- 英
- cardiovascular disease
循環器疾患と治療薬
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循環器学(じゅんかんきがく、英: cardiology)は、主に内科学の一分野。
語源でもある「心臓学(cardiology)」という名称からわかるように、主に心臓を研究する分野として発展し、心臓・冠動脈・大動脈・血圧等の循環器(circulation)全体を取り扱う分野。
外科学分野においては心臓血管外科学が携わる。診療科としては循環器内科と心臓血管外科が共に循環器センターを設置している施設もある[1]。
目次
- 1 歴史
- 2 疾患
- 2.1 高血圧
- 2.2 虚血性心疾患
- 2.3 不整脈
- 2.4 心臓弁膜症
- 2.5 心筋症
- 2.6 大動脈瘤
- 2.7 先天性心疾患
- 2.8 心不全
- 2.9 その他
- 3 検査
- 4 治療
- 4.1 薬物治療
- 4.2 カテーテル治療
- 4.3 ペースメーカー
- 4.4 除細動器
- 4.5 補助循環
- 4.6 人工心臓
- 5 参考文献
- 6 関連項目
歴史
主な学説に血液循環説等がある。
疾患
主に以下の疾患・症候について取り扱われる。
高血圧
詳細は「高血圧」を参照
以前より循環器学の原点とも言える領域。循環器学領域で扱う最も基本的で一般的な疾患。
虚血性心疾患
詳細は「虚血性心疾患」を参照
急性冠症候群・狭心症・心筋梗塞等として知られ、カテーテル治療の発展と共に急速に発達してきている循環器内科の花形たる治療領域。心臓血管外科学においては冠動脈バイパス術等が行われる。
不整脈
詳細は「不整脈」を参照
旧来より薬物治療がメインであったが、カテーテルアブレーションやICD(植え込み型除細動器)設置等で発展を遂げてきている領域。
心臓弁膜症
詳細は「心臓弁膜症」を参照
旧来より内科的治療によるコントロール困難な症例は心臓血管外科学による手術治療がメインに行われる疾患であったが、一部の疾患でカテーテル治療が発展してきている領域。
心筋症
詳細は「心筋症」を参照
循環器内科と心臓血管外科双方にて扱われる領域で、心臓移植等について行われる領域。
大動脈瘤
詳細は「大動脈瘤」を参照
主に心臓血管外科学にて扱われる領域。軽症であれば循環器内科にて内科的治療管理は行われる。
先天性心疾患
詳細は「先天性心疾患」を参照
一般の病院においては循環器内科では扱われず、小児科・心臓血管外科が診療に当たる領域。
心不全
詳細は「心不全」を参照
一般に多く病院・診療所において診療されることの多い症候。
その他
- 感染症(感染性心内膜炎・心筋炎)
- 心臓の感染は、急激な状態悪化と予後が極めて不良な疾患であるため、多くの場合、大規模の病院・ないし医療機関において循環器内科だけではなく麻酔科等も含めた総合的な診療を有する領域。
- 肺血栓塞栓症
- 心タンポナーデ
- 深部静脈血栓症
検査
- 聴診
- 古来より臨床医学の象徴とも言える検査。
- 心電図
- 20世紀初頭において開発され、現在においても循環器領域で最も基本となる検査。
- 心臓超音波検査
- 近年では、循環器領域で最も基本となる検査。多くの病院・診療所で広く行われるようになった。
- X線撮影検査
- 心不全兆候等の心臓の評価を行うために用いる一般的な検査。
- CT検査
- 大動脈等の血管病変に対する評価として用いられる検査。
- 冠動脈・心臓CT検査
- 以前は、カテーテル検査でしか確認し得なかった冠動脈病変の精査に対し、近年64列ないし128列の高性能CT検査を用いて冠動脈を3D再構成を行うことで、冠動脈病変を評価する検査 負担が少なく外来にて簡便に行うことができるため導入する医療機関が増えている。
治療
主に内科学・小児科学を含めて、循環器学領域で行われる治療については以下の通り。
心臓血管外科学分野で行われる術式については「心臓血管外科学」を参照
薬物治療
カテーテル治療
現在、循環器内科領域において最も一般的となっている治療
- 心臓カテーテル検査
- 血管内治療
- 肺動脈カテーテル(スワン・ガンツカテーテル)
- 大動脈カテーテル検査
ペースメーカー
除細動器
補助循環
- 大動脈内バルーンパンピング(IABP:intraaortic balloon pumping)
- 経皮的心肺補助装置(PCPS:pericutaneous cardiopulmonary support)
- 補助人工心臓(LVAD:left ventricular assist device)
人工心臓
参考文献
- 小室一成『講義録循環器学』メジカルビュー社, 2004,ISBN 4758300569
- 小川聡, 井上博, 佐藤徹『標準循環器病学』医学書院, 2001, ISBN 4260119818
