- 英
- gonadotropin-releasing hormone、GnRH
- 関
- 黄体形成ホルモン放出ホルモン、ゴナドレリン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、塩酸ゴナドレリン
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/08/14 02:34:35」(JST)
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性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gonadotropin releasing hormone, GnRH)はFSHとLHを下垂体前葉から分泌させるペプチドホルモンである。これは視床下部で合成、分泌される。
目次
- 1 遺伝子
- 2 構造
- 3 神経ホルモンとしてのGnRH
- 4 FSHとLHのコントロール
- 5 活性
- 6 他の器官でのGnRH
- 7 処方
- 8 アゴニスト(作用薬)とアンタゴニスト(拮抗薬)
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遺伝子
GnRH前駆体の遺伝子は第8番染色体に位置する。この前駆体は92のアミノ酸からなり、デカペプチド(10のアミノ酸)のGnRHへ加工される。
構造
GnRHの姿は1977年ノーベル賞受賞者のロジェ・ギルマンとアンドリュー・ウィクター・シャリーにより次の様に明らかにされた:pyroGlu-His-Trp-Ser-Tyr-Gly-Leu-Arg-Pro-Gly CONH2.
神経ホルモンとしてのGnRH
GnRHは特定の神経細胞で産生され、その神経末端から放出される神経ホルモンと考えられている。視床下部のGnRHの産生の主要エリアは視索前野で、そこに殆どのGnRH分泌ニューロンが含まれている。GnRHは正中隆起の高さで門脈血流へ分泌され、性腺刺激ホルモン産生細胞の膜上にある受容体を活性化させる。GnRHはタンパク質分解によって数分の内に分解される。
FSHとLHのコントロール
下垂体ではGnRHはFSHとLHの合成と分泌を刺激し、その過程はGnRHパルスの頻度と強さ、それからアンドロゲンとエストロゲンのフィードバックである。GnRH分泌には性差が存在し、男性ではGnRHは一定の頻度で分泌されるのに対し、女性では月経周期によってその頻度が異なり、排卵前にGnRHが急激に高まる。GnRHの拍動性は全ての脊椎動物において見られ、正しい生殖機能を確実にするのに不可欠である。従って雌ではホルモンであるGnRHが単独で卵胞成長、排卵、黄体の保持という複合した過程、そして雄では精子形成をコントロールする。
活性
GnRHの活性は子供のうちは非常に低い。繁殖年齢ではパルス活性は複数のフィードバックによりコントロールされた順調な繁殖機能へ重大な意味をもつ。しかしながら、妊娠するとGnRH活性は要求されなくなる。パルス活性は視床下部・下垂体どちらかでの不全(即ち視床下部抑制)または器官の傷害(外傷、腫瘍)により乱される。プロラクチンの上昇によりGnRH活性は低下する。対照的に高インスリン血症ではパルス活性を上昇させ、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)で見られる様なLHとFSHの活性の障害へ導く。GnRHの形成はカルマン症候群では先天的に存在しない。ドーパミンはGnRH活性を低下させるらしい。
他の器官でのGnRH
GnRHは視床下部と下垂体以外の例えば胎盤や性腺にも見られ、そこでの役割はよく判っていない。
処方
GnRHはゴナドレリン塩酸塩(Factrel)として注射して使われる。研究によって、これが注入ポンプシステムを通して視床下部性性腺機能低下症の患者へ排卵を誘発させる事が明らかになった。
アゴニスト(作用薬)とアンタゴニスト(拮抗薬)
GnRHが合成され手に入るようになった一方で、短い半減期の所為でそれを医療へ用いるには注入ポンプを要する。GnRHのデカペプチド構造の改変により性腺刺激ホルモンへ刺激(GnRHアゴニスト)または抑制(GnRHアンタゴニスト)の作用をする類似体の薬物に行き着いた。重要なことに、ダウンレギュレーションを通してアゴニストはまた延長された抑制効果を行使することができる。
内分泌器:ホルモン(ペプチドホルモン、ステロイドホルモン) |
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視床下部 - 脳下垂体 |
視床下部
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GnRH - TRH - ドーパミン - CRH - GHRH - ソマトスタチン - ORX - MCH - MRH - MIH
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脳下垂体後葉
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バソプレッシン - OXT
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脳下垂体中葉
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インテルメジン
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脳下垂体前葉
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αサブユニット糖タンパク質ホルモン(FSH - LH - TSH) - GH - PRL - POMC(ACTH - MSH - エンドルフィン - リポトロピン)
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副腎 |
副腎髄質
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副腎髄質ホルモン(アドレナリン - ノルアドレナリン - ドーパミン)
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副腎皮質
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副腎皮質ホルモン(アルドステロン - コルチゾール - DHEA)
