2/M3受容体が多い。
ムスカリン受容体を刺激する薬物
- ピロカルピン
- セビメリン
- ベタネコール
- ムスカリン
ムスカリン受容体を遮断する薬物
アセチルコリンがムスカリン受容体を刺激することを阻害する。ムスカリン受容体拮抗薬(M1ブロッカー、Muscarinic antagonist)。
- アトロピン
- トロピカミド
- オキシブチニン
- プロピベリン
- トルテロジン
- ソリフェナシン
- イミダフェナシン
ニコチン受容体
ニコチン受容体(nAchR)は、イオンチャネル型の受容体で、末梢では自律神経(交感神経と副交感神経)の節前線維終末(副腎髄質での神経終末を含む)及び運動神経終末に存在しており、交感神経も副交感神経もともにニコチン受容体を介して興奮が伝達され、筋肉の運動はニコチン受容体を介して行われる。尚、自律神経節前線維終末受容体(NN受容体)と運動神経終末のニコチン受容体(NM受容体)は厳密には異なる受容体であり、非選択的に作用する薬と選択的に作用する薬がある。
ニコチン受容体の刺激作用
- NN受容体を介して交感神経及び副交感神経の興奮様作用が起こる。一般に交感神経と副交感神経は「拮抗的二重支配」を行っており、その作用は互いに拮抗することが多い。よってどちらの作が現れるかは、どちらの神経がより優位にその組織を支配しているかによって決まる。
- 心臓は副交感神経が優位に支配しており、心拍数が低下する。
- 血圧(血管平滑筋)の支配は交感神経が優位に支配しており血圧は上昇する。
- 消化器系は副交感神経が優位に支配しており、ムスカリン受容体刺激様作用が生じる。
- NM受容体を介して筋肉の収縮が起こり痙攣を生じる。
ニコチン受容体を刺激する薬物
- カルバコール
- ニコチン
- ネオスチグミン(骨格筋の受容体にのみ作用)
ニコチン受容体を遮断する薬物
アセチルコリンがニコチン受容体に結合することを阻害する。
- スキサメトニウム(スキサメトニウムはアンタゴニストではなく、アセチルコリンよりも長く脱分極させることで次の興奮が伝えられなくなることにより作用を発揮する)
- ヘキサメトニウム
- パンクロニウム
- ベクロニウム(英語版)
- ツボクラリン
注釈
- ^ meddic - 医学用語集めでぃっく [ムスカリン受容体]
参考文献
松崎 雄 「疼痛伝達機構における帯状回ムスカリン受容体の役割 - 神経因性疼痛モデルを用いた検討」 NAID 110008146938
山崎 良彦「海馬の神経回路におけるニコチンの作用」 NAID 10026544506
関連項目
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Japanese Journal
- ガランタミン (認知症学(下)その解明と治療の最新知見) -- (臨床編)
- 新規アルツハイマー型認知症治療薬ガランタミン(レミニール^【○!R】)の薬理学的特性および臨床試験成績
- 梛野 健司,敷波 幸治,齋藤 隆行,原田 寧
- 日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica 138(3), 122-126, 2011-09-01
- … として,軽度および中等度のアルツハイマー型認知症(AD)における認知症症状の進行抑制の適応症を取得した.ガランタミンの作用機序は,AChEに対して可逆的に競合阻害作用を示し,さらにニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)のアセチルコリン結合部位と異なる部位に結合し,アロステリック活性化リガンド(APL)として作用することでnAChRに対するアセチルコリン(ACh)の作用を増強させる(APL作用).In …
- NAID 10029604141
Related Links
- 部位 自律神経の節前節終末 (神経節) 運動神経終末 (神経骨格筋接合部) 心臓 (洞房結節) 腸 (平滑筋) 受容体の種類 (サブタイプ) ニコチン性受容体 (N N 受容体) ニコチン性受容体 (N M 受容体) ムスカリン性受容体 (M2)
- アセチルコリンの受容体は、ニコチン性アセチルコリン受容体とムスカリン性アセチルコリン受容体に大別され、それぞれアセチルコリンによるニコチン様作用(骨格筋や神経節での刺激作用)とムスカリン様作用(副交感神経支配 ...
