カベルゴリン
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Japanese Journal
- 高プロラクチン血症性無月経 カバサール (特集 生殖器疾患のホルモン療法)
- 血液透析患者の無月経・乳汁分泌症候群に対するカベルゴリン(カバサールィ錠)の効果
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
カバサール錠0.25mg
組成
1錠中:
有効成分(含量)
添加物
禁忌
- 麦角製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 心エコー検査により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が確認された患者及びその既往のある患者[症状を悪化させるおそれがある(「重要な基本的注意」の項参照)。]
- 妊娠中毒症の患者[産褥期に痙攣、脳血管障害、心臓発作、高血圧が発現するおそれがある。]
- 産褥期高血圧の患者[産褥期に痙攣、脳血管障害、心臓発作、高血圧が発現するおそれがある。]
効能または効果
パーキンソン病
- 通常、成人にはカベルゴリンとして1日量0.25mgから始め、2週目には1日量を0.5mgとし、以後経過を観察しながら、1週間毎に1日量として0.5mgずつ増量し、維持量を定めるが、最高用量は1日3mgとする。いずれの投与量の場合も1日1回朝食後経口投与する。
効能又は効果/用法及び用量
乳汁漏出症
高プロラクチン血性排卵障害
高プロラクチン血性下垂体腺腫(外科的処置を必要としない場合に限る)
- 通常、成人には1週1回(同一曜日)就寝前経口投与とし、カベルゴリンとして1回量0.25mgから始め、以後臨床症状を観察しながら、少なくとも2週間以上の間隔で1回量を0.25mgずつ増量し、維持量(標準1回量0.25〜0.75mg)を定める。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1回量の上限は1.0mgとする。
効能又は効果/用法及び用量
産褥性乳汁分泌抑制
- 通常、成人にはカベルゴリンとして1.0mgを胎児娩出後に1回のみ食後に経口投与する。
- パーキンソン病治療において、非麦角製剤の治療効果が不十分又は忍容性に問題があると考えられる患者のみに投与すること。[「重要な基本的注意」及び「副作用」の項参照]
- 本剤投与は、少量から開始し、消化器症状(悪心、嘔吐等)、血圧等の観察を十分に行い、慎重に維持量まで増量すること。
- パーキンソン病治療において、本剤の減量・中止が必要な場合は、漸減すること。[本剤の急激な減量又は中止により、悪性症候群(Syndrome malin)があらわれることがある(「副作用」の項参照)。]
- 産褥性乳汁分泌の抑制に投与する際には、胎児娩出後4時間以内の投与は避け、呼吸、脈拍、血圧等が安定した後、投与すること。また、胎児娩出後2日以内に投与することが望ましい。投与後(特に投与当日)は観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。[類薬において血圧上昇、頭痛、中枢神経症状等があらわれたとの報告がある。]
慎重投与
- 高度の肝機能障害又はその既往のある患者[外国で重度の肝不全患者で本剤の血中AUCが上昇することが明らかにされている。]
- 胸膜炎、胸水、胸膜線維症、肺線維症、心膜炎、心嚢液貯留、後腹膜線維症又はその既往歴のある患者[これらを悪化させるおそれがある(「副作用」の項参照)。]
- 消化性潰瘍や消化管出血又はその既往歴のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- レイノー病の患者[末梢血管障害を悪化させるおそれがある。]
- 精神病又はその既往歴のある患者[ドパミン受容体作動性のため統合失調症の症状である幻覚、妄想などを悪化させる可能性がある。]
- 低血圧症患者[血圧低下がみられることがある。]
- 重篤な心血管障害又はその既往歴のある患者[外国で狭心症の報告がある。]
- 下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し、視力障害などの著明な患者[外科的な処置を必要とする下垂体腺腫の場合、類薬の使用により残存腺腫の線維化及び易出血性の変化が起こり、手術の際に腺腫の摘出に支障を来すことや、髄液鼻漏を来すことが報告されている。]
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。ただし、パーキンソン病の患者に対しては投与しないことが望ましい。[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
- 授乳婦[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
幻覚(2.0%)、妄想(0.6%)、失神(0.1%未満)、せん妄(0.1%)、錯乱(0.1%未満)
- 幻覚、妄想、失神、せん妄、錯乱があらわれることがあるので、このような場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
悪性症候群(Syndrome malin)(0.1%未満)
- パーキンソン病治療において、本剤の急激な減量又は中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、血清CK(CPK)上昇等があらわれることがある。このような場合には、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。なお、投与継続中に同様の症状があらわれることがある。
