- 英
- paranoid personality disorder
- 同
- 妄想性パーソナリティ障害
- ICD-10
- F60.0
- 関
- 妄想性人格、人格障害
- 含
- 誇大妄想性人格障害、狂信的人格障害、好訴性人格障害、敏感妄想性人格障害
- 除
- 妄想性障害、統合失調症
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妄想性パーソナリティ障害(もうそうせいパーソナリティしょうがい; 英:Paranoid personality disorder)とは、精神科医において、偏執病(パラノイア; 英:Paranoia)的特徴を伴うパーソナリティ障害と診断されるものである。
目次
- 1 概要
- 2 独裁者の病
- 3 関連項目
- 4 外部リンク
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概要
この症状は、拒絶・憤慨・不信に対して過剰な感受性を示すとともに、経験した物事を歪曲して受け止める傾向に特徴がある。普通で友好的な他人の行動であっても、しばしば敵対的や軽蔑的なものと誤って解釈されてしまう。
本人の権利が理解されていないという信念に加えて、パートナーの貞操や貞節に関する根拠の無い疑いであっても、頑固に理屈っぽく執着する。そのような人物は、過剰な自信や自己指示を誇大にする傾向がある。
なお、この文脈で『偏執病』(パラノイア)という用語が意味するのは単なる妄想や精神病の存在ではなく、人々に対する猜疑心や不信が理由もなく進行中であることを意味している。
他人の目的が悪意に満ちているという不信や猜疑心は、後述のような4つ以上の兆候として成人直後に始まり現在まで引き続いて現れてくる:
- 猜疑心:十分な根拠も無く、他人が自分を不当に扱っている・傷つけている・だましていると疑う
- 友人や仲間の貞節や信頼性に対し、不当な疑いを持ち続ける
- 情報が自分に不利なように用いられる、という根拠の無い恐怖のために、他人を信頼するのに躊躇する
- 善意からの発言や行動に対し、自分を卑しめたり恐怖に陥れるような意味あいがないか探る
- 執拗に恨みを持つ:自分が受けた無礼、負傷、侮辱などを許さない
- 自分の性格や世間体が他人に伝わっていないことに攻撃性を察知して、すぐに怒って反応したり反撃する
- 配偶者や異性のパートナーの貞操に対し、正当な理由もなく、繰り返し疑いを持つ
除外される状況としては、
- 精神病的な特徴を伴う気分障害や統合失調症、およびその他の精神病的障害との間に、排他的に生じないこと
- 一般的な医療環境に伴う心理学的効果で生じていないこと
がある。
独裁者の病
この障害は強大な権力を持つ者、特に一代で成り上がった絶対権力者に非常に多く、独裁者の病であることが知られている。
独裁者は常に他人に蹴落とされる可能性(それも命を失う可能性)を秘めており、部下を常時監視する必要がある。成り上がりの独裁者は自分が独裁者になる過程で、前の支配者を謀略で失脚させるようなことをしていたり、自身の暗殺計画が発覚したり、実行されたりすれば、より部下を全く信用することができなくなり、さらに命を狙われる可能性が常にある為、元々の性格はそんな兆候のない者でも、成り上がった独裁者は必然的に妄想性パーソナリティ障害になり、ならない独裁者の方が少ない(例:ロバート・ムガベ、豊臣秀吉)。なお普通の巨大な会社の社長や、巨大宗教団体(特に新興宗教)の教祖にも見受けられる。
(参考文献:パーソナリティ障害 岡田尊司著 PHP新書)
関連項目
外部リンク
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Japanese Journal
- 高齢者の妄想性人格障害 (特集 高齢者の人格障害)
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- 妄想性人格障害では『理性的な思考・論理的な筋道・客観的な根拠』が通用しないこと が多く、具体的な証拠をもとに丁寧に現実状況を説明しても、『理屈を並べて自分のこと を陥れようとしている』という強い猜疑心を見せます。妄想性人格障害の本態は、『他者 を ...
