レボドパ、カルビドパ水和物
- 関
- 抗パーキンソン剤
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- 作成又は改訂年月 **2013年8月改訂(第13版) *2011年6月改訂 日本標準商品分類番号 871169 薬効分類名 パーキンソニズム治療剤 承認等 販売名 パーキストン配合錠L100 販売名コード 1169101F1138 承認・許可番号 承認番号
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
パーキストン配合錠L100
組成
成分・含量
- 1錠中、日局レボドパ100mg、日局カルビドパ水和物10.8mg(無水カルビドパとして10mg)含有
添加物
- 乳糖水和物
トウモロコシデンプン
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース
結晶セルロース
ステアリン酸マグネシウム
黄色5号
禁忌
- 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。]
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 非選択的モノアミン酸化酵素阻害剤投与中の患者[「重要な基本的注意」、「相互作用」の項参照]
効能または効果
レボドパ未服用患者
- 通常成人に対し、レボドパ量として1回100〜125mg、1日100〜300mg経口投与よりはじめ、毎日又は隔日にレボドパ量として100〜125mg宛増量し、最適投与量を定め維持量(標準維持量はレボドパ量として1回200〜250mg、1日3回)とする。 なお、症状により適宜増減するが、レボドパ量として1日1500mgを超えないこととする。
レボドパ既服用患者
- 通常成人に対し、レボドパ単味製剤の服用後、少なくとも8時間の間隔をおいてから、レボドパ1日維持量の約1/5量に相当するレボドパ量を目安として初回量をきめ、1日3回に分けて経口投与する。以後、症状により適宜増減して最適投与量を定め維持量(標準維持量はレボドパ量として1回200〜250mg、1日3回)とするが、レボドパ量として1日1500mgを超えないこととする。
レボドパ未服用患者
パーキストン配合錠L100
- 1回1錠、1日1〜3錠よりはじめ、毎日又は隔日に1錠宛増量し、最適量を定め維持量 (標準:1回2錠、1日3回) とする。
症状により適宜増減するが、1日15錠を超えないこと。
*パーキストン配合錠L250
- 1回1/2錠、1日1/2〜1錠よりはじめ、毎日又は隔日に1/2錠宛増量し、最適量を定め維持量 (標準:1回1錠、1日3回) とする。
症状により適宜増減するが、1日6錠を超えないこと。
レボドパ既服用患者
パーキストン配合錠L100
- レボドパ単味製剤の服用後、少なくとも8時間の間隔をおいてから、1日維持量の約1/5量に相当するレボドパ量を目安として初回量をきめ、1日3回に分割投与する。以後、症状により適宜増減して最適量を定め維持量 (標準:1回2錠、1日3回) とする。1日15錠を超えないこと。
*パーキストン配合錠L250
- レボドパ単味製剤の服用後、少なくとも8時間の間隔をおいてから、1日維持量の約1/5量に相当するレボドパ量を目安として初回量をきめ、1日3回に分割投与する。以後、症状により適宜増減して最適量を定め維持量 (標準:1回1錠、1日3回) とする。1日6錠を超えないこと。
慎重投与
- 肝又は腎障害のある患者[副作用の発現が増加するおそれがある。]
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍のある患者又はその既往歴のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 糖尿病患者[血糖値の上昇を誘発し、インスリン必要量を増大させるとの報告がある。]
- 重篤な心・肺疾患、気管支喘息又は内分泌系疾患のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
- 慢性開放隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。]
- 自殺傾向など精神症状のある患者[精神症状が悪化するおそれがある。]
重大な副作用
- Syndrome malin(頻度不明):急激な減量又は投与中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック状態等があらわれることがあるので、このような場合には、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等適切な処置を行うこと。
- 錯乱、幻覚、抑うつ(頻度不明):錯乱、幻覚、抑うつがあらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の悪化(頻度不明):胃潰瘍・十二指腸潰瘍の悪化があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 溶血性貧血(頻度不明):溶血性貧血があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 突発的睡眠(頻度不明):前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので、このような場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」の項参照]
薬効薬理
- レボドパ
現在最も効果的なパーキンソン病治療薬である。本薬はドパミンの前駆物質であり、生体内で芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素によりドパミンに変換される。パーキンソン病の主な病変は中脳黒質緻密部から大脳基底核の線条体に投射するドパミンニューロンの変性、脱落である。その結果、黒質-線条体ドパミン系の機能が低下し、振戦、筋固縮、無動症及び随伴する姿勢異常などのパーキンソン病症状が現れる。ドパミン自体は血液脳関門を通過できないので末梢投与では脳内に到達しない。しかし、その前駆物質である本薬はアミノ酸であるので血液脳関門を通過し、線条体でドパミンに変換され、不足しているドパミンを補充することにより治療効果を発揮する。4)
- カルビドパ水和物
末梢性芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素阻害薬であり、パーキンソン病治療薬であるレボドパの補助薬として併用される。カルビドパ自体は常用量で薬理作用を示さない。類似した作用を持つ薬物としてベンセラジドがある。レボドパはドパミンの前駆物質であり、血液脳関門を透過し脳内に取り込まれ、ドパミンに転換されて生理、薬理作用を発揮することで、パーキンソン病及びパーキンソン症候群の諸症状を改善する。カルビドパは血液脳関門を通過しないので、末梢の芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素によるレボドパの代謝を抑制し、レボドパの脳内移行を増大する。その結果、レボドパの臨床有効量を減量することができる。レボドパ療法における末梢性副作用が軽減され、治療効果の変動が改善される。5)
有効成分に関する理化学的知見
レボドパ
- 一般名:レボドパ(Levodopa)
化学名:3-Hydroxy-L-tyrosine
分子式:C9H11NO4
分子量:197.19
性状:白色又はわずかに灰色を帯びた白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。
ギ酸に溶けやすく、水に溶けにくく、エタノール(95)にほとんど溶けない。
希塩酸に溶ける。
飽和水溶液のpHは5.0〜6.5である。
融点:約275℃(分解)
構造式:
カルビドパ水和物
