- 英
- hypermagnesemia
- 同
- 高Mg血症
- 関
- マグネシウム、低マグネシウム血症、電解質異常
定義
- 血清マグネシウム 2.7mg/dL以上(1.11mEq/L)
- 2.305 mg/dL = 1mEq/L (∵ Mg 24.305g/mol)
症状
- 循環器症状:徐脈・起立性低血圧
- 精神・神経・筋症状:筋力や腱反射低下、傾眠
- 消化器症状:嘔気・嘔吐
血清マグネシウム濃度と症状
- 反射低下:>4mEq/L
- I度房室ブロック:>5mEq/L
- 完全房室ブロック:>10mEq/L
- 心停止:>13mEq/L
症状 - 持田製薬販売株式会社
http://www.mochida.co.jp/dis/tekisei/mag2710.pdf
血中Mg濃度
|
症状
|
4.9mg/dL~
|
悪心・嘔吐、起立性低血圧、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠、全身倦怠感、無気力、腱反射の減弱など
|
6.1~12.2mg/dL
|
ECG異常(PR、QT延長)など
|
9.7mg/dL~
|
腱反射消失、随意筋麻痺、嚥下障害、房室ブロック、低血圧など
|
18.2mg/dL~
|
昏睡、呼吸筋麻痺、血圧低下、心停止など
|
治療
- WMM.89
- 支持療法:人工呼吸、体外式ペースメーカー
- 内科療法:
- (腎機能正常)グルコン酸カルシウム(CaはMgに拮抗して腎らの排泄をうながす)、輸液(Mgの排泄を促す)
- (腎不全)透析
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/25 20:16:05」(JST)
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高マグネシウム血症(こうまぐねしうむけっしょう)は腎不全患者がマグネシウムを含む胃腸薬や便秘薬を摂取している場合に発症することがある。血中のマグネシウム濃度が上昇する電解質代謝異常症である。
目次
- 1 症状
- 2 診断
- 3 治療
- 4 関連項目
- 5 脚注
- 6 外部リンク
症状[編集]
- 精神症状:倦怠感、無関心、傾眠
- 筋肉障害:筋力低下、筋硬直
- 循環器症状:徐脈性不整脈、起立性低血圧
- 神経症状:腱反射低下
- 消化器症状:悪心、嘔吐
- その他:排尿障害、運動失調、構音障害(広義の言語障害のうち、意図した音が正しく発生できない状態)
このうち、最も致命的な症状は徐脈性不整脈による血圧低下である。重症の場合には死亡することもある。 そのため、マグネシウム含有製剤の腎不全患者への投与は原則禁忌である。
診断[編集]
マグネシウム含有製剤または食品を摂取している腎不全患者に起こる。腎機能の正常な人に起こることはない。 血液中のマグネシウム濃度3mg/dl以上で、診断が確定する[1]。
治療[編集]
自尿の保たれている腎不全患者で、症状が軽度の場合は、マグネシウム製剤の投与を停止し、生理食塩水や乳酸リンゲル液の輸液により尿中への排出を促す。 透析患者など腎からの排泄が期待できない場合や、高度の徐脈性不整脈や意識障害を合併している場合は、グルコン酸カルシウム注射液(カルチコール)を投与した上で、人工透析を行う[2]。
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ^ 電解質異常の自覚症状のアンサーページ熊本県薬剤師会
- ^ 高マグネシウム血症 (PDF)
外部リンク[編集]
- 高マグネシウム血症メルクマニュアル家庭版
- 酸化マグネシウム製剤における高マグネシウム血症について(pdf)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 臨床研究・症例報告 高マグネシウム血症に伴う非乏尿性高カリウム血症を繰り返した早産児例
- P1-161 癌性疼痛の治療中に現れた高マグネシウム血症(一般演題 ポスター発表,有害事象・副作用,臨床から学び臨床へと還元する医療薬学)
