デュシェンヌ型筋ジストロフィー
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Japanese Journal
- 低分子化合物を用いてエクソンスキップを誘導するDuchenne型筋ジストロフィー治療 (特集 筋ジストロフィーの分子病態から治療へ)
- 筋ジストロフィーのエクソンスキップによる分子治療 (AYUMI 最先端の遺伝子治療)
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- 2010年11月30日 ... Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)は伴性遺伝形式をとる最も頻度の高い遺伝性の 進行性筋萎縮症である。DMD患者は乳幼児期には正常児とほとんど変わらない運動 能力を示すが、4?5歳頃から筋力低下に気付かれ、歩行異常が出現 ...
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★リンクテーブル★
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- 9歳の男児。遺伝子診断を希望した両親に連れられて来院した。3歳ころに歩容異常と床からの立ち上り困難とに気付かれ筋ジストロフィーと診断された。歩行障害は次第に進行し、かろうじて支え立ちができる程度となった。両親は新聞報道で筋ジストロフィーの遺伝子治療の臨床試験が始まることを知り、事前に必要な検査を希望している。頭部の筋は正常で舌は大きい。四肢体幹筋は萎縮しており、徒手筋力テストで下肢近位筋が2、遠位筋が4である。腱反射は消失している。白血球からDNAを抽出し、ジストロフィン遺伝子の複数のエクソンを同時にPCR法で増幅してアガロースゲル電気泳動した。結果の一部(別冊No. 22)を別に示す。矢印で所見を示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109I062]←[国試_109]→[109I064]
[★]
- 8か月の男児。最近笑わなくなったことを心配した両親に連れられて来院した。在胎39週3日、3,240g、Apgarスコア8点(1分)、10点(5分)で出生した。母乳栄養。追視とあやし笑い2か月、定頸3か月、お坐り6か月。7か月過ぎから笑うことが少なくなり、表情も乏しくなってきた。お坐りは一時期手を離して坐っていられたが、最近は両手を前についていないと坐っていられない。2週前からうなずくような動作をよく反復する。うなずきに同期して両手を上げるような動作をする。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107D044]←[国試_107]→[107D046]
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[正答]
※国試ナビ4※ [113F022]←[国試_113]→[113F024]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [101F055]←[国試_101]→[101F057]
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[正答]
※国試ナビ4※ [106I034]←[国試_106]→[106I036]
[★]
- (1) 常染色体優性遺伝
- (2) 肩帯筋からの初発
- (3) 幼児期発症
- (4) 発症10年以内に歩行不可能
- (5) 鵞鳥歩行
- a. (1)(2)
- b. (1)(5)
- c. (2)(3)
- d. (3)(4)
- e. (4)(5)
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- a. スプーンを使う
- b. ボールを投げる
- c. しゃがんだ姿勢から立ち上がる
- d. 階段を上る
- e. 片足で跳ぶ
[★]
[★]
- 英
- gait, walking
- 関
- 股関節の運動に関与する筋、歩行運動
幼児の歩行
- 12ヶ月:上肢の挙上(high guard)
- 15ヶ月:上肢の中等度の挙上(medium guard)
- 18ヶ月:上肢が下がっている(no guard) → 腕ふりの出現
異常な歩行と疾患 手技みえ.188改変
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- 英
- Duchenne muscular dystrophy、DMD
- 同
- Duchenne型ジストロフィー Duchenne型筋ジストロフィー、デュシェンヌ-グリージンガー型筋ジストロフィー Duchenne-Griesinger dystrophy、デュシェンヌ症候群II Duchenne syndrome II、仮性肥大性筋ジストロフィー pseudohypertrophic muscular dystrophy
- 関
- 進行性筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー BMD
まとめ
- 筋ジストロフィーのなかで最も高頻度に見られるX染色体劣性遺伝疾患である。原因はジストロフィン遺伝子の異常による。男児3000人に1人の割合で発症する。幼少児より運動発達の遅れが認められ、1歳半~3歳までに気づかれる。4-5歳児に歩行機能がピークとなるが以降、筋力の低下に関節の拘縮が合併する。筋力低下は腰肢帯から遠位に進展する。10歳には歩行不能、移動不能となる。身体所見としては下腿三頭筋の仮性肥大、登攀性起立徴候が特徴的である。検査所見では筋肉の破壊による逸脱酵素が上昇する(クレアチンキナーゼ、アルドラーゼ、AST,ALT,LDH)。栄養失調、呼吸器感染、肺梗塞などの合併症と心筋障害による心不全、呼吸筋変性、脊柱側彎による呼吸不全などにより20歳前後で死亡する(SOR.327 YN.J-149)
疫学
- SOR.357
- 発症率:男児3000人に1人。
- 発生率:13-39/10万人 ← ?
病因
遺伝形式
病理
- ジストロフィンに対する抗体を使った免疫組織化学染色において、ジストロフィンの発現が見られない。(APT.440)
症候
- 骨格筋:筋力低下は腰肢帯から遠位に進展。筋力の低下に関節の拘縮が合併する。
- 心血管:心筋障害
検査
- 血液生化学:(筋肉からの逸脱酵素)クレアチンキナーゼ↑、アルドラーゼ↑、AST↑、ALT↑、LDH↑
- 心電図:V6でQ波の異常。
予後
- 栄養失調、呼吸器感染、肺梗塞などの合併症と心筋障害による心不全、呼吸筋変性、脊柱側彎による呼吸不全などにより20歳前後で死亡
- 典型的には3歳で発症、10歳で歩行不能、20-30歳で呼吸不全・心不全で死亡。 (YN.J-150)
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- 英
- progressive muscular dystrophy, PMD
- ラ
- dystrophia muscularis progressiva
- 関
分類
小児期に発症する筋疾患
- 埼玉県難病医療連絡協議会事業難病患者支援 マニュアル 1 より引用
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- 英
- dystrophy
- 関
- 異栄養、異栄養症、異栄養性