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★リンクテーブル★
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- 英
- schizophrenia like symptoms
-
[★]
- 英
- personality disorder
- 関
- 性格障害
DSM-IV
- 他人から見て奇異、風変わりな印象を与え、内向的で社会から孤立し、引きこもる傾向があり、社会の辺縁に身を置く。
- 他者への根強い不信の念があり、しかるべき根拠がないのに、自分に対する敵意を感じたり、馬鹿にする、他人が利用する、危害を加えるなどという疑念を抱く。
- きわめて内向的で、人との接触に乏しく、自分の中に引きこもり、周囲から変わり者と見なされていることも少なくない。親しい友人や信頼できる友人がなく、他人との親密な関係に欠ける。他人との感情の分かち合い、優しさ、温かさがない。
- 統合失調質人格障害の諸特徴にくわえて、他人に対する被害的内容を中心とした関係念慮、テレパシーや超能力への関心、また話が要領を得ず論理的なまとまりを欠く、不適切な思考が出没するといった明らかな病的障害が認められるもの。
- 情動面の激しさと不安定さがあり、外向的だが、時に他者に対する関係は嵐が来たように激しく攻撃的となる。
- 行動:他者に対する攻撃性が目立ち、喧嘩、他者への暴力、器物破損などが繰り返される。社会規範が守れず、盗みや暴力、あるいは薬物乱用のため警察に逮捕されることが少なくない。職を転々と変えたりして、持続的な就労がなされない。社会的な責任感を欠き、無責任な行動だらしなさが目立つ。
- 感情・情動:不安定かつ荒々しい気象で、些細なことを我慢できず易怒的となる。罪悪感、後悔の念、優しさに欠け、他者に対する憎しみ、冷酷な感情を抱く。また不安感は乏しい。
- 対人関係:自己中心的で共感性を欠き、しばしば誇大的で、他者に対し、支配的あるいは操作的な態度が目立ち、長期的な人間関係を維持できない。
- 人格の様々な領域における不安定性と自己の空虚感が目立つ
- 感情・情動:挿間的に出現する強い不快感、いらいら、不安の出現
- 行動:こうした空虚感や抑うつを伴う感情・情動不安定の中で、突然、手首切傷や薬を大量に服用した自殺企図、あるいは性的逸脱、薬物乱用、浪費、過食などが衝動的な行為の形で出現する。
- 対人関係:友人や初対面の人を前にして限られた時間なら表面的には如才ない。身近な他者に対し、しがみつくような形の依存的態度が目立ち、他者との適切な距離がとれない。
- 対人関係にもっとも大きな特徴がある。劇場の演技に比較される、他人の注意を引こうとする度を過ぎた自己顕示的行動が多い。
- 自分には実際以上に優れた才能、力があるという度を超した自負心を持つ
- 他人の注意を自分にずっと引きつけ、賞賛されたいという自己顕示的欲求を持つ
- 他者の自己評価には過敏で、些細な批判的な言葉や態度で容易に傷つき、手ひどい羞恥心や屈辱感を味わう。
- 不安げで、臆病で内向的
- 他人と親しく交わりたい、他人に自分を受け入れてもらいたいという願望を強く持っている者の、自信がなく、劣等感があり、低い自己評価のため他者の批判や拒絶を気にし、恥をかくことや非難されることをおそれて、対人関係は浅くなる。
- 自分の信頼できる人に著しい依存を見せ、面倒を見てもらいたいという強い願望を持ち、その人へ自分をゆだね、没主体的な従属的な振る舞いをする。
- 過度の秩序意識や、几帳面さと完全主義が認められ、そのため、日常生活や仕事の場面で柔軟性を欠き、かたくなな態度が目立つ。
USMLE
[★]
- 英
- delusion
概念
- 思考内容の異常 → 思考障害
- 誤った考え方や意味づけに異常な確信を持ち訂正できないような思考内容の異常。
定義
- 1. 非常な信念、何ものにも比べられない主観的な確信
- 2, 経験上こうであるはずだとか、こうだからこうなるという正しい論理に従わせることができない
- 3. 内容がありえないこと
分類
発生過程による分類
- 妄想着想:突然何の前触れもなく妄想が思いつく妄想
- 妄想知覚:実際の知覚に対して特別の意味づけがなされ、強く確信される妄想
- 妄想気分:周りがいつもと違い、何か不気味で「大変なことが起こりそうだ」という不安に襲われる
- 二次妄想:状況・感情・性格の反応として妄想の発生が了解できるもの。鬱病の貧困妄想や罪業妄想などは抑うつ気分から生じたものと了解される。
妄想内容による分類
被害的内容
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統合失調症に多い
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迫害妄想
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自分が迫害されているという妄想
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被害妄想
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他人から悪意をもって害されていると信じる妄想
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追跡妄想
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追跡されているという妄想
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関係妄想
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周囲に起こっている現実を自らに結びつけて考える妄想
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注察妄想
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「常に盗聴されている」とか「隠しカメラで監視されている」と思い込む妄想
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被毒妄想
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食事に毒を入れられているという妄想
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嫉妬妄想
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恋人が浮気していると確信する
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盗害妄想
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自分の物を盗まれたと思い込む妄想
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誇大的内容
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躁状態、統合失調症
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誇大妄想
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自己を過剰評価したり、地位・財産・能力があるように思い込む妄想
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血統妄想
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自分が高貴な家系と確信する妄想
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宗教妄想
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自分が宗教上の救世主と確信する妄想
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発明妄想
|
自分がすばらしい発明したと確信する妄想
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恋愛妄想
|
他人が自分を愛しているという妄想
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微小的内容
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うつ状態
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貧困妄想
|
自分は非常に貧しい、借金を抱えてしまったなどと信じる妄想
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罪業妄想
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自分は非常に悪い存在だ、罰せられるべきだ、皆に迷惑をかけているなどと思いこむ妄想
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心気妄想
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自分の身体の一部が病気にかかっていると思いこむ妄想
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虚無妄想
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自分の体や世界がなくなったと確信する妄想
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精神疾患と妄想
[★]
- 英
- disorder、impairment、dysfunction、damage、difficulty、(妨げ)barrier、impediment、obstacle、disturbance、foe、(化学)hindrance、disorder、impair、lesion
- 関
- 妨げ、撹乱、関門、機能障害、機能不全、困難、傷害、障壁、損なう、損傷、ダメージ、破壊、破損、バリヤー、病変、不安、妨害、乱れ、無秩序、機能異常症、敵、疾患、バリア、バリアー、機能異常、機能不全症
[★]
harm、hazard、injure
- 関
- 危険、損傷、ハザード、傷害を与える、害する
[★]
- 英
- personality
- 同
- パーソナリティ
- 関
- 性格