- 平 舞,澤谷 佳美,木崎 秀和,本間 信次,秋月 未希,木元 幸希,岡田 美由紀,本西 哲,長瀧 真実,渡邉 響子,高木 雅代,寺澤 美智代,齋藤 佳代,川瀬 泰裕,大植 謙一,廣田 育彦
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 20, 313, 2010-10-25
- NAID 110008108542
Related Links
- 高マグネシウム血症(こうまぐねしうむけっしょう)は腎不全患者がマグネシウムを含む 胃腸薬や便秘薬を摂取している場合に発症することがある。血中のマグネシウム濃度が 上昇する電解質代謝異常症である。
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- 次の文を読み、1~3の問いに答えよ。
- 70歳の男性。肺癌の手術目的で入院した。
- 現病歴 : 3か月前から咳が出現した。近医にて胸部エックス線撮影、胸部CTおよび気管支鏡検査を受け、左上葉原発の肺癌と診断された。
- 既往歴 : 38歳から高血圧症で降圧薬を服用中である。40歳から腎不全に対して週3回の血液透析を受け、無尿で経過している。
- 現症 : 身長165cm、体重60kg。脈拍64/分、整。血圧148/88mmHg。皮膚は乾燥し、左前腕に内シャントを認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球380万、Hb 10.1g/dl、Ht 35%、白血球6,800、血小板32万。血清生化学所見:尿素窒素72mg/dl、クレアチニン7.6mg/dl、Na
- 140mEq/l、K 5.1mEq/l、Cl 104mEq/l。心電図上、洞調律であり虚血を疑う所見はない。手術前日に血液透析を受けた。
- 手術・麻酔経過 : 右側臥位にて左肺上葉切除術を予定した。麻酔は全身麻酔で換気は左右分離肺換気で行った。開胸操作までは脈拍64/分、血圧160/96mmHg前後で推移したが、胸腔内操作が始まって1時間後、肺動脈からの出血が始まり、電解質液、代用血漿製剤1,000mlを投与した。10分後、出血量が1,900mlを超え、血圧が64/48mmHgへと低下した。赤血球濃厚液1,600mlを急速に輸血したところ、心電図上T波が尖鋭化し心室細動となった。純酸素による両肺換気、術者による心マッサージ、電気的除細動によって3分後に回復し、リドカイン1mg/kg/時間と塩酸ドパミン5μg/kg/分の持続投与で、以後洞調律で安定した。心拍再開後の瞳孔径は左右とも2mmであり、麻酔からの覚醒に問題はなかった。心室細動時の動脈血ガス分析(両肺換気、100%酸素)ではpH7.30、PaO2 592Torr、PaCO2 37Torr、BE -6.5mEq/l。Hb 9.6g/dlであった。
[正答]
※国試ナビ4※ [100C001]←[国試_100]→[100C003]
[★]
乳児期のけいれんの原因となるのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [108B035]←[国試_108]→[108B037]
[★]
[★]
[★]
[★]
- 英
- hypomagnesemia
- 関
- マグネシウム、高マグネシウム血症、電解質異常
定義
- 血清中のマグネシウム値低下による症状。
- 正常範囲以下(1.5mg/dl以下)となった病態 正常範囲は 1.5-2.3 mg/dl
病因
- 食事摂取量不足
- 消化管(腸管)からの吸収障害:飢餓状態、嘔吐、長期の胃腸液吸引、吸収不良症候群*、急性膵炎*、肝硬変
- 腎からの排泄増加
病態生理
症状
- 神経筋機能の異常:テタニー、振戦、てんかん発作、筋脱力、運動失行、眼振、めまい、感情鈍麻、うつ、易刺激性、譫妄(delirium)、精神症状 (HIM.2373)
- 心血管系:不整脈(洞性頻脈、上室性頻拍、心室性不整脈)、PR/QT延長、T波平坦化/陰性T波、ST straightening (HIM.2373)
