ウェゲナー肉芽腫症
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Japanese Journal
- 膠原病と臓器障害(第4回)膠原病と耳鼻咽喉科領域の障害
- Wegener肉芽腫症による軟口蓋全欠損に対しスピーチエイドを装着した1例
Related Links
- を思わせる症状と、鼻、眼、耳、咽喉頭などの上気道および肺、腎の3つの臓器の炎症による症状が、一度にあるいは次々に起こってきます。その原因は、今のところわかっていませんが、全身の血管の炎症による病気(血管炎)の一つ ...
- ウェゲナー肉芽腫症(WG)は病理組織学的に(1)全身の壊死性・肉芽腫性血管炎(2)上気道と肺を主とする壊死性肉芽腫性炎(3)半月体形成腎を呈し、その発症機序に抗好中球細胞質抗体(ANCA)の一つであるプロテイネース-3(PR-3)にたいする ...
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- granulomatosis with polyangiitis GPA
- 同
- (国試)ウェゲナー肉芽腫症 Wegener肉芽腫症、ウェゲナー肉芽腫 Wegener's granulomatosis, Wegener granulomatosis, WG
- 関
- 難病、血管炎、小型血管炎、抗好中球細胞質抗体関連血管炎 antineutrophil cytoplasmic antibody-associated vasculitis AAV
概念
- 難病であり、特定疾患治療研究事業に指定されている。
- 全身性に小動脈以下に壊死性肉芽腫性血管炎を生じる疾患で、特に鼻、肺、腎に出現する上気道症状、下気道症状、腎症が三主徴とされる
- 病理的には上気道・肺に壊死性肉芽腫、腎臓では半月体形成腎炎が認められる。
- PR3-ANCA陽性が特徴的である。
定義
- CHCC 2012
通常、上気道および下気道を障害する壊死性肉芽腫性炎症で、主に小型血管から中型血管(例えば毛細血管、細静脈 または細動脈、動脈そして静脈)も障害する壊死性血管炎。壊死性糸球体腎炎は非常によくみられる。
疫学
- 性別:男女比1:1で性差はなし。
- 年齢:中年に多い。男性では30-60歳代、女性では50-60歳代が多い
病因
病型
- 全身型:以下の症状が全て出現
- 限局型(不全型?):以下の症状の一部が出現
病理
- 参考2
- 1. 上気道、肺、腎臓の巨細胞を伴う壊死性肉芽腫性炎
- 2. 免疫グロブリン沈着を伴わない壊死性半月体形成腎炎
- 3. 小・細動脈の壊死性肉芽腫性血管炎
経過
- 参考2
- 症状はELKの順に出現し、難治性の鼻炎、副鼻腔炎に続いて咳嗽、血痰、胸痛を来たし、発熱、体重減少、腎不全を呈するようになる。
症状
- 参考2
上気道の症状
- E
- 鼻:鞍鼻(鼻中隔の破壊による)、膿性鼻漏、出血
- 眼:眼痛、視力低下、眼球突出(副鼻腔の骨破壊が起きた場合) 「肉芽腫性強膜ぶどう膜炎」も起こる。眼球炎、頭蓋骨の骨破壊も起きうる。
- 耳:中耳炎
- 口腔・咽頭:潰瘍、嗄声、気道閉塞 咽喉頭潰瘍も起きうる。
肺の症状
- L
- 壊死性肉芽腫性病変の多発による結節影や空洞の形成。肺炎様陰影、血性胸水などもみられる。
腎の症状
- K
- 急速進行性糸球体腎炎(病理的には巣状分節状糸球体腎炎~半月体形成性糸球体腎炎)による症状
その他症状
- 全身症状:発熱、体重減少
- 紫斑、多関節炎、上強膜炎、多発神経炎、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、消化管出血(吐血、下血)、胸膜炎
検査
- 白血球:増加
- CRP:上昇
- BUN:上昇
- クレアチニン:上昇
- 胸部単純X線写真:結節性陰影
- 胸部単純CT:結節性陰影
治療
- 免疫抑制薬(シクロホスファミド、アザチオプリン)と大量の副腎皮質ステロイドを併用。
- (副作用)シクロホスファミド:骨髄抑制、出血性膀胱炎。副腎皮質ステロイド:種々
予後
- 未治療で数ヵ月から1-2年で死亡
- 発症早期の免疫抑制療法による加療で高率に寛解
症候スペクトル
参考
- http://www.nanbyou.or.jp/entry/210
- http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/006_s.pdf
[★]
- 英
- complement
- 同
- アレキシン alexin
- 関
- 補体活性化経路、補体価
補体の相互作用 IMM.62
- C1qがカスケードの最初となる。3つの方法で補体カスケードがはじまる。
- (1)多価陰イオン表面(例えば、グラム陰性細菌のリポテイコ酸)
- (2)バクテリアの多糖のホスホコリンに結合(例えば肺炎球菌のC蛋白質)
- (3)抗原抗体複合体に結合して自然免疫と獲得免疫のエフェクター機構を結びつける。
- 炭化水素鎖を認識するレクチンがカスケードの最初となる。
- C3からはじまる。血漿中のC3が病原体の表面で自発的に活性化されることで補体反応がはじまる。
3つの経路は共通してC3 convertaseを生成。C3 convertaseはC3→C3a+C3b
C3a: C3a is a peptide mediator of local inflammation
C3b: C3b binds covalently to the bacterial cell membrane and opsonizes the bacteria
C5 convertaseはC3bにC3 convertaseが結合してできる
C5 converaseはC5→C5a+C5b
C5a: powerful peptide mediator of inflammation
C5b: C5b,C6,C7,C8,C9: membrane-attack complex
C3aとC5a。C4a
- 炎症部位に血管外に抗体、補体、食細胞を集め、組織液を増やすことで抗原提示細胞がリンパ節に移動するのを促進する(IMM.75)
- C5a,C3a,C4a: smooth muscle contraction.(IMM.75)
- C5a,C3a: act on the endo thelial cells lining blood vessels to induce adhesion molecules.(IMM.75)
- C5a>C3a>C4a: increase in blood flow, increase vascular permeability, increase binding of phagocytes to exdothielial cells.(IMM.76)
- C5a: activates mast cells to release mediators, such as histamine and TNF-α. that contribute the inflammatory response(IMM.76).
- C5a: acts directly on neutrophils and monocytes and attracting neutrophils and monocytes(IMM.75)
- C3a: contributes to the pypotension and edema seen in endotoxic shock
- C5a: activated by endotoxin, funcions in neutrophil chemotaxis
C5a
臨床関連
[★]
- 英
- episcleritis
- 関
- 強膜炎、後部強膜炎、壊死性強膜炎
[★]
多発血管炎性肉芽腫症
[★]
- 英
- granuloma
- 関
- 肉芽腫症
分類
- NDE.34
肉芽腫を形成する疾患
- 抗酸菌(結核、、らい菌)
- 真菌(クリプトコッカス、アスペルギルス、ヒストプラズマ、ブラストミセス、コクシジオイデスなど)
- トレポネーマ(梅毒)
- その他の菌(ネコひっかき病など)
- 炎症性疾患(サルコイドーシス、クローン病、血管炎・膠原病、過敏性肺臓炎など)
- 異物(ベリリウム、バリウム、縫合糸)
[★]
- 関
- がん、腫瘍、腫瘤、良性新生物
[★]
- 英
- bulbil、brood bud
- 関
- ムカゴ、鱗芽
[★]
- 英
- blastoma
- 関
- 芽細胞腫