ビペリデン
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1 : 1 mixture (racemate)
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
(1RS,2SR,4RS)-1-(bicyclo[2.2.1]hept-5-en-2-yl)-1-phenyl-3-(piperidin- 1-yl)propan-1-ol |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
Oral, IM, IV |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
33 ± 5% (oral) |
血漿タンパク結合 |
60% |
代謝 |
Hepatic hydroxylation |
半減期 |
18 to 24 hours |
排泄 |
Renal |
識別 |
CAS番号 |
514-65-8 |
ATCコード |
N04AA02 |
PubChem |
CID 2381 |
DrugBank |
APRD00725 |
ChemSpider |
2289 |
KEGG |
D00779 |
化学的データ |
化学式 |
C21H29NO |
分子量 |
311.461 g/mol |
SMILES
- OC(c1ccccc1)(CCN2CCCCC2)C4C3\C=C/C(C3)C4
|
ビペリテン (Biperiden) は、抗コリン型[1]の抗パーキンソン病薬[2]。塩酸塩が錠剤・細粒として、乳酸塩が注射剤として製剤化されており、先発薬はアキネトン(BASF/Knoll Pharma社)[3][4]。ジェネリック薬は世界中で発売されている。
目次
- 1 精神科の多剤大量処方において
- 2 商品名
- 3 種類
- 4 参考文献
精神科の多剤大量処方において
「抗パーキンソン病薬」および「過感受性精神病」も参照
1960年代にはパーキンソン病の治療にドーパミン補充療法が登場したため、抗コリン性のパーキンソン病薬は、主に抗精神病薬との併用において用いられており、ビペリデンは日本で使用されるその代表的な薬剤である[5]。しかし、使用を控えるように推奨される現代においても[5]、しばしば精神科の多剤大量処方にて用いられる[6]。
抗パーキンソン病薬にも離脱症状が生じるため抗精神病薬が1剤になった時点で抗パーキンソン病薬の減量に取り掛かるなど慎重にとりかかる必要がある[7]。
商品名
- アキネトン[3][4]
- タスモリン[8]
- ビカモール[9]
種類
参考文献
- ^ Pehl C, Wendl B, Kaess H, Pfeiffer A (October 1998). "Effects of two anticholinergic drugs, trospium chloride and biperiden, on motility and evoked potentials of the oesophagus". Aliment. Pharmacol. Ther. 12 (10): 979–84. doi:10.1046/j.1365-2036.1998.00398.x. PMID 9798802.
- ^ Jackisch R, Kruchen A, Sauermann W, Hertting G, Feuerstein TJ (October 1994). "The antiparkinsonian drugs budipine and biperiden are use-dependent (uncompetitive) NMDA receptor antagonists". Eur. J. Pharmacol. 264 (2): 207–11. doi:10.1016/0014-2999(94)00528-1. PMID 7851484.
- ^ a b 大日本住友製薬 (2007年6月). “アキネトン錠1mg/アキネトン細粒1%”. 医薬品医療機器総合機構. 2010年8月16日閲覧。
- ^ a b 大日本住友製薬 (2010年1月). “アキネトン注射液5mg”. 医薬品医療機器総合機構. 2010年8月16日閲覧。
- ^ a b 山田武史 「12 抗コリン性抗パーキンソン薬について教えて下さい。抗コリン性パーキンソン病を併用することによるデメリットはどのようなものがあるでしょうか?本当に認知機能に影響するのでしょうか?」『統合失調症の薬物療法100のQ&A』 藤井康男(編集)、稲垣中(編集協力)、星和書店、2008年5月、35-37頁。ISBN 978-4791106677。
- ^ 姫井昭男 『精神科の薬がわかる本』 医学書院、2008年、1版、113頁。ISBN 978-4-260-00763-4。
- ^ 笠陽一郎 『精神科セカンドオピニオン―正しい診断と処方を求めて』 シーニュ、2008年7月、204-206頁。ISBN 978-4-9903014-1-5。
- ^ 田辺三菱製薬 (2009年10月). “タスモリン錠1mg/タスモリン細粒1%”. 医薬品医療機器総合機構. 2010年8月16日閲覧。
- ^ 沢井製薬 (2008年6月). “ビカモール錠2mg”. 医薬品医療機器総合機構. 2010年8月16日閲覧。
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- アキネトンとは。効果、副作用、使用上の注意。 神経のはたらきを不活発にするアセチルコリンの作用を抑えて、神経のはたらきを活発にするアドレナリンとのバランスをとって 筋肉の硬直 、 手指の震え 、 抑うつ といった ...
