- 英
- pulmonary cryptococcosis
- 同
- 肺クリプトコックス症
- 関
- クリプトコッカス症、クリプトコッカス属、クリプトコッカス性肺炎
[show details]
概念
病型
- 原発性:健常人の発症。若年者で多い。
- 続発性:易感染性宿主(AIDS、糖尿病、腎疾患、膠原病、ステロイドなどの免疫抑制薬内服中)
症状
- いろいろ
- 原発性:無症状
- 続発性:発熱、倦怠感、咳嗽、喀痰、呼吸困難などを認める。
検査
- 空洞を伴う結節性陰影、浸潤性陰影(健康人に発症する場合は結節影、易感染性宿主に発症する場合は浸潤影をとりやすい)
- 下肺野に多く認める。
- 胸膜から数cm離れた肺の末梢に結節影を認める。撒布像、スピキュラ、胸膜陥入像を認めることが多く、肺癌・肺結核との鑑別は困難。
- 経気管支肺生検:検体をGrocott染色にて茶褐色に染まるクリプトコッカスを認める。
診断
- 菌の分離
- 血清中の抗原検出
- 確定診断のためには、経気管支肺生検や気管支肺胞洗浄液で得た組織・洗浄液から、菌体を染色(PAS染色,Grocott染色,ムチカルミン染色)や培養でその存在を証明することである。
鑑別診断
- 肺結核、肺癌(肺腺癌、空洞を伴うことがあるので肺扁平上皮癌)、ヒト肺犬糸状虫症
治療
- 抗真菌薬に対する感受性は高い。フルコナゾールは髄液移行性が高い。
- アゾール系抗真菌薬:フルコナゾール(FLCZ)、ミコナゾール(MCZ)、イトコナゾール(ITCZ)
- アムホテリシンB(AMPH)
- フルシトシン(5-FC)
参考
- 1. (1→3)-β-D-グルカン/臨床検査の三菱化学メディエンス
- http://data.medience.co.jp/compendium/main.asp?field=06&m_class=01&s_class=0031
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 同時に莢膜産生性の異なる2種類のC. neoformansが検出された肺クリプトコッカス症
- 平井 由児/菊池 賢/杉田 隆/池田 玲子/後藤 亜江子/鶴岡 直樹/澤田 達男/大貫 恭正/玉置 淳/戸塚 恭一/泉二 登志子
- 東京女子医科大学雑誌 83(E2), E643-E648, 2013-03-31
- … 病理検体培養よりCryptococcus neoformansを認め、病理所見からも肺クリプトコッカス症と診断した。 …
- NAID 110009575080
- 2.2次性肺クリプトコッカス症の1例(第34回 日本呼吸器内視鏡学会北海道支部会)
- 正木 慎也,高村 圭,武井 望,山下 優,中久保 祥,伊藤 健一郎,山本 真,吉川 隆志,菊地 慶介
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 34(6), 641-642, 2012-11-25
- NAID 110009562615
- 縦隔リンパ節腫脹から気管内浸潤と心嚢水貯留をきたした肺クリプトコッカス症の1例
- 沼田 岳士,児玉 孝秀,山田 英恵,佐藤 信也,小川 良子,本間 晋介,栗島 浩一,坂本 透,酒井 光昭,佐藤 幸夫,南 優子,檜澤 伸之
- 気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 34(5), 456-461, 2012-09-25
- … 背景.免疫不全宿主に生じる肺クリプトコッカス症では,肺野結節影に加え浸潤影や胸水貯留など様々な臨床所見を呈することがある.症例. …
- NAID 110009518310
Related Links
- クリプトコッカス症患者のPAS染色像. クリプトコッカス症(クリプトコッカスしょう、英: cryptococcosis)とはクリプトコッカス属に属する酵母様真菌の感染を原因とする人獣 共通感染症。ヒト、イヌ、ネコなどに感染する。主にCryptococcus neoformansによる 呼吸器 ...