- 一般名:カルビドパ水和物(Carbidopa Hydrate)
化学名:(2S)-2-(3,4-Dihydroxybenzyl)-2-hydrazinopropanoic acid monohydrate
分子式:C10H14N2O4・H2O
分子量:244.24
性状:白色〜帯黄白色の粉末である。
メタノールにやや溶けにくく、水に溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点:約197℃ (分解)
構造式:
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- levodopa
- 同
- L-dopa、L-DOPA、LD、Lドーパ、L-ドーパ、L-ドパ、ドパ、ドーパ、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン 3,4-dihydroxyphenylalanine、ジヒドロキシフェニルアラニン dihydroxyphenylalanine
- 商
- ドパストン、ドパゾール、ドパール、イーシー・ドパール配合、カルコーパ配合、スタレボ配合、デュオドーパ配合、ドパコール配合、ドパゾール、ネオドパストン配合、ネオドパゾール配合、パーキストン配合、マドパー配合、メネシット配合、レプリントン配合
[show details]
相互作用
薬剤名等
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臨床症状・措置方法
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機序・危険因子
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レセルピン製剤
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脳内ドパミンが減少し本剤の作用が減弱するおそれ
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脳内のドパミンを減少させてパーキンソン症状を悪化させる。
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テトラベナジン
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血圧降下剤(メチルドパ水和物、レセルピン、節遮断剤等)
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血圧降下剤の作用を増強することがある
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機序は不明であるが、レボドパに血圧降下作用があるためと考えられている。
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抗精神病薬(フェノチアジン系薬剤 (クロルプロマジン等) 、 ブチロフェノン系薬剤 (ハロペリドール等)、ペロスピロン等
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本剤の作用が減弱することがある
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これらの薬剤によりドパミン受容体が遮断される。
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全身麻酔剤(ハロタン等)
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不整脈を起こすことがある
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ハロタン等は交感神経のα、βレセプターの感受性を高める。一方、レボドパとの併用ではレボドパから転換したドパミンがα、βレセプターに作用して、不整脈を起こす可能性がある。
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ピリドキシン
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末梢での本剤の脱炭酸化を促進するため、本剤の作用が減弱することがある
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ピリドキシンはレボドパ脱炭酸酵素の補酵素であり、併用によりレボドパの末梢での脱炭酸化を促進し、レボドパの脳内作用部位への到達量を減少させると考えられる。
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抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ブロモクリプチンメシル酸塩
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精神神経系の副作用が増強することがある
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併用によりレボドパの効果増加につながるが、同時に精神神経系の副作用が増強される可能性もある。
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NMDA受容体拮抗剤(メマンチン塩酸塩等)
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本剤の作用を増強するおそれ
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これらの薬剤により、ドパミン遊離が促進する可能性がある。
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パパベリン塩酸塩
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本剤の作用が減弱するおそれ
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パパベリン塩酸塩が線条体にあるドパミンレセプターをブロックする可能性がある。
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鉄剤
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本剤の作用が減弱するおそれ
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キレートを形成し、本剤の吸収が減少するとの報告がある。
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イソニアジド
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本剤の作用が減弱するおそれ
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機序は不明であるが、イソニアジドによりドパ脱炭酸酵素が阻害されると考えられている。
|
[★]
- 英
- antiparkinsonian drug
- 関
- 抗パーキンソン病薬
商品
[★]
- 英
- carbidopa
- 商
- カルコーパ配合、ドパコール、ネオドパストン配合、パーキストン配合、メネシット配合、レプリントン、レプリントン配合
[★]
- 英
- compound、combination、mixture、compound
- 関
- 化合物、組み合わせ、混合、混合物、コンパウンド、複方、併用、化合、合併、コンビネーション、組合せ
[★]
カルビドパ、レボドパ