レボドパ
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レボドパ
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IUPAC命名法による物質名 |
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IUPAC名 (S)-2-amino-3-(3,4-dihydroxyphenyl) propanoic acid |
臨床データ |
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投与方法 |
経口 |
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薬物動態データ |
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生物学的利用能 |
30% |
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代謝 |
芳香族-L-アミノ酸脱炭酸酵素 |
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半減期 |
0.75–1.5 時間 |
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排泄 |
腎から 70–80% |
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識別 |
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CAS番号
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59-92-7 |
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ATCコード |
N04BA01 (WHO) |
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PubChem |
CID: 6047 |
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DrugBank |
APRD00309 |
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KEGG |
D00059 (C00355) |
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別名 |
L-ドーパ |
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化学的データ |
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化学式 |
C9H11NO4 |
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分子量 |
197.19 g/mol |
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レボドパまたはL-ドパ(正式名称:L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、英語: L-3,4-dihydroxyphenylalanine)は、動物、植物の体内で生成される化学物質である。
所在と生理作用
自然界に産生され、ある種の食物や薬草、例えばハッショウマメに含まれ[1]、哺乳類では準必須アミノ酸であるL-チロシン(L-Tyr)から体内や脳内で合成される。チロシンはチロシン水酸化酵素によりレボドパとなる。レボドパはレボドパ脱炭酸酵素によりドーパミンとなる。すなわちレボドパは、総称的にカテコールアミン(カテコラミン)として知られる神経伝達物質である、ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンの前駆体である。
その本来の生物学的に必須な役割以外に、レボドパは血液脳関門を通過できる性質を活用して、パーキンソン病(PD)とドパミン反応性デストニア(DSD)の臨床療法に用いられる。医薬品としては、国際一般名を用いてレボドパと呼ばれるのが普通である。これを含む商品名としては、シネメット、パーコーパ、アタメット、スタレボ、マドパー、プロローパ等がある。
補助食品(サプリメント)または向精神薬として用いられる。
適応
- パーキンソン病
- パーキンソン症候群
- ドパ反応性ジストニア(en)。
出典
- ^ 藤井 義晴、「未利用植物の有効利用と調理科学への期待」、『日本調理科学会誌』Vol. 41 (2008) No. 3 p. 204-209
関連項目
- 抗パーキンソン病薬
- レボドパ・カルビドパ合剤
- パーキンソン病
- カテコールアミン
- 前駆体
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
成分・含量(1g中)
添加物
- アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、カルメロースカルシウム、二酸化ケイ素、白糖、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、l-メントール
禁忌
- 褐色細胞腫の患者〔褐色細胞腫の患者では血中にカテコラミンが過剰に分泌されているので、ドパミン産生物質を投与すると、一層の過剰反応が起こったり、期待した効果が得られないおそれがある。〕
効能または効果
- 塩酸ドパミン注射液、塩酸ドブタミン注射液等の少量静脈内持続点滴療法(5μg/kg/min未満)からの離脱が困難な循環不全で、少量静脈内持続点滴療法から経口剤への早期離脱を必要とする場合
- 通常、成人にはドカルパミンとして1日量2250mg(本剤3g)を3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 肥大型閉塞性心筋症(特発性肥厚性大動脈弁下狭窄)の患者〔心収縮力増強作用により、左室流出障害を増強させるおそれがある。〕
重大な副作用
- 心室頻拍(1%未満)等の不整脈があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、抗不整脈剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
- AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、LDH、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害(1%未満)や黄疸(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- 本剤はドパミンのカテコール基及びアミノ基を保護した化学構造を持ち、消化器及び肝臓におけるドパミンの初回通過代謝が軽減され、効率的に血漿中遊離型ドパミン濃度を上昇させる。本剤の腎血管拡張作用はDA1拮抗薬により、心収縮力増強作用はβ遮断薬によりほば完全に抑制される。したがって、本剤の作用機序はDA1及び心筋β1受容体の活性化によると思われる。3)
心収縮力増強作用
- 麻酔犬に7〜20mg/kgを十二指腸内投与した場合、心収縮能(LV dp/dt max)を用量依存的に増強させる。4)
腎血流増加作用・尿量増加作用
- 生理食塩液負荷麻酔犬に11.2mg/kgを十二指腸内投与した場合、腎血流量、糸球体濾過値をそれぞれ24%増加させ、尿量を2.9倍に増加させる。その際のNa排泄量は2.6倍に、K排泄量は1.8倍に増加しており、Na排泄のほうがより著明にあらわれる。5)
末梢血流量増加作用
- 麻酔犬に11.2mg/kgを十二指腸内投与した場合、腸間膜動脈血流量を26%増加させる。5)麻酔犬に12mg/kgを十二指腸内投与した場合、心拍出量を20%、門脈血流量を21%、冠動脈血流量を15%増加させる。6)
心拍数、血圧に及ぼす影響
- 麻酔犬に3.7〜33.5mg/kgを十二指腸内投与した場合、血圧、心拍数にはほとんど影響を与えない。5)
有効成分に関する理化学的知見
○分子式
○分子量
○性状
- ・白色の結晶性の粉末又は粒で、特異なにおいがあり、味は苦い。
- ・アセトニトリル、エタノール(99.5)又はアセトンに溶けやすく、水又は無水エーテルに極めて溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- levodopa
- 同