- 肺クリプトコッカス症(特徴・症状・原因)について、管理人が調べたことをご紹介してい ます。【肺癌について知ろう!】
- 1998 年から 2004 年までの過去 6 年間に 16 例の肺クリプトコッカス症を経験し,血中 クリプトコッカ. ス抗原価の推移に着目して,臨床的検討を行った.血清クリプトコッカス 抗原は 12 例で陽性となり,抗. 原価が 128 倍以上の 4 例は広範な浸潤影を伴った 3 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- fungus, (pl.)fungi
- 同
- かび、菌類 Mycota
- 関
- 微生物学、真菌症、抗真菌薬
細菌、真菌、藻類、原虫
- いずれも単細胞生物
- 細菌は核を持たないが、それ以外は核を持つ
- 細胞壁の多糖:細菌はペプチドグリカンなど。真菌はβグルカン、キチン。藻類はセルロース。原虫は細胞壁を持たない
- 栄養獲得様式:藻類は光合成独立栄養生性。
大きさ
細胞膜
細胞壁
線維状多糖
- 細胞壁の骨格となる
- キチンとβ-グルカンからなる。
- 特殊な多糖にキトサンがある
- グルコースのホモ重合体
- β(1→3)結合、β(1→6)結合
- 酵母では細胞壁成分にβ-1,3-グルカンが多い
糖タンパク質
形態による分類
- Coccidioides immitis
- Histoplasma capsulatum
- Sporothrix schenckii
- Candida albicans
培養と感染組織における形態
菌糸の構造
- 接合菌などの下等真菌にのみ見られる
菌糸の機能
-
生殖方式による分類
有性生殖と無性生殖
-
有性胞子形成
無性胞子形成
培養
種類
真菌の染色法(SMB.358)
- 細胞壁の多糖を染色:コットンブルー(cotton blue)、グラム染色(全ての真菌はグラム陽性)
- 真菌細胞壁多糖を特異的に染色:PAS染色、Grocottメテナミン銀染色、ファンギフローラY
参考
病原体としての真菌
[★]
- ラ
- Cryptococcus neoformans, C. neoformans
- 同
- Filobasidiella neoformans、クリプトコッカス・ネオフォルマンス
- 関
- クリプトコッカス症
- 厚い莢膜
- 不完全菌酵母
- 担子菌
- 感染組織内、培地でも莢膜を持つ単細胞(酵母)として増殖
- 中枢神経系に強い親和性を有する。
分布
- ミルク、加重、健常者の皮膚、消化管
- 土壌特にハトその他の鳥類、コアラの糞などで汚染された土壌に豊富に存在
分離培養
染色
感染症
- 感染経路は空気感染 → 肺クリプトコッカス症
- 細胞免疫能低下患者 → 髄膜や脳に二次感染
- HIV患者では高頻度にクリプトコッカス髄膜炎
参考
[★]
- 関
- 糸状虫症、糸状虫。肺寄生虫症
[show details]
ヒト肺犬糸状虫症 : 約 31 件
人肺犬糸状虫症 : 6 件
- 症状はない
- 健診の胸部XPで偶然指摘されることがある。
- 肺の生検で確定することが多い。
- 肺腺癌、肺結核、肺クリプトコッカス症などが鑑別となることがある。
[★]
- 英
- pulmonary mycosis, fungal lung disease
- 関
- 肺アスペルギルス症、肺カンジダ症、肺クリプトコッカス症、肺ムコール症
- アスペルギルス、カンジダ、クリプトコッカスの順に多い。
[★]
肺クリプトコッカス症、肺クリプトコックス症、クリプトコッカス性肺炎
[★]
- 英
- lung
- 関
- 肺区域、肺野、呼吸器の上皮の移行
- 図:M.78 N.204(肺のリンパ系),197(肺区域)
解剖
- 重量:右:500g, 左:400g
- 葉:右3葉、左2葉
- 右上葉、右中葉、右下葉、左上葉、左下葉
発生
- L.247
- 肺の上皮、喉頭、気管、および気管支の内面を覆う上皮 → 内胚葉
- 気管および肺の軟骨性要素と筋要素、結合組織 → 中胚葉(臓側中胚葉)
- NGY.283
- 妊娠16週頃:気管、気管支が分岐し腺状構造をなす(腺状期)
- 妊娠16-24週頃:管状構造を形成し、毛細血管が上皮に接触する。(管状期)
機能
肺の構造
- SSUR.323
臨床関連
胸部X線解剖
- 右第1弓:上大静脈
- 右第2弓:右心房
- 左第1弓:大動脈弓
- 左第2弓:肺動脈幹
- 左第3弓:左心房(左心耳)
- 左第4弓:左心室
シルエットサイン
- 右第2弓:(陽性)[上葉]内側中葉区(S5)、[下葉]内側肺底区(S7)、(陰性)[下葉]上-下葉区(S6)???、後肺底区(S10)???? → 陰性だったら背面の区域、つまりS6,S10と考えて良いのではないだろうか?
- 左第4弓:(陽性)[上葉]上舌区(S4)、下舌区(S5)、[下葉]前内側肺底区(S7+8)、(陰性)[下葉]上-下葉区(S6)???、後肺底区(S10)??? → 同様にS6,S10と考えて良いのでは?
肺のリンパ節
- 左肺は心臓があるために、右とは異なる形状・肺区域を有する。
- S1とS2はまとめてS1+2と呼ばれる
- S7とS8はまとめてS7+8あるいはS8と呼ばれる ← 心臓が左胸腔に全内側に突出しているからと考える
臨床関連
- 分葉異常:奇静脈の走行異常による右上葉の奇静脈葉が最も多い(QB.I-295)
[★]
- 英
- cryptococcosis
- 同
- クリプトコックス症、ブッセ-ブシュケ病 Busse-Buschke disease
- 関
- クリプトコッカス属、真菌
特徴
病原体
疫学
病型
潜伏期間
感染経路
症状
合併症
経過
治療
検査
- 髄液や血清中の莢膜多糖抗原(glucuronoxylomannan)を検出する血清診断は感度・特異度ともにすぐれる。
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
クリプトコッカス属