- 電解質:低カルシウム血症、低カリウム血症 ← 個別に治療しても無駄。マグネシウムを補正する必要がある。1,25(OH)2Dの産生を阻害、細胞にPTHへの耐性をもたせ、さらに<1mg/dLではPTHの分泌を阻害する。 (HIM.2373) また、低マグネシウム血症では尿細管でのカリウム再吸収が低下するらしい。
- その他:ジギタリス毒性上昇(MgはATPaseの補酵素だからね)
低マグネシウム血症と高マグネシウム血症の比較
検査
心電図
- HIM.2373
合併症
[★]
- 英
- electrolyte abnormality
- 同
- 電解質失調 electrolyte disturbance、電解質平衡異常 electrolyte imbalance
- 関
- 確認テスト 電解質
基準値
|
臨床検査法 提要第32版
|
施設基準値
|
Na+
|
136~145
|
mEq/l
|
138~145
|
mEq/l
|
K+
|
3.4~4.5
|
mEq/l
|
3.5~4.8
|
mEq/l
|
Cl-
|
100~108
|
mEq/l
|
99~107
|
mEq/l
|
HCO3-
|
22~26
|
mEq/l
|
|
|
アニオンギャップ
|
12±4
|
mEq/l
|
|
|
総Ca
|
8.6~10.1
|
mg/dl
|
8.8~10.0
|
mg/dl
|
イオン化Ca
|
1.15~1.30
|
mmol/l
|
|
|
無機リン
|
IP
|
成人
|
2.2~4.1
|
mg/dl
|
2.7~4.5
|
mg/dl
|
小児
|
4.0~7.0
|
Mg
|
1.8~2.3
|
mg/dl
|
1.8~2.4
|
mg/dl
|
心電図との関連
- also see YN.D-149
カリウム
高カリウム血症 YN.D-142
- テント状T、P波消失、QRS延長、サインカーブ、心室細動
- 静止膜電位の上昇(脱分極)
- QRS波延長:(伝導速度の低下)細胞外K濃度が高い→活性化状態にあるNaチャネルが少なく、心筋細胞の脱分極第0相におけるNaの流入速度が低下→活動電位発生の時間が遷延
低カリウム血症 YN.D-141
- 静止膜電位の低下(過分極)
カルシウム
高カルシウム血症
- カルシウムの流入速度が速くなる?
低カルシウム血症
- QT延長(ST延長)、心収縮力低下。QRSの延長なし
- カルシウムの流入速度が遅くなる感じ?
- 低Ca血症+低Mg血症でAPD延長と早期後脱分極(EAD)によるtorsade de pointesのリスクが高まる
マグネシウム
高マグネシウム血症
低マグネシウム血症
[★]
- 英
- calcium chloride、CaCl2
- 化
- 塩化カルシウム水和物 calcium chloride hydrate
- 関
- カルシウム
CPR
適応
投与量
- ACLS:
- PALS:(心停止)20mg/kgをボーラス投与(静脈、骨髄内) (非心停止患者)30-60分間かけて注入
注意
[★]
高マグネシウム血症
[★]
高マグネシウム血症
[★]
- 英
- magnesium Mg
- 関
- 硫酸マグネシウム magnesium sulfate。電解質異常。
- クエン酸マグネシウム 緩下剤
基準値
- 血漿/血清:1.5-2mEq/L 1.8-2.4mg/dl, 1.5-2.0mEq/L 1.7-2.4mg/dl(HIM.2372), 1.7-2.6mg/dL(臨床検査データブック2017-2018.194)
単位の変換
- 1mg/dL = 0.4114mEq/L
- https://www.zm.emb-japan.go.jp/ja/health/111100Clinical%20Chemistory%20Conversion.pdf
臨床関連
参考
- 1. [charged] Regulation of magnesium balance - uptodate [1]
- 腎臓におけるマグネシウムの再吸収メカニズムがよく分かる
[★]
- 英
- sis, pathy