- 英
- dependent personality disorder
- 同
- パーソナリティ
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/09/28 01:54:03」(JST)
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依存性パーソナリティ障害 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
F60.7 |
ICD-9 |
301.6 |
MedlinePlus |
000941 |
MeSH |
D003859 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
テンプレートを表示 |
パーソナリティ障害 |
A群 (奇異型) |
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B群 (劇場型) |
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C群 (不安型) |
|
特定不能 |
- 抑うつ性
- 受動攻撃性
- サディスティック
自己敗北性
- 精神病質
|
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依存性パーソナリティ障害(いそんせいパーソナリティしょうがい、英語: Dependent personality disorder,DPD)は、他者への心理的依存が強く、何事も一人できないという広範で持続的な様式を持つパーソナリティ障害である。
目次
- 1 診断
- 2 ゴロ合わせ
- 3 脚注
- 4 参考文献
- 5 関連項目
診断
DSM-IV-TR
DSM-IV-TRでは、依存性パーソナリティ障害を、「過剰に面倒をみてもらいたい(構ってもらいたい)欲求があり、まとわり付く行動を取り、分離することを恐れる」ことと定義する。また、依存性パーソナリティ障害と診断するいくつかの指針を示している。
- 他者からの過剰のアドバイスがなければ、物事を決定できない。
- 責任を負うために、他者を必要とする。
- 他者の賛同を失うことを恐れ、反対意見を述べることができない。(この恐怖は、現実的な評価を超えたものである)
- 自ら物事を開始することができない (これは自信の無さに起因する)
- 他人の保護を得るために、不愉快なことまでを行う。
- 自らを保護することができないという肥大化した恐怖により、精神不安または無力感を覚える。
- 他者との密接な関係が終わると、過剰に不安になり、保護を得られる新しい者を探しだす。
- 保護してもらえなくなるという非現実的な恐怖に囚われている。
なお、パーソナリティ障害の診断は、特定のパーソナリティの特徴が成人期早期までに明らかになっており、薬物やストレスなど一過性の状態とも区別されており、臨床的に著しい苦痛や機能の障害を呈している必要がある。
ICD
ICD-10精神と行動の障害においては、診断コード60.7である。
ICD-10もまた、いかなるパーソナリティ障害の診断においてもパーソナリティ障害の全般的診断ガイドラインを満たすことを求めている[3]。
ゴロ合わせ
DEPENDENT(依存)という言葉の頭文字を使い、依存性パーソナリティ障害の定義を覚えることができる。
- D – Difficulty making everyday decisions
- E – Excessive lengths to obtain nurturance and support from others
- P – Preoccupied with fears of being left to take care of self
- E – Exaggerated fears of being unable to care for himself or herself
- N – Needs others to assume responsibility for his or her life
- D – Difficulty expressing disagreement with others
- E – End of a close relationship is the beginning of another relationship
- N – Noticeable difficulties in initiating projects or doing things on his or her own
- T – “Take care of me” is his or her motto
脚注
- ^ 世界保健機関・(翻訳)融道男、小見山実、大久保善朗、中根允文、岡崎祐士 『ICD‐10精神および行動の障害:臨床記述と診断ガイドライン』 医学書院、2005年、新訂版、212頁。ISBN 978-4-260-00133-5。、世界保健機関 (1992) (pdf). The ICD-10 Classification of Mental and Behavioural Disorders : Clinical descriptions and diagnostic guidelines (blue book). World Health Organization. http://www.who.int/classifications/icd/en/bluebook.pdf.