- アキネトン 成分(一般名) : 塩酸ビペリデン アキネトンの効能 向精神薬投与によるパーキンソニズム・ジスキネジア(遅発性を除く)・アカシジア。 特発性パーキンソニズム。 その他のパーキンソニズム(脳炎後 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
成分・含量
添加物
- 結晶セルロース,トウモロコシデンプン,硬化油,軽質無水ケイ酸,ステアリン酸マグネシウム
禁忌
- 緑内障の患者〔本剤の抗コリン作用により眼内圧が亢進し,症状が悪化するおそれがある.〕
- 本剤の成分に対し過敏症の患者
- 重症筋無力症の患者〔本剤の抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある.〕
効能または効果
その他のパーキンソニズム(脳炎後,動脈硬化性,中毒性)
向精神薬投与によるパーキンソニズム・ジスキネジア(遅発性を除く)・アカシジア
- ビペリデン塩酸塩として,通常成人1回1mg(細粒は0.1g,錠は1錠)1日2回より始め,その後漸増し,1日3〜6mg(細粒は0.3〜0.6g,錠は3〜6錠)を分割経口投与する.
なお,年齢,症状により適宜増減する.
- 抗パーキンソン剤はフェノチアジン系薬剤,ブチロフェノン系薬剤,レセルピン誘導体等による口周部等の不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しない.
場合によっては,このような症状を増悪顕性化させることがある.
慎重投与
- 前立腺肥大など尿路に閉塞性疾患のある患者〔排尿障害が発現または悪化することがある.〕
- 胃腸管に閉塞性疾患のある患者〔腸管麻痺が発現または悪化するおそれがある.〕
- 不整脈または頻拍傾向のある患者〔不整脈等の循環器系の副作用を起こすおそれがある.〕
- 肝または腎障害のある患者〔代謝・排泄機能が低下しているため,副作用が起こりやすい.〕
- 高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
- てんかんの患者〔発作の誘因となるおそれがある.〕
- 高温環境にある患者〔発汗抑制が起こりやすい.〕
- 動脈硬化性パーキンソン症候群の患者〔精神神経系の副作用が起こりやすい.〕
- 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者〔Syndrome malin (悪性症候群)が起こりやすい.〕
重大な副作用
Syndrome malin(悪性症候群)
- 抗精神病薬,抗うつ剤およびドパミン作動系抗パーキンソン剤との併用において,本剤および併用薬の減量または中止により,発熱,無動緘黙,意識障害,強度の筋強剛,不随意運動,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等があらわれることがある.このような症状があらわれた場合には,体冷却,水分補給等の全身管理および本剤の投与量を一旦もとに戻した後慎重に漸減するなどの適切な処置を行うこと.本症発症時には,白血球の増加や血清CPKの上昇があらわれることが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下があらわれることがある.
依存性
- 本剤により気分高揚等が出現したとする報告があり,依存形成につながるおそれがあるので,観察を十分に行い,慎重に投与すること.
薬効薬理
抗振戦作用
- マウスのハルミン投与による振戦に対し,腹腔内投与でのED50は10.3mg/kgであり,アトロピン(ED50:28.3mg/kg)よりも強い5).また,マウスのトレモリン投与による振戦に対し,腹腔内投与でのED50は2.7mg/kgであり,プロメタジン(ED50:5.4mg/kg)よりも強い6).
抗硬直作用7)
- レセルピン投与によるラットの筋の緊張性活性(筋電図)についての検討で,5mg/kg静脈内投与によりレセルピン硬直を抑制し,αおよびγ反射活性を正常位に回復させる.
抗カタレプシー作用
- ラットのペルフェナジン投与によるカタレプシーに対し,2mg/kg腹腔内前投与により,投与1時間後で80%以上の抑制を示し,その作用はトリヘキシフェニジルと同等である8).また,ラットのプロクロルペラジン投与によるカタレプシーに対し,腹腔内投与でのED50は1.8mg/kgであり,トリヘキシフェニジル(ED50:8mg/kg)よりも強い9).
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ビペリデン塩酸塩 Biperiden Hydrochloride
化学名
- 1-(Bicyclo[2.2.1]hept-5-en-2-yl)-1-phenyl-3-(piperidin-1-yl)propan-1-ol monohydrochloride
分子式
分子量
融点
性状
- 白色〜帯褐黄白色の結晶性の粉末である.ギ酸に溶けやすく,水,メタノールまたはエタノール(95)に溶けにくく,ジエチルエーテルにほとんど溶けない.
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- antiparkinsonian drug
- 関
- 抗パーキンソン病薬
商品
[★]
- 英
- biperiden
- 化
- 塩酸ビペリデン biperiden hydrochloride
- 商
- アキネトン、アキリデン、タスモリン、ビカモール
- 関
- トリヘキシフェニジル、プロサイクリディン
- 三級アミン
- 抗コリン作用薬
- 血液脳関門を通過する
- パーキンソン病治療薬
- ドパミン系機能とアセチルコリン系機能とを平衡させる
副作用 (SPC.191)