- L-dopa、L-DOPA、LD、Lドーパ、L-ドーパ、L-ドパ、ドパ、ドーパ、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン 3,4-dihydroxyphenylalanine、ジヒドロキシフェニルアラニン dihydroxyphenylalanine
- 商
- ドパストン、ドパゾール、ドパール、イーシー・ドパール配合、カルコーパ配合、スタレボ配合、デュオドーパ配合、ドパコール配合、ドパゾール、ネオドパストン配合、ネオドパゾール配合、パーキストン配合、マドパー配合、メネシット配合、レプリントン配合
[show details]
相互作用
薬剤名等
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臨床症状・措置方法
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機序・危険因子
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レセルピン製剤
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脳内ドパミンが減少し本剤の作用が減弱するおそれ
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脳内のドパミンを減少させてパーキンソン症状を悪化させる。
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テトラベナジン
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血圧降下剤(メチルドパ水和物、レセルピン、節遮断剤等)
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血圧降下剤の作用を増強することがある
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機序は不明であるが、レボドパに血圧降下作用があるためと考えられている。
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抗精神病薬(フェノチアジン系薬剤 (クロルプロマジン等) 、 ブチロフェノン系薬剤 (ハロペリドール等)、ペロスピロン等
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本剤の作用が減弱することがある
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これらの薬剤によりドパミン受容体が遮断される。
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全身麻酔剤(ハロタン等)
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不整脈を起こすことがある
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ハロタン等は交感神経のα、βレセプターの感受性を高める。一方、レボドパとの併用ではレボドパから転換したドパミンがα、βレセプターに作用して、不整脈を起こす可能性がある。
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ピリドキシン
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末梢での本剤の脱炭酸化を促進するため、本剤の作用が減弱することがある
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ピリドキシンはレボドパ脱炭酸酵素の補酵素であり、併用によりレボドパの末梢での脱炭酸化を促進し、レボドパの脳内作用部位への到達量を減少させると考えられる。
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抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ブロモクリプチンメシル酸塩
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精神神経系の副作用が増強することがある
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併用によりレボドパの効果増加につながるが、同時に精神神経系の副作用が増強される可能性もある。
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NMDA受容体拮抗剤(メマンチン塩酸塩等)
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本剤の作用を増強するおそれ
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これらの薬剤により、ドパミン遊離が促進する可能性がある。
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パパベリン塩酸塩
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本剤の作用が減弱するおそれ
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パパベリン塩酸塩が線条体にあるドパミンレセプターをブロックする可能性がある。
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鉄剤
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本剤の作用が減弱するおそれ
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キレートを形成し、本剤の吸収が減少するとの報告がある。
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イソニアジド
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本剤の作用が減弱するおそれ
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機序は不明であるが、イソニアジドによりドパ脱炭酸酵素が阻害されると考えられている。
|
[★]
- 英
- vitamin B6
- 同
- 塩酸ピリドキシン pyridoxine hydrochloride、ピリドキシン pyridoxine
- 商
- アリチア配合
- 関
- ビタミン
- ピリドキサールリン酸, pyridoxal phosphate
概念
機能
- セロトニンの生合成 ← 5-hydroxytraptophanの脱炭酸
主要な反応・機能
- FB.289 HBC.498
- 転移反応、脱炭酸反応、離脱反応、ラセミ化 に関与。補酵素として活性を持つのは「ピリドキサル5'-リン酸 PLP」
- ヒスチジン---(ヒスチジンデカルボキシラーゼ + PLP)--→ヒスタミン +
- グルタミン酸---()--→GABA
- 5-ヒドロキシトリプトファン---(芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ + PLP)--→セロトニン + CO2
- ドーパ---(dopa decarboxylase + PLP)--→ドパミン + CO2
- (グリコーゲン)n + Pi ---(グリコーゲンホスホリラーゼ + PLP)--→ (グリコーゲン)n-1 + グルコース1-リン酸(G1P)
- スクシニルCoA + グリシン ---(5-アミノレブリン酸シンターゼ + PLP)--→ 5-アミノレブリン酸(ALA) + CoA + CO2
- ステロイドホルモン・ホルモン受容体複合体をDNAより解離させ、ホルモンの働きを抑制する作用がある。このため、ビタミンB6欠乏ではエストロゲン、アンドロゲン、コルチゾール、ビタミンDの作用が増強される。ホルモン依存性の悪性腫瘍が存在する場合にビタミンB6欠乏の程度と予後が相関する(HBC.499)
臨床関連
[★]
- 英
- dihydroxyphenylalanine、3,4-dihydroxyphenylalanine、DOPA
- 関
- ドーパ、3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン、ドパ
[★]
3、ジヒドロキシフェニルアラニン、ドーパ
- 関
- dihydroxyphenylalanine、DOPA
[★]
- 英
- dopamine hydrochloride
- 関
- 塩酸ドパミン
[★]
ドパミン受容体遮断薬