- ニコチン性アセチルコリン 受容体に関する最近の知見 〜神経型ニコチン性アセチ ルコリン受容体を中心に The Up-to-Date Topics of Neuronal Nicotinic Acetylcholine Receptor ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)は中枢神経から ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- nicotinic receptor
- 同
- ニコチン性受容体、ニコチン性アセチルコリン受容体
- 関
- アセチルコリン受容体、アドレナリン受容体
- 神経筋接合部の運動終板に存在するニコチン性受容体:NM受容体
- 神経筋接合部では、4種類5個のサブユニットからなる→五量体
- α1, α1, β1, γ, δ ← 胎児
- α1, α1, β1, ε, δ ← 成人
- 自律神経節、副腎髄質に存在するニコチン性受容体:NN受容体
受容体
|
サブユニット
|
局在
|
透過するイオン
|
作動薬
|
阻害薬
|
NM受容体
|
胎児
|
(α1)2, β1, γ, δ
|
骨格筋の神経筋接合部
|
Na+, K+
|
アセチルコリン ニコチン スキサメトニウム デカメトニウム
|
ベクロニウム パンクロニウム アトラクリニウム d-ツボクラリン
|
成人
|
(α1)2, β1, ε, δ
|
NN受容体
|
(α3)2, (β4)3
|
自律神経節 副腎髄質
|
Na+, K+
|
アセチルコリン ニコチン epibatidine dimethylphenylpiperazinium
|
triethaphan mecamylamine
|
CNS
|
(α4)2, (β4)3
|
postjunctional prejunctional
|
Na+, K+
|
cytisine, epibatidine anatoxin A
|
mecamylamine dihydro-β-erythrodine erysodine lophotoxin
|
(α7)5
|
postsynaptic presynaptic
|
Ca2+
|
anatoxin A
|
methyllycaconitine α-bungarotoxin α-conotoxin IMI
|
[★]
- 英
- nicotinic acetylcholine receptor
- 関
- ニコチン性アセチルコリン受容体
[★]
ニコチン性アセチルコリン受容体, nicotinic acetylcholine receptor
[★]
ニコチン性アセチルコリン受容体 nACh受容体
[★]
ニコチン性アセチルコリン受容体, nAChR
[★]
- 英
- receptor
- 同
- レセプター、リセプター
- 関
種類
First Aid FOR THE USMLE STEP 1 2006 p.199
一般的作動薬
|
受容体
|
G protein subunit
|
作用
|
アドレナリン ノルアドレナリン
|
α1
|
Gq
|
血管平滑筋収縮
|
α2
|
Gi
|
中枢交感神経抑制、インスリン放出抑制
|
β1
|
Gs
|
心拍数増加、収縮力増加、レニン放出、脂肪分解
|
β2
|
骨格筋筋弛緩、内臓平滑筋弛緩、気道平滑筋弛緩、グリコーゲン放出
|
β3
|
肥満細胞脂質分解亢進
|
アセチルコリン
|
M1
|
Gq
|
中枢神経
|
M2
|
Gi
|
心拍数低下
|
M3
|
Gq
|
外分泌腺分泌亢進
|
ドーパミン
|
D1
|
Gs
|
腎臓平滑筋弛緩
|
D2
|
Gi
|
神経伝達物質放出を調節
|
ヒスタミン
|
H1
|
Gq
|
鼻、器官粘膜分泌、細気管支収縮、かゆみ、痛み
|
H2
|
Gs
|
胃酸分泌
|
バソプレシン
|
V1
|
Gq
|
血管平滑筋収縮
|
V2
|
Gs
|
腎集合管で水の透過性亢進
|
チャネルの型による分類(SP. 154改変)
イオンチャネル連結型受容体
Gタンパク質共役型受容体
受容体とシグナル伝達系
リガンド、受容体、細胞内情報伝達系
PKA,PKC
癌細胞における
[★]
- 英
- acetylcholine receptor, AChR
- 同
- コリン作動性受容体 (SPC.134)、Ach受容体、アセチルコリン作動性受容体
- 関
- アドレナリン受容体、アセチルコリン
アセチルコリン受容体 (SP.412)
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- acetylcholine (K), ACh
- 化
- 塩化アセチルコリン、アセチルコリン塩化物 acetylcholine chloride
- 商
- オビソート、ノイコリンエー
- 関
- アセチルコリン受容体、アセチルコリンエステラーゼ、muscannic acetylcholine
作用機序
構造式
- 構造式:(CH3)3N+-CH2-CH2-OCO-CH3
代謝
薬理作用
心臓 (SPC.154)
- 洞房結節のK+に対する透過性を高め、静止電位を低下させるため
血管
血圧
平滑筋
分泌腺
骨格筋
交換神経終末
[★]
- 英
- nicotine
- ラ
- nicotinum
- 商
- ニコレット、ニコチネルTTS
- 関
- 他に分類されない治療を主目的としない医薬品
作用
- 自律神経節に作用、、、結果として血圧を上昇させる。
臨床関連