アヘンアルカロイド塩酸塩、アトロピン
- 関
- アヘンアルカロイド系麻薬
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Japanese Journal
- オピア-ト・リセプタ- (神経組織のレセプタ-<特集>)
Related Links
- オピアト注射液タナベ,アヘンアルカロイド・アトロピン注射液.
- オピアト皮下注「第一三共」,アヘンアルカロイド・アトロピン注射液.
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
オピアト注射液
組成
成分・含量 1管(1mL)中
- 日局 アヘンアルカロイド塩酸塩 20mg
日局 アトロピン硫酸塩水和物 0.3mg
添加物
禁忌
- 重篤な心疾患のある患者〔症状を悪化させるおそれがある。〕
- 重篤な呼吸抑制のある患者〔呼吸抑制を増強する。〕
- 気管支喘息発作中の患者〔気道分泌を妨げる。〕
- 重篤な肝障害のある患者〔昏睡に陥ることがある。〕
- 慢性肺疾患に続発する心不全の患者〔呼吸抑制や循環不全を増強する。〕
- 痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者〔脊髄の刺激効果があらわれる。〕
- 急性アルコール中毒の患者〔呼吸抑制を増強する。〕
- アヘンアルカロイド及びアトロピンに対し過敏症の既往歴のある患者
- 緑内障の患者〔アトロピンの抗コリン作用により房水通路が狭くなり眼圧が上昇し、緑内障を悪化させるおそれがある。〕
- 前立腺肥大による排尿障害、尿道狭窄、尿路手術術後の患者〔排尿障害を増悪することがある。〕
- 器質的幽門狭窄、麻痺性イレウス又は最近消化管手術を行った患者〔消化管運動を抑制する。〕
- 出血性大腸炎の患者〔腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。〕
効能または効果
- ○激しい疼痛時における鎮痛・鎮静・鎮痙
- ○激しい咳嗽発作における鎮咳
- ○激しい下痢症状の改善及び手術後等の腸管蠕動運動の抑制
- ○麻酔前投薬
- 通常成人には、アヘンアルカロイド塩酸塩として1回10mgを皮下に注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 心機能障害のある患者〔循環不全を増強するおそれがある。また、アトロピンの抗コリン作用により、心臓に過負荷をかけるおそれがある。〕
- 呼吸機能障害のある患者〔呼吸抑制を増強するおそれがある。〕
- 肝・腎機能障害のある患者〔代謝・排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがある。〕
- 脳に器質的障害のある患者〔呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。〕
- ショック状態にある患者〔循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。〕
- 代謝性アシドーシスのある患者〔呼吸抑制を起こすおそれがある。〕
- 甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者〔呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。〕
- 甲状腺機能亢進症の患者〔アトロピンの抗コリン作用により、頻脈、体温上昇等の交感神経興奮様症状が増強するおそれがある。〕
- 副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者〔呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。〕
- 薬物依存の既往歴のある患者〔依存性を生じやすい。〕
- 高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
- 新生児、乳児〔「小児等への投与」の項参照〕
- 衰弱者〔呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。〕
- 痙攣の既往歴のある患者〔痙攣を誘発するおそれがある。〕
- 前立腺肥大のある患者〔排尿困難を悪化させるおそれがある。〕
- 胆嚢障害及び胆石のある患者〔胆道痙攣を起こすことがある。〕
- 炎症性腸疾患のある患者〔巨大結腸症を起こすおそれがある。〕
- ジドブジン(アジドチミジン)を投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕
- 高温環境にある患者〔アトロピンの抗コリン作用により発汗抑制が起こり、体温調節が困難になるおそれがある〕
重大な副作用
- 連用により薬物依存(頻度不明)を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、せん妄、振戦、全身の筋肉・関節痛、呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行うこと。
- 呼吸抑制(頻度不明)があらわれることがあるので、息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン塩酸塩、レバロルファン等)が拮抗する。
- 錯乱、せん妄(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 無気肺、気管支痙攣、喉頭浮腫(いずれも頻度不明)があらわれるとの報告がある。
- 炎症性腸疾患の患者に投与した場合、麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸(いずれも頻度不明)があらわれるとの報告がある。
薬効薬理
- アヘンアルカロイド塩酸塩の鎮痛・鎮痙・鎮静作用と、アトロピン硫酸塩水和物の副交感神経抑制作用をあらわす。
有効成分に関する理化学的知見
○分子式
○分子量
○性状
- ・無色の結晶又は白色の結晶性の粉末で、においはない。
- ・水又は酢酸(100)に極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
- ・融点:188〜194℃(分解)
- ・光によって変化する。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- atropine
- ラ
- atropinum
- 化
- 硫酸アトロピン アトロピン硫酸塩 atropine sulfate、臭化メチルアトロピン
- 商
- アトワゴリバース、オピアト、ストメリンD、パビナール・アトロピン、パンアト、モヒアト、リュウアト
- 関
- ムスカリン性受容体、アセチルコリン受容体
- 鎮けい剤
概念
作用機序
- ムスカリン受容体をアセチルコリンやコリン作動薬と競合的に奪い合う→競合的拮抗薬
薬理作用
- 大量投与で神経節、骨格筋のニコチン性受容体の遮断
循環系
- 迷走神経中枢の興奮
- 洞房結節に分泌する副交感神経の遮断
消化系
- 唾液腺抑制→口渇、嚥下困難
- 胃酸分泌抑制、胃腸管の緊張と運動抑制
- 小腸、大腸、胆嚢、胆管の平滑筋の緊張をとり弛緩させる
尿路
- 膀胱底の平滑筋が弛緩し、括約筋が収縮して、排尿困難、尿閉
気道
眼
分泌腺
- 汗腺は交換神経支配であるが、コリン作動性であるので、発汗が抑制される
中枢神経
- 中毒量で興奮作用が現れ、運動失調、不穏、興奮、幻覚、せん妄、錯乱、狂躁状態となる
動態
効能又は効果