参考文献
- アメリカ精神医学会・(翻訳)高橋三郎・大野裕・染矢俊幸 『DSM-IV-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル』 医学書院、2004年、新訂版。ISBN 978-0890420256。
関連項目
DSMにおけるパーソナリティ障害 |
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DSM-III-R のみ |
- サディスティック
- 自己敗北性 (マゾキスティック)
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DSM-IV のみ |
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DSM-5
(分類モデル) |
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DSM-5 |
III 軸にある新たな統合的多次元分類モデルは刺激的な更なる研究成果を含んでいる
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ICD-10におけるパーソナリティ障害 |
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統合失調型 |
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特定のパーソナリティ障害 |
- 強迫性
- 不安性 (回避性)
- 依存性
- 非社会性
- 情緒不安定性
- 演技性
- 妄想性
- 統合失調質
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その他
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- エキセントリック
- 軽佻者型
- 未熟性
- 自己愛性
- 受動攻撃性
- 神経症性
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特定不能の成人のパーソナリティおよび行動の障害 |
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Japanese Journal
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[★]
- 英
- personality disorder
- 関
- 性格障害
DSM-IV
- 他人から見て奇異、風変わりな印象を与え、内向的で社会から孤立し、引きこもる傾向があり、社会の辺縁に身を置く。
- 他者への根強い不信の念があり、しかるべき根拠がないのに、自分に対する敵意を感じたり、馬鹿にする、他人が利用する、危害を加えるなどという疑念を抱く。
- きわめて内向的で、人との接触に乏しく、自分の中に引きこもり、周囲から変わり者と見なされていることも少なくない。親しい友人や信頼できる友人がなく、他人との親密な関係に欠ける。他人との感情の分かち合い、優しさ、温かさがない。
- 統合失調質人格障害の諸特徴にくわえて、他人に対する被害的内容を中心とした関係念慮、テレパシーや超能力への関心、また話が要領を得ず論理的なまとまりを欠く、不適切な思考が出没するといった明らかな病的障害が認められるもの。
- 情動面の激しさと不安定さがあり、外向的だが、時に他者に対する関係は嵐が来たように激しく攻撃的となる。
- 行動:他者に対する攻撃性が目立ち、喧嘩、他者への暴力、器物破損などが繰り返される。社会規範が守れず、盗みや暴力、あるいは薬物乱用のため警察に逮捕されることが少なくない。職を転々と変えたりして、持続的な就労がなされない。社会的な責任感を欠き、無責任な行動だらしなさが目立つ。
- 感情・情動:不安定かつ荒々しい気象で、些細なことを我慢できず易怒的となる。罪悪感、後悔の念、優しさに欠け、他者に対する憎しみ、冷酷な感情を抱く。また不安感は乏しい。
- 対人関係:自己中心的で共感性を欠き、しばしば誇大的で、他者に対し、支配的あるいは操作的な態度が目立ち、長期的な人間関係を維持できない。
- 人格の様々な領域における不安定性と自己の空虚感が目立つ
- 感情・情動:挿間的に出現する強い不快感、いらいら、不安の出現
- 行動:こうした空虚感や抑うつを伴う感情・情動不安定の中で、突然、手首切傷や薬を大量に服用した自殺企図、あるいは性的逸脱、薬物乱用、浪費、過食などが衝動的な行為の形で出現する。
- 対人関係:友人や初対面の人を前にして限られた時間なら表面的には如才ない。身近な他者に対し、しがみつくような形の依存的態度が目立ち、他者との適切な距離がとれない。
- 対人関係にもっとも大きな特徴がある。劇場の演技に比較される、他人の注意を引こうとする度を過ぎた自己顕示的行動が多い。
- 自分には実際以上に優れた才能、力があるという度を超した自負心を持つ
- 他人の注意を自分にずっと引きつけ、賞賛されたいという自己顕示的欲求を持つ
- 他者の自己評価には過敏で、些細な批判的な言葉や態度で容易に傷つき、手ひどい羞恥心や屈辱感を味わう。
- 不安げで、臆病で内向的
- 他人と親しく交わりたい、他人に自分を受け入れてもらいたいという願望を強く持っている者の、自信がなく、劣等感があり、低い自己評価のため他者の批判や拒絶を気にし、恥をかくことや非難されることをおそれて、対人関係は浅くなる。
- 自分の信頼できる人に著しい依存を見せ、面倒を見てもらいたいという強い願望を持ち、その人へ自分をゆだね、没主体的な従属的な振る舞いをする。
- 過度の秩序意識や、几帳面さと完全主義が認められ、そのため、日常生活や仕事の場面で柔軟性を欠き、かたくなな態度が目立つ。
USMLE
[★]
- 英
- dependence
- 関
- 薬物依存、麻薬中毒
依存の3要素
- 1. 身体依存:精神作用物質が長時間体内にあり、効果を発現し続ける結果、生体がその物質に適応して正常に近い機能を営むようになった状態。身体依存が生じる薬物は抑制性の薬物で、離脱症状は興奮性となる
- 2. 精神依存:精神作用物質を使用したいというしばしば強く、時には抵抗できない欲求
- 3. 耐性 :精神作用物質の効果が長期の摂取のために減弱し、初期の効果を得るためにより大量の摂取が必要となった状態
[★]
- 英
- disorder、impairment、dysfunction、damage、difficulty、(妨げ)barrier、impediment、obstacle、disturbance、foe、(化学)hindrance、disorder、impair、lesion
- 関
- 妨げ、撹乱、関門、機能障害、機能不全、困難、傷害、障壁、損なう、損傷、ダメージ、破壊、破損、バリヤー、病変、不安、妨害、乱れ、無秩序、機能異常症、敵、疾患、バリア、バリアー、機能異常、機能不全症
[★]
harm、hazard、injure
- 関
- 危険、損傷、ハザード、傷害を与える、害する
[★]
- 英
- dependency、dependent
- 関
- 依存、依存的、依存型、依存度