- Leonard S. Lilly『ハーバード大学テキスト 心臓病の病態生理』メディカルサイエンスインターナショナル, 2000, ISBN 4895922529
- 村川裕二『臨床研修医必携 経験すべき循環器診療』メジカルビュー社, 2005, ISBN 4758301441
- 細田瑳一ほか『今日の循環器疾患治療指針』医学書院, (第2版)2001, ISBN 4260119753
関連項目
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- ^ 昭和大学横浜市北部病院 循環器センター
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Japanese Journal
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- 身体疾患患者の精神医学的問題 : 循環器疾患を中心に (特集 精神科医が知っておきたい緩和ケアの基本)
- 循環器疾患の患者(非心臓手術)がきた時に選抜したいこの薬剤 (見てサッと理解! ベーシック特集 この基礎疾患にはこの薬剤チョイス! 麻酔薬18センバツ総選挙)
- OPE nursing = オペナーシング : the Japanese journal of operating room nursing 32(10), 1044-1048, 2017-10
- NAID 40021327639
- J-CLEAR通信(82)学会レポート : 2017年欧州心臓病学会(ESC 2017) (特集 循環器疾患における漢方治療のエビデンス)
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- 動脈硬化の中でも特に問題になる臓器は、心臓の筋肉に酸素と栄養を送りこむ冠動脈です。冠動脈の動脈硬化によっておこる狭心症や心筋梗塞を総称して「虚血性心疾患」といいます。 このうち、血管が細くなるため心臓の筋肉が ...
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★リンクテーブル★
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- a. 寒帯地域での白内障の増加
- b. 温帯地域での皮膚癌の増加
- c. 発展途上国での循環器疾患の増加
- d. マラリア感染危険地域の高緯度への拡大
- e. 温帯地域で熱中症に罹患する高齢者の増加
[正答]
※国試ナビ4※ [102B028]←[国試_102]→[102B030]
[★]
- ☆case79 混乱
- 79歳 女性
- 主訴:混乱
- 現病歴:5年前より高血圧と診断され薬物で加療中であった。混乱がひどくなってきたと訴え娘と来院。娘の話では3週間前より混乱の症状が始まっており、以前は認知機能に問題は無かった。患者は食欲の減退、頭痛、筋痙攣(muscle cramp)も訴えていた。高血圧の治療は診断時よりアテノロールを服用していたが四肢の冷感をうったえて2ヶ月前に中止、ベンドロフルメチアジド1日2.5mgに切り替え特に問題なかった。
- 生活歴:単身であり、近くに娘が住んでいる。
- 嗜好歴:飲酒、喫煙共に無し。
- 服用薬:服用薬無し。近所の薬品屋で購入したビタミン剤は飲んでいる。
- 身体所見 examination
- 皮膚のツルゴール正常。脈拍 80/分、整。血圧 146/90 mmHg。頚静脈圧:正常。異常心音認めず。末梢の浮腫無し。呼吸器系、消化器系異常なし。abbreviated mental test scoreは6/10。時間と場所の見当識無し。局所神経症状無し。眼底に銀線動脈とarteriovenous nippingを認める。乳頭浮腫は認めない。
- 検査所見 investigations
- 低ナトリウム血症、軽度の低カリウム血症、クレアチニン軽度低下、尿浸透圧低下。
- 問診(S)
- 混乱(程度は次第に重度に)
- 食欲減退
- 頭痛
- 筋痙攣
- 高血圧
- アテノロール服用(5年前より2ヶ月前まで。服用により四肢が出る)中止後、ベンドロフルメチアジド服用
- 身体所見(O)
- 高血圧(146/90mmg) → Japanの基準だとI度高血圧(YN.C-162)
- abbreviated mental test score: 6/10 → 認知症/譫妄疑い
- 眼底にsilver-wiringとarteriovenous nippingを認め乳頭浮腫を認めない (YN.C-165)
- (陰性所見)
- ツルゴールは正常 → 脱水を否定
- 高血圧以外の循環器疾患は否定的?、呼吸器、消化器系は正常らしい
- 場所にと時間に関する見当識がないのでJCSだと2
- 局所神経症状なし → 中枢神経系の疾患は考えづらい?