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甲状腺 |
甲状腺
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甲状腺ホルモン(T3 - T4 - カルシトニン)
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副甲状腺
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PTH
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生殖腺 |
精巣
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テストステロン - AMH - インヒビン
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卵巣
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エストラジオール - プロゲステロン - インヒビン/アクチビン - リラキシン(妊娠時)
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その他の内分泌器 |
膵臓
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グルカゴン - インスリン - ソマトスタチン
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松果体
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メラトニン
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内分泌器でない器官 |
胎盤:hCG - HPL - エストロゲン - プロゲステロン - 腎臓:レニン - EPO - カルシトリオール - プロスタグランジン - 心臓:ANP - BNP - ET - 胃:ガストリン - グレリン - 十二指腸:CCK - GIP - セクレチン - モチリン - VIP - 回腸:エンテログルカゴン - 脂肪組織:レプチン - アディポネクチン - レジスチン - 胸腺:サイモシン - サイモポイエチン - サイムリン - STF - THF - 肝臓:IGFs(IGF-1 - IGF-2) - 耳下腺:バロチン - 末梢神経系:CGRP - P物質
|
|
誘導タンパク質 |
NGF - BDNF - NT-3
|
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 小林 牧人
- 日本水産學會誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries 76(3), 340-343, 2010-05-15
- … 4)魚類にも生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)によるGTH分泌の促進機構は存在するのか。 …
- NAID 10026449461
- 水産増養殖への応用 : 遺伝子工学的手法による生殖関連ホルモン合成
- 小林 牧人
- 日本水産學會誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries 75(5), 870-871, 2009-09-15
- … 視床下部では生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)が合成され、下垂体における2種類の生殖腺刺激ホルモン(GTH)、すなわち濾胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の放出を促進する。 …
- NAID 10025022268
- サケの感覚機能と母川回帰(<特集>生物に見るハイパーセンサのメカニズム)
- 上田 宏
- バイオメカニズム学会誌 31(3), 123-129, 2007-08-01
- … 行動の制御メカニズム,および母川のニオイを識別するメカニズムなどを多角的に解析した.動物行動学的には視覚機能を用いて直線的に回帰する母川回帰行動,生殖生理学的には脳から分泌されるサケ型生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(sGnRH)が母川回帰行動を主導的に調節すること,神経生理学的には嗅覚機能を用いて各河川水に溶解している河川固有なアミノ酸組成をサケが識別していることなどが明らかになってきた. …
- NAID 110006838872
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- gonadorelin
- 化
- 酢酸ゴナドレリン gonadorelin diacetate ゴナドレリン酢酸塩、塩酸ゴナドレリン gonadorelin hydrochloride
- 商
- LH-RH注、ヒポクライン
- 関
- 黄体形成ホルモン放出ホルモン、生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン
[★]
- 英
- hormone
古典的な定義
- 特定の内分泌腺から分泌され、血行によって運ばれ、遠隔部の特定の標的器官に作用して特異的効果を現す物質(PT.403)
例外
- 消化管ホルモン (PT.403)
- 視床下部ホルモン (PT.403)
- 甲状腺濾胞ホルモン?
- カルシトニン?
ホルモンの一覧表
[★]
- 英
- release、emission、discharge、ejection、extrusion、egress、release、desorb
- 関
- 駆出、退院、脱着、突出、排出、排泄物、拍出、発光、発射、分泌、娩出、放電、遊離、流出、漏出、追放、眼脂、リリース
[★]
- 英
- (刺激そのもの)stimulus、stimuli。(行為)stimulation、、stimulate、irritate、incite、(薬物や抗原で)prime
- 同
- impulse
- 関
- 刺激作用、煽動、抗原刺激、扇動、予備刺激
[★]
- 英
- gonadotropin
- 関
- ゴナドトロピン、性腺刺激ホルモン