間質性肺炎(0.1%未満)
- 間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査を実施し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
胸膜炎(頻度不明)注)、胸水(0.1%未満)、胸膜線維症(頻度不明)注)、肺線維症(頻度不明)注)、心膜炎(頻度不明)注)、心嚢液貯留(頻度不明)注)
- 胸膜炎、胸水、心嚢液貯留があらわれることがある。また、本剤の長期投与又はドパミン受容体刺激作用を有する麦角製剤の治療歴のある患者に本剤を投与した場合、胸膜線維症、肺線維症、心膜炎があらわれることがある。本剤の投与中に胸痛、浮腫、呼吸器症状等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査を実施し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心臓弁膜症(頻度不明)注)
- 十分な観察(聴診等の身体所見、胸部X線、CT等)を定期的に行い、心雑音の発現又は増悪等があらわれた場合には、速やかに胸部X線検査、心エコー検査等を実施すること。心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
後腹膜線維症(頻度不明)注)
- 後腹膜線維症が報告されているので、観察を十分に行い、背部痛、下肢浮腫、腎機能障害等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
突発的睡眠(0.1%未満)
- 前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので、このような場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
肝機能障害(0.9%)、黄疸(頻度不明)注)
- AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
狭心症(頻度不明)注)、肢端紅痛症(頻度不明)注)
- 狭心症、肢端紅痛症があらわれたとの報告がある。
- 注)国内又は海外での自発報告のため頻度不明
薬効薬理
- 本剤は持続的なドパミンD2受容体刺激作用を有し、中枢神経系に対しては黒質線条体のドパミンD2受容体に作用して抗パーキンソン作用を示す。また、内分泌系に対しては下垂体前葉のドパミンD2受容体に作用してプロラクチン分泌を特異的に抑制し、抗プロラクチン作用を示す。
中枢神経系に対する作用
脳内ドパミンD2受容体に対する親和性25)
- ラット線条体のドパミンD2受容体に強い親和性を示した。
旋回運動誘発作用26)
- 黒質破壊ラット(Ungerstedtモデル)において破壊側と反対側への旋回運動を示した。
MPTP誘発パーキンソン様症状の改善作用27)
- カニクイザルのMPTP誘発パーキンソン様症状を持続的に改善した。
レセルピン誘発運動障害モデルの改善作用28)
- マウスあるいはラットのレセルピン誘発アキネジア、カタレプシー及び固縮を持続的に改善した。
L-ドパとの併用効果28,29)
- カニクイザルのMPTP誘発パーキンソン様症状及びマウスのレセルピン誘発カタレプシーに対してL-ドパとの併用により、その効果の増強が認められた。
内分泌系に対する作用
プロラクチン分泌に対する作用30,31)
- 雌性ラット及びマーモセットを用いた各種高プロラクチン血症モデルにおいて、血清プロラクチン濃度を用量依存的に低下させた。
乳汁分泌抑制作用32)
- 授乳中のラットにおいて、0.03mg/kgより用量依存的に乳汁分泌を抑制した。
高プロラクチン血性排卵障害に対する作用33)
- ラットの高プロラクチン血性排卵障害モデルにおいて、0.003mg/kgより用量依存的に無排卵状態を改善した。
下垂体腺腫に対する作用34)
- ラットのプロラクチン産生下垂体腺腫モデルにおいて、用量依存的に血清プロラクチン濃度を低下させ、下垂体重量の増加を抑制した。
内分泌ホルモンに対する影響30,35)
- ラットのプロラクチン分泌を抑制したが、LH、FSH、TSH、ACTH、GHには影響しなかった。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- (-)-1-[(6aR,9R,10aR)-7-allyl-4,6,6a,7,8,9,10,10a-octahydroindolo[4,3-fg]quinoline-9-carbonyl]-1-(3-dimethylaminopropyl)-3-ethylurea
分子式
分子量
性状
- 白色の結晶性の粉末で、光によって徐々に着色する。
メタノールに極めて溶けやすく、アセトニトリル又はエタノール(95)に溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けやすく、水に極めて溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- antiparkinsonian drug
- 関
- 抗パーキンソン病薬
商品
[★]
- 英
- cabergoline
- 商
- カバサール
[★]
- 英
- (動物)hippopotamus、(植物)kava
- 関
- カバカバ