- アトロピン注0.05%シリンジ「テルモ」(1mL)
- 胃・十二指腸潰瘍における分泌並びに運動亢進
- 胃腸の痙攣性疼痛
- 痙攣性便秘
- 胆管・尿管の疝痛
- 有機燐系殺虫剤・副交感神経興奮剤の中毒
- 迷走神経性徐脈及び迷走神経性房室伝導障害
- 麻酔前投薬
- その他の徐脈及び房室伝導障害
- ECTの前投与
用量
- Advanced Cardiovascular Life Support Provider manual ISBN 978-1-61669-010-6 p.166
- (ACLSにおける)徐脈:0.5mg静注を3-5分置きに行う。total 0.04mg/kg(3mg)を超えないこと。
- 有機リン中毒:2-4mgあるいはそれ以上
禁忌
- アトロピン注0.05%シリンジ「テルモ」(1mL)
- 1. 緑内障の患者[抗コリン作用により房水通路が狭くなり眼圧が上昇し,緑内障を悪化させるおそれがある.]
- 2. 前立腺肥大による排尿障害のある患者[抗コリン作用による膀胱平滑筋の弛緩,膀胱括約筋の緊張により,排尿困難を悪化させるおそれがある.]
- 3. 麻痺性イレウスの患者[抗コリン作用により消化管運動を抑制し,症状を悪化させるおそれがある.]
- 4. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
注意
- Advanced Cardiovascular Life Support Provider manual ISBN 978-1-61669-010-6 p.166)
- 心筋虚血や低酸素血症の場合、心筋酸素需要を増大させるので注意する。
- 低体温による徐脈では使用を避ける
- Morbit II型のII度房室ブロック(intranodal block)やIII度房室ブロックでは有効でないであろう(paradoxical slowing) ← カテコラミンを使う
- (ACLSにおいて)<0.5mgの用量で静注した場合、paradoxical slowingが起こるかもしれない。
参考
- アトロピン注0.05%シリンジ「テルモ」(1mL)
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1242406G1035_1_06/1242406G1035_1_06?view=body
[★]
- 英
- Crohn disease activity index, CDAI, Crohn's disease activity index, Crohn's Disease Activity Index
- 関
- クローン病、IOIBDスコア、クローン病活動度分類
#
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評価内容
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ウェイト(倍数)
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*1.
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過去1週間の軟便または下痢の回数
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×5
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*2.
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過去1週間の腹痛 (腹痛の状態を毎日評価し、7日分を合計する) 0=なし、1=軽度、2=中等度、3=高度
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×5
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*3.
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過去1週間の主観的な一般状態 (一般状態を毎日評価し7日分を合計する) 0=良好、1=軽度不良、2=不良、3=重症、4=激症
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×7
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*4.
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患者が現在持っている下記項目の数 1) 関節炎/関節痛 2) 虹彩炎/ブドウ膜炎 3) 結節性紅斑/壊死性膿皮症/アフタ性口内炎 4) 裂肛、痔瘻または肛門周囲膿瘍 5) その他の瘻孔 6) 過去1週間100°F(37.8℃)以上の発熱
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×20
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*5.
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下痢に対してlomoti(Lopemin)またはオピアトの服用 0=なし、1=あり
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×30
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*6.
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腹部腫瘤 0=なし、2=疑い、5=確実にあり
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×10
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*7.
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ヘマトクリット: 男(47-Ht) 女(42-Ht)
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×6
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*8.
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体重:標準体重;100x(1-体重/標準体重)
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×1
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*CDAI 150以下:非活動期 450以上:非常に重症
|
[★]
商品
[★]
- 英
- opiate alkaloid, opium alkaloid
- 化
- アヘンアルカロイド塩酸塩 塩酸アヘンアルカロイド opium alkaloid hydrochloride
- 商
- オピアト、オピアル、オピスコ、パンアト、パンオピン、パンスコ、弱オピスコ、弱パンスコ
- 関
- アヘンアルカロイド系麻薬
[★]
- 英
- opium alkaloid and atropine mixture
- 商
- オピアト、パンアト、塩酸アヘンアルカロイド・硫酸アトロピン合剤