- 検査(O)
- 低ナトリウム血症、軽度の低カリウム血症、クレアチニン軽度低下、尿浸透圧低下。
- ----------------
- ■チアジド系利尿薬
- ・副作用は?
- 低カリウム血症、耐糖能低下、高尿酸血症、高カリウム血症、アルカローシス、GFR↓。(YN.C-62)
- ・禁忌は?
- 無尿、腎不全、糖尿病、高脂血症。(YN.C-62)
- ・特徴(医学用語辞典より)
- ・降圧利尿薬として本態性高血圧症に対する第一選択薬の1つとして用いられる。
- ・有効率が高いこと、至適用量の個人差が少ないこと、効果の発現が緩徐で過度の降圧を来さないことなどの利点を有している。
- ・ベンドロフルメチアジド bendroflumethiazide
- チアジド系利尿薬の一種
- ■アテノロール(YN.C-64)
- ・β1選択性β遮断薬。
- ・心臓のβ1受容体に選択的に作用し、本態性高血圧症、狭心症、頻脈性不整脈に対して有用性が認められている。
- ■学習事項
- ・混乱(confusion)をきたす疾患を鑑別してみよう
- ■abbreviated mental test score (en wikipediaより)
- ・1972年にHodkinsonが老人の認知症の可能性について、迅速に評価できる手法として紹介。
- ・認知症以外にも、混乱や認知機能障害の評価にも使われている。
- ・10の項目があって、答えられると1点。6点以下でdelirium(譫妄)やdementia(認知症)が疑われる。
- ・年齢、今何時、住所を覚えてもらい最後に聞く、今何年、病院名/家の住所、二人の人の認知、誕生日、世界大戦が始まった年、現在の王?の名前、20から1までカウントダウン
- ■診断
- 利尿薬による低ナトリウム血症
- 利尿剤による低ナトリウム血症は治療開始後2,3週間以内に起こりやすい。
- NSAIDも服用している老年女性に多い(NSAIDは水の排泄を抑制)
- メカニズム?:NSAIDはプロスタグランジンの生成を阻害 → レニン分泌↓ → 輸出細動脈は拡張したまま → GFR低下 → 水の排泄がうまくいかないのだろうか。
- ■血漿浸透圧を計算してみよう
- 2 x ([Na+] + [K+]) + [urea] + [glucose] [単位:mOsmol/kg]
- ■低ナトリウム血症(YN.D-138)
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- 英
- cardiovascular disease、CVD
- 関
- 化学蒸着、循環器病、循環器疾患、心血管病、循環器系疾患、心血管系疾患
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- 英
- cardiovascular disease
- 関
- 循環器病、循環器疾患、心血管病、心血管疾患、心血管系疾患
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- 英
- cardiovascular disease
- 関
- 循環器病、循環器疾患、心血管病、心血管疾患、循環器系疾患
[★]
- 英
- cardiovascular agent
- 関
- 心血管作動薬、循環器系薬、心血管系薬剤、循環器作用薬、心血管治療薬、心血管系作用薬
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- 英
- disease, disorder, disturbance, illness, sickness, malady
- 同
- 疾病、病気
- 関
- 疾病、障害、病、乱れ、無秩序、病害、病気、病弊
[★]
- 英
- circulatory organ
- 同
- 循環系 circulatory system
ガイドライン
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- 英
- circulation、circulate、circulatory
- 関
- 血行、循環性、流通、血行路